「部外者が大学の敷地内に勝手に入ると不法侵入で警察に逮捕されるのではないだろうか…」
このようにお考えではないでしょうか。
結論から言いますと、正当な理由なく大学の各建物、敷地内に侵入すると不法侵入として警察に通報されて逮捕される可能性があります。
この記事では、刑事事件に強い弁護士が、以下の4つのケースで大学への立ち入りが不法侵入にあたるのかどうかを解説していきます。
- ①見学のため
- ②潜りで授業を受けるため
- ③学食を食べるため
- ④ナンパ目的のため
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大学に勝手に入ったら不法侵入?ケース別で解説
大学への立ち入りが不法侵入にあたるかどうかは、大学への立ち入りが刑法上の建造物侵入罪(刑法第130条前段)にあたるかどうかによります。
大学の各建物、建物内の各部屋はもちろん、大学の敷地も大学の建物に付属するものとして「建造物」にあたります。
「侵入」とは、建造物の看守者の意思に反する立ち入りをいいます。看板などが設置されて立ち入りが明示的に禁止されている建造物に立ち入った場合はもちろん、明示的に禁止されていなくても社会常識的に看守者の意思に反するだろうと思われる立ち入りも「侵入」にあたる可能性があります。
「正当な理由がない」とは、立ち入りの目的や態様等に照らして社会常識に反しているということです。仮に、正当な理由があると認められる場合には不法侵入にはあたりません。
不法侵入や建造物侵入罪について詳しくは、以下の記事をご覧になってください。
不法侵入はどこから?住居侵入罪になる分かれ目と逮捕後の流れを解説
以下では、大学に無断で立ち入る行為が不法侵入にあたるのか、ケース別で解説していきます。
①見学のため
たとえば、大学を見学するために大学の敷地に立ち入ったという場合は不法侵入にはあたらないでしょう。通常、大学の看守者(学長)は敷地への立ち入りを禁止しておらず、一般に開放され、誰でも立ち入ることができることが許容されており、大学の敷地への立ち入りは建造物侵入罪の「侵入」とはいえないからです。オープンキャンパスの場合のほか、それ以外の場合でも不法侵入にはあたりません。
②潜りで授業を受けるため
次に、潜りで授業を受けるために教室という「建造物」に立ち入った場合は不法侵入にあたる可能性があります。もし、その大学が潜りを許さない大学の場合、潜りで授業を受けるために教室内に立ち入る行為は教室の看守者の意思に反する立ち入りと考えられるからです。潜りは賠償責任等の問題にも発展しかねませんので、やめた方が無難です。
③学食を食べるため
次に、学食を食べるために食堂に立ち入る行為は、その食堂が大学に通う学生限定の食堂であれば不法侵入にあたる可能性がありますが、一般に開放されている食堂であれば不法侵入にはあたりません。
④ナンパ目的のため
最後に、ナンパ目的のために大学の敷地に立ち入った場合には不法侵入にあたる可能性があります。いくら大学の敷地が一般に開放されている開放されているとはいえ、ナンパをするために開放されているとはいえず、ナンパ目的での敷地への立ち入りは「侵入」にあたるからです。
例えば、2016年には、名古屋大学にナンパ目的で侵入した男が職員の通報により駆けつけた警察官に現行犯逮捕される事件も発生しています。
まとめ
大学への立ち入りは立ち入りの目的や態様などによって不法侵入にあたる場合、あたらない場合があります。
盗撮や窃盗などの犯罪目的でなければ違法にはならないだろう…という安易な考えで大学に立ち入って刑事事件にまで発展してしまう可能性もありますので、事前に大学に問い合わせてから訪問するようにしましょう。
万一、大学への不法侵入で罪に問われた場合には、不法侵入に精通した当事務所の弁護士までご相談ください。お力になれると思います。
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