ストーカーの慰謝料や示談金の相場はいくら?弁護士が解説
ストーカー被害にあった場合の慰謝料や示談金の相場はいくらだろう?

この記事ではストーカーに強い弁護士がこの疑問を解消します。

また、実際にストーカーの慰謝料請求が認められた裁判例や、弁護士に請求や示談交渉を依頼した場合の費用相場についても紹介していますので最後まで読んでみて下さい。

気軽に弁護士に相談しましょう
  • 全国どこからでも電話・メール・LINEで弁護士に無料相談ができます
  • 24時間年中無休ですので早急な対応が可能です
  • 大事にしたくない警察沙汰にしたくない方のための法律事務所です
  • 穏便かつ早急にストーカー被害を弁護士が解決します

ストーカーの慰謝料相場・示談金はいくら?

慰謝料の相場は?

いわゆる「ストーカー被害」に遭った場合、被害者の方は加害者に対して「精神的苦痛を補填するため」の慰謝料を請求することができます。

ストーカーを理由とする慰謝料の相場としては、これまでの裁判例からすると「数十万円~200万円」前後が多い印象ですが、ストーカー行為の悪質性が高く被害の程度が大きい場合にはこれ以上認められる場合も考えられます。また、ストーカー行為が行われた期間や加害者と被害者の関係性、被害者の落ち度の有無などによっても慰謝料額は変わってきます。

ただストーカー被害の金銭的解決の事例は、当事者同士の話し合いによって任意に示談交渉で進められることが多く、裁判所の判決まで進み、参照できる裁判例自体が少ないという傾向はあります。そのため、ストーカーの慰謝料相場はまだ固まっておらず、上記相場はあくまでも目安として考えて下さい

示談金相場はいくら?

「慰謝料」と「示談金」の違いはどこにあるのでしょうか。

まず「慰謝料」とは、加害者のストーカー行為によって被害者が被った「精神的損害」を補うために請求することができる損害賠償請求権のひとつです。

これに対して「示談金」とは、加害者と被害者が和解交渉をした結果、加害者が支払うことになる金額のことを指します。つまり、示談金には、慰謝料に加え、それ以外の別の費目の損害賠償金も含まれているということです。

具体的には、慰謝料に加え、示談金として以下のような項目を含めることができます。

  • 通院、治療費:精神障害を負った場合、治療や通院にかかる費用
  • 引越し費用:加害行為のせいで引っ越さざるを得なくなった場合の引越し費用
  • 休業損害:加害行為のせいで働けなくなった期間収入が減少することによる損害
  • 弁護士費用:弁護士に解決を依頼した場合に必要となった費用の一部 など

したがって、ストーカーの示談金の相場は、慰謝料相場である「数十万~200万円程度」に上記項目の金額を加えたものとなるためケースバイケースとなります。

また、加害者が逮捕されている場合など、刑事手続きが進んでいる場合には、加害者(の代理人弁護士)から被害者に対して示談の申し入れがされる可能性が高いです。示談とは双方が納得して合意する性質の契約ですので、示談金の金額には下限や上限についてルールがあるわけではありません。加害者が告訴を取り下げてもらいたい場合や前科が残ることを回避したい場合には、相場よりも高額な示談金を申入れて来る場合もあります。また示談交渉次第では、加害者に高額な示談金の支払いを約束させることができる場合もあります。

ストーカーの慰謝料を増減させる要素は?

それではどのような事情があれば、ストーカー被害の慰謝料の算定に影響を与えることになるのでしょうか。ここでは慰謝料の増減に影響を与えると考えられる事情を紹介しましょう。

慰謝料が増額される要素

ストーカー行為の悪質性が高い

ストーカー行為の悪質性が高い場合には、精神的苦痛の程度も大きくなると考えられますので慰謝料が高額に算定される可能性があります。

例えばストーカー行為が、数か月、数年にわたる場合や、警察などから再三にわたって注意を受けそのたびに繰り返さないことを約束している場合などは悪質と判断できるでしょう。

被害者の被害の程度が大きい

ストーカー行為によって被害者が大きな被害を被ったと判断される場合には慰謝料の金額も大きくなる可能性があります。例えば、トラウマやPTSDなど精神障害を負った場合やストーカー行為から逃げようとして転倒し大けがを負った場合などには被害の程度が大きいと判断されるでしょう。

優越的な地位を濫用している場合

加害者が被害者に対して優越的な地位を濫用してつきまといなどストーカー行為をする場合にも悪質であると判断される可能性があります。例えば、学校の先生と生徒の関係、会社の上司と部下の関係などの場合には、被害者が逃れられない関係を悪用した悪質な行為であるといえるでしょう。

被害者に責められる点がない場合

加害者側の一方的な恋愛感情や憎悪の感情などに基づいてストーカー行為をする場合には被害者にはまったく落ち度がないことになります。そのような場合も慰謝料の算定が高く認められる可能性があります。

慰謝料が減額される要素

増額される要素とは逆に、ストーカー行為の悪質性が低く被害の程度も小さい場合や、被害者にも落ち度が認められる場合には慰謝料が減額される可能性があります。

悪質性が低く被害が小さいケースとは、一概には言えませんが、例えば、ネット上だけのつきまといで実際に家の周辺をうろついたり被害者の後をつけまわすようなことをしない場合がそれにあたると言えます。また、電話やメール等で連絡を寄こしてくる頻度が少なく、その内容も、卑猥な言動や脅迫めいたものでなければ悪質性は低いと考えられます。

被害者にも落ち度があるケースとは、例えば、加害者の恋愛感情を利用して金品を受け取っておきながら用済みになったらバッサリと連絡を絶つ、あるいは理由を告げずに一方的に別れを切り出すようなケースがそれにあたると言えます。

ストーカーで慰謝料請求が認められた裁判例 

荷物を届けてもらった配送業者から違法なつきまといをされた事例

事案の概要

配送業者である加害者が女性宅に配達をし、その後再度自宅を訪れ電話番号を手渡し複数回にわたり電話をかけ再度自宅を訪れた事案です。加害者は「昔付き合っていた子に似ている」「ご主人は何時に帰ってくる?」「よかったらお茶を飲もう」などと誘っていました。

慰謝料額

100万円」の慰謝料が認定されました。

算定要素

  • 女性の自宅を訪問してその後5回にわたり電話をかけている
  • 加害者のストーカー行為により、女性は強度の不安・恐怖・外出困難・不眠・精神過敏などの症状が出現持続し、「急性ストレス障害」と診断されている
  • 他方、加害者の行為自体は「電話」をかけ、「自宅を訪問」したのみであり、身体接触もなく侵害態様は強度のものではなかった

(東京地方裁判所平成16年10月14日判決)

風俗店に勤務していることをSNSなどで拡散された事例

事案の概要

デリヘルとして勤務していた女性が、自宅マンションの集合ポストに「風俗店の従業員である」というビラをまかれ、SNSに女性の顔写真や本名、源氏名、実家の所在地が分かる動画を加害者に投稿された事例です。

慰謝料額

50万円」の慰謝料が認定されました。

算定要素

  • マンションの住民やインターネット上で風俗店で勤務していることや本名・住所という情報を公開することはプライシー権侵害の程度が高い
  • SNSに投稿することは不特定多数人が閲覧することができるようになりインターネット上で際限なく拡散されれる危険性が高い
  • 投函されたビラのうち実際に本件マンション住民に閲読されたものは一部にとどまる

(東京地方裁判所令和3年9月27日判決)

大学教授が女子学生に好意を抱きつきまとった事例

事案の概要

この事案は、大学教授が学生に対して自宅に呼び出したりつきまとう等した行為が不法行為に該当すると判断された事例です。

慰謝料額

250万円」の慰謝料が認定されました。

算定要素

  • 試験を実施すると称して女性を自宅に呼び寄せたうえで婚姻届けを示して婚姻を迫った行為は教員としての地位を利用して女性に対して性的性質の要求を行った不法行為にあたる
  • 女性と連絡が取れなくなると1日に数十回携帯電に電話をかけ自宅を訪問した
  • 女性は恐怖感から神経症になり相当期間学校に登校できなくなったため精神的苦痛は甚大なものであった
  • 本件は教員である加害者が学生である被害者に対する優越的な地位を利用して行ったいう悪質なものである

(さいたま地方裁判所平成15年2月26日判決)

和解成立後も同様なストーカー行為を繰り返した事例

事案の概要

この事例は飲食店を営む女性に、タクシー運転手である加害者がストーカー行為を繰り返し、和解成立後も同様な行為を繰り返した事例です。

慰謝料額

300万円」の慰謝料が認定されました。

算定要素

  • 加害者の行為は、女性の生活の平穏を害し、営む店舗を閉店することを余儀なくさせたばかりか、不安感・恐怖感等の多大な精神的苦痛を与える違法な行為であった
  • 当時、ストーカー規制法が成立しストーカー行為の違法性が社会的に強く意識されていた
  • 加害者は自己の行為を是正する機会を与えられ、和解を成立させながらこの語もストーカー行為を継続していることは強い違法性を有する

(大阪地方裁判所平成12年12月22日判決)

ストーカーの慰謝料を請求する方法

示談交渉

示談交渉とは、当事者同士で話し合いにより解決する方法です。任意の話し合いで被害者が納得できる内容で解決できるのであれば、後述する「訴訟」に比べて時間や裁判費用もかからず最も簡便に事件を終わらせることができます。

また、訴訟では裁判所が慰謝料額を決定しますが、示談交渉であれば、相場以上の慰謝料を受け取れる可能性があります。ストーカー行為を警察に被害申告されれば、場合によっては加害者は逮捕される可能性もありますので、被害届や告訴状を捜査機関に出さないことを条件として、ある程度高額な慰謝料額でも示談に応じる加害者もいます

示談書には示談金支払いの約束や、二度と被害者に接触しないことを約束させる遵守事項を設けることも可能です

損害賠償請求訴訟

話し合いでは解決できない場合、損害賠償請求訴訟を提起して裁判所に慰謝料(その他、上記でお伝えした引っ越し費用、通院治療費などの財産的損害)を認定してもらうこともできます。裁判手続では両当事者から証拠に基づく主張・立証が行われますので、ストーカー行為を立証できる証拠を確保することが重要です。

裁判に勝訴して賠償命令が下されれば、加害者が支払わなかった場合に、給与や不動産などの資産に差し押さえをして強制的に回収することも可能となります。

ただし、訴訟手続きは一般の方には難しいため弁護士に依頼される方が多いです。その場合、弁護士費用(相場は後述します)がかかりますが、ストーカー加害者には弁護士費用として請求認容額の1割程度しか請求できません。

例えば、裁判で50万円の慰謝料が相当と判断された場合は、その1割である5万円を弁護士費用として合計55万円を請求できる計算になります。ここで実際に弁護士に支払った費用を総額30万円と仮定すれば、55万円-30万円=25万円が依頼者にとっての経済的利益となります。しかし、裁判で20万円の慰謝料が相当と判断されれば、22万円-30万円=-8万円、つまり、訴訟を起こしたがために8万円の損失が生じるという事態に陥ってしまうのです。

このように、相手から受け取れる損害賠償の額よりも弁護士費用が上回ってしまうリスクもありますので、弁護士によく相談の上、経済的利益が見込めるのかを確認しましょう。

ストーカーへの慰謝料請求は弁護士へ

弁護士費用の相場

弁護士にストーカーへの損害賠償(慰謝料)請求を依頼した場合の相場は以下となります。

弁護士に依頼する内容弁護士費用の相場
示談交渉着手金10万円~20万円+経済的利益の10%~20%の報酬
損害賠償請求訴訟着手金10万円~30万円+経済的利益の10%~20%の報酬

弁護士に依頼するメリット

ストーカーは、全く面識のない赤の他人であるケースもありますが、実は、元恋人や元夫、友人、知人、職場の同僚など身近な人が加害者であるケースも少なくありません。身近な人であるからこそ、例えストーカー被害に遭ったとしてもお金を請求することに心理的抵抗がある人も多いはずです。また、ストーカーに対して被害者である自分自身が慰謝料や示談金の請求をしたら逆上して報復されるのではといった恐怖心や不安感を抱く方もいることでしょう。

この点、ストーカーへの慰謝料や示談金の請求を弁護士に依頼することで、加害者と直接体面することなく示談交渉や訴訟を進めることができます。弁護士を代理人とすることであなたの手続き的な負担や精神的な負担を圧倒的に軽減させることができるでしょう

弊所では、ストーカーへの慰謝料請求のほか、つきまとい行為への警告、交渉により、ストーカー問題を解決してきた実績があります。親身誠実に弁護士が依頼者を全力で守りますのでまずはお気軽にご相談ください。相談する勇気が解決への第一歩です。

ストーカー被害を弁護士に相談すると何をしてくれる?注意点は?

気軽に弁護士に相談しましょう
  • 全国どこからでも電話・メール・LINEで弁護士に無料相談ができます
  • 24時間年中無休ですので早急な対応が可能です
  • 大事にしたくない警察沙汰にしたくない方のための法律事務所です
  • 穏便かつ早急にストーカー被害を弁護士が解決します
ストーカーからの報復が怖い。穏便に解決したい方は弁護士にご相談ください。

全国どこからでも24時間、弁護士による無料相談を受け付けております。

警察に相談したけど対応してくれなかった…
大ごとにして後で復讐されるのが怖い…
ストーカー被害を穏便に解決したい

そのような方は、当法律事務所にお気軽にご相談下さい。
弁護士に相談するのは初めてで緊張する…という方はご安心ください。
どこよりも気軽に相談できるをモットーとして、全力でストーカー被害の解決に取り組んでいます

ストーカーは時間が経過するほど行為がエスカレートしてしまい取り返しのつかない事件に発展してしまうこともあります。
相談する勇気が解決へ繋がります。