モラハラ妻の特徴・原因・心理|対処法と離婚の手順を解説

精神的な暴力ともいわれるモラルハラスメント。嫌がらせや無視などで相手にダメージを与え、職場や夫婦間など、人間関係が密になりやすい環境でよく問題になっています。

夫婦間のモラハラにおいては、加害者には男性が多いというイメージもありましたが、妻がモラハラを行うケースも増えています。
モラハラを改善することはできるのでしょうか?改善できずに離婚を選ぶとき、どのように離婚を進めて行けばよいのでしょうか。

今回は、モラハラの特徴や原因、やむを得ずに離婚を選んでしまったときの離婚方法やその順序について、数多くのモラハラ相談を受けてきた弁護士が解説します。

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目次

モラハラ妻によくある言動

モラハラとは、モラル(道徳・倫理)ハラスメント(嫌がらせ)の略で、道徳や倫理に反した精神的な暴力や嫌がらせのことです。

妻によるモラハラ言動の一例を挙げると、

  • 「甲斐性なし」「安月給のくせに」などと暴言を吐く
  • 夫の友人や親族の前で夫に恥をかかせる言動をする
  • 夫の友人や親族の悪口を夫本人に言う
  • 「男のくせに情けない」などと女尊男卑の発言をする
  • 子供の前で夫をけなすなど父としての威厳を奪う
  • 子供に父親の悪口を吹き込み洗脳する
  • 夫からの話を無視する
  • 話を上から被せヒステリックに喚き散らす

などがあります。

モラハラ妻の特徴

では、上記のような夫婦として(人としても)あるまじき言動をするモラハラ妻にはどのような特徴があるのでしょうか。これまで数多くのモラハラ妻による被害相談を受けてきた弁護士が気付いた、モラハラ妻の14の特徴をここで紹介します。

自分の非は認めない

まずモラハラ妻の最も大きな特徴としては、自分の非は認めない傾向があります。自己中心主義の哲学で武装された妻は、じぶんが絶対に正しいと信じていますから、じぶんに落ち度があるトラブルでも、じぶんの非は認めません。ですから夫に対して「あなたが悪い」とじぶんの責任を愛する夫にすりつけます。

ときには、弱弱しいシチュエーションを作出して、夫にしがみつき、泣きつづけるケースもみられます。そうかと思えば、強がり女に豹変(ひょうへん)して、夫の過去のミスを持ち出して攻撃してくるケースもみられます。

生活環境の変化の時期に豹変する

モラハラ妻は、夫の気持ちを察知できたと信じこんだその瞬間に悪女に豹変(ひょうへん)してしまいます。驚嘆した夫は、妻が豹変したのは、わたしのせいではなく、妻自身のせいだと考えたくなります。

妻が豹変しやすい時期は、従来のケースからみて、結婚したばかりの当時、その後妊娠した時期、そして出産した直後などです。いずれも妻の生活環境が急変したシチュエーションです。

具体的に見れば、結婚した時期には相手の男がじぶんの夫になったから心理状態が変化しますし、妊娠時とか出産時には、もはや夫が抜き差しならない状態になり、あたしが好き勝手できると感じるほか、子供に対する嫉妬もはたらくからです。

悪いことは夫のせいにする

モラハラ妻には、日常生活においてトラブルが起きると、それは夫のせいだとして、責任を回避してしまう傾向があります。自己中心主義の性格で生きている妻は、じぶんが正しいと信じていますから、じぶんが犯した過ちも、じぶんのせいではなく、夫のせいだとして責任をなすりつけてしまいます。

時に夫に甘い面をみせることもある

モラハラ妻は、夫を攻撃するかと思えば、逆に甘えたポーズにでるケースもあります。周りを攻撃したかと思うと、今度は甘え声ですり寄ってくる妻の豹変ぶりに、夫は心理的に苦しめられてしまいます。しかし妻を厳しく扱うと、かえって面倒な結果になってしまいますから、結果的に夫は妻に支配されてしまいます。

他人に厳しく自分に甘い

モラハラ妻は、夫だけでなく、家族、近隣、職場など周りに厳しい反面、じぶんに甘いといわれます。それは、モラハラ妻は自己中心主義の哲学で生きていますから、じぶんが正しく、他人は誤っていると判断し、周りの他人に厳しく、じぶんを甘く判断しやすいからでしょう。

具体例でみると、家計が苦しいからと、夫の小遣いを減らしておきながら、じぶんは、高級なブランドものを購入してしまいます。周りからみれば、矛盾したアクションにでて、周りを振り回し、心理的に安定させようとしていることも考えられます。

都合が悪くなると無視する

モラハラ妻は、じぶんにとって都合が悪くなるシチュエーションでは、その事情を無視するといわれます。夫を攻撃して、反撃され、反発できなくなると、その問題を無視して逃げ腰になります。そうすると、無視された夫には心理的な負担が残りますから、これを避けるために、夫は妻にしたがい、結果的には妻が優位になってしまいます。

役割を押し付ける

モラハラ妻には、役割を夫や周りに押し付ける傾向があります。

憲法の人権規定では「平等の原則」が規定され、「男女平等」の発想が定着しています。男女の平等については、家庭裁判所に持ち込まれた事件などで論議されていますが、モラハラ妻は、男女平等ですから、男性の夫にも仕事以外にそれなりの役割があるとして、夫に役割を押し付けてきます。

妻から「あなた、男女平等の現代でしょう。男のくせに役割果たしていないでしょう」と強気にでられると、夫は「ああそうか」と洗脳され、マインドコントロールされてしまいます。

文句や指示が多い

夫に役割を押し付けようとすれば、夫がその役割を無視するとか、手擦ると、自然に妻の口からは文句が沸いてきます。妻は「ああしなさい」・「こうしなさい」と、夫に指示します。その結果、夫はモラハラ妻に支配されてしまいます。

常識を振りかざす

たしかに、男女平等の現代ですから、男性も外で働き収入を得るだけでなく、家庭でもそれなりの役割を果たすのが理想的でしょう。しかし夫が、慣れない育児とか家事に失敗すると、「あなた、なにやっているの。こんなこと常識じゃないの」と、常識を振りかざします。それも見ている子供の前で「あなたバカなの」と夫をののしります。モラハラ妻は、そうした対応で夫をコントロールしていきます。

外面が良い

それでいて、モラハラ妻は、近隣や職場など家庭の外では、素敵な女性として外見の良い姿勢をとります。そうすると、なぜ、妻の周りに対する態度は、あまりにも違うのかと、夫は悩みます。悩ましいお気持ちはよくわかりますが、これは自己中心主義の哲学で生きている性格に根差すものですから、急に改善するのはむりでしょう。

嘘つき

モラハラ妻は、自己中心主義の哲学で生きていますから、なによりもじぶんをたいせつにします。ですから、目先の問題がじぶんに不利なときには、じぶんを守るために、嘘をついてしまいます。

自分のポジションは絶対に譲らない

モラハラ妻は、じぶんのポジションを絶対に譲らないといわれます。たとえば、目先の懸案をどう処理すべきかについて、妻の態度が我慢できないケースでも、夫の反発を受けながら、決してじぶんは誤っていないとして、その言い分が正しいと信じこんで、じぶんのポジションを譲りません。それどころか、逆に、わたしは夫の独断主義に苦しんでいますと、周りに言いふらすケースさえあります。

感謝をしない

モラハラ妻には、周りから恩恵を受けても、感謝をしない傾向があります。そもそも、モラハラ妻は、じぶんが最高だと思っていますから、他人から恩恵を受けても、それを受けるだけの価値がじぶんにあると考えています。ですから、他人から恩恵を受けても感謝はしません。

それでは夫に対してまで感謝しないのはなぜでしょうか。それは、夫に対して感謝しないでいたほうが、メリットが大きいと考えているからでしょう。妻が夫に感謝しないでいると、夫は、もっと妻を喜ばせようと焦りますから、それだけ夫をコントロールしやすくなるからかもしれません。

実家にベッタリ

モラハラ妻には、いつまでも、じぶんが生まれ育った実家にべったりしがみついている姿勢がみられます。

妻はわがまま育ちですと、結婚してからも、そのハートのなかでは、親から離れたくないという気持ちを持ち続けてしまいがちです。実家の側でも、嫁がせた娘をいつまでも子供扱いして、子離れがすすみません。その結果、実家における親子の心理的な依存関係が強く残ります。

そうした心理構造から、結婚後の新家庭での幸せを感じにくい傾向がみられ、妻はじぶんの感情のコントロールができないで、モラハラ妻の淵に沈淪してしまうのでしょう。

モラハラ妻の心理

付き合っているときは優しかったのに、結婚してから妻ががらりと変わってしまった。付き合っているときから気が強い女性だと思っていたが、結婚してからだんだんエスカレートしたなど、モラハラ妻で悩む夫の多くが、「結婚してから妻の態度が変わった」と感じているようです。

それでは、モラハラ妻の特徴を探る前提として、「モラハラ妻の心理構造」を確かめてみましょう。

妻の内心では、じぶんの苦しさから逃避するために、「防衛機制」がはたらき、他人から幸せを奪い取るとか、他人を攻撃するようになってしまいます。なによりも妻にとっては、肉体的にも精神的にも最短距離にある夫を攻撃してしまうわけです。ときには、子供にも八つ当たりしてしまいます。

妻はじぶんの欠点を周りに気づかれないようにするため、夫や子供の欠点を暴くようになるわけです。じぶんには責任はないと信じこみ、夫や家族に責任を押しつけて、じぶんはストレスとか苦しみから逃れようとします。

そして、妻のハートのなかは、無意識のうちに「防衛機制」がはたらき、モラハラに傾斜していくようになります。ここに「防衛機制」とは、人間が環境に適応し、生存していくプロセスにおいて、それを妨害する要素を無意識のうちに跳ねのけ、じぶんを防衛する心理的なメカニズムです。モラハラの妻のハートのなかは、そういう心理構造になっているのです。

モラハラ妻になってしまった原因

モラハラの特徴にもあるように、モラハラ妻は外面がよいことも多いため、付き合っている段階ではなかなか気づきにくいものです。モラハラになった原因によっては、モラハラが改善する可能性もありそうですが、モラハラをするようになってしまった原因はどこにあるのでしょうか?

結婚生活でストレスが溜まっている

モラハラ妻に悩む夫の中には、妻から「給与が低い」「家事を手伝わない」など、結婚生活についての不満をぶつけられるケースも少なくありません。特に結婚してから性格が豹変し、小言が多くなった、不満が増えたなどの特徴を持つモラハラ妻の場合、結婚生活でストレスが溜まっていることがモラハラ化している原因であることも。

人を見下す、上下で判断するなど、元々の性格が影響している

モラハラの原因として、妻自身がもともと持っている性格が影響していることもあります。例えば、人間関係を上下関係で判断する、物事を善悪で判断する、いわゆる女王気質で支配的、嫉妬深い、しつこいといった性質が、モラハラ妻には多く見られるようです。

モラハラの特徴として、自分よりも劣っていると感じる人をターゲットとして徹底的に支配しようとする性質があります。人間関係を上下に見、相手の行動を良いか悪いかで判断し、責めるところも、モラハラを引き起こしやすいといえます。

被害妄想が激しい、自分を正当化する

「あなたの給料が低いせいでこんな生活を強いられている」といった言動や、「私ばっかり我慢している」などの不満を訴えるモラハラ妻もいます。全ての責任を夫に押しつけて「自分は悪くない、悪いのは夫だ」「だから夫に対してひどい言動をしても許される」と自分を正当化してしまうケースです。

このタイプのモラハラ妻は、被害妄想が激しく、自分よりも相手の方が悪いと決めつけるため、反省することがありません。また、中には自分のモラハラを愛情であると定義し、「あなたのためを思ってやっているのだ」といって自分を正当化してくることも。

幼少期のトラウマが影響していることも

同じ人間である夫に対し、「死ねば良いのに」とか「男のくせに」といった人格を否定するような言動をしたり、無視したりするモラハラ妻ですが、自分の言動で他人が傷ついていることが分かっていないことも。

その原因の1つとして、モラハラ妻の幼少期に問題があるケースもあると言われています。子供の頃に両親から心ない言葉を投げかけられて育ったり、愛情をかけられずに育ってしまう、親からモラハラを受けていたなどが原因となって、モラハラ妻が自分自身のことを大事にできなくなり、その結果として夫へのモラハラに繋がっているというものです。

産後鬱の可能性も

モラハラ妻の特徴として、「それまで普通にしていたのに、あるきっかけで突然切れて、感情を抑えられずにどんどんエスカレートする」というものがあります。

相手を徹底的に否定し、自分の感情がおさまるまで罵詈雑言を浴びせ続けるモラハラ妻も少なくありません。こういった感情のエスカレートには、ホルモンバランスや育児疲れによる睡眠不足などのストレスが影響している可能性も指摘されています。

特に女性が不安定になりやすいのが、子供を出産した後です。妊娠期間中と産後では、女性のホルモンバランスががらりと変わるため、その影響で精神的に不安定になりやすいとも言われています。

実際に、妊娠中はモラハラの兆候がなかったのに、出産後になって、夫を責めたり不機嫌な表情が増えたりしたケースも。しばらくして産後ウツが落ち着けばモラハラも落ち着く可能性があるため、モラハラの原因が産後ウツなのであれば、モラハラは一過性のものと考えることもできます。

真面目で優しく、争いを好まない夫との関係が影響している

モラハラの原因として、夫が優しくてめったに反抗しない、言い返さないために、妻がどんどんエスカレートしている状況もあります。優しくて寡黙な男性は、女性からきつい言葉を投げられたとしても「自分にも責められる要因があったのかもしれない」と、自分に原因を探そうとします。モラハラ妻にとっては、サンドバッグのように何を言っても吸収してくれるため、どんどんモラハラの言動がエスカレートしてしまうというパターンです。

モラハラになる原因と加害者の心理|被害者がとるべき3つの対処法

妻からモラハラを受けてしまっているときの対処法

モラハラ妻の特徴や、モラハラになってしまった原因についてご紹介しました。原因は人それぞれですし、正確なところを探ることは難しいかもしれません。

よく「モラハラは治らない」と言われますが、産後鬱などの一過性のホルモンバランスが原因なものであれば、治る可能性もあります。また、モラハラ妻は自分がモラハラをしていることに気づいていないこともあるため、妻が気づくことで改善する可能性もゼロではありません。

モラハラと一言で言っても、軽度のものから重度のものまでさまざまです。モラハラを受けたとき、どのような対処法をとるべきかは、モラハラの程度によっても変わってくると考えられます。

夫婦間のコミュニケーションを増やす

元々の性格や幼少期のトラウマなどが原因でモラハラ妻になっている場合は難しいかもしれませんが、結婚生活でストレスが溜まっているような場合には、元々はモラハラ妻ではなかった可能性があります。

女性は共感されることで安心しやすいので、結婚生活においても夫との会話やスキンシップなどのコミュニケーションを求めがちです。夫婦間で会話を増やしたり、妻の話を聞いて共感するなどのコミュニケーションを増やすことで、軽度のモラハラがおさまる可能性は十分あるといえます。また、夫婦間のコミュニケーションを増やすことは、モラハラを予防する対策としても有効です。

ストレス発散させる

「私ばかり家事をして、夫は全く家事を手伝わない」「夫は会社付き合いで楽しそうだけど、私は話し相手が誰もいなくて孤独」など、モラハラ妻の多くがストレスを抱えている状況になっています。休みの日にはどこかに出かける、家事を手伝って妻の負担を減らすなど、モラハラ妻のストレスを発散させるのも、モラハラ対策のひとつです。

「それ、モラハラだよ」と指摘する

モラハラがエスカレートしていくと、歯止めがきかなくなってしまいます。軽度のうちに「その言動はモラハラだ」と直接伝えるのも、1つのモラハラ対策です。

モラハラ妻の中には、正義感が強く、他人の言動を許せずにジャッジしてしまう人も。そこで、例えば夫を見てため息ばかりついてくる、「男のくせにだらしがない」などの言動をするなど、モラハラ妻がモラハラにあたる行動をしているときに「それはモラハラにあたるよ」と指摘することで、自分が人として恥ずべき行為をしていたのだ、と自分でジャッジして気がつくこともあるのです。

他人の話としてモラハラの例を出して気づかせる

モラハラがある程度進んでしまっているモラハラ妻に「その行為はモラハラだ」と面と向かって指摘すると、返ってモラハラ妻を刺激してしまい、モラハラがエスカレートする可能性があります。「夫にひどいことを言われた」「夫にモラハラされている」など、自分の都合のよいように受け止める可能性もあるため、よくよく注意しなければなりません。

ただ、まだコミュニケーションの余地があるのであれば、「この間テレビで見たんだけど、妻がこんなことを夫にしていてさ、あまりにもひどいよね」「この間友達からこんなことを相談されたけど、これって奥さんのモラハラだよね」というように、モラハラ妻が日頃していることを「他人の例」としてさりげなく出すことで、モラハラをしていることに気づかせるという方法もあります。

ただ、状況によっては「それって私のことを言ってるの?」など、火に油を注ぐ結果になる可能性もあります。特にモラハラ妻は、いきなり感情を爆発させる傾向があるため、状況を見て慎重に行ってください。

言うことを聞かない・迎合しない

モラハラ妻は、夫のことを「支配できる」と思っています。また、夫に対しては対等と思っていないため、なんでもおとなしく言うことを聞くと思っているところがあります。まずはその関係から脱するために、モラハラ妻から何か要求されても言うことを聞かない、受け流すという態度も対策法としては有効です。

相手がいうことを聞くと思うから、モラハラ妻の言動がどんどんエスカレートしていきます。ただ、モラハラ妻の要求をのまなければ執拗に責めたててくるなど、もはや逃げ場がない状況に陥ってしまう場合は避けた方がよいでしょう。

相談機関を見つけて相談する

モラハラは、「おまえが悪い」「おまえが間違っている」といってひたすら人格を否定してきたり、謝るまで責めてきたりします。そのため、被害を受けた方は洗脳されたような状態に陥ってしまい、「ここまで否定されるのだから自分に非があるのだろう」と自分を責めてしまったり、「自分さえ我慢すればこの場はおさまる」といって限界まで耐えてしまうこともあります。

また、DVなどのように外から見える証拠がないため、誰かに相談しても単なる夫婦げんかとして見られてしまい、「それくらい我慢したら?」などと心ない言葉をかけられて、かえって傷ついてしまうことも。こういったことから、モラハラの被害者は自分がモラハラの被害を受けていることに気がつかないことも多く、気がついたとしても、第三者に相談せずに自分だけで受け止めてしまいやすいのです。

そこで、しかるべき相談機関を見つけて第三者に相談するというのも、モラハラ被害の対策の1つです。最近気持ちが優れないと思ったときは、カウンセリングや心療内科に通ってみる、モラハラ妻に耐えられずに離婚を考え始めたのなら、弁護士に相談する。このように、状況や悩みに合わせて相談機関を利用することも1つの対策です。

無料でモラハラやDVの相談ができる公的機関や相談機関一覧

別居して物理的に距離をとる

まずは、自分を守るために別居を検討しましょう。

重度のモラハラ妻は、コミュニケーションをとればとるだけ夫を攻撃してきます。従えば延々と支配関係が続きますし、言うことを聞かなければ執拗に追い込んできて、何時間でも説教をしてきたり、反省文を書かせたりという行動に出てきます。

モラハラを改善するためには、妻自身がモラハラをしていることに気がつき、自分で変わるしかありません。ですが、重度のモラハラの場合、妻が変化することを期待するのはかなり難しいでしょう。

離婚に向けて準備を始める

モラハラの被害者は、なかなかモラハラの加害者を切り捨てることができません。そのため、モラハラ妻の被害に遭い続けても、なんとか関係を修復しようと努力してきたはずです。それでもモラハラ妻との関係を続けることができないと判断した場合は、離婚に向けて準備を始めましょう。

もう無理なら離婚を。離婚するための方法や準備とは

可能な限りモラハラ妻に歩み寄ったり、関係を修復しようと努力を重ねてきたのに、これ以上モラハラ妻との結婚生活を続けることは不可能と判断したのなら、離婚に向けて進んでいくことになります。モラハラ妻と離婚するための順序や方法には、どのようなものがあるのでしょうか。

まずは協議離婚、調停離婚という話し合いから

離婚には、話し合いで離婚できる「協議離婚」と「調停離婚」という手続きがあります。話し合いが決裂したときは、「離婚訴訟」を起こすことになります。

モラハラ妻との離婚の話し合いがスムーズに行けばよいですが、正常なコミュニケーションが取れない場合、離婚の合意を取ることはとても難しいもの。「また夫がヒステリックに離婚だと騒ぎたてている」と夫に責任を転嫁してきたり、被害者を装って周りに「夫がひどいことを言い始めた」などと訴えたり、罵詈雑言で圧力を加えてきたりと、いろいろな手を使って離婚を阻止しようとしてくる可能性もあります。その場合は離婚訴訟に進むことになります。

モラハラは離婚原因になるのか

離婚訴訟の場合は、民法に定められている離婚原因がなければ離婚をすることができません。民法770条1項では、離婚原因をこのように定めています。

(裁判上の離婚)
第七百七十条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

民法 | e-Gov法令検索

モラハラの場合は、五の「婚姻を継続しがたい重大な理由」にあたるかどうかがカギになります。

モラハラ離婚が認められにくいハードル

DVがある、浮気をしたなどの離婚原因に比べて、モラハラを原因とした離婚はなかなか認められにくいといわれています。

その理由としては、以下のような要因が考えられます。

  • 証拠がない
  • 単なる夫婦げんかとして片付けられやすい
  • モラハラ妻は外面がよいため、夫の方が間違っているのではと思われてしまう

こういったハードルを払拭することが、モラハラ妻との離婚を進めるうえで大事になってきます。

モラハラの証拠を集める

無視や言葉の暴力などのため、証拠が残りにくいモラハラ。そのため、できるだけ証拠を残すことが肝心です。例えば、以下のようなものが証拠として使えます。

  • モラハラの言動がある会話を録音したもの
  • メールやLINE等でのやりとり
  • モラハラを受けたことを記録した日記など
  • 弁護士やカウンセリングなど、相談機関に相談したときの履歴
  • モラハラについて相談された友人の証言
  • モラハラ妻が激昂して壊した物などの写真

こういった、第三者から見て単なる夫婦げんかのレベルを超えていると判断される証拠を集めておくことが、離婚を有利に進める1つの対策といえます。

モラハラを理由とした離婚を有利に進めるためにどんな証拠が役立つ?

別居する

モラハラ妻への対策のところでも書きましたが、別居をすることは離婚訴訟においても一定の効果を生みます。別居期間が長くなれば、それが「婚姻を継続しがたい重大な理由」として、離婚理由と認められるためです。一般的には、別居が離婚理由と認められるためには、5年から10年程度の期間が目安だとされています。

別居を決行するにあたっては、以下の2つのリスクも踏まえておきましょう。

モラハラ妻から「婚姻費用分担請求調停」を起こされる可能性がある

婚姻中は、夫婦は婚姻費用(生活費)を分担する義務があります。モラハラ妻であってもそれは変わりません。別居していると、一方の配偶者から生活費を受け取ることができなくなるため、別居後にモラハラ妻から「生活費を渡せ」という調停を起こされる可能性があります。夫の収入が妻よりも高いケースでは注意が必要です。

子供をおいて別居すると、親権を得られなくなる可能性が高まる

夫婦に子供がいる場合、モラハラ妻のところに子供をおいたままで自分だけ別居に踏み切ると、親権を得ようとするときに不利になってしまう可能性があります。

また、子供が小さければ小さいほど、子供の親権は母親が持つケースがまだまだ多いのも事実です。さらに、モラハラ妻の元に子供がいる場合、妻が子供に「お父さんはひどい人だ」「浮気をして出て行った」などと嘘を教え込んで子供を洗脳する可能性もあります。子供の親権は自分が持ちたいと思うのなら、できるだけ早い段階で弁護士に相談し、弁護士を入れて準備を進めていきましょう。

精神的に圧力をかけてくるので、負けない心が大事

少し精神論にはなりますが、モラハラ妻の圧力に負けずに離婚に進む意思や覚悟も大事です。

モラハラ妻の多くが、離婚には簡単に応じません。自分の支配下にある夫が離婚したいと言っていること自体が理解できないモラハラ妻もいます。夫に異常に執着して離婚を思いとどまらせようとしたり、絶対に離婚に合意しないと話も聞かないというったケースで悩む男性は多いのです。

また、夫の実家に乗り込んできたり、自分が被害者であることを周りに言いふらすなどして周りを巻き込むケースもあれば、「離婚するなら死ぬ」などと自殺をほのめかすなど、あらゆる手を使って離婚を阻止しようとしてきます。

こういった精神的な圧力に屈してしまうと、モラハラ妻は「やっぱり夫は私の言うことをきく」と思うだけで、何の解決にもなりません。モラハラ妻との離婚には、精神的に負けずに離婚まで進んでいく強い意志が必要です。

まとめ

妻から冷たい態度を取られている、日常的に人格を否定するような発言をされているといったとき、それはモラハラの被害を受けているかもしれません。モラハラは精神的な暴力です。今は耐えられても、心身に大きなダメージを与えてきます。

モラハラ妻の特徴に当てはまることがあれば、その原因に当たりをつけ、早急に対策を取るようにしてください。もしもモラハラ妻との結婚生活を続けることが不可能だと判断したときには、弁護士に相談してみましょう。当法律事務所では、有利な条件での離婚に向け、弁護士が全力で対応します。親身誠実をモットーとしておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

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