離婚調停で請求できる慰謝料相場と高額を獲得する5つのポイント

離婚調停(夫婦関係調整調停)とは、離婚について当事者間の話し合いがまとまらない場合や、そもそも話し合いができない場合に、家庭裁判所の調停手続きを利用することを指します。

離婚調停では、離婚そのものだけではなく、子どもに関することや財産に関することの他、慰謝料についても同一の手続き内で話し合うことができます

具体的には、夫婦の一方に慰謝料を請求する権利があることを前提に、その金額や支払い方法などをで取り決めることができます。

ここで、

  • 離婚調停で請求できる慰謝料の相場はどれくらいだろう…
  • 離婚調停で高額な慰謝料を獲得するにはなにをすればいいのだろう…

とお考えの方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、離婚問題に強い弁護士が、

  • 離婚調停で請求できる慰謝料の相場
  • 離婚調停で高額な慰謝料を獲得するポイント
  • 離婚調停で慰謝料請求が認められないケース

などについてわかりやすく解説していきます。

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離婚調停で請求できる慰謝料の相場は?

離婚調停で請求できる慰謝料の相場はいくらくらいなのでしょうか。

まず慰謝料とは、離婚することによって生じる精神的苦痛を賠償するために、金銭の支払いを離婚の原因を作った側に請求することです。

そして、精神的苦痛の算定に関しては明確な基準が存在するわけではありません。そのため、具体的な金額については、家庭裁判所の裁判官や調停委員を通じて話し合いで決めていく必要があります。

ただし、過去の判例・裁判例などを参考におおよその相場のようなものが形成されていますので、そのような過去の事例を参考に金額を算定することが重要となります。

以下のように、離婚調停で請求できる慰謝料の相場は、離婚原因によって異なります。

離婚の原因慰謝料の相場
浮気・不倫の場合100万~300万円
DV(身体的虐待)・モラハラ(精神的虐待)の場合50万~300万円
悪意の遺棄の場合50万~300万円
セックスレスやその他の場合10万~100万円

離婚調停で高額な慰謝料を獲得するには?

慰謝料が高額になる要素

上記で解説したように、慰謝料額の相場には、離婚の原因となる事実ごとにある程度の幅が存在しているのがわかると思います。

また、慰謝料は、加害者の不法行為の悪質性や、被害者の権利侵害の程度、そして損害の大きさなど諸般の事情を考慮して判断されることになります

以下のような事情がある場合には、離婚調停での慰謝料の金額が高額になる可能性があります。

  • 夫婦の婚姻期間が長いこと
  • 相手方配偶者の収入が高いこと
  • 不倫している期間が相当長期に及ぶこと
  • DVやモラハラ被害を受けていた期間が長く、回数も相当数あること
  • 悪意の遺棄にあたる別居期間が長いこと
  • セックスレスの期間が相当長いこと
  • 夫婦の間に未成熟の子どもがいること
  • 離婚によって一方の配偶者が経済的、社会的に受ける不利益が大きいこと など

高額な慰謝料を獲得するためのポイント

離婚調停手続きの中で、高額な慰謝料を獲得するためには、どのようなポイントに留意しておく必要があるのでしょうか。

ここでは、高額な慰謝料を勝ち取るために重要となる事項とその理由を解説していきます。

①具体的な事実を主張すること

まず離婚調停で高額な慰謝料を獲得しようとする場合には、具体的な事実を時系列に従って詳しく説明することが重要です。たまに相手方配偶者に対する愚痴や文句を延々と述べる当事者がいますが、そのようなことをしても裁判官も調停委員も何も判断することはできません。

「誰が・いつ・どこで・何を・なぜ・どのようにしたのか」を意識して、できる限り詳細な事実を主張することが重要です。

②客観的な証拠を提出すること

事実を主張したとしても、それが妄想や想像の産物では何の意味もありません。相手方配偶者が事実を否定した場合には、裁判官も調停委員もあなたが主張する事実を真実であるとして取り扱えません。

したがって、そのように主張する事実を裏付ける客観的な証拠を提出することが重要です。

性行為中の動画像や、2人がラブホテルを出入りしている写真、DVやモラハラによって病院を受診した場合の診断書など、「動かぬ証拠」に基づいて事実を説明することがポイントとなります。

③調停委員を味方につける

調停委員を味方につけることができれば、あなたの主張に沿って有利な方向で手続きをリードしてもらえる可能性があります

調停委員を味方につけるためには、こちらの言い分や主張が、合理的・説得的だと納得してもらう必要があります。また、権利侵害や損害についても適切に主張して、同情してもらうことも重要です。

④慰謝料の支払いには柔軟に対応する

慰謝料を高額にしたい場合には、支払い方法について柔軟に対応することも重要です。

例えば、一括支払いのみならず分割での支払いにも応じる姿勢を示すことで、こちらが望んでいる金額そのまま、あるいはそれに近い金額の支払いを受けられる可能性が高まります。

⑤代理人として弁護士に手続きを依頼する

離婚調停手続きは、ご自身で対応することもできますが、弁護士に依頼することで慰謝料の金額が高額になる可能性があります

詳しくは後述しますが、弁護士であれば、証拠に基づき事実を説得的に主張・立証してくれますし、高度な交渉力によって離婚調停をリードできる可能性が高まります。

離婚調停で慰謝料請求が認められないケース

性格の不一致

「性格の不一致」で調停離婚を求める場合には、相手方配偶者に不法行為があったわけではありませんので、慰謝料を請求することは難しいでしょう。

性格の不一致は通常あり得るものですので、相手に対して違法な権利侵害行為があるとはいえないのです。

ただし、相手の性格に通常想定できる範囲を超える特異性があり、相手方が受忍すべき範囲を超えるという場合には、慰謝料請求が認められる可能性があります。

性格の不一致での離婚の場合には、離婚調停以前の離婚協議の段階で、解決金などの名目で金銭の支払いを求める話し合いを行う方が、話し合いがまとまりやすいかもしれません。

婚姻関係がすでに破綻している場合

婚姻関係がすでに破綻している場合には、離婚に対する慰謝料を請求することができない可能性があります。

例えば、相手方配偶者が不倫・浮気などの不貞行為があった場合には、他方配偶者に対する貞操義務に違反することになります。しかし、婚姻関係が不貞行為以前に破綻している場合には、保護すべき権利・利益がすでに消滅していると考えられているのです。

したがって、すでに保護法益が消滅してしまっている以上、相手方には不法行為が成立しないことになります。

証拠がない場合

相手に不貞や虐待などの不法行為が存在している場合であっても、証拠によってそれが立証できない場合には、慰謝料を請求できない可能性があります

証拠がない場合には、主張する事実が認められないことから、慰謝料請求権が否定される可能性が高いです。

不倫や浮気の証拠となるものは以下のようなものです。

  • ラブホテルやビジネスホテルなどに不倫相手と出入りしている画像・動画
  • 不倫相手と性交渉をしてる最中の画像・動画
  • 不倫相手との性交渉の内容などについて言及してるLINEやメールなどのやり取り
  • 不倫相手と利用したラブホテルやビジネスホテルの利用明細書や領収書
  • 不倫相手にプレゼント買った際のレシートや領収書 など

また、DVやモラハラ行為を立証するための証拠として以下のものが考えられます。

  • DV・モラハラ的な言動をICレコーダーやスマホの録音アプリで録音した音声記録
  • 精神的・物理的虐待をされた際に、その行動を詳細に書き残した日記や備忘録
  • DV・モラハラを原因として病院や心療内科に通院した際には、その回数や診察記録・診断書、通院費用の領収書
  • DV・モラハラ被害を相談した第三者やカウンセラーの証言 など

時効が完成している場合

離婚に対する慰謝料請求権には時効があります

不法行為による損害賠償請求権は以下のように一定の期間が経過することで時効消滅します。

  • 被害者が損害または加害者を知った時から「3年間」権利を行使しない場合に時効が完成
  • 不法行為の時から20年間行使しないときも時効が完成

例えば、不倫(不貞行為)を原因として配偶者に慰謝料を請求する場合、あなたが不倫の事実を知った時から時効期間がスタートし、3年を経過してしまうと、不貞行為に対する慰謝料請求は消滅時効の完成によってできないことになります。もっとも、不貞行為が原因で婚姻関係が破綻して離婚に至った場合には、離婚した日から時効期間がスタートしますので、離婚日より3年間は慰謝料請求をすることができます。

また、消滅時効については相手方が「援用」する必要があります

時効の「援用」とは、時効の完成によって利益を受ける側が、時効の完成を主張することをいいます。そのため相手方から「消滅時効の完成による利益を享受する」旨の通知がない以上、消滅時効の効果は発生しません。

つまり相手方が時効の完成に気が付いていないとしても請求する側がそのことを教えてあげる法的な義務はないのです。

したがって相手が任意に支払う場合には、時効期間が経過していたとしても慰謝料を受け取ることができる可能性はあります。

既に不倫相手から全額受け取っている場合

配偶者が不倫をした場合には、その配偶者のみならず不倫相手に対しても慰謝料請求することができます。不倫相手に慰謝料請求する場合には、離婚調停とは別に、任意での支払交渉・調停・民事訴訟などを行う必要があります。

不貞行為の当事者には、共同不法行為が成立するため、2人は連帯して損害賠償をする責任を負うことになります

ただし、配偶者と不倫相手から慰謝料を二重取りすることはできませんので、注意が必要です

具体的には、不貞慰謝料として300万円を請求できる場合、有責配偶者から300万円の慰謝料の賠償を受けた場合には、さらに不貞相手に対して300万円を請求することはできません。

離婚調停で慰謝料請求をするメリット・デメリット

メリット

調停委員が間に入るので、話し合いがまとまりやすい

離婚調停を利用する当事者の場合、任意での話し合いでは合意に至ることが難しいというケースが多いでしょう。なぜなら当事者だけの話し合いでは、どうしても感情的になってしまい、冷静に話し合うことが難しいからです。

しかし、離婚調停の場合には家庭裁判所を利用することで、裁判官や調停委員という公正・中立の第三者が当事者の間に入って話を聞くことになります。調停手続きでは、当事者同士は調停委員を通じてコミュニケーションをとることが多くなり直接やり取りする機会も少なくなります。

このように客観的で専門的知識のある第三者を介入させることで、慰謝料の額やその支払い方法についても冷静で合理的な話し合いを実現することが可能になるのです。場合によっては、説得を交えて話し合いを行うことになるので、当事者だけで進めるよりも解決しやすくなるでしょう。

調停調書には法的拘束力がある

離婚調停で慰謝料を請求するメリットとしては、最終的な合意内容に法的な拘束力を持たせることができるということです。

相手方が離婚調停で決まった約束を守らない場合には、強制執行の手続きをとることができます。慰謝料の支払いについて、離婚調停で合意され調停調書が作成された場合には、これを用いて強制執行の手続きを利用することができます。

したがって、相手方が支払いを怠った場合であっても、預金や給与債権を差し押さえて強制的に慰謝料を回収することができるのです。

デメリット

証拠や資料を収集・保管しておかなけらばならない

慰謝料を請求するためには、主張する事実を立証する証拠を提出する必要があります。

相手方配偶者が事実を否認する場合には、証拠がなければ相手方に反論することは難しくなるでしょう。確たる証拠がある場合であれば、これ以上反論しても無駄だとして、相手方が事実を自白する可能性があります。

そのため、調停委員があなたの主張を理解してくれたとしても、当事者に争いがある事実については証拠がなければ、相手方を説得してもらうことは難しいでしょう

以上より、離婚調停で慰謝料を請求する場合には、ある程度の証拠を収集・保管してから臨む必要があるでしょう。

相場を超える高額な支払いを請求することは難しい

離婚の慰謝料には、前述のように、離婚原因に応じて慰謝料の相場が存在しています。

任意での話し合いの場合であれば、相手方が協議内容に応じさえすれば、高額な支払いであっても合意することができますが、調停手続きでは、過去の裁判例や相場が一定の基準として考慮されることになるでしょう。

したがって、調停委員を味方につけて相手方の説得をしてくれたとしても、慰謝料の相場を超える高額な金額を請求することは困難です

手続きに数ヶ月程度時間がかかる

離婚調停といえども、当事者双方が納得しなければ調停は成立しませんので、手続きに時間がかかる可能性があります。

どの程度の時間を要するか否かについては、事案の内容によって変わってきますが、短ければ1カ月程度、長い場合には1年以上要するケースもあります

仕事を休んで裁判所に出向く必要がある

裁判所は平日の日中しか稼働していませんので、離婚調停を利用する場合には仕事を休んで期日に出頭する必要があります

1か月に1回程度、調停期日が設定されることが多いですが、急なリスケや日程変更は難しい可能性が高いです。

離婚調停で慰謝料以外にも話し合えること

離婚後の子どもの親権者

夫婦の間に未成熟の子どもがいる場合には、離婚する際に夫婦どちらが子どもの親権者になるのかを決めなければなりません。

親権者についても離婚調停手続きの中で、協議することができます。

親権者とならない方の親と子どもの面会交流

親権者とならなかった側の親には、定期的に子どもに会ったり連絡をとったりする面会交流が権利として認められています。これは親権者とならなかった親の権利であると同時に、子ども自身の権利でもあります。

このような面会交流をどのように実施するのか、その方法についても離婚調停で決めることができます。

面会交流とは?取り決め方法や話がまとまらない場合にすべきこと

養育費

未成年の子どもの親権者となる親は、他方の親に対して養育費の負担を請求することができます。養育費とは、子どもが自立するまでに必要となる生活費・医療費・教育費などのことを指します。

養育費についても離婚調停で話し合うことができます。

養育費の相場は?裁判所公表の算定表をもとに解説

財産分与や年金分割の割合

夫婦は婚姻中に共同して財産を構築していると考えられていますので、離婚時には夫婦共有財産を分け合うことができます。また、夫婦が離婚するときには、厚生年金の納付記録の分割を請求することができます。

離婚調停の中では、財産分与や年金分割の分割割合などを話し合って決めることができます。

離婚時の財産分与とは?少しでも多くもらうための4つのポイント

離婚調停で慰謝料請求する流れ

離婚調停で慰謝料請求をする流れは以下のようになります。

  1. 書面を準備する
  2. 離婚調停の申し立て
  3. 第一回調停期日
  4. 第2回調停期日以降
  5. 離婚調停の終了

以下、調停の流れについてそれぞれ解説していきます。

①書面を準備する

以下の書類・費用を準備して離婚調停の申し立てを行います。

  • 申立書(写し1通)
  • 標準的な申立添付書類
  • 夫婦の戸籍謄本
  • 年金分割のための情報通知書(年金分割が該当する場合)
  • 収入印紙:1,200円
  • 戸籍謄本代(全部事項証明書):450円
  • 郵便切手代(申し立てする家庭裁判所で費用は変わる)
  • 住民票の発行費:200円

②離婚調停の申し立て

離婚調停に必要な書類・費用を準備したうえで、相手方の住所地や当事者間で合意した家庭裁判所に離婚調停の申し立てを行います

管轄裁判所のホームページで、申し立てや注意事項が公表されている場合もありますので、必ず確認するようにしてください。

③第1回調停期日

呼出状により第1回調停期日が指定されますので、指定された場所に出頭します。待合室で待機のうえ、申立人・相手方の順番で調停室に呼ばれて調停委員を交えて話し合いが行われます。

期日内で次回期日が指定されることが多いです。

④第2回調停期日以降

第1回期日からおよそ1か月間隔で、第2回目以降の期日が指定されます

続行期日についても1回目と同様の時間配分で開催され、調停委員の主導により調停が進められることになります。

⑤離婚調停の終了

当事者間で話し合いがまとまった場合には、離婚調停が成立します。調停調書が作成され、離婚届を提出することで離婚が成立します。

これに対して、離婚調停が不成立になった場合、離婚を求める当事者は離婚訴訟を提起しなければなりません。民事裁判では裁判官が、主張と証拠に基づいて法定離婚事由の有無や慰謝料請求の可否について判断することになります。調停手続きと比較すると費用や時間がかかる可能性が高いです。

離婚調停での慰謝料請求を弁護士に依頼するメリット

配偶者と離婚をしたい・慰謝料を支払ってもらいたい、と考えている方は弁護士に相談することがおすすめです。

法律の専門家である弁護士に依頼しておくことで、調停手続きをスムーズに進めることができ、適正・妥当な金額で慰謝料を請求することができます

調停が不調になり離婚訴訟に発展した場合であっても、引き続き弁護士に訴訟代理人をお願いすることができ、最終的な解決まで依頼することができます。

当事務所では、離婚に伴う慰謝料請求、離婚調停、離婚裁判の経験が豊富な弁護士が在籍しております。親身誠実に弁護士が依頼者を全力でバックアップしますので、離婚や慰謝料に関してお悩みの方は、是非離婚トラブルに精通している当事務所の弁護士に一度ご相談ください。

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