
「家に行くぞ」「お前の家を知っているからな」と相手から言われ、「本当に来たらどうしよう」「これは犯罪にならないのか」と恐怖を感じている方もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、「家に行く」という発言は、それ単体では直ちに脅迫罪が成立するわけではありませんが、発言の状況や文脈次第では脅迫罪に該当する可能性があります。
この記事では、脅迫被害の解決実績が豊富な弁護士が、「家に行く」が脅迫罪になるケースとならないケースの違い、脅迫された場合の具体的な対処法について解説します。
なお、「家に行く」と脅されてお困りの方は、この記事をお読みいただいた後、全国どこからでもご利用いただける当事務所の無料相談へお早めにご連絡ください。早期対応が結果を左右します。
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「家に行く」と脅されたら脅迫罪?
そもそも脅迫罪とは?
脅迫罪(刑法第222条)とは、本人またはその親族に対して、「生命、身体、自由、名誉、財産」のいずれかに危害を加えることを告げる(害悪の告知)ことで成立する犯罪です。
この罪のポイントは、告知された内容が客観的に見て「一般人を畏怖させるに足りるもの」であるかどうかです。単に不快な思いをさせたり、口論の勢いで言い返したりした程度では成立せず、一般人であれば恐怖を感じる程度の害悪の告知であることが必要です。
「家に行く」という発言は、単なる「来訪の告知」でしかありませんが、その言葉の前後に、以下のような害悪の告知が含まれている場合には、脅迫罪が成立し得ます。
【脅迫罪に該当する具体的な言動】
| 侵害の対象 | 具体的な発言内容 |
| 生命に対する害悪の告知 | 「殺すぞ」「お前の命はないものと思え」 |
| 身体に対する害悪の告知 | 「ボコボコにする」「痛い目に遭わせてやる」 |
| 自由に対する害悪の告知 | 「そこから出られないようにしてやる」「そこから拉致してやる」 |
| 名誉に対する害悪の告知 | 「お前の犯罪を家の前で晒す」「会社にバラしてやる」 |
| 財産に対する害悪の告知 | 「家に火をつける」「お前の車を壊してやる」 |
脅迫罪が成立した場合には、「2年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金」が科されます(※2025年6月1日施行の改正刑法により、従来の「懲役」と「禁錮」は「拘禁刑」に一本化されました)。たとえ実際に危害を加えていなくても、これらの言葉を発した時点で脅迫罪に問われ得ます。どのような言葉が脅迫罪に該当するかについて詳しくは「脅迫罪になる言葉・ならない言葉は?成立要件と刑罰を解説」で解説しています。
「家に行く」は脅迫罪になるのか
「家に行く」という言葉が脅迫罪になるかどうかは、その発言がなされた状況や文脈によって判断が分かれます。
まず、「家に行く」という言葉に具体的な危害の予告が伴う場合は、明白に脅迫罪となります。
前述のとおり、「家に行って殺してやる」、「家に行って火をつけてやる」といった発言は、生命や財産に対する直接的な害悪の告知にあたるためです。
一方、「家に行くぞ」「お前の家を特定したからな」という言葉だけでも、具体的な状況や文脈によっては脅迫罪が成立する可能性があります。単なる文言だけでなく、当事者間の関係性や発言に至る経緯、相手の口調や態度などが総合的に考慮されます。
例えば、深夜に何度も執拗に「今から家に行く」と連呼したり、過去に暴力を振るったことがある人間が威圧的に告げたりする場合、言われた側は「来られたら身体に危害を加えられる(殴られる、監禁されるなど)」と強く認識せざるを得ません。
このように、相手に生命や身体への具体的な危険を予感させ、恐怖を抱かせる性質のものであれば、脅迫罪が成立し得ます。「住所を特定した」という発言が脅迫罪にあたるかについては「「住所特定する」は脅しになる?そもそも本当に特定できる?」もあわせてご確認ください。
家に行くと脅された場合の対処法
証拠の保存
相手に「家に行く」と言われた場合、まず重要なのはご自身の安全を確保することです。その上で、警察や弁護士に相談する際の備えとして、証拠を残しておくことが欠かせません。相手の言動を証明する客観的な証拠がなければ、具体的な対応をとってもらうことが難しくなるためです。
そのため、脅迫を受けた事実は可能な限りすべて記録に残すようにしてください。
具体的には、LINEやメールなどのテキストメッセージは、削除される前に必ずスクリーンショットを撮って保存してください。電話で「家に行く」と言われた場合は、通話録音機能を利用するか、録音機材がない場合は、やり取りの直後に「いつ・誰に・どのような口調で何を言われたか」を詳細にメモしておくことが大切です。何時・何回・どの程度接触しようとしてきたのかという着信履歴の保存も重要な間接事実です。
これらの記録が積み重なることで、相手の言動の執拗さや悪質性を証明する重要な客観証拠となります。脅迫罪の立証に有効な証拠の種類や、証拠がない場合の対処法については「脅迫罪の証拠となる5つのもの!証拠がない場合はどうすればいい?」で詳しく解説しています。
身の危険がある場合は迷わず110番
相手が「今から向かう」「家の前にいる」などと発言し、実際に押し掛けてくる可能性が高い場合や、身に危険が及ぶおそれがあるときは、ためらわずに110番通報をしてください。
特にストーカー事案や別れ話などの男女間トラブルでは、相手が感情的になり、突発的に殺傷行為や暴行に及ぶ危険性が極めて高いのが実情です。「大事にしたくない」という迷いが取り返しのつかない事態を招くこともあるため、早急な通報が命を守る鍵になります。また、直ちに危険が差し迫っていないものの不安がある場合は、警察相談専用ダイヤル「#9110」で今後の対策を相談できます。
もし「家に行くから待ってろ」と具体的に宣告された場合には、相手が自宅に到着する前に、一時的にホテルや親族の家に身を寄せるなど、物理的な接触を避ける行動も視野に入れましょう。警察への通報後に被害届を出すことも有効な手段です。被害届を出すことの具体的なメリットや出し方については「恐喝・脅迫の被害届を出す3つのメリットと出し方をわかりやすく解説」をご参照ください。
穏便に解決したい場合は弁護士に相談
「警察沙汰にして近所に知られたくない」「刑事事件にして相手を刺激し、逆恨みによる報復を受けるのが怖い」という不安がある場合は、弁護士への相談を検討しましょう。警察に相談しづらい事情があるときの対処法は「脅された時の対処法は?恐喝・脅迫被害の相談先も弁護士が解説」でも解説しています。
弁護士に依頼すると、相手方との交渉窓口はすべて弁護士に一本化されます。弁護士は法律の専門家として、相手に対して「これ以上の連絡や接触をすれば法的措置をとる」と明確に警告を発します。
これにより、あなたは相手と直接やり取りする恐怖から解放され、日常生活の平穏を取り戻せます。
多くの場合、弁護士が介入した事実を知るだけで、相手は刑事告訴や訴訟のリスクを恐れて引き下がる傾向があります。警察を介入させずに、合意書などの形で「二度と近づかない」という約束を取り付け、内密かつ穏便に解決を図ることもできます。実際に弁護士が介入して脅迫行為を止めさせた事例については「身に覚えのない浮気を疑われ脅された男性を弁護士が救済した事例」もご参考ください。
「家に行く」と脅されてお困りの方はすぐにご相談ください
「家に行く」という発言は、具体的な危害の予告を伴う場合はもちろん、発言の状況や相手との関係性によっては、それ単体でも脅迫罪に該当し得ます。相手の言動がエスカレートする前に、証拠の保存や警察・弁護士への相談など、早い段階で対処することが被害の拡大を防ぐ鍵となります。
弁護士に依頼すれば、相手との直接のやり取りを一切遮断し、法的な警告によって相手の行動を止めさせることが期待できます。警察に相談しづらい事情がある場合でも、弁護士であれば周囲に知られることなく、穏便な形での解決を目指せます。
「相手が本当に家に来るかもしれない」「繰り返し脅されていて怖い」という状況は、精神的にも大きな負担です。一人で抱え込む必要はありません。
当事務所は脅迫被害の解決を数多く手がけてきた実績があり、依頼者の安全を最優先に弁護士が迅速に対応いたします。全国どこからでもご利用いただける無料相談を設けておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
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この記事の監修者
脅迫・恐喝被害の解決に豊富な実績を持つ。一般社団法人 詐欺・不当要求対策協会の代表理事として、不当要求対策の研究・啓発活動にも取り組んでいる。「警察沙汰にしたくない」「家族や会社に知られたくない」といった被害者特有の事情に寄り添い、粘り強い交渉で解決に導く。他の事務所で断られた案件にも積極的に対応。

