モラハラが理由の離婚を有利に進めたいなら絶対に知っておきたいこと

精神的にダメージを与えるモラルハラスメント。夫婦間でも、モラハラが大きな問題になっています。家庭裁判所に申し立てられた離婚事件のうち、男女ともに「精神的に虐待する」という理由での申し立ては20%を超えており、男女ともに申立理由の中で2番目に多い結果になっていました。

今回は、モラハラが原因で離婚したいと考えている方が少しでも有利に離婚するために、絶対に知っておくべきことについてご紹介します。

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そもそも、モラハラを理由に離婚ができるのか

「これってモラハラじゃないのかな」と、夫や妻に対して疑問が生まれてしまったとしても、離婚に踏み切るのはかなりの勇気が必要です。そもそも、モラハラを理由に離婚することはできるのでしょうか?

モラハラとは何か

「モラルハラスメント(モラハラ)」は「見えない暴力」とも言われます。モラハラは、「だからおまえはダメなんだ」「消えてくれればいいのに」「こんなこともできないのか」というような人格否定の言葉や無視、嫌がらせなど、言葉と態度をうまく利用してターゲットを精神的に傷つけ、追い詰めていく行為です。

話し合いで合意できれば離婚はできる

原因は何であれ、夫婦間で話し合って「離婚しましょう」「わかりました」と合意が取れたなら、自由に離婚することができます。これを法的には「協議離婚」と呼びます。

自由な意思で結婚したのだから、自由な意思で離婚もできるということですね。日本の9割が協議離婚です。しかし、相手が離婚に納得しないこともあるでしょう。

特にモラハラ夫(妻)は、離婚を嫌がる傾向があります。離婚をしたいからモラハラをしているのではない上に、自分の行為がモラハラになっていることにすら気がついていない人もいるのです。

そのため、自分の行為によって配偶者が精神的に傷ついていることもわからず、突然離婚を言い渡されたとモラハラ夫(妻)が受け止めるケースは少なくありません。

離婚に応じないだけではなく、「またおかしなことを言い始めた」といってそもそも話し合いに応じないなど、全く相手の話を取り合わないことが多いのが、モラハラ離婚の特徴ともいえます。

モラハラ夫(妻)が離婚に合意してくれないとき、どうすればいいのでしょうか。

モラハラ夫(妻)と離婚するための具体的方法

モラハラ夫(妻)とこれ以上結婚生活を続けることができない。そう思ったときには、「離婚」という選択肢を選ぶことになります。離婚をしようと思うとき、形式的には離婚届を役所に提出すれば離婚は成立します。

離婚には、大きく3つの種類があります。まずは、話し合いで離婚することを決める「協議離婚」。しかし、モラハラ夫(妻)が離婚に同意してくれるとは限りません。話し合いがまとまらないときには、裁判所を交えた「調停離婚」に進むことになります。

それでも合意が得られないときの最終手段として、「離婚訴訟」という方法があります。それぞれ、具体的に見ていきましょう。

①協議離婚

モラハラ夫(妻)が離婚に合意してくれないとき、それでもなんとか話し合いで解決したいと思ったら、話し合い続けていたら希望が見えてくるのでしょうか?

納得してくれるまで話し合いを続けるのはNG

納得してくれるまで話し合いを続けることはお勧めできません。

モラハラをする人の特徴の1つが、相手に威圧的な言動や態度を取ること。長時間説教してきたり、反省文を書かせたりするなど、相手に非があると言って責めてきます。精神的な支配下に置こうとしてくるため、離婚を切り出しても、生産的な話し合いができる可能性は極めて低いと言えるでしょう。

さらに、言葉巧みに洗脳してくる可能性もあります。モラハラの怖いところが、被害者が「おかしいのは私の方なのではないか?」と思い始めてしまうこと。そうなってくると、「離婚したいと思っている自分がおかしい」「やっぱり自分は夫(妻)のいうとおり、ダメな人間なんだ」と、さらに自己否定に陥ってしまいかねません。

「相手はモラハラ夫(妻)」だ「自分は離婚したい」と思ったら、わかり合おうとするのではなく、できるだけ接触を断ち、距離を取ることが重要なのです。

弁護士にモラハラ夫(妻)との離婚交渉を任せる

協議離婚でなんとか終わらせたいのなら、弁護士に依頼するのがやはりベストです。弁護士は代理人として交渉できるので、モラハラ夫(妻)との離婚交渉を全て任せてしまえます。そうすれば、自分が直接モラハラ夫(妻)と話し合いをする必要はありません。

「夫(妻)は話が通じる相手じゃない」と思ったら、早いうちから弁護士に依頼するのが最善です。

②離婚調停

話し合いが決裂してしまったときは、裁判所を間に入れた「離婚調停」という手続きに進みます。調停は、当事者(代理人)と裁判官、調停委員が同じテーブルに座って話し合いを進めていく制度です。

裁判官や調停委員の役割は、客観的、法的に解決案を提案すること。ですから、当事者が合意するまで話し合いが進んでいきます。裁判官や調停委員が「こうしなさい」と命令することはできません。

モラハラを調停離婚に持ち込むメリット・デメリット

モラハラ夫(妻)からすれば、被害を受けている配偶者から「モラハラだ」と言われるのと、裁判官や調停委員から「その行為はモラハラに当たるのではないですか」などと言われるのでは心理的なプレッシャーが変わってきます。裁判官や調停委員を交えて話し合いをするため、客観的な意見が入ってくる点がメリットです。

また、67%の案件が3ヶ月以内に調停成立しているなど、早い解決が期待できます。

その一方で、やはり話し合いの域を出ないため、モラハラ夫(妻)が離婚に合意しなければ調停が不成立で終わることになります。さらに、調停の場に一切出てこず、調停がなかなか進まないことも。

調停は自分でもできる。でも弁護士に依頼した方がいい?

調停は、当事者が申し立てることができます。そのため、「弁護士に依頼しなくてもいいんじゃないか?」「裁判になったら弁護士に依頼すればいいのでは?」といって悩む人もいます。

費用の問題もありますし、モラハラの程度、モラハラ夫(妻)とのこじれ具合など、いろいろな要因を総合してどうするかを考える必要がありますが、弁護士に依頼した方が良いケースもあります。例えば、このようなケースであれば、弁護士が役に立つ可能性はかなり高いといえます。

  • 調停で解決する見込みが薄く、訴訟になる可能性が高い
  • モラハラ夫(妻)と顔を合わせたくない
  • モラハラ被害をうまく説明できる自信がないなど、一人で手続きを進めるのがかなり不安

訴訟になる可能性が高いのなら、できれば調停の段階から戦略的に進めておきたいところです。弁護士も、調停から関わっておいた方がくわしく状況を把握しておけますし、訴訟をスムーズに進めることができます。

また、調停委員は民間から選ばれた人です。そのため、そもそもモラハラのことをしっかりと理解しているかどうかは人によって違います。モラハラ被害による離婚について話す前に、そもそもモラハラがどういうもので、日常的にどういったことが行われるのかなど基本的なことを伝えなければならないこともあります。

こういったことに不安を感じるのであれば、弁護士に依頼するメリットは大きいと言えるでしょう。依頼するかどうかは分からないとしても、相談に行ってみる価値はあります。

③離婚訴訟

調停でもモラハラ夫(妻)が離婚に合意してくれないときには、最後の手段として、離婚訴訟に移ることになります。しかしこの裁判、どんなことでもできるわけではありません。裁判に持ち込むためには、離婚原因が法律で定められた要件に当てはまることが必要です。

民法770条1項という条文には、このように定められています。少し難しい話ですが、訴訟を進めるのなら知っておきましょう。

民法770条1項

夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。

一 配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

モラハラの場合は1〜4には当てはまらないので、5の「婚姻を継続し難い重大な事由」に当てはまることが必要になりますが、ここについて裁判所は「夫婦として共同生活を継続する意思が失われ、回復の見込みがないと客観的に判断できる状態を指す」としています。

例えば、日常的に「死ね」「消えろ」などの暴言を吐かれ、そのストレスによってストレス性の疾患を発症して通院している場合や、耐えきれずに別居に至ったことなどが複合的に発生している場合などは、「夫婦として共同生活を継続する意思が失われ、回復の見込みがないと客観的に判断できる状態」として認められやすくなります。

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離婚を有利に進めるために準備しておきたいこと

話し合いの域を出ないとはいえ、裁判官や調停委員などの第三者が間に入る離婚調停。離婚したい側としては、裁判官や調停委員の援護射撃がほしいところです。そのためには、「これはモラハラだろう」「離婚したいと思うのは当然だ」「離婚が妥当な解決方法だ」と、裁判官や調停委員に思ってもらうことが必要になってきます。

そのためには単に「私はこんなひどい目に遭いました」「こんな辛い思いをしました」ということを感情的に主張するだけでは不十分です。それが事実であったとしても、裁判官や調停委員は「根拠となる証拠」を求めてきます。主観的な意見だけを参考にしては、公平な判断ができないからです。

また、調停が不調に終わったら離婚訴訟に進むことになりますが、調停で話し合われたことや提出された証拠は、裁判でもとても重要な意味を持ちます。では、どんなものが証拠になりうるのでしょうか。

モラハラの調停・訴訟を有利に進めるために必要な証拠とは?

客観的に「ひどいモラハラがあった」ことを示すものとして、以下のようなものがあります。

モラハラの証拠参考例
  • モラハラ夫(妻)の日頃のモラハラ発言を録音したもの
  • モラハラを受けたことを書いた日記やメモ
  • 夫(妻)のモラハラ行為について、友人や弁護士などの専門家に相談したときの履歴(メールの送受信の画面や電話の発着信履歴、会話の音声など)
  • モラハラを原因とした精神的疾患を患ってしまった場合は、それを証明できる診断書
  • 壊された物の写真

    日記やメモは、1枚ずつバラバラの紙に書いたものよりも、時系列に書かれたもののほうが証拠として認められやすいといえます。バラバラのものであれば、「被害を受けたときに書いたのではなく、離婚を有利に進めるために後から書いたのではないか」などと思われる余地を残してしまうからです。

    また、日記などに書く内容ですが、とにかくモラハラに関連するものは何でも書いておくことをお勧めします。あとから「これは証拠にならない」と判断されるかもしれませんが、その逆に、証拠にならないと思っていたものが証拠として採用される可能性もあるからです。この時点で弁護士に依頼している場合は、弁護士と相談しながら進めていきましょう。

    慰謝料を取りたい

    裁判所の調査によれば、精神的な虐待を理由として離婚を申し立てている人の多くが女性です。男性が3,322件に対し女性は12,282件と、男性よりも4倍近い件数となっていました。

    専業主婦やパートタイムで夫の収入に頼っていた場合、経済的に自立するためには転職や就職が必要となります。離婚後の生活のことを考えたとき、男性よりも女性の方が経済的に大変になりやすいもの。それに、精神的苦痛を受けたことを償わせたいという思いもあるでしょう。

    離婚だけでなく、慰謝料をきっちり支払ってほしい。そう考える人も少なくないはずです。モラハラを理由として、慰謝料を請求することはできるのでしょうか?

    モラハラを理由に慰謝料を取ることはできる?

    結論としては、取ることができます。ただ、全てのモラハラ案件で慰謝料が取れるかというと、そういうわけではありません。モラハラの程度が軽い場合や、モラハラの被害がそこまで重くないような場合には、慰謝料が認められないこともあります。

    モラハラで慰謝料を請求したいと考えるときには、以下の要件を検討してみてください。これらの程度が重いほど、慰謝料が取れる可能性は高くなりますし、慰謝料の額も大きくなります。

    モラハラの慰謝料の額に影響するポイント
    • モラハラの程度がどれくらい重いか(毎日モラハラ発言があるのか、月に1度あるかどうかなのかなど)
    • モラハラを受けている期間(10年近く被害を受けているのか、まだ被害を受け始めて1ヶ月くらいなのかなど)
    • 被害者がどれくらい重たいダメージを受けているのか(病院に通い、モラハラが原因で精神疾患を発症したことが明らかなのかなど)
    • 被害者がモラハラ夫(妻)に対して言い返したり、抵抗したりできているのか、それとも完全に言い返すことができず、言いなりになっているのか
    • 加害者がどれくらいの額の慰謝料を払うことができそうか(加害者の経済力はどれくらいあるのか)
    • 被害者側の配偶者の経済的な事情(例えば、モラハラによる精神的苦痛が原因で病気になり、療養中で働きに行くことができないなど)
    • 加害者、被害者の年齢

    慰謝料の相場は50万円〜300万円

    モラハラは、DVなどと違って精神的に攻撃してくるので、どれくらいのダメージを受けているのかが客観的に見えづらいものです。また、モラハラの程度や期間など、いろいろな要素を総合的に判断するため、具体的な事案によって慰謝料の額はかなり変動します。

    ただ、これまで裁判所で判断された慰謝料の額からすると、50万円〜300万円くらいの幅で考えておくと無難です。

    モラハラ離婚と親権・面会交流権

    モラハラ夫(妻)とは離婚したいけれど、子供とは離れたくない。子供に危害が及ぶのではないかと不安。子供を守りたい。

    こういった思いから、子供と一緒に離婚したいと考えるケースは多いでしょう。そもそも、未成年の子供がいるときには、子供の親権を夫婦のどちらが持つのかを決めなければ、協議離婚をすることができません。これを逆手にとって、離婚したくないがために「親権を渡さない」とごねるモラハラ夫(妻)もいます。

    協議離婚の際に親権について話がまとまらなければ、調停、訴訟と進んでいくことになりますが、モラハラ夫(妻)と離婚するとき、親権を自分が持つことはできるのでしょうか。

    親権を決めるときには「子供の利益」が最優先される

    精神的な暴力ともいえるモラハラ。浮気やDVのように、離婚の原因はモラハラの加害者であるモラハラ夫(妻)にあるといえます。しかし、親権を決めるときには、夫婦間の帰責性はあまり重要視されません。

    それよりも重要視されるのが、「子の福祉、子の利益」です。父と母、どちらが親権を持つ方が子供にとって利益が大きいのかが最優先されるのです。

    では、何を持って「子供の利益」と判断されるのでしょうか。具体的には、以下のような要因を総合的に判断するとされています。

    • 夫婦の経済状況
    • 育児にとれる時間
    • 親としての愛情
    • 子供の年齢
    • 兄弟がいるかどうか
    • これまで、子供が誰と一緒に暮らしていたのか
    • 子供の意思(15歳以上)

    例えば、乳幼児や幼児など、子供の年齢が小さい場合は、母親の愛情を受けることが子供の人格形成にとって大事であるとの判断が下されることが多いため、母親に親権が渡る傾向にあります。

    厚生労働省の調査によれば、子供が比較的小さいであろうことが推測される25歳〜34歳の母親の場合、妻が親権を行う離婚は夫が親権を行う離婚に比べ、9割以上の割合を占めています。

    とはいえ、かならず妻に親権が行くというわけではありません。モラハラ妻に親権を渡したくない、子供と一緒に暮らしたいという場合には、子供が自分と暮らすことが子供の利益になる状況を固めておくことが重要です。できるだけ有利に進めるために、弁護士に相談するなどして、早いうちから対策を立てましょう。

    面会交流権を拒否することはできるのか

    離婚を拒絶し、「親権を自分に渡すなら離婚してもいい」などと、親権を離婚の条件にしてくることもあるモラハラ夫(妻)。調停や裁判において、親権がモラハラ夫(妻)に渡らないという客観的な判断が濃厚になったとき、次に主張してくるのが面会交流権です。

    面会交流権とは、子を養育や監護していない、すなわち一緒に暮らしていない方の親が、離婚後や別居中に子供と定期的に会うことができる権利です。裁判所は、面会交流について以下のように趣旨を定義しています。

    子どもとの面会交流は,子どもの健全な成長を助けるようなものである必要がある

    そのため、例えばモラハラの被害者が「子供をモラハラ夫(妻)に絶対に会わせたくない」と思ったとしても、それだけを理由に面会交流を拒否することはできません。

    ですが、面会交流後に明らかに子供が不安定、子供にもモラハラを行っている可能性が高いなどの事情がある場合は、面会交流を続けるかどうかの判断を慎重に行わなければなりません。

    その他、離婚時にもらえるお金について

    離婚するときには、以下の金銭を相手に対して要求できます。逆にこちらが請求されることもあるので、基本的なことを知っておきましょう。

    婚姻費用、財産分与

    結婚してから離婚するまでに発生した生活費は、相手に請求することができます。婚姻費用の額は、夫、妻の収入額によって決まるため、自分の方が収入が多い場合は、支払う側になることもあります。

    婚姻費用の大まかな額は、算定表を使って確認しておきましょう

    参考:婚姻費用の算定表-裁判所ウェブサイト

    結婚している間に夫婦が得た財産は2人の共有財産なので、離婚するときにはどちらかに分けることになります。これを財産分与と呼びます。

    子供がいる場合は養育費を請求できる

    自分が子供を引き取るときには、相手に対して養育費を請求することができます。こちらも合意で決めることができるなら、額はいくらでも構いません。

    話し合いでまとまらないときは、調停や裁判などで決めていくことになります。調停や裁判では「第三者が客観的に見て妥当な金額」が落ち着きどころになりやすく、算定表を基礎にいろいろな事情を考慮して決められていきます。

    参考:養育費の算定表-裁判所ウェブサイト

    養育費を確実に払ってもらいたいのなら、公正証書にする

    じつは、協議離婚で養育費について取り決めができている夫婦はわずか20%です。さらに、養育費を受けたことがないと回答している割合は56%。離婚後に養育費を継続して受け取れている人は少ないのです。相手が約束を破ったときに強制的に払わせることができるよう、協議書を公正証書にしておくなどの対策を立てておきましょう。

    弁護士費用の相場は?

    弁護士費用は、各弁護士が自由に定めてよいことになっています。そのため事務所によってばらつきはありますが、日弁連が2008年に調査したアンケートによれば、離婚事件に関する弁護士費用の相場は以下のようになっていました。

      離婚事件の弁護士費用相場
      • 離婚調停の場合:着手金 20万〜30万、報酬金 20万〜30万
      • 調停が不調に終わり、離婚訴訟に発展。継続して担当する場合:着手金 0円〜10万円、報奨金 20万〜30万
      • 訴訟から受任した場合:着手金 着手金 20万〜30万、報酬金 20万〜30万

      着手金は、調停や訴訟の結果に関わらず弁護士に支払わなければならない費用です。報酬金はその名の通り、訴訟で勝ったなど、結果が成功したときに支払う費用です。そのため、金額ではなくて「事件の経済的利益がいくらになったか」によって額が変わってきます。

      モラハラ離婚の場合は慰謝料などの相場が300万円以下なので、経済的利益の8%くらいが相場といえます。

      例えば、離婚訴訟で慰謝料を300万円受け取れることになった場合、報酬金は【300万円×8%=24万円】ということになります。さらに、ここに実際にかかった交通費や日当などの必要経費が上乗せされることになります。

      弁護士、カウンセラーなど、モラハラを受けたときに相談できる機関

      モラハラは、やっている方もそれがモラハラであるという自覚がないことがありますが、モラハラを受けている被害者側も同じです。「相手の態度がひどい」「これってモラハラに当たるんじゃないか」と少しでも思ったら、専門家に相談することをお勧めします。

      ここでは、モラハラについて相談できる相談機関をピックアップしました。必要に応じて利用してみてください。

      婦人相談所

      婦人相談所は全国の都道府県に1カ所以上ある施設で、ドメスティックバイオレンス(DV)やモラハラなどの被害を受けている女性の保護を行う機関となっています。

      参考:全国の婦人相談所一覧-厚生労働省

      配偶者暴力相談支援センター

      婦人相談所が売春を行う恐れのある女子の相談や保護なども行っているのに対して、配偶者暴力相談支援センターはその名の通り、配偶者の暴力で悩む人を対象にしている機関です。必要に応じて、他の相談機関を紹介してくれたり、シェルター施設の情報を教えてくれたりします。

      参考:配偶者暴力相談支援センター

      女性センター

      女性センターは、都道府県や市町村が運営しています。名前のとおり女性を対象とした施設となっており、モラハラや離婚の相談だけではなく、いろいろな女性の悩みに対応しています。

      参考:全国女性センターマップ

      弁護士事務所や法テラス

      夫や妻の行為がモラハラに当たるのでは、という確証が深まり、離婚を視野に入れて動き出したいというときには、法律の専門家である弁護士をサポートにつけましょう。まずは気軽に相談してみることをお勧めします。

      弁護士費用を払う経済的な余力がない、いきなり法律事務所に行くのは敷居が高いということであれば、法テラスを利用するのも1つの方法です。

      少しでも体調や心理状態に違和感を感じたら、医療機関へ

      モラハラによる精神的苦痛が溜まっていくと、うつ症状が表れたり、ストレス性の慢性疾患になってしまったりすることも。少しでも体調や心の状態がおかしいと思ったら、心療内科や内科などの医療機関を利用しましょう。

      まとめ

      精神的暴力ともいえるモラルハラスメント。モラハラが原因で離婚を考えているとき、知っておいてほしいことについてご紹介しました。

      モラハラの悪質なところが、被害者が「自分がおかしい」「自分はダメな人間だ」と自己否定するようになってしまうことです。そこで重要なのが、モラハラ夫(妻)から影響を受けないために適切な距離を取ることです。

      弁護士などのサポートを活用しながら、少しでも有利な形で離婚を進めていきましょう。

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