当法律事務所にモラハラ妻との離婚を依頼される男性がよく口にされる言葉です。
では、男性(夫)が離婚を決意するに至るほどの妻によるモラハラ言動とはどのようなものなのでしょうか。
仮に友人や知人の男性が妻からモラハラ被害を受けていたとしても、余程親しい間柄でもない限りその具体的内容を聞いたことがない方がほとんどでしょう。
そこでこの記事では、当事務所の弁護士が依頼男性から聞いた、妻からのモラハラエピソードを3つ紹介します。また、モラハラ妻に疲れて限界を感じた場合にどう対応すべきかについても解説していきます。
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目次
モラハラ妻に疲れた…限界に達し離婚を決意したエピソード
以下では、妻によるモラハラで疲弊して限界に達し、離婚という選択をした男性から聞いたモラハラ被害の実例を紹介します(個人情報保護の観点から変更を加えています)。
エピソード①結婚直後にモラハラ妻に豹変したケース
僕(43歳・会社員)は都内近郊で妻と子どもと暮らしていますが、最近妻との離婚を真剣に考えるようになりました。
妻と結婚したのは今から15年前で、当時仕事の関係で知り合った同世代の彼女と交際を経て結婚しました。
当時、僕は30歳を迎えそろそろ結婚できたらいいなと漠然と感じており、彼女とも良好な関係を築いていたので、彼女がこんなモラハラ妻に変貌を遂げるとは夢にも思っていませんでした。
まず、妻のモラハラ気質を感じたのは夫婦で初めての旅行をしたときの出来事です。
長旅で疲れた僕は、宿泊先のベッドに横たわって休もうとしていました。すると、妻から突然「あんた本気?喉乾いているんだからさっさとコンビニで水買ってきて」と命令されたのです。
かなり冷淡に言い放たれましたが、きっと旅の疲れでイラついているのだろうと、僕はすぐにホテルの自販機で何本か水やジュースを買って部屋に戻りました。
すると妻から「え?早すぎない?ホテルの自販機に行ったの?高いからコンビニ行けっていったのにあり得ない。頭おかしいんじゃない?」と言われてしまいました。
妻の態度に驚きましたが、せっかくの夫婦旅行なのだからとグッと堪えたのを今でも覚えています。
そして妻のモラハラ的な言動はますますエスカレートしていくことになります。
とにかく僕に対する束縛が厳しく、お小遣いは月1万円、会社の付き合い以外に帰りが遅くなるのは絶対にNG、子どもの前でも平気で父親である僕の悪口を言います。
妻は、子どもができたことを契機に専業主婦になりましたが、そのとき以降「妻も大変だろうから」ということで炊事・洗濯などの家事はすべて僕がするようになりました。
僕は、家事は女がするものなどとはまったく思っていません。むしろ夫婦は平等に家庭の仕事を分担するのが正しいとさえ思っています。しかし、妻は洗濯や炊事は当然に僕の仕事だと思っています。「親なんだからやって当たり前」と言われたこともあります。
それでも仕事と育児に忙しく追われていたことで、なんとかこれまで自分を誤魔化しながら夫婦を続けてきましたが、僕は疲れてしまったのです。
子どもが中学生になり遅くまで部活や塾に行くようになると、「妻と2人だけの時間が増える」という事態に恐怖すら感じるようになったのです。
そのため、積極的に残業をするようになり妻が寝静まってから帰宅するようになりました。
その際には「私の食事はどうするんだ?」「掃除・洗濯ができていない」と散々文句を言われました。仕事が忙しいということでこれまで何とか取り繕って来ましたが、そろそろ我慢の限界を感じています。
今後、子どもが自立した場合や退職した場合には、妻と過ごす時間が増えるかもしれないと考えるだけで気分は落ち込み憂鬱になってしまいます。
このように僕は、妻のモラハラに疲れ、これ以上我慢を続けるのも限界を感じたため、離婚したいと思うようになったのです。
エピソード②嫌味・暴言を繰り返すモラハラ妻のケース
私(39歳・会社員)は、地方で妻と子ども2人と生活していますが、妻からの無視や暴言、モラハラ行為の数々に疲れて、離婚すべきかどうか悩んでいます。
私と妻は夫婦共働きで、家事や子育ては夫婦で協力してこなしてきました。
妻は時短勤務で早く帰宅することができるので、家族の食事の準備をしてくれています。一方私は、仕事終わりに子どものお迎えに行き、帰宅後には、子どもにご飯を食べさせ洗い物や洗濯などを担当しています。
私は世間でも名の通った、いわゆる大企業に勤務していますので、会社の福利厚生には非常に恵まれています。しかし、それでも私のお小遣いは月3万円だけです。普段は会社から子どもを迎えに行ってまっすぐ家に帰るため家事・育児にも貢献してきたと自負しています。
しかし、このような生活の中で、私は妻から浴びせかけられる言葉の数々に心底うんざりしています。
私の妻は良く言えば完璧主義者、悪く言えば非常にネチネチ私のミスや欠点を指摘してくるタイプなのです。
「盛り付けるお皿や使うフォークが間違っている」「服の干し方が悪い」「トイレの時間が長すぎる」「帰宅後手を洗う前に家具に触るな」などと四六時中、私の行動に難癖をつけてきます。「考えてからやって」「ちょっとは頭使って」というのが妻の口癖です。
以前私が体調を崩して寝込んでしまった際には、妻から「迷惑だからやめてほしい」と言われたことがあり、妻は自分の両親に対しても同じことを言い、私の悪口を頻繁に言っています。
妻にも仕事がありそのうえで家庭のことをしてくれていることは十分に理解しています。私は料理が全くできないので、家族の食事の準備は妻に任せています。
そのため、少しでも家事が負担にならないように、料理以外の炊事や洗濯、土日の家の掃除などは率先して行うように努めてきました。それでも妻の私に対するモラハラはどんどん酷くなるばかりです。
最近は、子どもに私の悪口を聞かせ、家族の中で私だけを孤立させようとする行動が目立ってきました。「酷いお父さんだね」「お父さんのこういうところは真似したらダメだからね」と子どもたちに吹き込んでいるため、妻がいると子どもとの会話もままならない状態です。
今では、会社から帰宅しても、子どもと触れ合う以外家庭のありがたみをすっかり感じなくなってしまいました。ここ数カ月は妻の文句や暴言を無視するようにしており、子どもの将来のためだと我慢を続けています。
しかし、妻のモラハラ行為に疲れ果て、我慢も限界を迎えているため、できることならすぐにでも離婚がしたいです。
エピソード③子どもが欲しい妻から精神的虐待を受けたケース
私(46歳・会社員)は、現在妻のモラハラが原因で真剣に離婚を検討しています。
付き合っていたころは今みたいなことはありませんでした。結婚してから妻のモラハラ行為が酷くなっていったのです。
妻とは、職場の同僚との合コンがきっかけで出会い、1年間の交際期間を経て結婚しました。彼女がこれまでと変わったイメージを見せ始めたのは、結婚してしばらくしてからのことでした。
妻はこれまで数年勤めていた会社を、私に何の相談もなく突然辞めたのです。
そのうえで、「パートに出て扶養の範囲内で働きたい。できれば専業主婦になりたい」と言い出したのです。
私は突然のことで驚きました。結婚する際には2人とも子どもが欲しいと話していましたし、2人とも働いていたので、しばらくはダブルインカムで貯蓄を増やせると考えていたからです。
せめて1人で勝手に決める前に私に相談してほしかったと思っています。
その後は、頻繁に「専業主婦になりたい」「早くママになって子どもを連れて歩きたい」というようになり、性行為の強要が激しくなりました。
ところが私たちにはなかなか子どもができませんでした。すると彼女から「子どもができたのは、あなたのせいかもしれない」「不妊検査に行ってきて」と無理やり検査を受診させられました。
検査結果は「異常なし」でしたが、そのあたりから、「何もかもうまくいかない」「昇級の機会が多いからすぐに給料が上がると思っていた」「友達はみんな子どもができてSNSに写真を挙げている」と内心を漏らすようにもなりました。
特に先輩ママになった友達や知人のSNSを見ては、その人や旦那さんの悪口をいうようになりました。私が見かねて「そういう言い方は良くないよ」と指摘したところ、妻は「そういう説教は給料上げてから言ってくれる」と私に吐き捨てたのです。
それからは、子どもができない苛立ちからか「男らしくない」「さっさと給料上げてよ」と繰り返し文句をいうようになり、私はEDになってしまいました。
なんとかこれまで我慢してきましたが、もう限界を感じました。慰謝料もいらないのでとにかく早く妻と離婚をしたいです。
モラハラ妻に疲れて限界を感じた場合の対応
妻からのモラハラ行為に疲れ切ってしまい、我慢の限界を感じた場合、夫としてはどのように対応すべきでしょうか。以下で解説します。
妻の改善を試みる
妻に限らず、モラハラをしている本人は、モラハラ行為をしている自覚がありません。自分が常に正しく相手配偶者が間違っているという思考のもと行動しているためです。
そのため、妻のモラハラを改善するには、モラハラ妻への対処法に書かれているように、まずは本人にモラハラをしている自覚を持たせ、カウンセリングを受けさせるなど施策が必要です。「夫婦関係調整調停」を申し立てて、第三者を交えて話し合うのも一つの方法でしょう。
もっとも、モラハラは、弱い自分を守り正当化するための手段ですので、妻にとってモラハラを治すメリットはありません。本人に治したいという気持ちがない以上、カウンセリングを受けさせたり、調停に出席させることは困難でしょう。
そもそも、モラハラ妻に”限界”を感じる段階まで来ているわけですから、そこに至るまでに何かしらの改善方法を試みてきた男性も多いでしょう。妻を改心させるためにさらに精神をすり減らしてしまうと、ご自身の精神崩壊に繋がりかねません。これ以上は自分の心が持たないと感じたい場合には、妻を改善させることに見切りをつけ、離婚に向けた準備を着々と進めていくべきでしょう。
妻のモラハラ行為の証拠を集めたうえで別居を開始する
モラハラ妻と離婚するにしても、同じ家に住みながら協議離婚を提案したり、離婚調停・離婚裁判を進めていくことは困難でしょう。モラハラ妻からしてみれば、格好の攻撃対象が自分から逃げようとしているわけですし、専業主婦であれば離婚後の自分が経済的に困窮することが予想されるわけですから、離婚をさせないためにさらなる精神的追い込みをかけてくる可能性もります。
そのため、モラハラ妻と離婚するにあたっては、まずは別居して物理的に距離をとるようにしましょう。
ただし、別居するにあたっては、事前に妻からモラハラ被害を受けている証拠を集める必要があります。
上記の通り、モラハラ妻はアナタからの離婚請求に応じる可能性は低いため、最終的には離婚裁判で決着をつけなければならない可能性もあります。その際、「妻のモラハラが原因で、これ以上婚姻関係を継続させることが困難である」ことを裁判官に認めてもらえないと離婚請求は通りません。
モラハラの証拠の集め方については、モラハラ離婚の証拠と集め方!どのくらい必要?日記の書き方は?を参考にしてください。
なお、子どもがいる家庭の場合には、子どもを家に置いて父親が別居を開始すると、後々、親権問題で不利になる可能性があります。そのため、モラハラ妻と別居するにあたっては事前に弁護士とよく相談のうえ実行するようにしましょう。
妻との離婚手続きを弁護士に依頼する
上記の通り、モラハラ妻がすんなりと離婚に応じる可能性は低いわけですから、離婚が成立するまでに長期間を要するケースも少なくありません。ただでさえ妻から精神的虐待を受けて疲弊しきっているのに、離婚の交渉や調停・裁判で妻と対峙しなくてはならないとなると相当なストレスがかかることでしょう。
また、調停や裁判を行おうとする場合には、申立書や訴状、準備書面などを作成して適切な証拠を効果的に提出する必要があります。専門的な内容について一般の方がこの作業を行うのは困難でしょう。また、調停や裁判は平日の日中に出廷しなくてはなりませんので、お仕事を休まなくてはなりません。
この点、弁護士に依頼することで、モラハラ妻と直接やり取りする必要がなくなりますし、調停や裁判に必要な難解で面倒な手続きも一任することができます。毎回裁判手続のために仕事を休む必要もなくなります。そのため、あなたは精神的にも安定して今後の生活の構築・立て直しに集中することができるようになります。また、弁護士はあたなの利益が最大化するように動いてくれますので、慰謝料・財産分与・親権・養育費などについても有利な結果を得られる可能性が高まります。
モラハラ離婚を弁護士に依頼するメリットについては、モラハラ離婚に強い弁護士の選び方・費用・探し方を徹底解説で詳しく解説されていますので読んでみてください。
当事務所では、モラハラ離婚に精通した経験豊富な弁護士が在籍しております。親身誠実に弁護士が依頼者が有利な条件で離婚できるよう全力を尽くしますので、モラハラ妻との離婚を弁護士に依頼することをご検討中の方は、当事務所の弁護士までご相談ください。お力になれると思います。
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