
風営法違反で警察の捜査を受けた場合でも、適切な弁護活動によって不起訴となる可能性があります。
この記事では、当事務所が実際に対応した事例のうち、未成年者の雇用・不法滞在者の雇用・無許可営業といった風営法違反のケースで、いずれも不起訴処分を獲得した3つのケースをご紹介します。
どのような事情が考慮され、どのような弁護活動によって不起訴となったのかを知ることで、今後の対応の参考にしていただけます。
※プライバシー保護のため、依頼者の属性や事案の一部については変更を加えています。
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目次
未成年者雇用による風営法違反で不起訴となった事例①
事案の概要
相談者のAさんは、急成長中の風俗店を経営している40代男性です。
事業拡大に伴い、店舗運営の細部まで目が行き届かなくなり、各店舗の従業員に新規採用を任せる方針に切り替えました。
しかし、この判断が思わぬ事態を招きます。ある日、店舗の従業員が16歳の未成年少女をアルバイトとして採用し、深夜まで労働させていたことが警察に発覚しました。
これを受け、Aさんが経営する全店舗に対して一斉の捜索が入ることになりました。
Aさんは、会社の代表取締役として、警察から厳しい取り調べを受け、精神的に追い詰められていました。このままでは逮捕や起訴にまで発展しかねないという危機感から、弁護士に助けを求めることを決意し、当事務所に相談に来られました。
風営法違反は逮捕される?よくある違反行為と罰則を弁護士が解説
弁護活動と結果
当事務所の弁護士は、Aさんからの綿密な聞き取り調査を実施し、Aさん自身には未成年者雇用に対する故意がなかったことを確認しました。
事実関係を詳細に把握した後、速やかに警察に対して弁護人選任届を提出したうえで、「Aさんに風営法違反の故意はなく、逮捕・勾留は不当である」旨を強く主張し、以下のように、その主張を裏付ける証拠を提出する意向を申し入れました。
- 現在の採用担当がAさんではなく、各店舗の従業員に採用を任せていたこと
- Aさんが従業員に対し、18歳未満の者の雇用は違法であるため、必ず年齢確認を徹底するよう指示していたこと
- Aさんが自ら採用面接を行っていた時期には、年齢確認が厳格に行われ、未成年者を雇用した事実が一度もないこと
- 警察の捜索が入る前から、Aさんが16歳の少女を雇用した件について採用担当の従業員を厳しく叱責していたこと
これらの事実を証明する証拠を提出したことにより、警察のAさんに対する追及は大きく緩和されました。結果として、Aさんは逮捕・勾留を免れ、最終的には「今後同様の違法雇用状態を発生させないように」という注意を受けるにとどまり、取り調べは終了しました。
最終的に公安委員会からの行政指導はあったものの、本件は不起訴処分となり、刑事上の処罰を受けることなく解決できました。
風営法違反して不法滞在者を雇用した事案で不起訴となった事例②
事案の概要
相談者のBさんは、都内で小規模なバーを経営している30代の女性です。
営業許可は取得していましたが、多忙な中で、友人から紹介された知人の外国人女性を、深く身元確認をしないまま従業員として雇い入れてしまいました。
その知人が実は不法滞在者であったことが後に判明します。ある日、警察の立ち入り検査が行われ、不法滞在者が働いていることが発覚し、風営法上の「無資格者雇用」の疑いでBさんは警察の取り調べを受けることになりました。
Bさんは、法律に関する知識が乏しく、自身の経営するバーでそのような違法行為が行われていたことに大きなショックを受けていました。警察からの厳しい追及に精神的に追い詰められ、「どうすれば良いか分からない」という状況で、当事務所に相談に来られました。
弁護活動と結果
Bさんから詳しいヒアリングをした弁護士は、採用時に身分証明書の確認を怠った過失はあったものの、積極的に不法滞在者を雇用しようとする意図はなかったと判断しました。
弁護士は、直ちにBさんの代理人となり、警察に対して、Bさんが故意に不法滞在者を雇用したわけではないことを説明しました。
その際には、採用時に身分確認を怠った事実を認め、反省している旨の申述書や、Bさんが採用した他の従業員については、全て適切な身分確認を行っていたことを示す雇用契約書や身分証明書のコピー、Bさんが日頃から、従業員に対し法令遵守を徹底するよう指導していたことを示す社内規定や業務日誌などを提出しました。
これらの弁護活動の結果、Bさんは逮捕されることなく、在宅のまま取り調べを受けました。警察は、Bさんに悪質な故意があったとは認められないと判断し、最終的にBさんに対しては嫌疑不十分として不起訴処分となりました。
無許可営業による風営法違反で不起訴となった事例③
事案の概要
相談者のCさんは、友人と二人で都心に小さなコンセプトカフェをオープンした20代女性です。
店舗の内装を可愛らしく飾り付け、SNSで集客した結果、若い女性を中心に人気を博していました。Cさんは、さらに売上を伸ばしたいという気持ちから、一部の女性スタッフがカウンター越しに客と長時間会話したり、時には客の隣に座って話したりする行為を黙認してしまいました。
数ヶ月後、匿名での通報を受けた警察が店舗に立ち入り調査を実施した結果、上記の行為が風俗営業に該当すると判断され、Cさんは無許可営業の疑いで取り調べを受けることになりました。Cさんは、自分たちがしていることはあくまで「カフェの延長」であり、風営法の許可が必要だとは全く考えていなかったため、突然の事態に困惑し、当事務所に相談に来られました。
コンカフェが風営法違反で逮捕・摘発されるケースを弁護士が解説
弁護活動と結果
相談を受けた弁護士がヒアリングを行った結果、Cさんが風営法に関する知識が不足しており、故意に無許可営業を行っていたわけではないことを確認しました。弁護士は、Cさんが法規制を理解していなかったこと、そしてあくまで一般的なカフェとして営業する意図があったことを、客観的な証拠に基づいて主張する方針を立て、以下の事実を警察に説明しました。
- 顧客へのサービス内容が、あくまで一般的なカフェの範囲内にとどまることを示すメニュー表や料金体系
- 従業員に対する指示が、過度な接待行為を禁止する内容であったことを示す内部規定や研修資料
- 警察の立ち入り後、直ちに接待行為を中止し、営業形態を完全に風営法の規制対象外となるように是正したこと
- Cさん自身が、今回の件を深く反省しており、今後は法令遵守を徹底することを誓約する書面 など
これらの弁護活動の結果、警察はCさんに悪質な無許可営業の故意は認められないと判断しました。最終的に、Cさんは不起訴処分となり、刑事罰を免れることができました。
本件は、風営法に関する知識不足から意図せず法に抵触してしまった事例ですが、弁護士が早期に介入し、故意がなかったことや健全な営業を目指していたことを具体的に立証することで、起訴を回避し、不起訴処分を獲得できました。
風営法違反で不起訴を目指すなら当事務所までご相談ください
風営法違反が疑われ、警察から事情聴取や店舗への立ち入りを受けた場合、「逮捕されるのではないか」「営業を続けられなくなるのでは」と不安に苛まれるのも無理はありません。
しかし、状況を正確に整理し、早期に弁護士が介入して適切な対応を取ることで、不起訴処分となる可能性は十分にあります。
当事務所では、未成年者の雇用、不法滞在者の採用、無許可営業など、風営法違反で警察の捜査を受けた多くの方を弁護してきた実績がございます。
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