モラハラになる原因と加害者の心理|被害者がとるべき3つの対処法

「モラハラ」とはモラルハザードを省略したことばで、良いこととされている道徳・倫理に基づいて行われる嫌がらせのことを指します。夫婦間で行われる言葉を用いた嫌がらせや相手をバカにしたような言動、過剰に強い非難もモラハラに該当する可能性が高いです。

この記事では、

  • なぜあなたのパートナーはモラハラを行うのか
  • モラハラにはどのように対処すればいいのか など

の疑問について解説していますので、この記事を読むとあなたもモラハラに対する対処法が分かるようになるでしょう。

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1 モラハラの原因として考えられる3つのこと

1‐1幼少期の家庭環境が原因

それでは、なぜあなたの夫または妻はモラハラを行うのでしょうか。
要因と密接に関わっているのと考えられているのが「自己肯定感」です。
「自己肯定感」とは、ありのままの自分を認めて、受け入れることができる能力を言います。
しかし、モラハラを行う加害者は自己肯定感が低いという特徴があります。

それでは、なぜ自己肯定感が育たなかったのでしょうか。
原因として幼少期に特定の家庭環境で育ったことを挙げられます。
第1に「親から虐待や嫌がらせを毎日のように受けて育った」場合です。
なぜなら、虐待や嫌がらせを受けたことで、自分の意思や人格的な尊厳が軽んじられて育ちます。その結果、自己肯定感が育まれません。
第2に「親がやたらと子どもに口を出す」家庭で育った場合でしょう。
親が過保護・過干渉の場合、何かを決めるとき子どもは常に親の顔色を伺って決定するように育ちます。その結果自分で意思決定する機会がなくなり「自己肯定感」も育まれないのです。

1‐2元々の性格がモラハラ気質だった

モラハラをするのが、相手の元々の性格に左右されることがあります。
例えば、

  • 何でも他人のせいにする
  • 物事を単純な二極化で判断する
  • 相手に対する共感力が著しく低い など

の性格の場合です。

「結果」ばかりを重視して、結果に至る「過程」に目を向けない性格も、「相手がなぜそのように考え行動したのか」について想像力が欠如しているため、モラハラを行いやすい性格であると言えるでしょう。

1‐3日々の生活で過剰なストレスが溜まっている

毎日の生活の中で強いストレスがかかっていることがモラハラの原因のひとつと考えられます。
例えば、

  • 会社の人間関係が上手くいっていない又は仕事が忙しすぎる
  • 給料が低い
  • 家庭環境にトラブルを抱えている などです。

このように毎日の生活でのストレスの蓄積が原因で心の余裕が失われている可能性があります。

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2 モラハラの対処法・対策として考えられる3つのこと

2‐1「加害者が悪い」ことを理解

モラハラの原因のひとつとして「自己肯定感」の欠如を挙げて解説しました。
自己肯定感が低い人はありのままの自分を肯定することが難しいという一方で、「自身の立場の優位性を認めさせたい」という欲求は人一倍強い傾向があります。
そこで他人を見下し、ないがしろに扱うことで自分の立場の優位性があがった感覚を得ているのです。

嫌がらせ被害に遭いやすい人というのは穏やかで、人に強く言い返すことがなく、まずは自分に非があるのではないかと考え込んでしまう優しいタイプの人です。このような性格の人は加害者の格好のターゲットにされるおそれがあります。

対策として、前提として加害者に100%非があり、被害者は何も悪くないと強く理解することからはじめましょう。

ただ、「議論するもいつも言い負かされてしまう」「言い返すと火に油を注いで余計に消耗する」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。そこで、被害に対処する第一歩は、「無視」です。先ほども説明したように、加害者は嫌がらせにより「自分の立場の優位性を誇示」しています。そこで言動を無視することで優越感に浸らせず、嫌がらせ行為が「自分の欲求を満たすのに役に立たない」と痛感させることができます。

2‐2モラハラされても謝らない・注意する

もし相手から、何かを強く責められたり怒られたりしても「謝る」ことはやめましょう。なぜならあなたが謝ることで屈服させたという「優越感」に浸ることができるからです。

「でも自分に向けられる指摘や非難には一理ある」と考えていませんか。しかし問題は、相手の言動の中身ではないのです。モラハラはあなたの意見や考え方を尊重しない「相手の態度」に大きな問題があるのです。

さらに相手のしていることはモラハラに該当すると指摘できればよいでしょう。
「あなたのしていることはモラハラ・嫌がらせである」
「そのような言い方をされては話し合いにならない」
これ以上同じ行為を続けさせないよう、制止するように伝えることが対策のひとつです。

2‐3離れて生活する

上記で説明したように嫌がらせがひどく無視や注意ができない、しても全く効果がないといった場合どうすればいいのでしょうか。

モラハラは行為者の精神状態にこそトラブルがあり、他方で被害を毎日受けるあなたの健康状態も害しています。耐え続けていてはいつか精神的・肉体的に不調を来たすでしょう。そこで、どうしても嫌がらせ行為が収まらない場合には「物理的距離をとる」ようにするのがおすすめです。

「子どもがいるから夫のもとから離れることはできない」とお思いの方もいるかもしれません。しかし、無理をして倒れてしまっては守りたいものも守れなくなってしまいます。ご自身でどうしようもできない場合には第三者の助けを求めることができます。例えば、友人や実家、公的な一次避難所など頼れる相手は複数考えられます。

また、婚姻期間中であれば別居中であっても夫婦は扶養義務を負っています。そこで別居中でも妻は夫に生活費を負担させることができます。生活費を立て替えて後日請求してもいいですが、「クレジットカードの家族カード」等を持っていれば夫と直接接触するのを避けることもできます。

第三者を巻き込んで行動することで嫌がらせを行っていた夫も認識を改め今後の行動が改善されるかもしれません。

3 なぜモラハラを行うのか?加害者の3つの心理を解説

3-1 自分が受けた被害を相手にも与えたいという心理

モラハラをしてしまう人は、

  • 過去に親から同様な被害を受けていた、親がモラハラをするのを目の当たりにしていた
  • 過去に会社の上司から同様な被害で傷つけられた 等

を経験している場合も多いです。

このような人は自分が受けた被害をパートナーにも与えたいという心理が考えられます。自分が過去に同様な被害を被ったため、似たような状況になるとモラハラを自ら再現してしまうのです。自分がされた嫌がらせを、全く無関係のパートナーに対して行ってしまうのは何ら生産性に欠ける無価値な行為なのです。

3-2 自分が優位に立ちたいという心理

加害者は実は自分に自信がありません。自分に自信が持てないからこそ、相手に対して威圧的な言動や暴言などで攻撃して「相手よりも自分が優位」だという感覚を手に入れることに必死なのです。つまり、相手に罪悪感や羞恥心を抱かせ「下に見る」ことで、自分が相対的に「上に立った」という感覚を得ています。モラハラを行う人ほど、会社の上司などの権力者の前ではヘコヘコとして外面が良く振舞っているのも、自分への自信のなさの裏返しなのです。

3-3 相手を支配したい・依存したいという心理

また、加害者には「相手を支配したい・依存したい」という心理があります。加害者は被害者に対して「自分一人ではなにもできない」「みんなから馬鹿にされる」「そんなのでは恥ずかしい」などの暴言を吐きます。この心理としては、パートナーにとって「特別な存在」だということを実感させるために行われます。被害者に罪悪感や羞恥心を抱かせ自分がいなければ何もできないと錯覚させて依存します。これは、パートナーを失うことを恐れている心理の裏返しです。

4.モラハラは実は心の病気である

4-1 自己肯定感の欠如

前述のように、ありのままの自分をそのまま肯定できる状態のことが「自己肯定感」です。
嫌がらせの言動を繰り返す人は自己肯定感の低下が認められる場合が多いでしょう。
自分に自信が持てないことからパートナーを失うことへの恐怖心によって相手をより強く束縛しようとします。

4-2 自己性愛パーソナリティ障害

「自己性愛パーソナリティ障害」とは、ありのままの自分を肯定することができずに、自分は特別な存在でなければならないと思い込むパーソナリティ障害の一種です。
このような人は自信満々な振舞いとは裏腹に内心では劣等感やコンプレックスを抱え込んでいるのが特徴です。
他者から関心を引きたいという思いが強く、そのためには他人を傷つけるような言動も平気でしてしまう傾向があります。

4-3 アダルトチルドレン

「アダルトチルドレン」とは、幼少期に問題のある家庭環境で育ったことが要因で、大人になったあともトラウマを抱えたままの状態をさす言葉です。
アダルトチルドレンになる要因としては複数挙げることができますが、例えば親からの虐待を受けていたり、暴力を目の当たりにしていたり、親の過干渉により意思決定能力が育たなかったなどを挙げることができるでしょう。

5.まとめ

モラハラの原因は行為者の過去に要因がある可能性があります。
後ろ暗い過去があるという点は加害者にも同情の余地がないとは言えません。
しかし、そうであるからといってあなたが被害に遭うことを正当化できるものではありません。モラハラは行為者に問題があるのだと認識して適切に対処していくことが必要になります。

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