既婚者との食事だけでは不貞行為にならない!慰謝料請求された場合の対処法
既婚者の方と食事をしただけなのに、相手の配偶者から不貞行為の慰謝料を請求された…食事だけの関係だけでも不貞行為になるのだろうか…

このようにお考えではないでしょうか。

結論から言いますと、既婚者と一緒に食事をしだだけでは不貞行為にはなりません。「不貞行為」とは婚姻や内縁関係にある配偶者がいる相手と性行為または性交類似行為をすることを指すからです。もっとも、ホテルや相手の自宅などの密室で二人きりで食事をしたケースでは、性的な関係があったと推認され、不貞行為にもとづく慰謝料請求が認められる可能性もあります

この記事では、上記内容につき詳しく解説するとともに、既婚者と食事しただけで不貞行為の慰謝料請求をされた場合の対処法について、慰謝料問題に強い弁護士がわかりやすく解説していきます。

なお、この記事を最後まで読んでも問題解決しない場合には、全国無料相談の弁護士までご相談ください

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既婚者と食事しただけでは不貞行為にならない理由

冒頭でお伝えした通り、「不貞行為」とは婚姻や内縁関係にある配偶者がいる相手と性行為または性交類似行為をすることを指すため、既婚者と一緒に食事をしただけでは「不貞行為」にはなりません。

なぜ法律は不貞行為について性行為まで必要と考えているのでしょうか。

まず、民法には、「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない」として(民法第752条)、夫婦の同居義務を定めています。そして、「配偶者に不貞な行為があったとき」には法定離婚事由として裁判離婚を請求することができるとされています(民法第770条1項1号)。

このような規定から夫婦は互いに貞操を守る義務があると同時に、それぞれが権利として貞操権を有していると考えられているのです。

そして判例も、不貞行為については、「配偶者のある者が、自由な意思にもとづいて、配偶者以外の者と性的関係を結ぶことをいうのであって、この場合、相手方の自由な意思に基づく者であるか否かは問わない」としています(最高裁判所昭和48年11月15日判決)。

したがって、既婚者と一緒に食事をしただけでは不貞行為には該当しません。

不貞行為について詳しくは、どこからが不貞行為?判断基準や浮気・不倫との違いを弁護士が解説をご覧になってください。

「食事をしただけ」と主張しても不貞行為があったと判断され得るケース

ホテルの室内で食事をしたケース

実際は既婚者と一緒に食事をしただけの場合であっても、そのような主張が通用しないケースもあります。

例えば、2人きりのホテルの部屋で食事をした場合には、状況次第では、性行為があったと判断されるおそれがあるのです。

性行為は通常、第三者がアクセスできない密室で行われることが多いため、2人きりで過ごした時間や場所、その状況などの客観的な事実から推認されることが多いです。

もちろんホテルで2人きりで食事をした場合であっても、第三者や店員の目があるホテル併設のレストランを利用した場合には不貞行為があったとは推認されません。

しかし一方で、2人以外の第三者の目がなく、寝室やバスルームが備え付けてあるホテルの客室で数時間一緒に過ごした場合には、たとえ食事だけの関係であったとしても当該異性と性行為があったものと判断される可能性が高まります。

相手の自宅で食事をしたケース

また、相手方の自宅で食事をした場合にも、性行為はなかったという言い訳が通じない可能性があります

そもそも異性の自宅に行って2人だけで食事をするという行為は、それなりに親密な相手でなければ取らない行動でしょう。

さらにこの場合、相手方の自宅での滞在時間の長さや出入り回数の多さなどから、経験則に基づき性的関係にあったかどうかが判断されることになります。

異性の自宅に数時間滞在し、それ以前にも数回自宅を訪れる関係で、部屋の電気が消えていた時間帯があったという場合には、相当親密な間柄であることが推認され、性的関係になかったと主張しても通用しない可能性があります。

食事のみで実際に不貞行為がなかった場合には慰謝料請求されることはない?

肉体関係以外にも慰謝料請求が認められる可能性はあります

ここで慰謝料請求の根拠について整理しておきましょう。慰謝料は、不法行為に基づく損害賠償請求の一種として、精神的苦痛に対して支払われる金銭のことを指します。

民法には不法行為責任について、「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」と規定しています(民法第709条)。

そのため、貞操権以外であっても「権利・利益の侵害」があると認められれば、慰謝料の請求が認められる可能性があります。具体的には以下のようなケースです。

異性との親密な関係を繰り返している

過去に異性と親密な関係を配偶者から咎(とが)められ、夫婦の間で二度と同じ行為を繰り返さないと約束していた場合に、さらに同一人物や別の異性と親密な関係を持つに至ったというケースでは、慰謝料を請求される可能性があります

ただ過去に夫婦間で約束を取り交わしていたとしても、口約束だけの場合には、相手方配偶者から「そのような約束はした記憶はない」と言われてしまうおしれがあります。

したがって、慰謝料を請求するためには、合意書や念書など客観的にそのような約束を取り交わした事実が立証できる必要があるでしょう

異性との間で恋愛関係がある

相手方配偶者が、配偶者に精神的苦痛が生じていることを分かっていながら、異性との間で恋愛関係を継続している場合には、慰謝料を請求できる可能性があります

このような関係が不法行為になるといえるためには、異性との通常のスキンシップや冗談の範囲を超えて社会通念上許容されない程度に至っているといえる必要があるでしょう。

具体的には、肉体関係こそないものの現在の婚姻関係を解消して将来の結婚について約束しているなど、相手方配偶者と第三者との間に恋愛関係があるといえる証拠が必要となるでしょう。

頻繁に異性とキスをしたり抱き合ったりしている

相手方配偶者が、配偶者に精神的苦痛が生じていることを知りながら、頻繁に異性と出かけたり、キスやハグなどのスキンシップをとっている場合には、第三者との間に肉体関係がなかったとしても不法行為に基づく慰謝料請求ができる可能性があります

しかし、肉体関係を伴わない異性交際や、キスやハグなどは不貞行為には該当しないため、慰謝料の金額も不貞行為があった場合よりは低額になると考えられます。

ただし、異性交際やスキンシップが相当長期にわたり、配偶者が何度も咎めていながら気にせず継続していたという事情は、違法行為の悪質性が高く慰謝料の増額に傾く事情となり得ます。

悪質な異性交際やスキンシップによって夫婦関係を破綻させたと評価できる場合には、不貞行為に匹敵する違法性があると判断される可能性もあるのです。

食事のみで不貞行為の慰謝料請求をされた場合の対処法

請求に対して無視はしない

既婚者と食事に行っただけで慰謝料の請求を受けてしまう可能性があります。

この記事では、既婚者と食事に行っただけでは不貞行為は成立しないため、原則として慰謝料の支払い義務は発生しないことを解説してきました。

ここで、請求者の請求は認められないと結論づけて、請求を無視して放置することはおすすめしません

請求者側としては、あなたが不貞行為をしていると考えて請求している可能性が高いことから、任意での支払いに応じなければ次は慰謝料支払請求訴訟を提起してくる可能性があります。

訴訟が提起された場合には、期限までに答弁書を提出したり期日に出席して反論するなどの対応をとらなければ、原告側の請求が認められてしまう可能性があります。

また、請求者は感情的になっているケースも多く、無碍に扱われたと考えると家族や勤務先、あるいはインターネット上に「こいつは不倫している」などと公表して誹謗中傷してくる可能性もあります。怒りが爆発した結果、あなたの自宅や職場に怒鳴りこんだり電話をかけてきたりするおそれもあります。

慰謝料の請求を受けた場合には、適切に対応することで、のちのち複雑なトラブルに発展しないように未然に予防できるケースもあるのです。

食事のみであることを伝えたうえで誤解を与えた点については謝罪する

請求者は、あなたと食事相手との関係を誤解している可能性があります。

事実として食事をしただけでそれ以上の関係がないというのであれば、落ち着いてそのように伝えることで誤解が解ける可能性も十分にあります。

誤解を与えた点は素直に謝罪の意を示し、今後は食事であっても2人では会わないことを約束しましょう。そうすることで請求者側も冷静さを取り戻し誤解していたとして、慰謝料の請求を取り下げる可能性があります。

弁護士に対応を任せる

被害者から慰謝料の請求を受けた場合には、すぐに弁護士に相談することがおすすめです

食事のみでは不貞行為は成立しないことを解説しましたが、一方で不貞行為がなくても慰謝料の請求が認められるケースは存在しています。

そのため、「肉体関係がないから大丈夫」と早計に判断しないようにしてください。

また、あなたのことを不貞相手だと誤解している場合には、当事者同士では冷静に話し合いができない可能性があります。相手は自分を被害者だと思っているため感情的、高圧的に様々な要求や誹謗中傷を受ける可能性もあります。

そこで、相手方とのやり取りを含めて弁護士に対応を依頼した方が、スムーズに解決できるケースもたくさんあります。もし既婚者と食事をして慰謝料を請求されそうで悩まれている方は、一度当事務所の弁護士にご相談ください。

当事務所では、不倫の慰謝料請求をされている場合の相手との交渉を得意としており多数の解決実績があります。親身誠実に弁護士が依頼者のために全力を尽くします。食事をしただけなのに不倫を疑われて慰謝料請求されている方は当事務所の弁護士までご相談ください。お力になれると思います。

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