
「離婚する予定だから」「家庭はもう壊れている」。そんな言葉を信じて関係を続けてきたのに、一向に離婚しない浮気相手に対して、「配偶者に全部ばらしてやりたい」と思い詰めている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、浮気相手の配偶者に不倫をばらす行為は、やり方によっては脅迫罪や名誉毀損罪などの犯罪に該当する可能性があります。さらに、相手の配偶者から慰謝料を請求されるおそれもあり、感情に任せた行動が自分自身の立場を悪くしてしまうケースは少なくありません。
この記事では、浮気相手の配偶者にばらすと罪に問われるケースや避けるべき行動、ばらす代わりに取れる法的手段について、弁護士が解説します。
なお、浮気相手とのトラブルについて早急に対応したいとお考えの方は、この記事をお読みいただいた後、全国どこからでもご利用いただける当事務所の無料相談をご利用ください。
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浮気相手の配偶者に不倫をばらすなら別れる覚悟が必要
浮気相手の配偶者に不倫の事実を告げるという行為は、あなたと浮気相手の関係に終止符を打つ可能性が極めて高いと言えます。不倫が明るみに出れば、相手が配偶者と別れてあなたを選ぶ可能性は低く、むしろすべての関係が壊れる覚悟が必要です。
また、不倫された側の配偶者から見れば、あなたは家庭を壊した加害者の一人です。自ら不倫の事実を暴露することは、相手の配偶者に慰謝料を請求する根拠を与える行為でもあります。
さらに、ばらし方によっては刑事罰に問われるおそれもあります。具体的にどのようなケースで罪に問われるのか、以下で解説していきます。浮気相手との関係を終わらせたいとお考えの方は不倫相手と穏便に別れる5つの方法と別れを告げる時のポイントもあわせてご確認ください。
浮気相手の配偶者に不倫をばらすと罪に問われるケース
浮気相手の配偶者に不倫の事実を告げる行為には、場合によっては刑事罰に問われるリスクも存在します。
不倫をばらすことで成立し得る罪は次の通りです。
- ①「離婚しないなら不倫をばらす」と相手を脅した場合
- ②不倫を配偶者に伝える際に相手や配偶者を侮辱した場合
- ③「不倫をばらされたくなければ金銭を支払え」と要求した場合
- ④不倫をばらすと脅して相手に土下座などの義務のない行為を強要した場合
- ⑤配偶者だけでなく職場やSNSなど周囲の人に不倫をばらした場合
- ⑥不倫を配偶者にばらす目的で相手につきまとったり待ち伏せしたりした場合
①「離婚しないなら不倫をばらす」と相手を脅した場合
浮気相手に対して、「もし離婚してくれないなら、あなたの配偶者に不倫の事実を全て話す」といった内容の脅迫をした場合、脅迫罪に該当する可能性があります。
脅迫罪とは、「生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した」場合に成立する犯罪です(刑法第222条1項)。
「不倫をばらす」という行為は、相手の社会的な信用や名誉を傷つけると認識されるため、危害を加える旨の告知と解釈されます。
実際に不倫の事実を配偶者に伝えなくても、不倫相手に「ばらすぞ」と脅迫行為を行った時点で罪が成立することになります。
法定刑は2年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金です。
なお、脅迫の対象は相手本人だけでなく、その親族に及ぶ場合も同様に脅迫罪が成立する可能性があります(同条2項)。
②不倫を配偶者に伝える際に相手や配偶者を侮辱した場合
浮気相手の配偶者に不倫の事実を伝える際に、感情的になって相手やその配偶者を侮辱するような言動があった場合、侮辱罪に問われる可能性があります。
「事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した」場合には侮辱罪が成立します(刑法第231条)。例えば、「あなたの夫は最低な人間だ」「不倫女!」といった言葉を、不特定多数の人が認識できる状況で発した場合、侮辱罪が成立する可能性があります。
名誉毀損罪とは異なり、具体的な事実の指摘は必要とされませんが、「バカ」や「ブサイク」といった抽象的な表現であっても、状況によっては侮辱罪に該当する場合があります。
侮辱罪の法定刑は、1年以下の拘禁刑若しくは30万円以下の罰金または拘留若しくは科料です。
不倫という状況下では感情が激昂しやすいものですが、相手やその配偶者を貶めるような言動は、法的な責任を問われかねません。
③「不倫をばらされたくなければ金銭を支払え」と要求した場合
浮気相手に対して、「もし配偶者に不倫の事実をばらされたくなければ、〇〇万円支払え」といった金銭を要求する行為は、恐喝罪に該当する可能性があります。
恐喝罪は、「人を恐喝して」財物を交付させたり、財産上不法の利益を得、または他人にこれを得させた場合に成立する犯罪です(刑法第249条)。
「不倫をばらす」という脅迫で相手を精神的に追い詰め、金銭を支払わせようとする行為が恐喝罪に該当すると考えられます。
脅迫罪との違いは、金銭などの財物の要求を伴うかどうかという点にあります。単に脅すだけでなく、金銭を要求する行為は、より悪質とみなされるため、より重い刑罰が法定されています。
恐喝罪が成立した場合には、10年以下の拘禁刑が科されます。
④不倫をばらすと脅して相手に土下座などの義務のない行為を強要した場合
浮気相手に対して、「もし配偶者に不倫の事実をばらすぞ」と脅迫し、それと引き換えに土下座をさせたり、不当な要求を飲ませたりする行為は、強要罪に該当する可能性があります。
強要罪は、暴行や脅迫を用いて、人に義務のない行為をさせたり、権利の行使を妨害したりする行為を罰するものです(刑法第223条)。
ここでは、「不倫をばらす」という脅迫が、相手に精神的な圧力をかけ、本来負う必要のない行為を強いる手段として用いられています。「ばらされたくなければ、今すぐ会社を辞めろ」といった要求も強要罪に該当する可能性があります。
強要罪の法定刑は3年以下の拘禁刑です。
⑤配偶者だけでなく職場やSNSなど周囲の人に不倫をばらした場合
浮気相手の配偶者だけでなく、その家族や職場の人々、SNSなどの不特定多数の人が閲覧できる場所で不倫の事実を暴露した場合、名誉毀損罪に問われる可能性があります。
「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した」場合には名誉毀損罪が成立します(刑法第230条1項)。
第三者になりすまして密告したり、匿名のSNSアカウントを使って情報を拡散した場合でも、投稿内容によっては名誉毀損罪が成立する可能性があります。
たとえ不倫の事実が真実であったとしても、みだりに他人に公表することは名誉毀損罪が成立する可能性があります。不倫はあくまでプライベートな問題であり、それを公にすることは相手に深刻な精神的苦痛や社会的不利益を与えることになります。
名誉毀損罪の法定刑は、刑法第230条により、3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。
⑥不倫を配偶者にばらす目的で相手につきまとったり待ち伏せしたりした場合
浮気相手に配偶者への不倫の事実を自ら話すように迫る目的で、相手につきまとったり、自宅や職場付近で待ち伏せしたりする行為は、ストーカー規制法に違反する可能性があります。
ストーカー行為は、特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情、またはそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情に基づき、様々な方法で相手に不安や嫌悪感を与える行為を指します。
具体的にストーカー規制法で禁止されている行為としては、つきまとい、待ち伏せ、押し掛け、うろつき、監視していると告げる行為、面会や交際の要求、乱暴な言動、電話やSNS等での執拗な連絡、汚物等の送付、名誉を傷つける行為、性的羞恥心を侵害する行為、位置情報の無承諾取得などが該当します。
例えば、「ちゃんと奥さんに話すか監視している」と伝えたり、実際に相手の行動を確認するために待ち伏せしたりする行為は、ストーカー規制法に抵触するおそれがあります。
ストーカー行為を行った場合、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金などが科される可能性があります(同法第18条等)。
浮気相手の配偶者にばらすと慰謝料請求されるリスクも
不倫の事実を浮気相手の配偶者に自ら告げるという行為は、あなたの意図とは裏腹に、相手の配偶者から慰謝料を請求されるという大きなリスクを伴います。
なぜなら、不倫(不貞行為)は、夫婦の平穏な婚姻生活を侵害する不法行為とみなされるからです。あなたが異性と肉体関係を持った時点で、その異性の配偶者はあなたに対して慰謝料を請求する権利が発生します。
たとえあなたが浮気相手に騙されていたり、裏切られたと感じていたとしても、法律上、相手の配偶者から見れば、あなたは家庭を壊した加害者の一人という立場になります。
そのため、自ら不倫の事実を暴露する行為は、相手の配偶者に対して慰謝料請求を行う明確な根拠を与えることになるのです。
そして、不倫慰謝料の相場は、一般的に50万円から300万円程度とされていますが、不倫の期間や回数、その態様、さらには妊娠や出産の有無などにより大きく変動し、事案によってはさらに高額になる可能性も否定できません。
浮気相手の配偶者に不倫をばらす際に避けるべき行動
不倫の事実を配偶者に伝えること自体がリスクを伴いますが、その方法によってはさらに深刻なトラブルに発展するおそれがあります。特に以下の行動は絶対に避けてください。
相手の自宅や職場に直接押しかけてばらす
浮気相手の自宅に直接出向いて配偶者に不倫を告げたり、職場に電話や訪問をして暴露する行為は、トラブルが深刻化するリスクが高い方法です。対面では双方が感情的になりやすく、言い争いから暴力沙汰に発展するケースも少なくありません。職場への訪問や執拗な電話は、前述の名誉毀損罪に加えて威力業務妨害罪に問われる可能性もあります。
SNSや匿名の手紙など不特定多数に伝わる方法でばらす
SNSへの投稿や匿名の手紙による暴露は、一見すると自分の身元を隠せるように思えるかもしれません。しかし、SNSの投稿は発信者情報の開示請求を通じて投稿者が特定されることがありますし、手紙も筆跡や消印、内容から差出人が判明することは珍しくありません。情報がいったん拡散してしまうと収拾がつかなくなり、名誉毀損罪やプライバシー侵害による損害賠償請求を受けるリスクが格段に高まります。匿名でばらした場合のリスクについて詳しくは匿名で浮気を会社にばらされた!相手の特定と対処法を解説で解説しています。
浮気相手の子どもや親族を巻き込む
浮気相手の子どもに不倫の事実を伝えたり、相手の親族に連絡を取ったりする行為は、当事者間の問題を超えて関係のない人々を傷つけることになります。特に子どもは精神的に未熟であり、親の不倫を知らされることによる心理的ダメージは計り知れません。親族への暴露についても、相手の名誉を傷つける行為として法的責任を問われるおそれがあります。浮気相手の親族にばらすリスクについて詳しくは浮気相手の親に浮気をばらす行為は違法?NGな理由を解説で解説しています。
友人・知人を通じて間接的にばらす
自分の代わりに友人や知人を通じて配偶者に不倫を伝えてもらおうとする方もいますが、この方法にもリスクがあります。伝言の過程で情報が不正確になったり、想定以上に広まったりする可能性があるためです。第三者を介した場合でも、情報を広めた責任はあなたに及ぶことがあり、名誉毀損やプライバシー侵害を理由に損害賠償を請求される可能性は残ります。
関連記事:彼氏が既婚者だった場合のNGな仕返しと正しい対処法を解説
浮気相手の配偶者にばらす代わりに浮気相手に慰謝料請求は可能?
リスクの大きい方法で配偶者にばらすよりも、法的に正当な手段で浮気相手に責任を取らせる方が賢明です。特に、浮気相手が既婚者であることを隠してあなたと交際していた場合、貞操権侵害を理由に慰謝料を請求できる可能性があります。
貞操権とは、肉体関係を持つ相手を自分の意思で選ぶ権利のことです。相手が「独身だ」「離婚するつもりだ」などと嘘をつき、あなたに既婚者であると気づかせないまま関係を持った場合、この権利が侵害されたとして慰謝料請求が認められることがあります。こうしたケースでの具体的な対処法については騙された!彼氏が結婚してたなんて...精神的苦痛で慰謝料請求できる?で詳しく解説しています。
一方で、交際当初から相手が既婚者であると知っていた場合は、原則として慰謝料請求は難しいと考えられます。ただし、相手が「妻とは離婚する」「あなたと結婚したい」などと虚偽の説明を繰り返し、それを信じたことに相当な理由がある場合には、例外的に請求が認められたケースもあります。
慰謝料請求が可能かどうかは、交際の経緯や相手の言動、証拠の有無などによって個別に判断されます。感情的な行動でリスクを負う前に、弁護士に相談して法的に適切な対処法を確認することをおすすめします。
浮気相手の配偶者にばらしたいとお悩みの方へ
浮気相手の配偶者に不倫をばらす行為は、やり方によっては脅迫罪や名誉毀損罪に問われたり、相手の配偶者から慰謝料を請求されたりするリスクがあります。感情に任せた行動が、かえってご自身の立場を不利にしてしまうことは少なくありません。
弁護士に相談することで、リスクを回避しながら、貞操権侵害に基づく慰謝料請求など法的に正当な手段で浮気相手に責任を取らせる道を探ることができます。
裏切られた怒りや悲しみを一人で抱え続けるのは、精神的にも大きな負担です。「配偶者にばらすべきか迷っている」「すでに相手とトラブルになっている」という方は、行動を起こす前にぜひ一度ご相談ください。
当事務所では、不倫トラブルに精通した弁護士が、あなたの状況に合わせた最善の対応策をご提案いたします。全国どこからでも無料でご相談いただけますので、お気軽にお問い合わせください。
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この記事の監修者
男女問題・男女トラブルに強い法律事務所の代表弁護士。事務所全体で年間1,500件以上の男女トラブル相談を受けており、不倫慰謝料、妊娠トラブル、婚約破棄、パパ活トラブル、ストーカー被害など、他人に相談しづらい問題を穏便かつ内密に解決することを得意とする。相手の暴力的・脅迫的な言動にも弁護士が毅然と対応し、依頼者の平穏な生活を取り戻すために全力を尽くしている。

