ヤクザを名乗る男から15年間性被害を受け200万円を回収した事例

※本記事は当事務所が実際に解決した事例をもとに作成しています。依頼者のプライバシー保護のため、氏名・年齢・具体的な状況等については一部変更を加えています。

事案の概要(相談前の状況)

依頼者:Aさん(女性・30代)
状況:出会い系サイトで知り合ったヤクザを名乗る相手から長年にわたり性被害を受けている

15年ほど前のこと、Aさんはお小遣いを稼ぎたいという思いから、出会い系サイトに登録をして、今で言うところのパパ活をしようと考えました。

サイトに登録をすると、複数の男性から連絡がありましたが、1件女性Bからの連絡がありました。異性からの連絡が来るとばかり考えていたので、Bさんの連絡が気になったAさんは、Bさんのメッセージを確認しました。Bさんのメッセージは、会える人物を紹介するというものでした。

直接男性とやり取りをすることに不安があったAさんは、Bさんを頼ることにして、男性の紹介を受けることにしました。

Bさんに指定された場所に向かうと、Bさんから紹介を受けたという男性Cさんがおりました。Cさんとホテルに行くと、Cさんは突然、ヤクザの関係者であると話し、断りもなく売春行為をしている人物を捕まえている、本来であれば連れて行くところだが、BさんからAさんは助けて欲しいと言われている、自分の指示に従うのであれば事を大きくすることはしないと言われてしまいます。

AさんはCさんの話を聞いて恐怖し、冷静さを失ってCさんに従うと話してしまいました。Cさんは、すぐにAさんの自宅住所や実家の住所、家族構成などを聞いてきました。Aさんは抵抗を諦め、Cさんに聞かれるがまま、個人情報を伝えてしまいます。

それから、AさんはCさんと週に1回から2回会うようになり、毎回、性行為を強制され、動画を撮影されました。また、Cさんは「みかじめ料」を払うよう要求し、数万円を何回にもわたって支払わされていました。

AさんがCさんに対して、いつまで続くのか確認をすると、聞くたびに期間が延長され、最後は結婚をするまで続けると言われました。

最初は自分が我慢すれば家族に迷惑がかからずに済むと考えていたAさんですが、Cさんとの関係により心身に不調をきたすようになります。限界を感じたAさんが弊所に相談に来られました。

弁護士の対応と解決への流れ

Aさんから時系列で、Cさんと知り合ってから現在までの事実経過を伺いました。15年も前から続く関係であったため、記憶が曖昧になっているところもございましたが、事案の概要を把握するには十分な話を伺えました。

次に、Cさんとのやり取りについて証拠が残っているかどうか確認すると、やり取りはほとんど口頭で進んでおり、残っているものもフリーメールアドレスから発信されたものしかないとのことでした。さらにBさんやCさんの身元に関する情報を聞くも、名乗っている名前以外には把握していないとのことでした。

ただ、Aさんから話を聞いていくと、Cさんから性行為を強要された場所は、いつも同じ場所であり、ラブホテルではなく、アパートの一室であったという話を聞けました。Cさんは当該アパートの鍵を持っており、15年近く、必ずその場所を利用していたとのことでした。

今でもその場所を特定できるか確認すると、Aさんは細かい住所まで覚えており、ネットで確認をすると当該建物が現在でも残っていることが確認できました。

Aさんに対して、建物の所有者情報からCさんに繋がらないかトライすることはできる、Cさんと思われる人物が把握できたら、一度、メールで弊所から連絡をしてみる、そこで反応があれば交渉できるかもしれないと説明しました。Cさんに繋がる可能性は高いとは言えず、雲をつかむような話でしたが、Aさんからできることは全てやりたいとの話があったため、弊所で対応を引き取ることにしました。

その後、すぐにAさんが性行為を強要された建物について所有者の情報を調べると、特定の人物が浮かび上がってきました。念のため、住民票や戸籍で所有者を調べると、現在の年齢から15歳ほど若くした場合、当時のCさんと同じくらいの年齢と思われるとのことでした。

そのため、Aさんが保有していたCさんとやり取りをしていたメールアドレスに、弊所から、弊所が代理人に就いたこと及び過去15年間にわたって性加害を行ってきたCさんの法的責任を指摘したうえ、損害賠償請求を行うこと、連絡がなければ刑事事件化も視野に入れている旨のメッセージを送りました。

フリーメールのアドレスであったため、返信が来ないのではないかと考えておりましたが、ほどなくしてCさんから、弁護士に相談するので待って欲しいとの連絡がありました。ひとまずCさんとの連絡が確立し、安心しました。

その後、Cさんに弁護士が就き、長きにわたって意に反する性被害を与えていたのであれば申し訳なかったという連絡がありました。ただ、Cさんは、BさんからAさんがいわゆる売春婦であると聞いており、交通費を支払うだけで性行為ができると聞いていたので、性行為に及んだという認識を説明してきました。また、ヤクザとは関係がなく、ヤクザに関係する人物であると話したこともないことや関係を強制したことはないと回答してきました。

なお、上記のような認識に基づき、150万円であれば示談金を支払うとの提示もありました。15年もの長期間にわたり、性行為を強要しておきながら、随分と虫のいい説明をしてきたことに対し、Aさんは強い憤りを感じます。

ただ、Cさんの言動を裏付けるだけの証拠がないこと、Bさん(そもそも実在するのかも分かりませんでしたが)に話を聞いて裏を取ったり、証拠を収集することは今となっては不可能であることから法的手続を利用することは困難であると考え、話し合いのなかでできる限りの増額を目指すという方針となりました。

その後、Cさんの代理人に、事実を詳細に説明、証拠を出すよう申し入れましたが、Cさん側も証拠がないとのことで、話し合いは示談金額をどうするかという点に絞られ、最終的に200万円を一括で支払ってもらうことで終わらせるという話になりました。Aさんが事件に関わることで感じる負担も大きく、これ以上のやり取りは難しいという判断もありました。

Cさんと示談金の支払や撮影した動画の削除などを確認する旨盛り込んだ合意書を取り交わし、200万円の支払を受け、本件は終件となりました。

解決結果と弁護士のコメント

解決金額:200万円(当初提示150万円から増額)
動画:削除を合意書に盛り込み
解決方法:示談(合意書締結)

本件は15年前から継続して、脅迫によりコントロールをされ、甚大な性被害を受けた事案でした。被害を受けた期間の長さ、行為態様の悪質さ、被害の内容・程度からすれば、Cさんには刑事責任を負ってもらいたいと強く考えておりましたし、民事事件としても、多額の賠償金を支払ってもらわなければ納得ができない事案でした。

しかしながら、証拠がほとんど存在しなかったため、実際に何が起こったのかについて証明ができないであろうこと、Aさんが本件に関わることで精神的に負担を感じていたことから、早期解決を優先することにしました。今、思い出しても憤りを感じる事案です。

相手方が、ヤクザなど反社会的勢力に属する人物を名乗ったうえで、お金や義務のない行為を要求してくる事案について、弊所では多くご相談・ご依頼をお受けしてまいりました。本当にヤクザに該当する相手方もおりましたが、ヤクザであることを「騙っているだけ」のケースも多くございます。マッチングアプリなど、匿名であることを前提に会うことができる場が増え、よりその傾向は高まっている印象です。同様の事案について「出会い系でヤクザを名乗る男に恐喝されたが0円解決した事例」もご参照ください。

相手方からヤクザであると言われると、怖くなってしまい、抵抗できなくなることは当然だと思います。最近ではヤクザでなくても入れ墨を入れている方がたくさんおりますし、裏付けが取れない以上、ヤクザかもしれないと考えれば、言いなりになってしまうことも理解できるところです。

万が一、ヤクザを名乗る人物と接点を持ってしまい、何らかの不当な要求(根拠のない請求や根拠があっても過大な請求)を受けた場合には、決して自分だけで対応しないようにしてください。具体的な対処法や相談先については「ヤクザとトラブルになって脅された場合の対処法と頼れる相談先」で詳しく解説しています。

まず、第一に、最寄りの警察署に被害相談に行きましょう。その際には、時系列で事実関係を整理し、手持ちの証拠があれば持参するようにしてください。

次に、弁護士にご相談ください。警察はあくまで刑事事件について対応してくれますが、民事事件には介入はしてくれません。警察の力を借りつつ、弁護士を盾にして対応していくべきです。

ヤクザをはじめとする反社会的勢力に属すると思われる人物と関わりを持ってしまい、お困りの場合には、弊所にお気軽にご相談ください。

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この記事の監修者

若井亮 弁護士

若井 亮

代表弁護士

弁護士法人若井綜合法律事務所
東京弁護士会所属(登録番号:47827)

弁護士紹介ページ

脅迫・恐喝被害の解決に豊富な実績を持つ。一般社団法人 詐欺・不当要求対策協会の代表理事として、不当要求対策の研究・啓発活動にも取り組んでいる。「警察沙汰にしたくない」「家族や会社に知られたくない」といった被害者特有の事情に寄り添い、粘り強い交渉で解決に導く。他の事務所で断られた案件にも積極的に対応。

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メディア掲載 フジテレビ「とくダネ」/ ダイヤモンド・オンライン / @DIME / サイゾー 他多数
講演実績 「不当要求対応の基礎」「犯罪組織によるマネー・ロンダリングと投資詐欺への法的処置」等
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