住居侵入罪・建造物侵入罪の公訴時効は3年。民事の時効も3年

公訴時効とは、犯罪行為が終了してから一定期間経過すると検察官が起訴できなくなる制度のことです。公訴時効が完成すると、刑事裁判にかけられて処罰されることもありません。また、”前科”もつきません。

住居侵入罪・建造物侵入罪(刑法130条)の公訴時効は3年です(刑事訴訟法第250条2項6号)。犯人が住居や建物の敷地外に出た時から時効がスタートします。例えば、令和3年9月1日に住居に侵入し、同日に住居の敷地外に出た場合、公訴時効が完成するのは令和6年8月31日24時です。

刑法第130条(住居侵入等)
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
刑事訴訟法第250条(公訴時効の期間)
1項 時効は、人を死亡させた罪であつて禁錮以上の刑に当たるもの(死刑に当たるものを除く。)については、次に掲げる期間を経過することによつて完成する。
①無期の懲役又は禁錮に当たる罪については30年
②長期20年の懲役又は禁錮に当たる罪については20年
③前二号に掲げる罪以外の罪については10年
2項 時効は、人を死亡させた罪であつて禁錮以上の刑に当たるもの以外の罪については、次に掲げる期間を経過することによつて完成する
①死刑に当たる罪については25年
②無期の懲役又は禁錮に当たる罪については15年
③長期15年以上の懲役又は禁錮に当たる罪については10年
④長期15年未満の懲役又は禁錮に当たる罪については7年
⑤長期10年未満の懲役又は禁錮に当たる罪については5年
長期5年未満の懲役若しくは禁錮又は罰金に当たる罪については3年
⑦拘留又は科料に当たる罪については1年

≫不法侵入(住居侵入罪・建造物侵入罪)について詳しく知りたい方はこちら

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住居侵入や建造物侵入が他の犯罪の手段である場合の時効は?

住居侵入や建造物侵入は、不法侵入すること自体が目的であることは少なく、多くは、窃盗・強盗・盗撮・強制性交等(旧強姦罪)・殺人等の他の犯罪を成し遂げるための手段として行われます。このように、犯罪の手段又は結果である行為が他の罪名に触れることを「牽連犯(けんれんはん)(刑法54条1項後段)」と言います。

上で紹介した「刑事訴訟法250条2項」をご覧になって頂けたらわかりますが、公訴時効の期間は、刑罰の重さに応じて定められています。牽連犯の場合は、成立する複数の犯罪のうち最も重い刑罰で処罰されるため、公訴時効の期間もその刑罰を基準とします

例えば、窃盗目的で住居に侵入し犯行に及んだ場合は、窃盗罪と住居侵入罪の牽連犯となります。窃盗罪の刑罰は10年以下の懲役または50万円以下の罰金、住居侵入罪の刑罰は3年以下の懲役または10万円以下の罰金ですので、より重い罪である窃盗罪の刑罰を基準に公訴時効の期間が決定されます。具体的には、窃盗罪の公訴時効は7年です。

その他にも、住居侵入罪や建造物侵入罪と牽連犯になりやすい犯罪と公訴時効の期間を挙げると以下のようになります。

  • 強制わいせつ:7年
  • 傷害・強制性交等・強盗:10年
  • 強盗致傷・強制わいせつ致傷・強制性交致傷:15年
  • 傷害致死:20年
  • 現住建造物等放火:25年
  • 強制わいせつ致死・強制性交等致死:30年
  • 殺人・強盗殺人・強盗致死・強盗強制性交等致死:なし

殺人や強盗致死などの凶悪犯罪については、2010年4月の刑法改正により、公訴時効の期間が「なし」、つまりは期間制限なしで訴追できるようになりました。

住居侵入罪・建造物侵入罪の公訴時効が停止するケース

【住居侵入罪・建造物侵入罪の公訴時効の停止・進行再開の流れ】

住居侵入罪・建造物侵入罪の公訴時効は、犯人が起訴された場合には停止します(刑事訴訟法254条1項)。

また、犯人が国外にいる場合または犯人が逃げ隠れているために有効に起訴状謄本の送達等ができない場合にも停止します(刑事訴訟法255条1項)。

刑事訴訟法254条1項(時効の停止1)
1項 時効は、当該事件についてした公訴の提起によってその進行を停止し、管轄違又は公訴棄却の裁判が確定した時からその進行を始める。
刑事訴訟法255条1項(時効の停止2)
1項 犯人が国外にいる場合又は犯人が逃げ隠れているため有効に起訴状の謄本の送達若しくは略式命令の告知ができなかった場合には、時効は、その国外にいる期間又は逃げ隠れている期間その進行を停止する。

ただし、あくまでも「停止」ですので、停止事由がなくなれば時効は進行を再開します。例えば、住居侵入の犯人が事件から半年後に海外旅行に行き、2週間滞在したのちに帰国した場合、その2週間は公訴時効が停止しており、帰国した時から残りの2年半(3年の公訴時効-進行済みの半年)の時効の進行が再開されます。

また、複数人の共犯者とともに不法侵入した場合において、その内の1名が逮捕されて起訴されると、その者の刑事裁判が確定するまでは他の共犯者の公訴時効も停止します。

民事(損害賠償・慰謝料)の時効期間も3年

住居侵入・建造物侵入の被害者は、例えば、土足で家に入られて絨毯が汚れた、侵入時に窓を割られたといった財産的損害について、加害者に損害賠償請求することができます。また、無許可で侵入されたことで精神的苦痛を受けた場合には、慰謝料請求をすることもできます(民法709条・710条)。これら損害賠償や慰謝料を請求できる権利を「損害賠償請求権」といいます。

損害賠償請求権は、被害者が、損害及び加害者を知った時から3年間行使しないことで時効(民事の時効を「消滅時効」といいます)にかかります(民法724条)

「損害」と「加害者」を知った時から消滅時効が進行しますので、例えば、事件から3ヶ月が経過してから盗まれた物があることに気付き、そこからさらに1年が経過してから犯人が誰か判明したようなケースでは、損害と加害者の両方を知ったのは事件から1年3か月後ですので、その時点から3年の消滅時効が進行します。ただし、不法行為の時(不法侵入時)から20年が経過した場合も、損害賠償請求権は時効消滅します。

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