浮気相手の親に浮気をばらす行為は違法?NGな理由を解説

パートナー(配偶者や交際相手)の浮気が発覚したとき、「浮気相手の親に全部ばらしてやりたい」と思うのは自然な感情です。しかし、その行為はただちに名誉毀損罪になるわけではありません。とはいえ、伝え方や状況次第では犯罪が成立したり、プライバシーを侵害したとして損害賠償を求められたりすることがあります。

「浮気相手の親にばらしたら犯罪になるの?」「ばらす以外に責任を取らせる方法はないの?」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。

この記事では、浮気相手の親にばらす行為の違法性やリスク、そして法的に正しい方法で浮気相手に責任を取らせる手段について、弁護士の視点から解説します。

  • 親にばらす行為が犯罪になるケース・ならないケース
  • 親にばらすことで問題が長期化・悪化する3つのリスク
  • 親にばらさずに慰謝料請求で浮気相手に責任を取らせる正攻法

なお、浮気相手への対応について早急に弁護士に相談したいとお考えの方は、この記事をお読みいただいた後、全国どこからでもご利用いただける当事務所の無料相談へお気軽にご連絡ください。

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浮気相手の親にばらす行為は違法?

浮気をされた怒りや苦しみから、つい「相手の親に会ってすべてを伝えてやりたい」と考える方は少なくありません。ただ、浮気相手の親に伝える行為にどのような法律上のリスクがあり、どこまでが許されるのかは、冷静に確認しておく必要があります。

犯罪にあたる?

浮気相手の親にばらす行為は、事実を伝えるだけであれば、原則として名誉毀損罪は成立しません

名誉毀損罪とは、公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した場合に成立する犯罪です。他人が不倫をしているという話は、その人の社会的評価を低下させる可能性のある事実にあたります。しかし、「公然と」とは不特定または多数の人が知り得る状態をいい、特定の少人数に伝えた場合でも、そこからさらに他人へ広まる可能性(伝播可能性)があれば公然性が認められます。浮気相手の父親や母親だけに直接伝えるようなケースでは、話が家族の中にとどまり、外部へ広める事情も乏しいことが多いため、公然性は認められにくいと考えられます。

注意したいのは、伝えた内容が真実かどうかは原則として結論を左右しないという点です。刑法は「その事実の有無にかかわらず」名誉毀損罪が成立すると定めており(刑法230条1項)、本当のことを言っただけでも、要件を満たせば罪に問われることがあります。公共の利害に関する事実を専ら公益目的で摘示し、それが真実だと証明されたときは罰しないという例外もありますが(刑法230条の2第1項)、私生活上の浮気の暴露がこれにあたることは通常ありません。

ただし、伝えた相手からさらに他人へ話が広まる可能性がある場合には、公然性が肯定され、名誉毀損罪が成立することもあります。両親だけでなく兄弟姉妹や親族にまで伝えたケースや、そこから周囲に知れ渡ったケースがこれにあたります。

また、浮気相手の親に対して「あなたの子どもが不倫したせいで、こちらは家庭が崩壊した。責任を取って慰謝料を払え」といった言動は、その内容や伝え方によっては、脅迫罪、恐喝罪、または強要罪に問われるリスクもあります。たとえば「払わなければ勤め先に知らせる」というように、名誉や財産に害を加える旨を告げれば脅迫罪、それによって金銭を脅し取れば恐喝罪、脅迫や暴行によって義務のないことをさせれば強要罪に該当する可能性があります。

なお、刑事責任とは別に、浮気相手が成人であれば、その親に慰謝料の支払義務はありません。法律が親などの監督義務者に賠償責任を負わせているのは、子に責任能力(自分の行為の責任を理解できる能力)がなく、子自身が責任を負わない場合だからです(民法714条1項)。不貞行為が問題になる年齢であれば通常は責任能力が認められるため、責任を負うのは浮気をした本人であり、親宛に内容証明郵便を送っても解決には近づきません。

プライバシーの侵害にあたる?

浮気相手の親に、浮気の事実を告げる行為は、プライバシーの侵害にあたるとして、相手側から損害賠償を求められるおそれがあります。

プライバシーとは、私生活に関する事柄をみだりに公開されない権利を指します。

浮気の事実も、当事者であるパートナーと浮気相手の私生活に関する情報であり、これを浮気相手の親という第三者に許可なく開示することは、プライバシー権の侵害として、不法行為(民法709条)にあたると判断されることがあります。

裁判所は、公開された情報の性質、公開の目的、公開された範囲、公開によって相手が被った精神的苦痛の度合いなどを考慮し、公表されない法的利益と公表する理由とを比較したうえで、プライバシーの侵害にあたるかどうかを判断します。たとえば、浮気相手の親にだけ直接伝えた場合と、職場やSNSなど不特定多数が知り得る形で明らかにした場合とでは、情報が伝わる範囲も相手が受ける不利益も大きく異なり、後者の方が侵害と判断されやすくなります。ただし、プライバシーの侵害は名誉毀損と違って公然性を必要としないため、伝えた相手が親だけであっても成立し得ます。

たとえ、浮気をされた側が精神的な苦痛を感じていたとしても、相手の親にまで浮気の事実を暴露して相手の家庭内での関係悪化や社会的評価の低下といった新たな損害を与えることが正当化されるわけではありません。

なお、ここまでは「ばらす側」の話ですが、反対に、浮気を知られた側が「家族にばらす」と告げられている段階では、名誉に害を加える旨の告知として脅迫罪(刑法222条1項)が問題になり得ます。すでに職場など不特定多数に知られる形でばらされてしまった場合は、実際に事実が摘示されているため、ばらした側に名誉毀損やプライバシー侵害の責任を問える可能性があります。

なお、伝える相手が浮気相手の配偶者である場合の注意点は、「浮気相手の配偶者にばらすと罪になるケースとリスクを徹底解説」で解説しています。また、あなたのパートナーの親(義両親)に浮気を報告する場合も、そこから親族や周囲へ話が広まる可能性があるときは、同じように公然性が問題になり得ます。

浮気相手の親にばらさない方がいい理由

浮気相手の親にばらす行為が、場合によっては名誉毀損などの罪に問われたり、プライバシーの侵害として慰謝料を請求されたりする可能性があることは、上記でご説明したとおりです。しかし、問題はそれだけにとどまりません。親に事実を暴露することによって、かえって状況が悪化し、あなた自身の立場や心の平穏が損なわれてしまうリスクもあるのです。

ここでは、時間や費用、気持ちの面も含めて、ばらすべきでない理由を整理します。

  • ①問題が長期化する
  • ②パートナーとの関係修復が困難になる
  • ③自分が惨めな気持ちになる

①問題が長期化する

浮気相手の親に浮気の事実を暴露することは、問題の早期解決を遠ざけ、かえって事態を長期化させる大きなリスクを伴います

浮気相手の親を巻き込むことで、浮気相手との間に新たな感情的な対立が生じやすくなります。

たとえば、相手の親が手続きに関与してきたり、浮気相手があなたの行動を逆恨みしたりすることで、話し合いがスムーズに進まなくなる可能性が高まります。最悪の場合、紛争解決のための話し合いができず、泥沼の裁判に発展することもあり得ます。

そうなれば、解決までに膨大な時間がかかるだけでなく、裁判費用や弁護士費用など、経済的な負担が予想以上に膨らむおそれがあります。

さらに見落とされがちなのが、慰謝料への影響です。あなたの暴露をきっかけに話が周囲へ広まり、相手の社会的な立場が悪くなると、「すでに社会的な制裁を受けている」と主張される余地を与え、金額をめぐる争いが長引くことがあります。加えて、暴露自体が不法行為と評価されれば、相手から逆に賠償を求められ、差し引きで受け取る額が減ることもあります。

問題解決の近道は、感情に流されず、法的な手続きを冷静に進めることです。

②パートナーとの関係修復が困難になる

浮気相手の親に浮気の事実をばらす行為は、パートナーとの関係修復を著しく困難にする可能性を秘めています。

パートナーにとって、自分のプライベートな問題が、浮気相手の親という全く無関係な第三者にまで知られてしまうことは、大きな屈辱や怒りを感じる原因となり得ます。パートナーは、あなたが感情的に行動し、私的な情報を外部に漏らす人間だと認識し、あなたへの信頼感を失うかもしれません。

関係の修復には、互いの信頼と、プライベートな問題を二人で解決しようとする姿勢が不可欠です。しかし、浮気相手の親を巻き込むことで、パートナーの心があなたからさらに離れてしまい、関係が修復不可能になる可能性すら高まります。もし関係修復を少しでも望むのであれば、このような感情的な行動は避け、パートナーと直接、冷静に向き合うことを心がけるべきでしょう。

③自分が惨めな気持ちになる

「相手にも同じように苦しんでほしい」という気持ちは痛いほど理解できますが、浮気相手の親にまで事実を暴露するという行為は、実際にはあなた自身の品位を下げてしまうことになりかねません。

あなたが望むような結果、たとえば相手の親から謝罪を得られたり、浮気相手に明確な制裁が下されたりすることは稀です。

むしろ、相手の親から反論されたり、あなたの行動を非難されたりすることで、あなたはさらなる精神的なダメージを受け、虚しさや後悔、そして恥ずかしさだけが残る結果に終わることが少なくありません。

一時の感情に任せて行動しても、冷静になったときに「そこまでするべきだったのか」と自問し、自分の行動に傷つくのは、他ならぬあなた自身です。他者を巻き込むことで、あなたが求める心の平穏は得られず、かえって精神的な負担を増やすだけの結果に終わってしまいます。

浮気相手の親にばらさずに正攻法で責任を取らせるべき

浮気相手の親にばらす行為は、たとえ正義感や怒りに突き動かされたものであっても、当事者間の感情をさらに悪化させ、トラブルを長期化させてしまう可能性があります。

本当に責任を取らせたいのであれば、感情に任せた行動ではなく、法的に認められた「正攻法」で浮気相手に責任を追及することが最も確実な手段です

浮気相手に責任を取らせる正攻法とは

浮気相手に責任を取らせるための主な方法は、慰謝料請求です。不貞行為(配偶者以外の相手と肉体関係を持つこと)に対する慰謝料の相場は、事案の悪質性や婚姻期間、精神的苦痛の度合いなどによって異なりますが、一般的には数十万円から300万円程度が目安とされています。請求が認められるには、不貞行為の事実に加えて、浮気相手があなたとパートナーの婚姻関係を知っていた(または知り得た)ことが必要で、行為の時点ですでに婚姻関係が破綻していた場合は、原則として認められません。いずれにせよ出発点となるのは、不貞行為の事実を証明する証拠です。

なお、慰謝料を請求できるのは、あなたとパートナーが婚姻関係にある場合が中心です。婚約や内縁の関係でも認められることがありますが、交際しているだけの相手の浮気は扱いが異なります。

交際中の恋人の浮気について慰謝料を請求できるケースの詳細は、「恋人が浮気!未婚でも慰謝料を請求できるケースと慰謝料相場」で解説しています。

浮気相手の親に頼らず、慰謝料請求を進めるために有効な証拠には、以下のようなものがあります。

  • パートナーと浮気相手の肉体関係を示す写真や動画
  • 2人が肉体関係にあったことを推測させるLINEやメールのやり取り
  • ホテルへの出入りを捉えた写真や動画、またはその利用を示す領収書や明細
  • 探偵事務所の調査報告書
  • パートナーや浮気相手が不貞行為を認めた書面(署名・捺印入り)など

なお、慰謝料の請求権には期間の制限があり、損害と加害者を知った時から3年、不貞行為の時から20年で時効により消滅します(民法724条1号・2号)。

証拠を集めて慰謝料請求の準備が整ったら、今後の生活を見据えた対応も重要です。関係修復を望む場合は、浮気相手との間で取り交わす示談書に「接触禁止条項」を盛り込むことを強くおすすめします

この条項は、浮気相手が今後あなたのパートナーに近づかないことを合意しておくもので、違反した場合の違約金を定めておけば、再度の不貞行為を防ぐ抑止力になります。ただし、相手が同意しなければ盛り込めず、違約金が高すぎると無効と判断されることもあります。

浮気相手に慰謝料請求をするなら弁護士に相談

浮気相手の親を巻き込まずに本人へ慰謝料を請求する手続きは、あなたご自身でも進められます。ただし、弁護士に相談・依頼することで多くのメリットが得られます。

まず、弁護士は豊富な経験と過去の裁判例に基づいて、適正な慰謝料額を算定できます。これにより、相場とかけ離れた不当な金額で合意してしまうリスクを避け、最大限の慰謝料を獲得できる可能性が高まります。

弁護士が代理人として交渉にあたることで、浮気相手に心理的なプレッシャーを与え、交渉を有利に進められます。相手は弁護士が介入したことで事態の深刻さを認識し、より誠実な対応をする傾向があります。

さらに、内容証明郵便の作成・送付や、複雑な示談交渉など、すべての法的手続きを弁護士が代行してくれます。これにより、あなたが精神的な負担を負うことなく、普段の生活を取り戻すことに専念できます

万が一、示談交渉が決裂して訴訟に移行した場合であっても、弁護士が訴状作成から裁判所への出廷まで、訴訟に関するあらゆる手続きをサポートします。費用が気になる場合でも、無料相談を受け付けている法律事務所も多いので、まずは一度相談してみることをおすすめします。

弁護士を頼らず自分で慰謝料請求を進める具体的な方法やコツは、「慰謝料請求は弁護士なしでもできる?自分で行う5つのポイント」をご参照ください。

浮気相手の親にばらしたいとお悩みの方は弁護士にご相談ください

浮気相手の親に事実を伝える行為は、名誉毀損やプライバシー侵害の責任を問われるリスクを伴うだけでなく、問題の長期化や関係修復の困難化など、あなた自身をさらに苦しめる結果を招きかねません。浮気相手にきちんと責任を取ってもらうには、感情的な行動ではなく慰謝料請求という法的手段が最も確実です。

弁護士に依頼すれば、証拠の収集から適正な慰謝料額の算定、内容証明郵便の送付や相手方との交渉、示談書の作成まで、すべての手続きを任せることができます。あなたが浮気相手と直接やり取りする必要がなくなるため、精神的な負担も大きく軽減されます。

「怒りの感情をどこにぶつければいいのか分からない」「すでに相手の親に連絡しようか迷っている」という方こそ、行動を起こす前に一度弁護士にご相談ください。

当事務所は浮気・不倫トラブルに関する豊富な解決実績があり、全国どこからでも無料でご相談いただけます。あなたの悔しさを法的に正しい形で解決するために、弁護士が全力でサポートいたします。

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この記事の監修者

若井亮 弁護士

若井 亮

代表弁護士

弁護士法人若井綜合法律事務所
東京弁護士会所属(登録番号:47827)

弁護士紹介ページ

男女問題・男女トラブルに強い法律事務所の代表弁護士。事務所全体で年間1,500件以上の男女トラブル相談を受けており、不倫慰謝料、妊娠トラブル、婚約破棄、パパ活トラブル、ストーカー被害など、他人に相談しづらい問題を穏便かつ内密に解決することを得意とする。相手の暴力的・脅迫的な言動にも弁護士が毅然と対応し、依頼者の平穏な生活を取り戻すために全力を尽くしている。

不倫慰謝料 妊娠トラブル 婚約破棄 パパ活トラブル ストーカー被害 男女間の金銭トラブル
メディア掲載 フジテレビ「とくダネ」/ ダイヤモンド・オンライン / @DIME / サイゾー 他多数
講演実績 「不当要求対応の基礎」「犯罪組織によるマネー・ロンダリングと投資詐欺への法的処置」等
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