離婚調停にかかる期間は?平均・最長期間と短期終了させるコツ
  • 離婚調停が終わるまでにどのくらいの期間を要するのだろう…平均期間や最長期間はどれくらい?

このようにお考えではないでしょうか。

結論から言いますと、目安としては、離婚調停にかかる平均期間は半年程度、最長期間は2年以上となります

この記事では、離婚問題に強い弁護士が、

  • 離婚調停の平均期間・最長期間
  • 離婚調停が長期化する原因
  • 離婚調停を短期間で終わらせるコツ

などについてわかりやすく解説していきます。

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離婚調停の平均期間・最長期間

多くの離婚調停に関わってきた当事務所の経験上、第一回目の離婚調停から約1ヵ月~1ヶ月半の期間を開けて3回程度の調停で成立・不成立が決まることが多く、離婚調停を申し立てて第一回目の調停が開かれるまでの期間を含めると、離婚調停にかかる平均期間は半年程度に収まることが多いです。なお、「令和3年度司法統計(家事編)第5表」によると、離婚調停以外も含むものの、令和3年度の家事調停事件の既済事件の平均審理期間は7.4ヶ月と公表されています。

また、「令和3年度司法統計(家事編)第16表」によると、婚姻関係事件の審理期間の最長は2年以上と公表されており、全体件数の約1%を占めています。2年「以上」ですので、離婚調停の最長期間は不明確ですが、長期化すれば2年以上もあり得るということになります。

なお、「婚姻関係事件」には調停のほか審判も含まれています。また、離婚調停のほか、婚姻関係を修復するための夫婦関係調整調停(円満)や婚姻費用分担調停なども含まれていますので、あくまで参考値としてとどめてください。

【婚姻関係事件の審理期間】 全体件数64,885
1月以内5%(3,356件)
3月以内21%(13,428件)
6月以内31%(19,845件)
1年以内29%(18,839件)
2年以内13%(8,674件)
2年を超える1%(743件)
【婚姻関係事件の実施期日回数】
0回8%(4,951件)
1回13%(8,384件)
2回20%(13,048件)
3回19%(11,558件)
4回14%(8,838件)
5回10%(6,230件)
6~1016%(10,558件)
11~152%(1,162件)
16~200.2%(133件)
21回以上0.04%(23件)

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離婚調停が長期化する原因

前述のように、離婚調停の期間は半年程度が平均ですから、その期間で離婚調停がおわるのであれば「長期化」とはいえないでしょうが、それ以上かかるとなるとやはり「長期化」と言わざるをえません。

では、なぜ、離婚調停は半年前後、あるいはそれ以上かかってしまうことがあるのでしょうか?

離婚調停が長期化する原因についてみていきたいと思います。

日程の調整がつかない

離婚調停では、手続きに関与する、当事者(夫婦)はもちろん、調停委員、裁判官、当事者が代理人弁護士を選任している場合は弁護士の都合がつく日に、家庭裁判所により調停期日が指定されるのが基本です(特に2回目以降の調停期日)。

したがって、上記のうち一人でも指定された期日に出席できないとなると、調停期日を先延ばしにせざるを得ず、このことが離婚調停を長期化させる原因ともなっています

なお、調停期日は約1月に1回のペースで指定されますから、指定された調停期日に出席できないとなると、次回の調停期日まで1月半から2月程度空いてしまう可能性もあります。

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離婚するかどうか、親権者をいずれにするかでもめる

離婚調停で話し合うべきことは、まず、そもそも離婚するかどうか(相手方が離婚に合意するかどうか)、離婚するとして親権者をいずれの夫婦にするか、という点です。

そして、離婚調停では、離婚や親権者をめぐって争われることも多いです。

なぜなら、そもそも、あなたは相手方と離婚について合意できなかったからこそ離婚調停を申し立てたわけですし、親権については、お互いの感情的な反発、子供への愛情、子供と基本的に会えなくなってしまうことへの辛さ、寂しさから、多くの方が「お金を払うことはよいとしても、親権だけは相手に譲りたくない」という気持ちがどうしても抱いてしまうからです。

離婚調停では、離婚や親権のほかにも、養育費、慰謝料、財産分与、面会交流、、年金分割など話し合うべきことは多岐に渡ります。

そのため、離婚や親権をめぐって争いになった場合はもちろん、仮に、合意できたとしても話し合うべきことが多いため、離婚調停が長期化するというわけです。

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金銭面でもめる

離婚や親権と同じくもめやすいのが養育費や慰謝料、財産分与などの金銭面についてです。

養育費については、支払ってもらう側とすれば、離婚後の生活のことも考えて、「相手にできるだけ多く払ってもらいたい」と考えるでしょうし、支払う側とすれば「そもそも、なんで離婚した相手のためにお金を払う必要があるのか」、「これくらいで生活していけるだろう」と考え、話し合いが平行線をたどってしまうというわけです。

慰謝料については、相手の行動に非があったことを相手に認めさせなければなりません。

しかし、正当化できる理由にはならないにしも、相手にもあなたに対する言い分はあるでしょう。

たとえば、あなたが相手のDVを理由に慰謝料を請求する場合、相手から「あなたの家事や育児のやり方が間違っていた。」などと反論されてしまう可能性があります。

こうしたお互いの考え方や意見の食い違いから、相手が自分に非があったことをなかなか認めようとせず、話し合いが長期化するというわけです。

財産分与についても考え方や意見の食い違いは顕著に現れます。

たとえば、婚姻後に貯めた預貯金を財産分与によって分けるとした場合、その預貯金は夫婦の共有財産に当たり、夫婦で1/2ずつ分けるのが基本です。

しかし、夫が会社員、妻が専業主婦という夫婦で、夫の収入によってその預貯金の大部分が形成されたという場合、夫とすれば「自分の努力によってここまで預貯金を形成できたのに、嫁に半分ももっていかれるいわれはない」などと考えるでしょう。

離婚の話し合いでは、夫婦がそれまで溜めに溜めていた、相手方に対する不満や憤りなどの感情が一気に表面化する場でもあります。

そうすると、たとえ法律で「こうすべき」、「こうしなさい」ということが決まっている場合でも、なかなかお互いがそのルールに従うことができず、話し合いが長期化するというのが離婚の特徴ともいえます

離婚調停を短期間で終わらせるコツ

離婚調停を申し立てたあなたからすれば、自分から離婚調停を申し立てたものの「なるべく短期間に離婚調停を終わらせて、新しい生活をスタートさせたい」と考える方も多いのではないでしょうか?

以下では、離婚調停をなるべく短期間で終わらせるコツについて解説してまいります。

可能な限り、裁判所の予定に合わせる

「離婚調停が長期化する原因」でも述べましたが、裁判所から指定された期日に出席できないとなると、あなたの調停期日が後回しにされてしまいますから、可能な限り、他の予定は後回しにして離婚調停へ出席することを優先させることが大切です。

離婚調停に向けた準備を周到に行う

離婚調停だけに限った話ではありませんが、準備を周到に行っておけばおくほど短期間で終わらせることができます。

離婚調停に向けた準備で大切なのが証拠集めと陳述書の作成です。

離婚調停で相手ともめないためには、相手を説得するだけの証拠が必要です。証拠は、夫婦の話をとりまとめる調停委員に対してあなたの主張を的確に主張、アピールするためにも必要といえます。

陳述書はあなたの言い分を調停委員に伝えるための書類です。この陳述書を作成し、期日前に提出しておくことで、調停委員が、あなたが離婚調停で何を主張したいのか、何を求めるのかをあらかじめ把握でき、話し合いをスムーズに進めることが可能となります。

譲歩するところは譲歩する

これも「離婚調停が長期化する原因」で述べた話の裏返しとなりますが、あらゆる項目について相手と争うのではなく譲歩するところは譲歩するという姿勢を見せることが、離婚調停を短期間で終わらせるコツといえます。

たとえば、離婚後の経済面での生活に不安であれば、親権、養育費、財産分与については譲らないけど、財産分与でカバーできた分慰謝料の支払いを免除し、面会交流については比較的緩い条件で認める、というふうな感じです。

「離婚調停」とはとのところでも述べたとおり、そもそも離婚調停は相手と徹底的に争って決着をつける場ではなく、夫婦間の合意形成を図る場です。そのため、お互いに譲歩するところは譲歩するという姿勢を示すことが大切です。

どの点を譲り、どの点を譲れないのか、離婚後の生活も想像して、離婚調停に臨む準備の段階からしっかり考えておくことが大切です

離婚調停の期間に関するよくある質問

最後に、離婚調停の期間に関するよくある質問にお答えします。

離婚調停の期間をわざと長引かせて時間稼ぎするメリットはある?

別居期間が長くなればなるほど、調停委員に「夫婦関係が破綻した」と判断され、離婚する方向へ話を進められてしまう可能性がありますから、別居している場合は、わざと離婚調停の期間(別居期間)を長引かせてくることは考えられます。

また、あとで述べるとおり、離婚調停期間中も生活費を支払う義務があるため、わざと離婚調停の期間を長引かせ、相手が離婚に合意するまで相手に婚姻費用を払い続けさせる手法をとられることもあります。生活費の支払義務は別居、あるいは婚姻関係を解消するまで継続します。

その他、親権をめぐってもめているときに、相手が監護実績を積むためにわざと離婚調停の期間を長引かせることも考えられます。親権でもめたときは、今の監護状況や監護実績等が重要視されるため、少しでも監護実績を積んだ方が親権を獲得する上では有利になります。

離婚調停期間中の生活費は請求できる?別居している場合は?

離婚調停期間中でも婚姻関係が継続している以上は、夫婦は互いに生活費を分担する義務を負いますから、収入が低い方が高い方に、子どもと一緒に暮らしている方が暮らしていない方に生活費の支払いを請求することができます(ただし、後者の場合は子どもの養育費の分に限ります)。

生活費の分担義務を負うのは、同居を再開して別居状態を解消するまで、あるいは離婚して婚姻関係を解消するまでです。したがって、別居期間中も生活費を請求することができます

離婚調停期間中の恋愛や異性と会うことは問題ない?

離婚調停期間中の交際は控えた方が賢明です。

中には「離婚調停中だから、夫婦関係は破綻したも同然で、何をやってもよいのでは?」という考えをもっている方もおられます。

しかし、夫婦関係が破綻したどうかは、別居の目的や経緯、別居期間などの諸要素を考慮して裁判所が判断します。自己解釈で勝手に夫婦関係が破綻したと判断してはいけません。

離婚調停期間中でも、夫婦関係が破綻したといえない限り、夫婦は互いに貞操義務をおいます。仮に、離婚調停期間中の不貞が発覚した場合は慰謝料請求されたり、慰謝料を増額されたり、調停委員の心証を悪くするなどのリスクを負いますので注意が必要です。

まとめ

離婚調停の期間は6ヵ月程度が平均ですが、長期化すると2年以上かかることもあります。

短期間で離婚調停を終わらせたい場合は、まずはしっかりとした準備を行い、譲歩できるところは譲歩するという姿勢を見せることが大切です。

もっとも、離婚調停は1ヵ月~1ヶ月半(2ヶ月空くこともある)の間隔で、3回程度もしくはそれ以上の回数がかかることもあります。

そのため、離婚調停の長期化をできるだけ回避するためにも、弁護士に依頼することも検討しましょう。離婚調停の経験が豊富な弁護士であれば、スムーズかつ有利な条件で調停を進めるポイントを把握しています。できるだけ早く離婚を成立させ、一刻も早くストレスフリーな新しい人生を歩みたいとお考えの方はまずは弁護士に相談しましょう。

当事務所では、離婚調停を長引かせたくない方、早期に離婚を成立させたい方からのご相談を受け付けております。親身誠実に、弁護士が依頼者のために全力でサポートしますので、まずは当事務所の弁護士までご相談ください。お力になれると思います。

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