離婚調停にかかる期間と短期間で終わらせるための3つのポイント

離婚調停を家庭裁判所に申し立てるにあたって、調停が終わるまでにどのくらいの期間を要するのだろうと気になる方も多いと思います。

離婚して新たな生活をスタートさせるためには、可能な限り、離婚調停を短期間で終わらせたいと考えているはず。

そこで、本記事では、離婚調停にかかる期間や短期間で終わらせるポイントなどについて解説します。

この記事が皆様のお役に立てれば幸いです。

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離婚調停とは

離婚調停とは、家庭裁判所で、離婚するかどうか、するとしていかなる条件で離婚するかを話し合う手続きのことです。

また、離婚調停による離婚のことを調停離婚といいます。

離婚の形態には、調停離婚のほかにも協議離婚、審判離婚、裁判離婚(和解離婚、認諾離婚、判決離婚)があります。

離婚調停は、協議離婚できなかった場合に選択される手続きです。

協議離婚は「夫婦間の話し合いによる離婚」というイメージが強いですが、実は、離婚調停も「話し合いによる離婚」である点は変わりありません。

もっとも、冒頭で述べたように、離婚調停では、夫婦間の話し合いに家庭裁判所が関与する点が協議と決定的に異なる点です。

すなわち、離婚調停では、調停委員という第三者が夫婦双方から意見、主張を聴いて取りまとめ、妥協点を見つけて調停案を夫婦に提示します。

そして、夫婦がその調停案に合意すれば調停が成立します。

他方で、調停委員はあくまで公平・中立な立場から夫婦に調停案を示しますから、必ずしも夫婦の一方に有利な内容とはなっていません。

そのため、調停案に納得できない、という場合もあるでしょうが、その場合は無理に合意する必要はありません。

夫婦の一方が調停案に合意しない場合、調停は不成立となり、手続きは裁判(又は審判を経て裁判)へと移行する可能性が高いです。

離婚調停の期間

離婚調停の期間を知る上で参考となるのが、裁判所が公表している司法統計です。

司法統計の「家事 令和元年度」の「第16表 婚姻関係事件数~終局区分別審理期間及び実施期日回数別~全家庭裁判所」によると、令和元年度の調停の審理期間、調停期日回数の件数は以下のとおりとなっています。

なお、「婚姻関係事件」には離婚調停のほか、婚姻関係を修復するための夫婦関係調整調停(円満)や婚姻費用分担調停、離婚調停の申立てを取り下げた場合なども含まれていますので、あくまで参考値としてとどめてください。

【調停の審理期間】 全体件数60,542
1月以内5.4%(3,310件)
2月以内26%(15,751件)
6月以内33.8%(20,479件)
1年以内26%(15,954件)
2年以内7.8%(4,772件)
2年を超える0.4%(276件)
【調停期日回数の件数】
0回7.2%(4,399件)
1回13.8%(8,361件)
2回20.9%(12,660件)
3回18.4%(11,158件)
4回12.8%(7,782件)
5回8.9%(5,443件)
6~1015.6%(9,458件)
11~151.8%(1,117件)
16~200.2%(139件)
21回以上0.04%(25件)

以上からすると、離婚調停の期間は6月以内(平均して2月~4月程度)で終わることが多いようですが、場合によっては1年以上かかることもあることが分かります。

また、調停期日の回数は2回~3回が平均のようで、1回で終わることは稀であることが分かります。

離婚調停が長期化する原因

前述のように、離婚調停の期間は2月~4月程度が平均ですから、その期間で離婚調停がおわるのであれば「長期化」とはいえないでしょうが、それ以上かかるとなるとやはり「長期化」と言わざるをえません。

では、なぜ、離婚調停は半年前後、あるいはそれ以上かかってしまうことがあるのでしょうか?

離婚調停が長期化する原因についてみていきたいと思います。

日程の調整がつかない

離婚調停では、手続きに関与する、当事者(夫婦)はもちろん、調停委員、裁判官、当事者が代理人弁護士を選任している場合は弁護士の都合がつく日に、家庭裁判所により調停期日が指定されるのが基本です(特に2回目以降の調停期日)。

したがって、上記のうち一人でも指定された期日に出席できないとなると、調停期日を先延ばしにせざるを得ず、このことが離婚調停を長期化させる原因ともなっています。

なお、調停期日は約1月に1回のペースで指定されますから、指定された調停期日に出席できないとなると、次回の調停期日まで1月半から2月程度空いてしまう可能性もあります。

離婚するかどうか、親権者をいずれにするかでもめる

離婚調停で話し合うべきことは、まず、そもそも離婚するかどうか(相手方が離婚に合意するかどうか)、離婚するとして親権者をいずれの夫婦にするか、という点です。

そして、離婚調停では、離婚や親権者をめぐって争われることも多いです。

なぜなら、そもそも、あなたは相手方と離婚について合意できなかったからこそ離婚調停を申し立てたわけですし、親権については、お互いの感情的な反発、子供への愛情、子供と基本的に会えなくなってしまうことへの辛さ、寂しさから、多くの方が「お金を払うことはよいとしても、親権だけは相手に譲りたくない」という気持ちがどうしても抱いてしまうからです。

離婚調停では、離婚や親権のほかにも、養育費、慰謝料、財産分与、面会交流、、年金分割など話し合うべきことは多岐に渡ります。

そのため、離婚や親権をめぐって争いになった場合はもちろん、仮に、合意できたとしても話し合うべきことが多いため、離婚調停が長期化するというわけです。

金銭面でもめる

離婚や親権と同じくもめやすいのが養育費や慰謝料、財産分与などの金銭面についてです。

養育費については、支払ってもらう側とすれば、離婚後の生活のことも考えて、「相手にできるだけ多く払ってもらいたい」と考えるでしょうし、支払う側とすれば「そもそも、なんで離婚した相手のためにお金を払う必要があるのか」、「これくらいで生活していけるだろう」と考え、話し合いが平行線をたどってしまうというわけです。

慰謝料については、相手の行動に非があったことを相手に認めさせなければなりません。

しかし、正当化できる理由にはならないにしも、相手にもあなたに対する言い分はあるでしょう。

たとえば、あなたが相手のDVを理由に慰謝料を請求する場合、相手から「あなたの家事や育児のやり方が間違っていた。」などと反論されてしまう可能性があります。

こうしたお互いの考え方や意見の食い違いから、相手が自分に非があったことをなかなか認めようとせず、話し合いが長期化するというわけです。

財産分与についても考え方や意見の食い違いは顕著に現れます。

たとえば、婚姻後に貯めた預貯金を財産分与によって分けるとした場合、その預貯金は夫婦の共有財産に当たり、夫婦で1/2ずつ分けるのが基本です。

しかし、夫が会社員、妻が専業主婦という夫婦で、夫の収入によってその預貯金の大部分が形成されたという場合、夫とすれば「自分の努力によってここまで預貯金を形成できたのに、嫁に半分ももっていかれるいわれはない」などと考えるでしょう。

離婚の話し合いでは、夫婦がそれまで溜めに溜めていた、相手方に対する不満や憤りなどの感情が一気に表面化する場でもあります。

そうすると、たとえ法律で「こうすべき」、「こうしなさい」ということが決まっている場合でも、なかなかお互いがそのルールに従うことができず、話し合いが長期化するというのが離婚の特徴ともいえます。

離婚調停を短期間で終わらせるコツ

離婚調停を申し立てたあなたからすれば、自分から離婚調停を申し立てたものの「なるべく短期間に離婚調停を終わらせて、新しい生活をスタートさせたい」と考える方も多いのではないでしょうか?

以下では、離婚調停をなるべく短期間で終わらせるコツについて解説してまいります。

可能な限り、裁判所の予定に合わせる

「離婚調停が長期化する原因」でも述べましたが、裁判所から指定された期日に出席できないとなると、あなたの調停期日が後回しにされてしまいますから、可能な限り、他の予定は後回しにして離婚調停へ出席することを優先させることが大切です。

離婚調停に向けた準備を周到に行う

離婚調停だけに限った話ではありませんが、準備を周到に行っておけばおくほど短期間で終わらせることができます。

離婚調停に向けた準備で大切なのが証拠集めと陳述書の作成です。

離婚調停で相手ともめないためには、相手を説得するだけの証拠が必要です。

また、証拠は、夫婦の話をとりまとめる調停委員に対してあなたの主張を的確に主張、アピールするためにも必要といえます。

陳述書はあなたの言い分を調停委員に伝えるための書類です。

この陳述書を作成し、期日前に提出しておくことで、調停委員が、あなたが離婚調停で何を主張したいのか、何を求めるのかをあらかじめ把握でき、話し合いをスムーズに進めることが可能となります。

譲歩するところは譲歩する

これも「離婚調停が長期化する原因」で述べた話の裏返しとなりますが、あらゆる項目について相手と争うのではなく譲歩するところは譲歩するという姿勢を見せることが、離婚調停を短期間で終わらせるコツといえます。

たとえば、離婚後の経済面での生活に不安であれば、親権、養育費、財産分与については譲らないけど、財産分与でカバーできた分慰謝料の支払いを免除し、面会交流については比較的緩い条件で認める、というふうな感じです。

「離婚調停」とはとのところでも述べたとおり、そもそも離婚調停は相手と徹底的に争って決着をつける場ではなく、夫婦間の合意形成を図る場です。

そのため、お互いに譲歩するところは譲歩するという姿勢を示すことが大切です。

どの点を譲り、どの点を譲れないのか、離婚後の生活も想像して、離婚調停に臨む準備の段階からしっかり考えておくことが大切です。

まとめ

離婚調停の期間は平均的に2月から4月程度が平均ですが、それ以上かかることもあります。

短期間で離婚調停を終わらせたい場合は、まずはしっかりとした準備を行い、譲歩できるところは譲歩するという姿勢を見せることが大切です。

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