- もし離婚してモラハラ夫が一人になるとどうなるのだろう…
- モラハラ夫が離婚して一人になると早死にする末路を辿るって本当?
- モラハラ夫ときっぱり関係を断つには離婚前に何をすべき?
この記事では離婚問題に強い弁護士がこれらの疑問や悩みを解消していきます。
離婚後に一人になったモラハラ夫が元妻にとりがちな行動やそれに対する対策も合わせて解説していますので最後まで読んでみて下さい。
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モラハラ夫が一人になるとどうなる?
メンタルに問題を抱えるようになる
モラハラ行為を行う人は、自分に自信がない人が多いです。
そのためモラハラ夫は自分の中で「人間関係に優劣」をつけて自分よりも「上位の人」には媚びへつらい、「下位の人」には不遜な態度をとるという傾向があります。モラハラ夫としては周囲の人間はみんな「自分より下位」に位置づけられることが理想です。なぜならそうすることで自分の地位が相対的にあがったような感覚を得ることができ、また周囲の人間に対して偉そう・傲慢な態度をとっても許されると錯覚できるからです。
そしてそのような夫は、自己肯定感の低さを覆い隠すために日ごろから妻に対してモラハラ行為を繰り返しているのです。
そのような中で妻がいなくなってしまった場合、夫は「人間関係のランキング」の確認作業ができなくなります。よって元々自信のない夫は無気力になったり、ますます精神的に不安定担ってしまう場合があります。
周囲から孤立し孤独に過ごすようになる
モラハラ夫は自分で作り上げた「人間関係の順位」の上位に立とうとしています。そのため普段から他人と比較してプライド・自尊心が強い傾向があります。
さらにそのようなモラハラ夫は「他人に助けを求めること」を「弱み」を見せることだと感じます。そのため悩んでいてもそのことを周囲に相談して助けを求めることができません。さらにプライドが高いゆえに普段から見下している周囲の相手に対して助けを求めることが、自己矛盾になってしまうというジレンマも抱えています。
したがって妻がいなくなって一人になったモラハラ夫は、周囲から孤立してその後はさびしい人生をおくるというパターンもあります。
現実逃避して生活するようになる
現実には離婚が成立しているにもかかわらず、現実を認めることができないため離婚を認めないという態度を固持するモラハラ夫もいます。
そのような場合には、離婚手続きの際には妻や弁護士に「だまされた」や、間違った制度のせいで離婚させられたなどと考える人もいます。そしてそのような現実逃避の結果、元妻に対して以前のように連絡をしてきたり、日常生活に介入してこようとしたりするケースもあります。
つまり自己肯定感の低いモラハラ夫は認知が歪んでいる可能性が高く、自身の精神状態を保つために「元妻子が自分の元を去った」という現実を受け入れることができないのです。
重要なのはモラハラ夫が妻や子どもの生活や人生に固執するのは相手を思っているからではなく、自分の自信のなさや寂しさを埋めるために行っている「利己的な行動」であるという点を理解することです。
あなたとの復縁を希望するようになる
妻が去って一人になった夫も、最初は元妻の言動を受け入れない発言をしたり現実逃避を見せたりすることがありますが、時間が経過すると元妻との関係を復活させたいと希望するようになる可能性があります。
なぜならモラハラ夫は、妻という存在が自分の精神状態・幸福度を維持することに如何に重要な存在であったかということを理解したことで、「以前の状態を取り戻そう」とするからです。
そのために妻に再度連絡をとって「以前とは違い自分は変わった」「過去の行為を反省している」などといって復縁を迫ることがあります。
しかし自分の精神状態の安定を保つために自分以外の第三者に依存している状態は極めて危険です。そのような状態は決して正常なものではなく根本的な問題解決にはなりません。元妻の側にも共依存の関係がある場合、元夫のこのような申し出を喜び復縁のために動いてしまう人もいますが、元夫がこの先モラハラ行為を継続しないという保証はどこにもないのです。
新しいパートナーを見つけて同じように生活するようになる
一人になった夫は新しいパートナーを見つけて新しい生活を始めるケースもあります。
モラハラ行為を繰り返す人物は、外面(そとづら)がよく、一見すると頼りがいがあるように見えますので処世術に優れている場合があります。そのため簡単に新しいパートナーを見つけて新生活を開始する人もいます。
ただしそのような場合でも、再婚相手や交際相手に対して以前と同様にモラハラ行為を繰り返す夫は多いです。元妻に離婚を突きつけられたとして以前の行動を省みることなく同じような行動・同じような失敗を繰り返すパターンもありえます。
早死にという末路を辿る可能性がある
モラハラ夫に限った話ではありせんが、男性が離婚をした場合、離婚をしなかった男性と比べて早死にという末路を辿る可能性があります。
令和2年度版の人口動態調査によると、配偶者がいる男性の死亡年齢(比例配分による中央値)は約82歳、一方、離婚して独り身となった男性の死亡年齢は約73歳と、配偶者がいる男性と比べて約9歳も早く死亡していることがわかります。
また、「資料:厚生労働省「人口動態統計」及び総務省「平成27年国勢調査」より厚生労働省自殺対策推進室作成」のデータによると、男女とも「配偶者がいる人」の自殺死亡率は「未婚」「死別」「離別」した人たちより低くなっています。さらに配偶者がいない「未婚」「死別」「離別」グループの中でも、人口10万人あたりの自殺死亡率がダントツで多いのが「離別」した男性です(「未婚」32.9、「死別」48.3に対して「離別」は101.0です)。
自殺にはさまざまな要因が連鎖していると考えられますが、統計的には、「離婚した」「男性」は自殺率が高くなっているということができます。
一人になったモラハラ夫が元妻にやりがちな行動と対策
執拗に連絡・接触してこようとする
一人になったモラハラ夫は、元妻やその家族に対して執拗に連絡をとってくることがあります。
離婚した直後は、元妻が残していった物や郵便物などの書類の受け渡し・処分について理由を作っては連絡してくる場合があります。
離婚したとしても、元妻や子どもは「自分がコントロールすることができる」ということを再確認するために頻繁に連絡をとってきたり、場合によっては夫側の都合で直接会おうとしてきたりします。
具体的には、定期的にLINEやメールを送ってきたり電話をしてきたりする場合があります。モラハラ夫は、あなたとの「つながり」を維持したいだけですので、嫌がらせのような内容のみならず反省や謝罪の弁、日常的な会話の場合もあります。
孤独になった元夫は精神的にはますます不安定になっているケースもありますので、連絡してくる際の精神状態によって連絡のテンションは大きく変動してくる可能性もあります。
対策:はっきりと拒否する・無視する
離婚した元夫から執拗に連絡がくる場合には、元妻ははっきりと拒絶または無視する対応が重要です。
「離婚したのだから今後は連絡してこないで欲しい」とはっきりと釘を刺しておくべきでしょう。元夫から連絡が来なくなったとしても、とりわけあなたが困ることは無いわけですのでしっかり「相手のコントロール下には入らない」というメッセージを発していく必要があります。
モラハラ夫は、自分が起こした「アクション」に対して、元妻や子どもらが「リアクション」してくれることを求めているケースもあります。そのため元妻側がどのような内容であっても、丁寧に対応してくれたり早々に返事をくれたりすると元夫側を満足させる結果となる可能性もあるのです。
したがって相手から連絡が来た場合には、「完全に無視」してしまったり、「時間が経ってから適当な返事」をしたりというのが効果的な場合もあります。
養育費などの支払いが滞るようになる
モラハラ夫との離婚の際に協議で決まった養育費や生活費の支払いについて、約束に反して支払いが滞るようになる可能性があります。
モラハラ夫は妻と離婚後、離婚に対して消極的な感情を抱いたり、セルフネグレクトとして自暴自棄な生活を送るようになる場合もあります。精神的にも不安定な状況が長く続き、浪費や散財によって経済的に問題が出てくる場合もあります。また元妻側に報復の意図や嫌がらせのような形で意図的に金銭の支払いを怠るようになる可能性もあります。
対策:公正証書を作成しておく
モラハラ夫と別れたあと、相手方の行為で元妻側が実際にダメージを被ることが多いのが「お金」に関する問題でしょう。
このように約束した支払いを行わなくなることを予防するためには、「公正証書」を作成しておくことが効果的です。公正証書で離婚協議書を作成しておくことで、モラハラ夫が金銭の支払いを怠った場合に強制的に支払いを実行させることが可能になります。
まず「公正証書」とは公証人にお願いして作成してもらう文書で、内容について高い証明力があります。さらに金銭の支払いを目的とする債務について「債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述が記載されている場合」には執行力を持ちます。この「執行力」とはモラハラ夫が約束に違反して金銭の支払いを怠った場合、元妻側が単独で「強制執行をすることができる効力」のことです。
執行力は通常民事裁判を起こして元夫に対する勝訴判決が確定しなければ発生しませんが、公正証書を作成しておくことでこの裁判なしで執行することができるのです。
復縁を迫ってくる
モラハラ夫によっては元妻に対して「泣き脅し」のような形で復縁を迫ってくる可能性もあります。
具体的には「離婚してから体調を崩している」や「後悔で毎晩寝られず精神的にも限界である」などと謝罪とも受け取れるような内容の連絡が入る場合があります。
対策:一時しのぎの相手の発言を容易に受け入れない
元夫から上記のような連絡を受けた場合、「夫は以前とは変わった」「深く反省してくれいる」と直ちに考えてしまう方もいますが、元夫が行っていることは根本的にはモラハラ行為と何も変わっていません。
どういうことかというと、モラハラ行為は妻の行動や発言を指摘し「羞恥心」や「罪悪感」を抱かせて自分の思い通りにコントロールしようとする行為です。そして離婚のせいで元夫が困窮する事態になったと伝えることで、モラハラと同じようにあなたの「罪悪感」や「羞恥心」に訴えかけ「復縁」という希望を夫は叶えようとしているということです。
元夫がストーカー化する
離婚してから一定の期間が経過したあと、モラハラ夫がストーカー化したという事例もあります。
離婚から数か月たったある日、突然「離婚したことを後悔しているだろう」「自分がいないことで苦しい生活をしているだろう」という内容の連絡が届きます。その後も頻繁に元夫から連絡が来るようになったり、自宅の郵便受けに元夫からの手紙や夫婦のころの写真などが送られてくるようになったというケースもあります。
対策:弁護士や警察に相談する
モラハラ夫がしていることは「ストーカー規制法」や「迷惑防止条例」上の「つきまとい等」に該当する犯罪行為である可能性があります。また元妻の生活の安全や精神状態を脅かす不法行為に該当する可能性があります。
そのため接触した日時や内容を記録にとったり残したりして弁護士に相談してください。弁護士が代理人としてストーカー行為をやめるように警告文を送付してくれることがあります。
また犯罪行為に該当する可能性がある場合には警察に相談することも効果的です。元夫に対して警告してくれたりパトロールを強化してくれる可能性もあります。
モラハラ夫と関係を断つために離婚前にすべきこと
モラハラ夫と離婚する前にしておくべきことは何でしょうか。離婚後にモラハラ夫との関係を完全に断てるようにするという視点から解説していきます。
一人に慣れさせるために別居期間を置く
モラハラ夫の生活環境から突然妻がいなくなると、心の準備ができていない夫は妻に固執してストーカー化してしまうリスクがあります。
そこで一人になることに慣れさせておくためにも別居期間を設けることが重要です。物理的または心理的に距離をとり、それぞれが自分と冷静に向き合う時間を過ごすことで、夫の認知の歪みが改善されるケースもあります。
別居期間中であっても生活費などの婚姻費用や子どもの養育費を受け取ることはできますので、その点も調整したうえで別居期間を設けるべきでしょう。
離婚条件は公正証書にしておく
離婚協議書は公正証書で作成しておきましょう。
前述のように「強制執行認諾条項」のある公正証書の場合には、モラハラ夫が支払いを怠った場合にただちに強制執行することができますので相手方と無用なかかわりを減らすことができます。
また、公正証書には以下の事項を記載することもできます。
- 親権・監護権
- 財産分与
- 年金分割
- 慰謝料の支払い
- 未払いの婚姻費用の清算 など
モラハラ夫にされたことを心に刻み込む
「喉元過ぎれば熱さを忘れる」のが世の常ですが、モラハラ離婚については二度と同じ目にあわないように、相手からされて「どうしても我慢できなかったこと」を書き出すなどして心に刻んでおくようにしましょう。
相手方に対する共依存や同情心から元夫に連絡したり接触を再開しないようにするためにも「絶縁」を心に誓うことが重要です。
弁護士を入れて離婚を進める
モラハラ離婚は弁護士に依頼して手続きを進めることがおすすめです。
法律のプロを間に入れることで夫婦がお互い冷静に話し合え、離婚後も無用なトラブルを蒸し返さないように離婚内容を調整することも期待できます。
弁護士に依頼しておけばモラハラ夫とのやりとりもすべて任せることができますので精神的にもかなり楽になるでしょう。
弊所はモラハラ夫との離婚問題の解決を得意としております。有利な条件で離婚できるよう、親身誠実に弁護士が依頼者を全力でサポートしますので、どうぞお気軽にご相談ください。相談する勇気が解決へと繋がります。
モラハラ離婚を弁護士に依頼する6つのメリットと弁護士費用の相場
まとめ
モラハラ夫が一人になると、孤独感や貴女への未練から、復縁を迫ったりストーカー行為に及ぶこともあります。また、離婚を切り出されたことで妻に対する復讐心を抱き、嫌がらせや養育費の支払いを拒否するといった行動に出ることもあります。
これまで従順だった妻が離婚を切り出すことで、モラハラ夫の感情が刺激され、離婚後に無用なトラブルに巻き込まれる可能性もあります。そのため、モラハラ夫との離婚手続きを進める際には、モラハラ離婚に精通した弁護士を介入させ、遺恨が残らない形で離婚内容を調整することをお勧めします。
もっとも、弁護士を介して円満に離婚できたとしても、その後もモラハラ夫から復縁要求される可能性が完全にゼロになるわけではありません。新たにモラハラ気質のある男性が貴女に近づいてくる可能性も排除できません。モラハラの被害に遭いやすい女性は、しばしば他者に操られやすいという特徴があります。そのため、万一元夫からの復縁要求やモラハラ気質のある男性からのアプローチに直面した場合、自身の感情をしっかりとコントロールし、断固として拒絶できるよう、対人関係のスキルを向上させることが重要です。
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