「自殺してやる」は脅迫罪に当たる?本当に自殺されたら責任を負う?
  • 「自殺してやる」と言われたけど、これって脅迫罪に当たらないのだろうか…
  • 本当に自殺されたら自分は何かしらの法的責任を負うのだろうか…

こういった疑問をお持ちではないでしょうか?

「自殺してやる」という台詞は、恋愛関係や不倫関係にある者の一方が関係解消を食い止めたい場合や、元交際相手が復縁を求める場合によく用いられます。

中には、相手を困らせたいがために発言することもありますし、恋愛感情が満たされないために自暴自棄になって口走ることもあるでしょう。

どのような理由があるにせよ、言われた人は恐怖を感じるわけですから、脅迫罪に当たるのではないかと思われるのは当然のことです。

そこでこの記事では、年間2000件以上の恐喝・脅迫被害の相談を受けている法律事務所の弁護士が、以下の2点につきわかりやすく解説していきます。

  • 1.「自殺してやる」は脅迫罪に当たるのか
  • 2.本当に自殺されたら、言われた方は責任を負うのか

およそ2~3分ほどで簡単に読めますので、「自殺してやる」と言われたり仄めかされてお困りの方は最後まで読んでみてください。

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「自殺してやる」は脅迫罪に当たるのか

脅迫罪(刑法222条)は、本人または本人の親族の生命、身体、自由、名誉、財産に対して害を加えることを告知すること(これを「害悪の告知」といいます)で成立します。

「自殺する」という言葉は、それを口にした者が自分に対して害を加えることを宣言しただけであって、言われた側の生命、身体、自由、名誉、財産に危害を加えることを告げたわけではないため、基本的には脅迫罪に当たりません

ただし、「遺書にアナタから受けた仕打ちを書く。周囲から白い目で見られるわね」「アナタの自宅で首を吊ってやる。事故物件になればいいわ」といった発言であれば、名誉や財産への害悪の告知として脅迫罪に該当します。

「あなたを殺して私も自殺する」といった無理心中を示唆する言葉であれば、生命に対しての害悪の告知となりますので脅迫罪に当たります。
さらに、『そうされたくなければ、「交際関係を継続しろ」「復縁しろ」』と相手に義務のないことを強いれば強要罪に当たります。
『そうされたくなければ、お金(慰謝料等)を払え』と金銭を要求すれば恐喝罪に該当します。

≫脅迫罪になる言葉は?強要罪や恐喝罪とはどう違うの?

また、「別れるなら・交際してくれないなら・復縁してくれないなら~自殺してやる」といった発言は、恋愛感情が満たされないことに対する復讐心からつきまとい行為をしていると認められるため、繰り返し言われた場合はストーカー規制法違反となります。

さらに、「自殺してやる」といった文言を繰り返し言われた人が鬱病やノイローゼになった場合には、傷害罪が成立する余地があります。

本当に自殺されたら、言われた方は責任を負う?

基本的には負いません

自由恋愛においては、一方が別れ話を切り出すことも復縁を断ることもなんら違法性はないわけですから、言われた側が相手を自死に追いやるほどの不法行為をしていなければ基本的には法的責任を負うことはありません。

ただし、死の結果については責任を負わないものの、「自殺する」と言われた側の人が、正当な理由なく婚約や内縁関係を一方的に解消したようなケースでは、不法行為による損害賠償(慰謝料)責任を負うことになります。

また、「死ね」は脅迫罪やその他の犯罪に当たらないの?弁護士が解説にも書いてあるように、「自殺してやる」に対して「じゃあ死ねば」などとそそのかしたり、自殺の方法や場所を教えるなどの助長行為があれば自殺教唆罪・幇助罪が成立することもあります。

なお、法的な責任を負わないとしても、死亡した人の家族から「なぜ防止措置をとらなかったのか」と道義的責任を追及されることも考えられます。

この点、緊急性が高い場合には警察が自殺を図ろうとしている人を保護し、措置入院させることができる場合もあります。

また、精神保健指定医の判断と家族等の保護者の同意により医療保護入院が可能な場合もあります。

どちらも、自傷の恐れがある者を強制的に入院させることができるため、最悪の事態を回避することができます。

出来る限りのことをしたと主張できるよう、警察に110番通報したり、相手の家族や親に現状を伝えるなどの対策をとっておいた方が良いでしょう。

まとめ

脅迫とは、あくまで自分以外の他人の生命などを害することを宣言することをいいますので、原則的には自分の生命を傷つける宣言については法律で処罰対象とはされていません。

ただし、自死の宣言だけに留まらず、言われた側の生命、身体、自由、名誉、財産にも危害を加える旨を告知してきたり、繰り返し伝えてきた場合には犯罪を構成することもあります。

当事者同士だと余計に感情的な話になることもありますので、取り返しのつかない事態になる前に第三者を介入させて冷静な話し合いの場を持つ必要があるでしょう。

とくに相手がメンヘラ気質の場合にはどこかでしっかりと区切りをつけなければ、いつまでも自殺を仄めかされて、言われた側の精神が病んでしまうことになるでしょう。

当法律事務所では男女問題の専門サイトも運営しており、男女間の脅迫事案にも精通しています。

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