探偵の調査はストーカーや違法行為にならないのか?

探偵や興信所が行う尾行や張り込み調査はストーカーにならないのか?違法ではないのか?

このような疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

結論から言いますと、原則として、探偵が業務として行う調査行為(尾行や張り込みなど)はストーカーには該当しませんし違法でもありません。ただし例外があります

この記事では、ストーカー被害の解決に強い弁護士が、

  • 探偵の調査行為がストーカーや違法行為にならない理由
  • 探偵の行為がストーカー等の違法行為になる例外的なケース
  • 探偵につきまとわれた場合の対処法

についてわかりやすく解説していきます。

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探偵の調査行為がストーカーや違法行為にならない理由

探偵の調査はストーカー行為の定義に該当しない

ストーカー行為の規制について規定されている「ストーカー規制法」には、以下のような行為が違法とされています。

  • 「つきまとい行為等」とは、特定の者に対する恋愛感情その他好意の感情またはそれが満たされなかったことに対する怨念の感情を充足する目的で、当該特定の者に対し一定の行為をすること(同法2条柱書)
  • 「ストーカー行為」とはつきまとい行為等が、身体の安全、住居の平穏、名誉が害される、行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われる場合に限る(同法条4項)

このようにストーカー規制法で違法行為とされているのは、相手に「恋愛感情」や「怨念の感情」を有して行う行為に限定されています。

また、「つきまとい行為等」に該当するのは、相手の一定の権利や法的利益を侵害するような方法で行われる場合に限定されています。

探偵は、個人的な恋愛感情や怨念の感情ではなく、仕事として行動しているので上記のような違法行為に該当していないことは明らかです。また尾行や追跡を穏当な方法や隠れて遂行している場合には、相手の権利・利益を侵害することもありませんので違法行為には該当しません。

探偵業法で認められている

また、尾行や張り込み行為については、探偵業法に根拠となる規定が存在しています。

探偵業法第2条には、「探偵業務」について、他人の依頼を受けて、特定人の所在又は行動についての情報であって当該依頼に係るものを収集することを目的として面接による聞込み、尾行、張込みその他これらに類する方法により実地の調査を行い、その調査の結果を当該依頼者に報告する業務のことである、と規定しています。

そのため尾行や張り込みなどは代表的な探偵業務の一種として、法律が認めていると解釈することができます。つまり、法律で認められている以上、探偵の調査行為はストーカーにも違法行為にもなりません。

探偵の行為がストーカー等の違法行為になる例外的なケース

例外的に探偵の行為が違法となるケースもあります。

まず都道府県公安委員会に届け出をせずに無届出で探偵業を行った場合には、探偵業法違反になります。また探偵調査の過程で人の敷地内に勝手に入れば住居侵入罪、盗聴器設置のために鍵を壊してこじ開けたり家電を改造するなどした場合には器物損壊罪が成立することもあります。私事(業務とは無関係にという意味です)で尾行や張り込みをしていた場合には、ストーカー規制法違反迷惑防止条例違反になることもあります。

さらに、探偵がストーカー犯罪を助長する目的で仕事を受けた場合には、探偵といえどもストーカー行為の幇助などに問われる可能性が高いです

具体的な事例として、探偵調査を依頼してきた男性がストーカー行為を繰り返し現行犯逮捕されていることを知りながら、被害女性の住所を調べて報告したことがストーカー規制法違反の幇助にあたるとして探偵業の男性が逮捕された事例があります。

仙台南署は1日、依頼人の男(63)がストーカー行為をすると知りながら女性の住所を教えたとして、ストーカー規制法違反の疑いで、探偵業、桜田雅之容疑者(63)=宮城県名取市那智が丘=を逮捕した。
逮捕容疑は5月ごろ、仙台市太白区で、依頼人がストーカー規制法に基づく禁止命令を受けていることを知っていたにもかかわらず、女性の住所を教えた疑い。
同署によると、依頼人は10月16日、桜田容疑者から伝えられた住所を基に女性の自宅に押しかけ、同法違反容疑で現行犯逮捕された。男は同じ女性へのストーカー行為で過去に何度も禁止命令を受けている。

引用:産経新聞

また、元交際相手との復縁の工作を依頼され、被害女性を待ち伏せするなどした行為がストーカー規制法違反の幇助にあたるとして探偵事務所代表の男性が書類送検された事例も存在しています。

元交際相手の女性に復縁を迫っていた大学院生の依頼を受け、アルバイト従業員に女性の待ち伏せをさせたなどとして、神奈川県警人身安全事態対処室などは17日、探偵の男3人をストーカー規制法違反の疑いで横浜地検川崎支部に書類送検した。

引用 : 読売新聞

なお、ストーカーからの依頼ではなかったとしても、「不安もしくは迷惑を覚えさせるような仕方で他人につきまとった者」は軽犯罪法1条28号違反となることもあります。

探偵につきまとわれた場合の対処法

探偵が業務遂行のために尾行や張り込みをする行為はストーカーにはあたりませんが、前述のように犯罪行為にあたる場合には、警察に被害届を出して立件してもらうことも検討する必要があるでしょう

また、探偵業者は各都道府県の公安委員会の監督下にありますので、その探偵業者の営業所所在地を管轄する公安委員会に相談してもいいでしょう。公安委員会は探偵業者に対して立ち入り検査、指示、場合によっては営業停止・廃止を命令することもできます。

ただし、つきまといの証拠が何もない場合には対応してもらえない可能性があります。いつも不審車両が自宅付近や通勤・通学ルートに停まっている場合にはその車両ナンバーを控えておく、つきまといされている時間帯・場所などを日々日記やメモに記しておくなどして、できるだけ証拠を集めてから相談に行くことが重要です

なお、探偵の行為が刑事上の違法行為にあたる場合には、民事上の不法行為にも該当する可能性が高いです。その場合、探偵を訴えて損害賠償(慰謝料)請求することも可能です。

探偵を訴えたい、あるいは、裁判を介さずに慰謝料請求したいけど一人での対応は難しいとお考えの方は、弊所までご相談ください。親身誠実に弁護士が依頼者を全力でサポートします。

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ストーカーは時間が経過するほど行為がエスカレートしてしまい取り返しのつかない事件に発展してしまうこともあります。
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