直系尊属とは?|直系卑属との違いを図で分かりやすく解説

直系尊属という言葉は、たとえば相続の順位について規定した民法889条に出てきます(相続順位については後記1⑶で解説します)。このように、誰が直系尊属にあたるかについては、相続などの場面で必要となる知識です。この記事をご覧の方の中にも相続の問題に直面されている方も多いのではないでしょうか?

そこで、この記事では相続に詳しい弁護士が

・直系尊属の意味

について解説するとともに、

・直系卑属との違い

・姻族、親族の意味

についても詳しく解説してまいります。

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1.直系尊属とは?

直系尊属とは、分かりやすくいうと、自分から見て目上の血縁関係にある人のことをいいます。直系尊属は「直系」「尊属」という二つの言葉から成り立っていますから、以下それぞれ分けてご説明します。

⑴ 直系とは?

直系とは、自分から見て上下に走った直線的系列のことです。

したがって、両親、祖父母、子、孫などは直系にあたります。反対に、直線的系列から外れた兄弟姉妹、おい・めい、おじ・おばなどは直系にあたりません。

他方、直系に対して傍系という言葉があります。傍系とは、自分から見て上下ではなく横にある系列のことです(直系以外の系列)。したがって、先ほど直系ではなかった兄弟姉妹、おい・めい、おじ・おばは傍系にあたります。

⑵ 尊属とは?

尊属とは、自分から上の世代にある血族をいいます。「血族」とは法的に血縁関係にあるとされる人のことをいいます。したがって、直系の両親、祖父母はもちろん、傍系のおじ・おば、さらには養親やその上の人(養子縁組によって血族となります)も尊属にあたります。

他方、尊属に対して卑属という言葉があります。卑属とは、自分から下の世代にある血族をいいます。したがって、直系の子、孫、傍系のおい、めいなどは卑属にあたります。

なお、自分と同世代の兄弟姉妹、いとこなどは尊属でも卑属でもありません。

⑶ まとめ

以上をまとめると、直系尊属とは自分から見て直線的に上にいる世代にあたる人、ということができます。したがって、両親、祖父母は直系尊属にあたる一方、子、孫は直系ですが卑属ですから直系卑属、おじ・おばは尊属ですが傍系ですから傍系尊属で、直系卑属にはあたりません。

なお、直系尊属の相続順位は被相続人の子に次いで2番目です。したがって、被相続人(配偶者あり)が死亡した際、その被相続人に子がいない場合は、配偶者と直系尊属にあたる人が被相続人の相続人(被相続人の財産を引き継ぐ人)となります。たとえば、あなたが配偶者とあなたのご両親という家族関係の場合に、あなたが亡くなったとします。その場合の相続人はあなたの配偶者とあなたの両親です。この場合、配偶者の法定相続分は2/3、ご両親の法定相続分は1/3ずつとなります。

直系尊属の範囲を図で示すと以下のとおりとなります。ここで直系卑属(子、孫など)との違いも確認しましょう。

~関係図挿入~

2.姻族とは?

姻族とは、①自分と他方配偶者の血族、②自分の血族の配偶者をいいます。①の例としては、配偶者の両親、配偶者の兄弟姉妹など、つまり「義理の~」という場合がこれにあたります。②の例としては、兄弟姉妹の配偶者、おじ・おばの配偶者などです。

姻族にも直系姻族と傍系姻族があります。繰り返しになりますが、直系とは自分から見て上下に走った直線的系列のことをいいます。したがって、配偶者の両親、祖父母などが直系姻族にあたります。他方で、傍系とは自分から見て上下ではなく横にある系列のことをいいます。したがって、配偶者のおじ・おば、兄弟姉妹、兄弟姉妹の子(おい、めい)が傍系姻族にあたります。

なお、姻族には尊属・卑属の区別はありません。したがって、直系尊属、直系卑属、傍系尊属、傍系卑属という場合は血族のことを意味しています。

3.親族とは?

親族とは①6親等内の血族、②配偶者、③3親等内の姻族のことをいいます。

血族とは、法的に血縁関係にあるとされる人のことをいいます。両親、祖父、孫、兄弟のように生物学的な血のつながりがある人(自然血族)のみならず、養子縁組による養親・養子も血族(法定血族)に含まれます。

①と②で出てきた親等とは自分から見た親族との遠近を示す単位のことをいい、自分から見て距離が近い親族から1親等、2親等、3親等・・・と表現していきます。両親は1親等、祖父母は2親等です。兄弟姉妹は2親等と覚えておくとよいです。したがって、自分から見た兄弟姉妹は2親等ですが、両親の兄弟姉妹(おじ、おば)は3親等(両親(1親等)+兄弟姉妹(2親等)となります。

親族の範囲を図で示すと以下のとおりとなります。

家系図

4.まとめ

直系尊属とは、自分から見て直線的に上にいる世代にあたる人、つまり両親、祖父母のことなどを指します。そして、直系尊属にあたる方は全て血族です。血族ということは6親等までであれば親族にあたります。つまり、6親等までの直系尊属は親族に当たります。

他方で、直系卑属とは、自分から見て直線的に下にいる世代にあたる人、つまり子、孫などのことを指します。

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