暴行罪に未遂はありません
暴行をしようとして未遂に終わった場合には暴行未遂罪が成立するのだろうか?

このような疑問をお持ちではないでしょうか。

結論から言いますと、暴行罪には未遂規定がありませんし、そもそも未遂がありえません。以下、暴行罪に強い弁護士が理由を解説していきます。

暴行罪に未遂はない

暴行罪とは

暴行罪とは、人に対して暴行をくわえたものの、その人に傷害が生じなかった場合に成立する犯罪です(刑法第208条)。

暴行とは、人の身体に対する不法な有形力の行使のことを指し、殴る、蹴る、肩を押す、絞めるなどの行為が典型です。

その他にも、狭い室内で刃物を振り回す、人の少し手前に石を投げつける、あおり運転など、直接人の身体に触れない行為も暴行にあたります

暴行罪と傷害罪の違いは?どこから成立?構成要件や罰則を解説

暴行罪に未遂がない理由

未遂とは、犯罪の実行(行為)に着手したがこれを遂げなかった場合のことです(刑法第43条)。

(未遂減免)
第四十三条 犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することができる。ただし、自己の意思により犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、又は免除する。

刑法 | e-Gov法令検索

例えば、人を殺そうとしてナイフで人を刺す行為は殺人罪の実行行為に着手したことになりますが、刺された人が死ななかった場合には殺人未遂罪が成立します。

他方で、暴行罪は暴行行為自体が犯罪です。すなわち殴る蹴るなどの暴行を加えた時点で既遂となります。また、前述の通り暴行罪の暴行は「直接人の身体に触れない行為」も含むわけですから、人に殴る蹴るの暴行を加えようとパンチやキックを繰り出したものの相手に当たらなかったとしても暴行にあたります。

つまり暴行罪は、暴行の実行行為に着手した時点で既遂に達するため未遂になることはないのです

なお、人に傷害を負わせようとして暴行をはたらいたものの相手が無傷であった場合、傷害罪にも未遂規定がありませんが、暴行罪の成立要件である「人に暴行を加えたがその人に傷害が生じなかった場合」にあたるため、暴行罪が成立します。そのため暴行罪は、傷害罪の未遂罪とも言えるでしょう。

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