数次相続の基礎知識|数次相続で上手に遺産分割をする方法とは?

ある人が死亡した場合、その人を被相続人とする相続が開始することになります。相続が発生した場合には、相続人によって遺産分割協議や相続不動産に関して相続登記などを行う必要があります。

遺産分割協議が成立することによって、相続人の権利関係が確定し、相続は終了します。

しかし、これらを行わない間に相続人が死亡してしまうケースが世間ではよくあるのです。このように、ある相続に関してまだ相続が終了していないにもかかわらず相続人が死亡してしまう事例のことを「数次相続(すうじそうぞく)」といいます

たとえば、父親が死亡した場合を考えてみましょう。父親が死亡した場合、その子供と母親が相続人となることが一般的です。この場合、父親の相続に関しては母親と子供で遺産分割協議を行うことになります。
しかし、それが終わらないうちに母親が死亡してしまった場合、子供たちは父親の相続に関する遺産分割協議だけでなく、母親の相続に関しての遺産分割協議も行わなければならないのです。

この場合、母親の相続財産の中には、母親が父親から相続するはずだった財産も含まれることになります。このため子供たちは、つぎのような2回分の相続に関して遺産分割協議を行うことになるのです。

① 父親 → 子供
② 父親 → 母親 → 子供

このように相続が2度以上重複してしまっている相続のことを数次相続といいます

今回は、この「数次相続」に関して解説させていただきます。

数次相続は複雑な手続きとなるため、弁護士への相談がおすすめです。

数次相続の各種手続きを弁護士に依頼すると、つぎのようなメリットが受けられます。

数次相続の手続きを弁護士に依頼するメリット
  • ① 自分の法律上の権利がどれくらいあるのか教えてもらえる
  • ② 相続問題を早期解決できる
  • ③ 複雑で面倒な相続登記もすべて任せることができる
  • ④ 代襲相続の有無を判断してくれる
  • ⑤ 遺産分割をリードしてくれるため損することを防げる
  • ⑥ 相続開始後の混乱による財産の持ち逃げを防止できる

このような不安や悩みがある場合、弁護士に相談することで解決できる可能性があります。

当事務所は、「日本一敷居の低い弁護士事務所」を目指し、無料で相談を承っております。しかも1日24時間、1年365日相談に対応しております。相談だけであれば、何度でも無料ですので、お気軽にご相談ください。

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数次相続とは?

相続が発生し、相続人が複数いる場合、遺産分割協議を行う必要があります。しかし、この遺産分割協議は「いつまでに行わなければいけない」という法律上のルールは現時点ではありません。

しかし、それをいいことに長い年月遺産分割協議を放置してしまうと、その間に相続人の中に死亡する人が出てくることになります。その場合、最初の相続問題が解決されない状態で、さらに相続が発生することになります。

このように複数の相続が重なった場合、被相続人や相続人が多くなりそれらの人々の権利関係が複雑になってしまう可能性が高くなります
相続に関する当事者が多くなると、遺産分割協議で誰がどの相続財産を取得するのか、どう遺産分割すべきなのかなどの点でトラブルに発展する事例がたくさんあります。

このようなことを避けるためには遺産分割協議は相続開始後、なるべく早く行う必要があるのです

2次相続の具体例

上記の図は、数次相続の具体例です。これは、つぎのような設例を図に表した数次相続の具体例です。

設例
①夫婦である「甲」・「乙」の間に3人の子供「A」・「B」・「C」がいる②Cには配偶者「X」がいます(Cには子供がいません)③甲は、すでに死去しています

相続関係図。甲(父)と乙(母)の間に、ABCの3人の子供がいる。Cには配偶者Xがいる。CとXとの間に子供はいない。

この事例で最初にCが死亡したした場合、Cには子供がいないため、Cの相続(1次相続)の法定相続人は乙(直系尊属)とX(配偶者)となります(「1次相続」とは、数次相続の中で最初に発生した相続のことです)。

しかし遺産分割協議が成立する前に乙が死亡し、Cの相続財産について2次相続(2回目の相続)が発生した場合、相続関係はどうなるでしょうか?

この事例では、Cの財産について本来であればA・Bは相続人になりません。A・Bは被相続人Cの兄弟姉妹であるため第3順位の相続人だからです。

しかしCの相続人である乙が死亡したため、乙が相続するはずだったCの相続財産に対する権利(相続権)が、乙の相続人に受け継がれることになります。
乙の相続では、A・B(子供)が相続人となります。

その結果として、Cの相続財産については、XだけでなくA・Bも含めた3人で遺産分割協議をする必要があります。

1次相続(被相続人C)の相続人と相続分

① 乙(直系尊属):3分の1
② X(配偶者):3分の2

2次相続(被相続人乙)の相続人と相続分

① A:2分の1
② B:2分の1

乙の1次相続の相続分3分の1についても、A・Bが2分の1ずつ相続します。

数次相続は解決が難しい

2次相続の具体例でお分かりいただけるように、数次相続は相続が多く発生するほど関係者が多くなり、当事者の権利関係が複雑になります。
2次相続より3次相続、3次相続より4次相続……と、どんどん関係者は多くなり、血縁関係としても遠くなっていくことが一般的です。

数次相続がいくつも重なると当事者で遺産分割協議をすること自体が難しくなり相続問題を解決することが非常に困難になるのです。

数次相続は、遺産分割協議を早めに行うことによって防ぐことが可能です。相続が発生した場合には、なるべく早く遺産分割協議を行うよう心がけてください。

数次相続と代襲相続

数次相続は、遺産分割協議が成立する前に相続人が死亡し、重複して相続が発生するケースのことをいいます。
これに対して代襲相続とは、本来であれば相続人になれた人が相続権を失ったため、その子供などが代わって相続する制度のことをいいます。

代襲相続とは、父親が死んで子供が相続人となるはずだったのに、その子供が父親の死亡以前に死んでしまっているような場合に起こるというのが典型例です。
この場合、相続人になるはずだった子供に代わって孫が相続人になることができるのです。

数次相続と代襲相続は似通っているため混同されがちですが関係者の亡くなる順序に違いがあります

数次相続の相続登記

数次相続が発生している場合、不動産に関する相続登記では登記簿上の所有者(名義人)から、遺産分割によって不動産を取得した人に直接移転登記をすることができる場合があります
この場合、途中に何代相続が発生していても問題ありません。

ただし、中間の相続を省略することが認められるためには省略される各相続が単独で行われていることが条件となります。単独の相続とは、不動産に関するそれぞれの相続が複数の相続人によって共有されるのではなく、1人によって相続されるということを意味します。

相続人が複数いる場合でも、それぞれの相続に関する遺産分割協議によって、対象となる不動産の相続人が1人だけとなれば単独の相続ということになり、相続登記の省略が認められることになります。

まとめ

今回は、数次相続をテーマに解説させていただきました。

親族に相続が開始した場合、相続人はなるべく早く遺産分割協議を行うことが大切です。
それを長期間放置してしまうと、数次相続が発生する可能性が高くなってしまうからです。数次相続が発生した場合、相続に関する利害関係者が多数に上ることになり、遺産分割協議を成立させることが難しくなってしまいます。

相続問題でお悩みの場合、弁護士に相談することはベストな方法です。
相続問題はお金に関係するだけに、当事者の関係が悪くなってしまうと、とことんトラブルが深刻になっていってしまうもの。そのようなことを避けるためには、なるべく早い段階で弁護士に相談することをおすすめします。

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