ストーカー被害に遭ったらすぐすべき8つの対処法と対策

「別れた相手からの連絡が止まらない」「帰り道で何度も同じ人を見かける」。ストーカーかもしれないと感じたときの対処法として最初にすべきことは、警察や相談窓口に相談し、被害の証拠を残すことです。

つきまといや嫌がらせは、放っておいても収まりません。むしろエスカレートして、深刻な事態に発展するおそれがあります。警察庁によると、ストーカー事案の相談等件数は令和7年に22,881件と前年より16.9%増えました(警察庁「令和7年におけるストーカー事案等への対応状況」)。決して他人事ではなく、被害に遭ったら早い段階で動くことが、あなたの身の安全につながります。

この記事では、被害者側の対応に強い弁護士が、次の点について解説します。

  • まず相談すべき警察・相談窓口とその後の流れ
  • 警察を動かすために残しておく証拠
  • 今日からできる身の安全と情報の守り方
  • 警察が動かないときの弁護士の使い方

お読みいただくことで、今日何をどの順番ですべきか、そして相談のときに手元にあると話が早く進むものを整理できます。

なお、ストーカー被害についてお困りの方は、この記事をお読みいただいた後、当事務所の無料相談へお早めにご連絡ください。地域を問わずご相談を承っており、早期対応が結果を左右します。

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ストーカー被害に遭ったらすぐすべき8つの対処法

ストーカー被害への対処法は、相談と証拠の確保を先に済ませ、そのうえで相手との距離の取り方と日常の安全を固めるのが基本です。放置していると、相手は少しずつ距離を詰めてきます。

ここでは、被害に遭った直後から取り組んでほしい8つの対処法を、優先順位の高い順に解説します。

  • ①まず警察や相談窓口に相談する
  • ②被害の証拠を残す
  • ③拒否の意思を一度はっきり伝え、それ以上は応じない
  • ④1人で行動せず、逃げ込める場所を決めておく
  • ⑤防犯グッズで対策し、すぐ110番できる状態にする
  • ⑥家族や職場・学校に伝えて協力を得る
  • ⑦SNSや位置情報から居場所を知られないようにする
  • ⑧警察が動かない・穏便に解決したいときは弁護士に相談する

①まず警察や相談窓口に相談する

つきまといや嫌がらせに気づいた時点で、まず警察に相談してください。「これくらいで相談していいのか」と迷う段階でも、警察は相談に応じています。事件性が低いと判断された場合でも、身を守る方法や今後の対応について相談に乗ってもらえます。

「放っておけばそのうち落ち着くだろう」という楽観視は禁物です。他人に迷惑をかけたくないからと自分だけで対応しようとするのも危険です。主な相談先は次のとおりです。

  • 最寄りの警察署(窓口で直接相談できる)
  • 警察相談専用電話「#9110」(都道府県警察の総合窓口につながる。夜間・休日は当直や音声案内での対応)
  • 女性相談支援センター「#8778」(女性からの相談に対応。回線や地域によってはつながらないこともある)
  • 今まさに危険が迫っているときは110番

つきまといや待ち伏せ、見張り、拒んでいるのに繰り返される電話やSNSのメッセージ、汚物の送付などは、ストーカー規制法(ストーカー行為等の規制等に関する法律)が「つきまとい等」として規制する行為にあたります。

相談を受けると、警察(警察署長など)から相手に警告(つきまとい等を繰り返さないよう正式に告げる措置)が出される場合があります。なお令和7年(2025年)12月の法改正により、被害者の申出がなくても警察が職権で警告できるようになりました。公安委員会が出す禁止命令(つきまとい等を禁じる行政処分)は、警告を経ていなくても、相手が繰り返すおそれがあると認められれば出すことができます。身の危険が差し迫っているときは、相手の言い分を聞く手続きを省いて緊急に出されることもあります。

警察と公安委員会は、こうした警告や禁止命令を行っています(令和7年の実績は警告1,577件、禁止命令等3,037件)。ただし措置に至るかどうかは、証拠がどれだけ揃っているかと事案の内容によります。禁止命令に違反してストーカー行為をすれば、罰則は2年以下の拘禁刑、または200万円以下の罰金に引き上げられます。相手が逮捕されることもあります。

警察に相談した後に何が起きるのか、相談のコツも含めて詳しくはストーカーを警察に相談したらどうなる?相談後の流れを解説をご覧ください。

②被害の証拠を残す

警察や弁護士を動かすには、被害の証拠が欠かせません。「怖い思いをしている」と伝えるだけでは、警察はなかなか動いてくれません。

警察は、本当に被害があるのか、身の危険がどの程度かを客観的な証拠から判断して対応を決めるのが通常です。次のようなものは、どんな小さなものでも捨てずに残しておいてください。

  • 被害があった日時・場所・状況のメモ(日記のように時系列で)
  • 届いた手紙やプレゼント、その送付状や封筒
  • 着信履歴・メール・SNSのメッセージのスクリーンショット
  • 電話や直接の会話の録音
  • つきまといや待ち伏せの様子を撮影した写真・動画
  • 相手の服装や体格、車のナンバー、現れる時間帯の記録

相手が誰か分からない場合でも、特徴や現れる場所・時間帯を記録しておけば、警察が動くための手がかりとして役立ちます。何が証拠になるか迷ったら、警察や弁護士に相談してアドバイスを受けてください。

集めた証拠をもとに慰謝料請求を検討される方はストーカーの慰謝料や示談金の相場はいくら?弁護士が解説もご参照ください。

③拒否の意思を一度はっきり伝え、それ以上は応じない

あなたが連絡や接触を望んでいないことは、一度だけはっきりと伝えましょう。その後は電話に出ない、返信しない、会わないことを徹底してください。

警察庁の統計では、令和7年の相談のうち加害者が交際相手(元交際相手を含む)だったケースが38.9%と最も多くなっています。元交際相手を説得しようとしたり、「これで最後」と会って話をつけようとしたりすると、相手は「まだ関係が続いている」と受け取りがちです。直接のやり取りは続ければ続けるほど、相手に期待を与えてしまいます。

ただし、相手が暴力的で伝えること自体が怖い場合は、無理に伝える必要はありません。その場合は①の警察への相談を優先し、警察を通じて意思を伝えてもらいましょう。

拒否の意思を自分でも警察を通じても伝えないまま急に態度だけを変えると、かえって相手を刺激することがあります。避けるべき対応についてはストーカーを無視し続けると危険?正しい対策とNG行動もあわせてご確認ください。

④1人で行動せず、逃げ込める場所を決めておく

ストーカーと接触する機会を減らすには、1人で行動する時間を減らし、決まった道や決まった時間を避けることが有効です。相手は、あなたが1人になる隙をうかがって接触してくるおそれがあります。

なお、被害に遭いやすいのは特定の性格や外見の人だけではありませんが、知り合ってすぐに距離を詰めてくる相手には警戒しておくほうが安全です。どのような傾向があるかはストーカーされやすい人の特徴は?狙われないための対策と対処法で確認できます。

夜道や人通りのない道を1人で歩かない、移動には徒歩ではなくタクシーや公共交通機関を使う、帰宅ルートや時間帯を日によって変えるといった工夫を心がけてください。

あわせて、いざというときに駆け込める場所を、あなたの通勤・通学の途中に複数見つけておきましょう。最寄りの交番までのルート、遅くまで開いている店、すぐにタクシーを拾える道を事前に把握しておくと、気が動転したときでも動けます。自宅に帰るのが怖い夜のために、目立たずに入れるホテルを調べておくのも有効です。

自宅を知られていて危険が続く場合は、引越しも選択肢です。転居先を知られないための手続きはストーカー被害で引越先がバレないための注意点と費用請求の可否で解説しています。

⑤防犯グッズで対策し、すぐ110番できる状態にする

万が一あなたが相手に接触され、殴られそうになったり刺されそうになったりしたときは、とにかく周囲に助けを求めることが最優先です。防犯ブザーなどの防犯グッズを持ち歩き、スマートフォンは、すぐ110番できる状態にしておきましょう。

ストーカー対策のための防犯グッズはさまざまなものが出ています。何を選ぶべきかはストーカー対策グッズ8選。何を買うべきか迷っている人向けで解説していますので、参考にしてください。

⑥家族や職場・学校に伝えて協力を得る

ストーカー被害に遭っていることは、家族や職場、学校など信頼できる人に早めに伝えておくのがよいでしょう。周囲が事情を知っていれば、不審な人物が訪ねてきたときの対応や、勤務時間・通学ルートへの配慮を頼みやすくなります。

相手が元交際相手や元配偶者で共通の知人が多い場合は、相手に話が伝わらないよう、共通の知人ではない人を選んで相談するのも一つの方法です。

被害の事実を複数の人に話しておくことは、それ自体があなたの被害の記録です。後に警察が捜査するときや、加害者が刑事裁判にかけられたときに、相談を受けていた人の証言が被害の裏づけになるからです。

警察も、被害者から援助の申出を受けて相当と認めるときは、防犯対策の教示などを行い、関係する団体と連携して被害の防止にあたるとされています。ストーカー規制法は、被害者を雇用する会社や在学する学校の長に対しても、被害者を援助するよう努めることを求めています。職場や学校に協力を求める際は、警察に相談済みであることを伝えると話が通りやすいでしょう。

勤務先が加害者への対応や被害者の安全確保にどう協力すべきかは社内ストーカーの被害に遭ったら?被害者と会社がとるべき対応で紹介しています。

⑦SNSや位置情報から居場所を知られないようにする

ストーカーは、SNSやインターネット上の投稿から住所や勤務先、行動パターンといった個人情報を驚くほど正確に割り出します。通勤途中に撮った写真の背景、投稿の時間帯、フォロワーとのやり取りだけでも、居場所を特定する手がかりを与えてしまいます。

被害に気づいたら、写真や近況の投稿を控え、アカウントを非公開にしたうえで、過去の投稿も可能な限り削除することをお勧めします。鍵をかけても、なりすましのアカウントでフォロー申請してくることがあるからです。ただし、相手から届いたメッセージや相手の書き込みは②の証拠になりますので、消さずにそのまま残しておいてください。位置情報の共有機能もオフにしておくと安心です。

近年はGPS機器や紛失防止タグを鞄や車にひそかに取り付け、位置情報を取得する手口も増えています。これらの行為もストーカー規制法の規制対象です。iPhoneにもAndroidにも、身に覚えのないタグが自分と一緒に移動していると通知する機能があるため、設定を確認してください。ただし通知の対象は紛失防止タグなどに限られ、GPS発信機は検知できません。身に覚えのないタグを見つけたら、あった場所と状態を写真に撮ったうえで、最寄りの警察に相談してください。

SNS上で執拗に監視されるネットストーカーへの対策はネットストーカー被害の対策は?5つの対処法と被害を防ぐ方法で具体的に紹介しています。

⑧警察が動かない・穏便に解決したいときは弁護士に相談する

警察に相談しても事件性が低いと判断されて動いてもらえない場合や、大ごとにせず穏便に解決したい場合の対処として、弁護士への相談があります。

弁護士に依頼すれば、代理人としてストーカー加害者に内容証明郵便で警告書を送ったり、接触をやめるよう交渉したりすることができます。相手が知人や元交際相手であるときにご自身で直接対応すると、刺激して被害が悪化しかねませんが、弁護士が窓口になれば、ご自身が相手と直接対峙する必要がなくなります。

また、警察への相談に同行して被害の状況を法的に整理して伝えたり、慰謝料の請求や示談の交渉を代理で行ったりもします。「報復が怖くてどうすればいいか分からない」段階でも、早めに相談するほど取れる対処法の幅は広がります。

ストーカー規制法が規制する行為

自分が受けている行為が法律の対象になるのかは、警察に相談するかどうかの判断を左右します。ストーカー規制法は、次の8つの行為を「つきまとい等」として規制しています。

  • つきまとい・待ち伏せ・進路をふさぐ・住居や勤務先の付近での見張り・押し掛け・うろつき
  • 行動を監視していると思わせる事項を告げる
  • 面会や交際など、義務のないことを要求する
  • 著しく粗野または乱暴な言動
  • 無言電話、拒んでいるのに連続する電話・文書・メール・SNSのメッセージ
  • 汚物や動物の死体など、著しく不快な物を送りつける
  • 名誉を害する事項を告げる
  • 性的羞恥心を害する事項を告げる、わいせつな画像を送りつける

これに加えて、承諾なくGPS機器や紛失防止タグで位置情報を取得する行為や、それらを持ち物に取り付ける行為も規制の対象です。紛失防止タグは2025年12月30日施行の改正で加わりました。

対象になるのは、恋愛感情などの好意や、その好意が満たされずに生まれた怨恨の感情から行われる場合です。金銭トラブルや近隣トラブルが理由のつきまといは、この法律では扱えません。ただしその場合も、各都道府県の迷惑防止条例や軽犯罪法、脅迫罪などで対応できることがあります。

同じ相手に対してこれらを繰り返せば「ストーカー行為」にあたり、罰則は1年以下の拘禁刑、または100万円以下の罰金です。禁止命令に違反してストーカー行為をした場合は2年以下の拘禁刑、または200万円以下の罰金に引き上げられます。

どの行為がどの号に当たるのか、警告と禁止命令の手続きはストーカー規制法とは?対象となる行為と警告・禁止命令を解説で具体例とともに解説しています。

ストーカー被害の対処法で迷ったら弁護士にご相談ください

ストーカー被害に遭ったら、警察に相談し証拠を確保したうえで、1人にならない工夫と情報の管理で身を守りましょう。放置や自己流の説得は、相手を刺激して被害を長引かせるおそれがあります。

もっとも、警察が事件性を認めるまでには証拠と時間が要り、その間に相手と直接向き合うのは大きな負担です。弁護士に依頼すれば、相手への警告や交渉、警察への相談同行、慰謝料の請求まで代理で進められます。相手と直接やり取りする必要がなくなり、あなたは身の安全の確保に専念できます。

「警察に相談したが動いてもらえない」「大ごとにせず穏便に終わらせたい」「相手が誰か分からず不安で眠れない」。こうした状況こそ、1人で抱え込まずに専門家を頼ってください。相手が元交際相手や知人であっても、依頼者の安全を最優先に、弁護士が迅速に動きます。

当事務所はストーカー被害の解決に注力しており、24時間受付の無料相談を設けています。全国どこからでもご利用いただけますので、まずはお気軽にご相談ください。

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この記事の監修者

若井亮 弁護士

若井 亮

代表弁護士

弁護士法人若井綜合法律事務所
東京弁護士会所属(登録番号:47827)

弁護士紹介ページ

ストーカー被害の解決に豊富な実績を持つ。元交際相手からのつきまとい、ネットストーカー、職場でのストーカー被害など、警察に相談しても動いてもらえないケースにも弁護士として毅然と対応。「報復が怖い」「大事にしたくない」という被害者の心情に寄り添い、穏便かつ確実にストーカー行為を止めさせることに全力を注いでいる。

ストーカー被害 ネットストーカー つきまとい・待ち伏せ 元交際相手の嫌がらせ 犯人特定・慰謝料請求
メディア掲載 フジテレビ「とくダネ」/ ダイヤモンド・オンライン / @DIME / サイゾー 他多数
講演実績 「不当要求対応の基礎」「犯罪組織によるマネー・ロンダリングと投資詐欺への法的処置」等
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