
「うちのコンカフェの接客は風営法違反にならないだろうか」「チェキやカウンター越しの会話なら大丈夫なのか」と、開業前や営業中に迷っていませんか。
コンカフェが摘発される典型的な風営法違反は、風俗営業の許可を取らないまま、接待(特定の客の相手をしてもてなすこと)に当たる接客をすることです。接待かどうかは店の呼び名ではなく接客の中身で決まり、カウンター越しの会話でも当たることがあります。
この記事では、風営法に詳しい弁護士が、次の点を解説します。
- 接待に当たる接客・当たらない接客の線引き
- チェキ撮影やカウンター越しの会話は大丈夫か
- 接待をする店・深夜にお酒を出す店に必要な許可と届出
- 摘発されたときの罰則と、摘発を防ぐための対策
お読みいただくことで、自店の接客と許可・届出が合っているかを見直せます。
なお、風営法への対応でお悩みの経営者の方は、この記事をお読みいただいた後、当事務所の無料相談へお気軽にご連絡ください。地域を問わずご相談を承っています。
| 気軽に弁護士に相談しましょう |
|
そもそもコンカフェとは?風営法上の位置づけ
コンカフェは、コンセプトカフェを略した呼び方です。メイドやアニメの世界観など店ごとのテーマに合わせて衣装や内装をそろえた飲食店を指します。
風営法に「コンカフェ」という区分はなく、位置づけを主に分けるのは、キャストが客に接待をするかどうかと、深夜(午前0時〜午前6時)にお酒を出すかどうかです。
接待をする店や、照明を極端に落とす・仕切った狭い席の店は「風俗営業」(風営法で許可制とされる営業)に当たり、都道府県公安委員会の許可が必要です(風営法2条1項1号〜3号・3条1項)。接待をせずに深夜もお酒を出す店は、許可ではなく「深夜酒類提供飲食店営業」の届出が必要です(33条1項。深夜にショーを見せる店は別の許可が必要)。
コンカフェとよく比べられるのがガールズバーです。ガールズバーはカウンターを挟んでお酒と会話を楽しむバー型の店が中心で、昼間に軽食やドリンクを出す喫茶店のような店も多いコンカフェとは営業の形が異なります。ただ、風営法が問うのは店の型ではなく実際の接客なので、どちらも接待をすれば風俗営業の許可が必要です。
ガールズバーの規制について詳しくは「ガールズバーで風営法違反となる5つのケースを弁護士が解説」もあわせてご確認ください。
風営法の「接待」とは?コンカフェで当たる接客・当たらない接客
許可のないコンカフェが無許可営業に問われるかどうかを分けるのは、キャストの接客が「接待」に当たるかどうかです。
接待の定義と警察庁の判断基準
風営法は、接待を「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」と定めています(2条3項)。実際の線引きに使われるのは警察庁の「解釈運用基準」(風営法の運用について警察庁が示した通達)で、接待を「特定の客又は客のグループに対して単なる飲食行為に通常伴う役務の提供を超える程度の会話やサービス行為等を行うこと」と説明しています。
コンカフェでも、次のような行為は接待に当たらない例とされています。
- お酌や水割りを作ったあと、すぐにその場を離れる
- カウンターの中で注文に応じてお酒を出すだけ
- 社交儀礼としての握手、酔った客の介抱に必要な範囲の接触
- 飲食物を運ぶ、食器を片付ける、荷物やコートを預かる
接待と判断されやすい接客
解釈運用基準が接待に当たる例として挙げるのは主に次の行為です。
- 特定の客のそばに付き、続けて談笑の相手をしたりお酒を注いだりする
- 特定の客と一緒にゲームや遊戯をする(客どうしで遊ばせるだけなら直ちには当たらない)
- 特定の客と一緒に歌う、その客の歌に手拍子や拍手をする
- 客と身体を密着させる、手を握る、口元まで飲食物を差し出して食べさせる
キャストがドリンクをねだって特定の客と一緒に飲む接客も、接待と判断される可能性があります。
カウンター越しでも、特定の客の相手を続ければ接待に当たり得ます。2024年9月には、歌舞伎町のコンカフェで、許可を得ないまま未成年(17歳)の少女に客の男性とカウンター越しに談笑させるなどした疑いで、経営者と店長が風営法違反で逮捕される事件がありました(NEWSポストセブン 2024年9月27日報道)。
指名や同伴は基準に定めがありませんが、同じキャストが同じ客に続けて付く運用は「特定少数の客の近くにはべり、継続して」相手をする形になりやすく、接待と判断される方向に働きます。
コンカフェでチェキの撮影は風営法違反になる?
風俗営業の許可のないコンカフェでのチェキの撮影が風営法違反になるかは、その撮影が「接待」に当たるか次第です。接待を伴わない飲食店であれば、通常、風俗営業の許可は必要ないからです(ただし、20歳未満への酒類提供の禁止などの規制はかかります)。
チェキの撮影そのものについて警察庁の基準に定めはなく、撮影だけで直ちに接待になるとはいえません。一方、撮影の際に身体を密着させる・手を握るといった行為が加われば、接待と判断される可能性が高まります。細かなポーズの注文に長く付き合う、落書きに時間をかけるなど、特定の客だけに手厚いサービスを続ける形も同様です。
営業に必要な許可・届出は接待と深夜営業の有無で決まる
コンカフェに必要な手続きは、主に接待の有無と深夜の酒類提供の有無で決まります。接待をせず深夜にお酒も出さない店なら、風営法上の許可や届出は原則として要らず、食品衛生法に基づく飲食店の営業許可を保健所で受ければ営業できます。
接待をするなら風俗営業許可が必要
接待をするコンカフェは、営業所ごとに都道府県公安委員会の許可を受けなければなりません(風営法3条1項)。
風俗営業は、午前0時〜午前6時は営業できません(条例で延長できる地域がある。13条1項)。この制限に直接の刑事罰はありませんが、違反すると営業停止や許可の取消しの処分を受けることがあります(26条1項)。
風俗営業の営業時間制限について詳しくは「風営法の営業時間違反は何時から?時間外営業の罰則を解説」をご参照ください。
深夜酒類提供の届出だけでは接待はできない
深夜酒類提供飲食店営業の届出をしても、接待をすることはできません。この届出は、接待をしない飲食店が深夜に酒類を出すためのものです。「深夜営業許可」とも呼ばれますが、許可ではなく届出で、営業所ごとに公安委員会へ届け出ます(33条1項)。なお、営業時間中いつでもご飯・パン(菓子パンを除く)・めん類などの主食を出している店は、届出の対象外です。
風俗営業の許可を受けたコンカフェは、この届出をしても原則として午前0時以降は営めず(13条1項)、同じ店で風俗営業の許可と深夜酒類提供の届出を併用することも、警察の運用上、原則として認められていません。自店の接客が接待に当たるか迷う場合は、開業前や業態を変える前に弁護士に相談してください。捜査を受けた場合の弁護活動と相談窓口は「風営法違反に強い弁護士による弁護活動を解説」でご案内しています。
コンカフェの摘発につながる風営法違反の罰則
コンカフェの風営法違反で科される刑は、無許可で接待をした場合と、年齢に関する違反をした場合とで異なります。いずれも摘発されれば逮捕に至ることもあります。
無許可で接待をした場合の罰則
コンカフェで風俗営業の許可を受けずに接待をする営業を営むと、5年以下の拘禁刑(2025年6月に懲役と禁錮を一本化した刑)もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方が科されることがあります(風営法49条1号)。両罰規定により、店を営む法人も3億円以下の罰金の対象です(57条1項1号)。
無許可営業の罰則は2025年6月28日施行の改正風営法で引き上げられたもので、改正の詳細は「2025年風営法改正のポイント|何が変わった?店舗経営者の対策」で解説しています。
警察庁によると、令和7年の風営法違反全体の検挙は662件・844人で、このうち無許可営業が170件・335人、20歳未満の者への酒類等提供が44件・64人でした(警察庁「令和7年における風俗営業等の現状と風俗関係事犯等の取締り状況について」)。
18歳未満・20歳未満に関する違反の罰則
接待をするコンカフェなど風俗営業の店では、未成年者(18歳未満の人)に接待をさせること、午後10時〜翌朝6時に18歳未満を配膳などの接客に就かせること、20歳未満に酒類・たばこを出すことは禁止される風営法違反です(22条1項3号・4号・6号)。違反すると1年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金、またはその両方が科されることがあります(51条1項4号)。18歳未満に接待や午後10時以降の接客をさせた場合は、年齢を知らなかったことを理由に処罰を免れることはできません(年齢確認に過失がなかった場合を除く。51条2項)。
接待をしない飲食店でも、20歳未満への酒類・たばこの提供は禁止され、午後10時〜翌朝6時に18歳未満を接客に就かせることも、主食を常に出す店などを除き禁止です(32条3項。罰則も同じ)。20歳未満が飲むと知りながら酒類を出すことは、二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律(旧・未成年者飲酒禁止法)でも禁止され、出した本人のほか店を営む法人・個人も50万円以下の罰金の対象です。
2023年4月には、歌舞伎町のコンカフェ経営会社の役員の男(41)らが、10代の少女2人に20歳未満と知りながらシャンパンなどを出したとして、風営法違反の疑いで逮捕されています(朝日新聞デジタル 2023年4月3日報道)。
また、満15歳に満たない児童に酒席で客の相手をする行為を業務としてさせることは児童福祉法で禁止され(34条1項5号)、3年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金、またはその両方が科されることがあります(60条2項)。この禁止の詳細は「児童福祉法違反とは?定義や禁止行為と罰則を弁護士が解説」で解説しています。
摘発を防ぐために経営者がとるべき対策
摘発を防ぐ基本は、許可・届出の内容と実際の接客を一致させることです。
- 開業前に営業の方針を決める:
接待の有無と深夜営業の有無を決め、合う許可・届出を用意します。警察は客として来店したり店に立ち入ったりして接客の実態を確かめることがあり、許可・届出と実態がずれた違法な営業は摘発につながります。 - 接客ルールを文書にしてキャストと共有する:
隣に座らない、身体に触れないなどのルールを文書にし、チェキの撮影ルールは店内に掲示します。 - 採用時と来店時に年齢を確認する:
採用時は公的な書類で本人確認をし、20歳以上と確信が持てない客には身分証を見せてもらいます。 - 客引き(相手を特定して店の客になるよう勧誘すること)をさせない:
接待をするコンカフェや深夜営業の店では、客引きは禁止されており(22条1項1号)、違反すると刑事罰の対象になります。
店が風営法違反で通報された場合の対応手順については「風営法違反で通報されたら?店が取るべき6つの手順」をご参照ください。
コンカフェの風営法違反が不安な方は弁護士にご相談ください
コンカフェの風営法違反は、許可のないまま接待に当たる接客をするケースが典型で、カウンター越しの会話やチェキの撮影も、接し方によっては接待と判断されます。18歳未満に接待をさせることや20歳未満への酒類提供も処罰され、経営者が逮捕されることもあります。
接待に当たるかどうかは接客の内容や態様によって個別に判断されるため、自己判断だけで線を引くのは容易ではありません。弁護士に相談すれば、開業前の業態や接客ルールの確認から、警察から指導を受けたときの対応まで、状況に合わせた助言を受けられます。
「どの許可・届出が必要か分からない」「届出だけで営業しているが、今の接客で問題ないか確かめたい」といった場合は、早めにご相談ください。
当事務所には風営法に関するトラブルの解決実績が豊富な弁護士が在籍しています。全国どこからでもご利用いただける無料相談を設けておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
| 気軽に弁護士に相談しましょう |
|
この記事の監修者
刑事事件の弁護に注力する法律事務所の代表弁護士。逮捕回避・早期釈放・不起訴獲得・示談交渉など、被疑者・被告人の権利を守るための迅速な弁護活動に豊富な実績を持つ。痴漢・盗撮・暴行傷害・薬物事件・性犯罪など幅広い刑事事件に対応し、24時間体制で依頼者とそのご家族を全力でサポートしている。

