『不倫相手に別れ話を切り出したら、私の家族や会社にばらすと脅迫されていています』
『バラされずに別れたいなら慰謝料を払えと脅されています』
『自業自得なのはわかっています。でも、助けてください…』
こういった相談が当法律事務所には多く寄せられていますが、結論から言いますと、家族や会社に100%バレずに不倫を解消できるとは断言できません。
アナタに遊ばれていた、捨てられた、自分だけ不幸になるなら相手の家庭も壊してやりたいという恨みの感情や、アナタへの強い恋愛感情から、不倫相手は興奮状態にあります。
冷静な判断力を失った相手は法律に違反することを承知で、報復や関係継続を望んでくることもあるのです。
しかし、アナタの家庭の平穏や会社内での立場など、守るべきものがある以上、何もせずに不倫相手の脅しに従い続けるわけにはいきません。
そこでここでは、脅迫に強い弁護士が、以下の3点につきわかりやすく解説していきます。
- ①不倫相手から慰謝料を請求されたら支払い義務はあるのか
- ②不倫相手が脅迫してきたらどんな犯罪が成立するのか
- ③不倫で脅迫された場合の対処法
およそ3~4分で簡単に読めますが、もし読んでも問題が解決しない場合には、弁護士に気軽に相談してみましょう。
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目次
よくある不倫相手からの脅迫パターン
別れ話を切り出されて憤慨した不倫相手の主な脅迫パターンを3つにまとめました。
家族や会社にバラすと脅してくる
不倫相手が、「不倫の事実をアナタの家族や会社にバラす」と脅してくるパターンです。
本当にバラされれば、離婚、社内不倫であれば解雇の可能性、そうでなくとも、家庭崩壊や会社内での立場がなくなるなど針の筵の生活が待ち受けています。
リベンジポルノで脅してくる
交際時に撮影した性行為の画像や動画を家族に送り付ける、ネットに拡散すると脅してくるパターンです。
実際にリベンジポルノ(自分を拒否された復讐心から性的画像等をネットの掲示板等に公開すること)されると取り返しがつきません。
配偶者に見られれば離婚危機に陥るでしょうし、子供がアナタの性的な画像等を見たら一生心から消えない傷が残ることでしょう。
ネットにアップロードされ拡散してしまえば完全な回収(削除)は難しいため一生どこかにその画像や動画が残り続けることになります。
慰謝料やデート代などを脅して請求してくる
別れを告げられたことで精神的苦痛を味わったとして慰謝料を請求してきたり、別れるなら交際時に自分(不倫相手)が支払ったデート代やプレゼント代を返すよう迫ってくることがあります。
支払わないなら、「家族や会社にバラす」と脅してきたり、知り合いの暴力団に取り立ててもらうなどと伝えてきます。
不倫相手の行為はどんな犯罪に抵触する?
脅迫罪
相手や相手の親族の生命・身体・名誉・自由・財産に対して害悪の告知をすれば脅迫罪が成立します。
不倫を家族や会社にバラす、性的な画像等を他人に見せるという発言は、名誉に対して危害を加えることを告知して相手を怖がらせることですので脅迫罪が成立します。
そのほかにも、「殺す」「殴る」「子供をさらって監禁してやる」「家に火をつけるぞ」といった言葉も脅迫罪に該当します。
≫これは脅迫罪になる言葉?ならない言葉?強要罪・恐喝罪と何が違う?
名誉棄損罪
不特定または多数の人に事実を摘示して人の社会的評価を低下させれば名誉棄損罪が成立します。
例えば、アナタの自宅周辺の電柱に「〇〇さんは不倫しています」と貼り紙をしたり、会社に乗り込んできて大勢の前で「〇〇さんと不倫関係にありました!」と叫ぶ行為などです。
また、事実とは「真実」でなくても構いません。
例えば、ネットの掲示板やSNSで、「〇〇さんは4股不倫をしているアバズレです」とデマ情報を書き込んだとしても名誉棄損となります。
なお、アナタのご自宅のご近所さん一人にだけ不倫をバラしたり、会社の特定の上司にだけ不倫の事実を伝えた場合でも、伝播(伝わって広がること)されることが予見できる方法で、伝播させる意図をもってすれば名誉棄損罪が成立することもあります。
ケースバイケースですので、事案に応じて弁護士に見解を聞いてみると良いでしょう。
ストーカー規制法違反
恋愛感情やそれが満たされないことに対する怨恨の感情を充足する目的で、反復してつきまとい行為をすれば、ストーカー規制法違反になります。
例えば、不倫関係の解消を申し出たのに、電話、メールやLINEのメッセージ送信、職場や自宅近くでの待ち伏せ、面会の強要、乱暴な言動などを繰り返し行うことです。
強要罪
暴行や脅迫を手段として、相手に義務のないことを要求すると強要罪が成立します。
例えば、「交際関係を続けなければお前を殺して俺も死ぬ」「(社内不倫が拗れたケースで)会社を辞めないなら同僚皆に不倫してたことを話す」などと強要することです。
もし従わなかったとしても、脅迫した時点で強要未遂罪が成立します。
恐喝罪
暴行や脅迫して金品を要求すれば恐喝罪が成立します。
例えば、「不倫をバラされたくなければ慰謝料を払え」「お前に使ったデート代を払わないと人生滅茶苦茶にする」などと脅されて金銭を支払った場合は恐喝罪が成立します。
金銭を支払わなかったとしても、暴行や脅迫をした時点で恐喝未遂罪が成立します。
不倫相手から慰謝料を要求されたら支払義務はある?
慰謝料とは、精神的損害に対する賠償金のことです。
民法709条・710条では、不法(違法)行為により他人に損害を与えた者は、それを賠償しなくてはならないと規定されています。
不倫がバレで慰謝料を支払う必要があるのは、不倫という不法行為により、自分の配偶者や不倫相手の配偶者に精神的損害を与えたからです。
しかし、不倫している者同士の間ではなんら不法行為とはなりませんので、単に交際カップルの片方が別れを告げたのと同様に、別れを告げた側はなんら責任を負わないのです。
ただし、既婚者なのに未婚者を装っていた場合や、交際中に不倫相手に性行為を強要した、妊娠中絶させて誠実な対応をとらなかったなど、不法行為を構成する事情がある場合は別です。
別れるタイミングでこれらの不法行為に対する慰謝料請求されることはあるでしょう。
家族や会社にバレずに解決できる?
どんな対策を講じてもバラされるリスクはある
たとえ脅迫してきている不倫相手を警察に逮捕してもらっても、一生刑務所で暮らすわけではありません。
身柄拘束が解かれれば、脅しの内容をすぐに実行できる状態になります。
また、いくら脅迫被害に強い弁護士が交渉や説得、警告を与えても、全く聞く耳を持たない相手も中には存在します。
W不倫や、不倫相手が公務員や一流企業に勤務しているケースでは、刑事事件になることで不倫相手も失うものが大きいはずです。
しかし、怒りや憎しみの感情から冷静な判断力を失っている相手には何を言っても意に介さないことがあるのです。
警察であろうが弁護士であろうが、不倫相手がアナタの家族や会社に事実をバラすことを絶対に阻止できるものではないことを理解しておきましょう。
まずは不倫相手を刺激しないように接する
好意を寄せている(あるいは寄せていた)異性を脅迫して自分のもとに繋ぎとめたり金銭を要求することがいかに惨めで情けないことか、脅迫している不倫相手が一番理解しているはずです。
それでもアナタを脅してくるわけですから、引っ込みがつかないレベルまでアナタに執着し、異常なまでの恋愛感情を抱き、あるいは、恨みつらみ、復讐心に燃えています。
そのような心理状況の相手に対し、「犯罪行為だ」「警察に通報する」「裁判を起こす」などと責め立てるような言葉を投げかけるのは逆効果で、逆に相手を刺激興奮させることになりかねません。
また、慰謝料を支払うよう求めてきている場合でも、本当はお金が欲しいのではなく、多額の金銭を要求してアナタを困らせることで復讐心を満たしていることも少なくありません。
「払えばいいんでしょ」といった言動も不倫相手を暴走させる起爆剤となりかねませんので控えましょう。
冷静に不倫相手の話を聞き、なぜ不倫関係を解消したいと思ったのか、誠心誠意伝えるようにしましょう。
不倫相手に脅迫された時の対処法
警察に被害申告して事件化する
先述したように、不倫相手やその配偶者の行為は、脅迫罪などの犯罪に該当します。警察に被害届や告訴状を受理してもらえれば、捜査が開始され、逮捕してくれることもあります。
特に、脅迫したうえで不貞の慰謝料や口止め料を要求してくる恐喝事案では、警察が逮捕に踏み切ってくれる可能性が高まります。
また、被害者の生命や身体などに危害を加える可能性が高いと判断されれば、警告や禁止命令なしで、ストーカー規制法違反での逮捕もあり得ます。
自分や家族に切迫した危険が迫っていると感じた場合には、躊躇なく警察に駆け込み、被害届または告訴状を提出しましょう。
また、その際は、加害者から送られてきた脅迫メールやLINEのやり取り、脅迫電話の録音など、脅されたことが証明できる証拠を事前に準備しておくべきでしょう。
ただし、警察に被害届や告訴状を受理してもらえなかった方、警察沙汰にまでして事を荒立てたくないといった方は、次に説明する弁護士による交渉をお勧めします。
弁護士に穏便に解決してもらう
不倫で脅迫されている状況から脱したいが、人に知られずに解決したい。刑事事件にすることで逆に周囲に知れてしまうリスクを回避したい。そのようにお考えの方は、弁護士を介入させて相手と交渉してもらう方法をお勧めします。
弁護士は相手の言い分もしっかりと聞いたうえで、お互いが妥協し、納得のいく結論へと何度も話し合いの場をもちます。もちろん、加害者の今後の態様によっては弁護士による刑事告訴もありうることを警告します。しかし、一方的に相手を責め立てるのではなく、相手の主張や立場にも耳を傾けつつ警告を与えるのが弁護士の役目です。
そして、不倫での脅迫被害を、穏便且つ内密に解決するためには、加害者側の考え方や心理を熟知していなければなりません。
そのためには、同様の事案を数多く扱い、実際に加害者と何度も交渉を重ねた経験のある弁護士に依頼する必要があるでしょう。
弁護士が交渉することで、ほとんどの案件において穏便に事態は収束し、示談書の取り交わしによって解決が図れます。
また、弁護士に依頼するときの費用のお支払が難しい方もいるとは思いますが、法テラスの民事法律扶助の制度を利用すれば立替払いをしてもらうことも可能です。
当法律事務所においても、不倫脅迫の被害に強い弁護士が全国対応で無料相談を受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。全力であなたの平穏な生活を守ります。
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