相続手続きが簡単に!法定相続情報証明制度の利用手順4ステップ

身内の家族などが亡くなってしまった場合、故人の財産などに関して各種の相続手続きをする必要があります。

たとえば、葬式代を支払うため故人の銀行預金などを引き出そうとする場合には、その相続人であることを銀行などに対して証明することが必要となります。
この場合、従来の取り扱いでは金融機関などごとに大量の戸籍謄本の提出が要求されるなど、当事者にとって面倒な手続きが必要でした。

このような相続手続きにおける不都合を解決するため、2017年に発足したのが「法定相続情報証明制度(ほうていそうぞくじょうほうしょうめいせいど)」です。
これは、法務局が発行する相続に関する証明書を使うことによって、上記のように大量の戸籍が不要となり相続手続きを簡単に行えるように配慮された制度です。

今回は、この「法定相続情報証明制度」についてご紹介します。

本記事をお読みいただくことによって……

  • 「法定相続情報証明制度とは、どんな制度なのか?」
  • 「制度のメリット・デメリットとは?」
  • 「制度を利用するために必要な手順は?」

など、みなさんが疑問に思われている事柄を理解していただけると思います。

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法定相続情報証明制度とは?

法定相続情報証明制度とは、被相続人(亡くなった方)と法定相続人の関係をより簡単に証明できるようにするための制度で、2017年5月から運用開始されています。

具体的には、被相続人と法定相続人との関係を一覧図にした「法定相続情報一覧図」の保管を法務局(登記所)に申し出ることで、以後5年間、法定相続情報一覧図の写しの交付を受けることができる制度です。

法定相続情報一覧図の写しの見本を見たい方はこちら

法定相続情報制度の利用シーンとメリット

法定相続情報証明制度は、主につぎのような相続に関する手続きをする場面で利用することができます。

  • ①不動産の相続登記
  • ②預貯金の解約や名義変更
  • ③保険金の請求や名義変更
  • ④株式や投資信託の名義変更や解約
  • ⑤相続税の申告
  • ⑥自動車や船舶の登記
  • ⑦遺族年金等の各種年金手続き

従来、これらの手続きを行う場合、被相続人と法定相続人の関係を証明するために、毎回大量の戸籍謄本等が必要とされました。

とくに、以下のような場面では、同一内容の戸籍謄本等の束が複数必要となるため、それを集めるための労力や発行手数料の点で、法定相続人に大きな負担がかかっていました。

  • ①~⑦の手続きを同時に重複して行おうとする場合
  • 被相続人が複数の銀行に口座を持っている場合
  • 被相続人が所有していた不動産が複数の法務局管轄内に点在している場合

こういった負担を抑えるために、一つの手続きが完了し、還付された戸籍謄本等の原本を再利用して次の手続きに移るという方法もあります。

しかし、その場合でも、全ての手続きが終わるまでかなりの期間を要するという弊害が生じます。

これらの負担や弊害を解消できるのが、法定相続情報証明制度です

法定相続情報証明制度の手続き完了後は、登記官によって認証文が付された法定相続情報一覧図の写しを、5年間、何通でも無料で交付してもらうことができます

この法定相続情報一覧図の写しが、従来用いていた戸籍謄本等の束の代わりとしての役目を果たしますので、わざわざ費用を掛けて大量の戸籍謄本等の書類を集める必要がなくなります

また、既にお伝えしたように、何通でも無料で交付を受けられますので、①~⑥で示したような相続に関する手続きを同時並行で進めることができ、時間短縮にも繋がります

法定相続情報証明制度のデメリット

法定相続情報証明制度を利用するためには、申出書と法定相続情報一覧図を作成しなければなりませんが、慣れない人にとっては難しい手続きと感じることもあります。

また、法定相続情報証明制度に民間企業が対応するかどうかは任意となっているため、一部の金融機関から、従来通りの戸籍謄本等の束を求められてしまうこともあります

申請は専門家に依頼も可能

  • 申請に必要な申出書や法定相続情報一覧図の作成が自分では難しい…
  • 集める必要のある書類がわからない、集め方も知らない…

といった場合でも、弁護士・司法書士・土地家屋調査士・税理士・社会保険労務士・弁理士・海事代理士・行政書士などの専門家に一任して、手続きを代理してもらうこともできます。

当然専門家への費用が発生することになりますが、もし自分で手続きすることが難しい場合には検討するとよいでしょう。

法定相続情報証明制度を利用する前の確認事項

法定相続情報証明制度を利用するためには、いくつかの条件があります。
具体的には、利用できる人に2つの制限が定められています。

(1)利用できるのは相続人だけ

法定相続情報証明制度を利用することができるのは、被相続人(故人)の相続人に限定されています。
たとえば、ある人が死亡し、その相続人がA・Bだったとしましょう。
この場合、法定相続情報証明制度を利用することができるのは、AさんとBさんだけとなります。

なお、相続権が認められる人(相続人)の範囲については、以下の記事を参照してください。

なお、法定相続情報証明書は戸籍などから判明する法定相続人を証明するものです。
そのため、相続人に関して相続の放棄・相続の欠格・廃除などによって相続権が認められない人も相続人として表示されることがありますので注意が必要となります。

(2)戸籍がないと利用できない

法定相続情報証明制度を利用するためには、最初に法務局に登録する時点で被相続人や相続人に関する戸籍謄本等が必要になります。

このため、日本国籍を持っていないなどの理由によって戸籍がない場合には制度を利用することができません。

法定相続情報証明制度を利用するための4ステップ

法定相続情報証明制度を利用するためには、つぎの4つのステップが必要になります。

  1. (1) 必要書類を集める
  2. (2) 法定相続情報一覧図を作る
  3. (3) 「申出書」を作成する
  4. (4) 法務局へ提出する

順を追って説明いたします。

(1)必要書類を集める

法定相続情報証明制度を利用するためには、法務局に相続に関する必要事項を登録する必要があります。
そのためには、まず相続に関する当事者が誰であるかを証明しなければいけません。

相続の関係者が誰であるかを明らかにするため、以下の戸籍謄本等が必要となります。

①必ず提出しなければならない書類

被相続人の戸籍謄本等

原則として、被相続人の出生から死亡に至るまでの連続した戸籍の謄本等が必要になります。
生前、被相続人が本籍地を移動していた場合には、移動するごとに新しい本籍地で作られる戸籍が必要となるので注意が必要となります。

被相続人の出生から死亡に至るまでの連続した戸籍の謄抄本によって、つぎの事実が分かります。

  • 被相続人が死亡したこと
  • 相続人が誰であるか

なお、本籍地が遠方のため役所の窓口を訪れることが難しいような場合には、戸籍謄本などは郵送での取得も可能です。
詳しくは、下記の記事を参照してください。

相続人の戸籍謄本等

相続人が現在も生きていて法律上、相続権が認められることを確認するために、相続人の現在の戸籍の謄本等が必要になります。

上記、被相続人の戸籍謄本等によって確認された相続人がすでに死亡しているような場合には、代襲相続の問題になります。

被相続人の住民票の除票

被相続人の最後の住所を明らかにするため、被相続人の住民票の除票が必要です。
被相続人の最後の住所地を管轄する市区町村役場で入手可能です。

申出人の身分証明書

法定相続情報証明制度の利用手続きをする人(「申出人」)の身分を証明する書類が必要となります。
具体的には、つぎのうちのどれか1つが必要です。

  • 運転免許証のコピー
  • マイナンバーカードのコピー
  • 住民票記載事項証明書(住民票)

②場合によっては提出が必要となる書類

相続人以外の者が申し出の手続きをする場合や、法定相続情報証明(法定相続情報一覧図)に記載する内容によっては、つぎのような書類の提出が必要となります。

各相続人の住民票記載事項証明書(住民票)

相続情報証明に各相続人の住所を記載したい場合、各相続人の住民票記載事項証明書(住民票)が必要となります。

法定相続情報証明には、原則として各相続人の住所は表示されません。
しかし、その表示を希望する場合には各相続人の住民票などを添付することで、相続情報証明上に各相続人の住所を記載してもらうことができます。

委任状(代理人が手続きを行う場合)

委任を受けて相続人以外の者が代理人として申し出の手続きをするする場合、委任状が必要となります。

戸籍謄本等(親族が代理人の場合)

申し出の手続きをする代理人が相続人の親族である場合、その関係を証明するために戸籍謄本等の提出が必要になります。

なお、「①必ず提出しなければならない書類」の戸籍謄本等で親族関係が分かる場合には、添付不要となります。

身分証明書の写し(資格者代理人が代理する場合)

法定相続情報証明の申し出を行うには、弁護士や司法書士など一定の資格を有する者を代理人として手続きを行うことが認められています。
これら資格者を代理人として手続きを行う場合には、その者が資格を有していることを証明するため資格者の所属団体が発行する証明書の写しの提出が必要となります。

戸籍の附票(被相続人の住民票の除票が添付できない場合)

申し出の手続きを行うためには、被相続人の住民票の除票の提出が必要です。
しかし、役所ですでに廃棄されてしまい入手できないような場合には、被相続人の戸籍の附票を提出することになります。

戸籍の附票は、最後の住所地の役所ではなく、本籍所在地の役所で発行を受ける必要があるので注意してください。

(2)法定相続情報一覧図を作る

被相続人の戸籍を基に、被相続人と相続人との関係を明示した「法定相続情報一覧図」を作成します。
イメージとしては、小規模な家系図という感じでしょうか。

法定相続情報一覧図は、つぎのページを参考に頑張って作ってみてください。

参考:主な法定相続情報一覧図の様式及び記載例(法務省)

(3)「申出書」を作成する

法定相続情報証明制度を利用するためには、「申出書(もうしでしょ)」を作成する必要があります。

申出書については、各法務局で入手することができますが、下記のサイトからダウンロードすることも可能です。
ただし、ファイルはワード文書となっていますので、パソコンを持っていない場合には法務局で入手することをおすすめします。

パソコンとワードファイルを編集できるソフトを持っている場合には、必要事項を入力しプリントアウトすることで申出書を作成することができます。

参考:「申出書(ひな形)」(法務省)
参考:「申出書の記入例」(法務省)

(4)法務局へ提出する

法定相続情報証明制度を利用するためには、「申出書(もうしでしょ)」とともに各種の戸籍と法定相続情報一覧図を法務局に提出する必要があります。

申出をする登記所は、以下の地を管轄する登記所のうち、自由に選択することが認められています。

  • ① 被相続人の本籍地(死亡時の本籍を指します。)
  • ② 被相続人の最後の住所地
  • ③ 申出人の住所地
  • ④ 被相続人名義の不動産の所在地

郵送での申請も可能

申請は、郵送でもできます

郵送申請した際、提出した戸籍謄本等の返却や、法定相続情報一覧図の写しの交付も郵送で希望するのであれば、申出書の「□郵送」という欄にチェックを入れておきましょう。

また、郵送での返却・交付を希望する場合には、申出書等の必要書類を郵送する際に、返信用の封筒と切手を同封する必要があります。

法定相続情報証明の取得方法

法定相続情報証明(相続情報一覧図)は、申し出の手続きが完了した際、必要枚数発行してもらうことができます。
申出書には発行を希望する一覧図の枚数を記載することになりますので、必要な数を記入してください。

5年間は再発行可能

制度上、法務局では、申し出をした相続情報が5年間保存されることになっています。
このため、申し出後5年以内であれば、法定相続情報証明は何度でも再発行してもらうことが可能です。
もちろん、再発行の手数料も無料となっています。

まとめ

今回は、「法定相続情報証明制度」についてご紹介させていただきました。

相続手続きは、意外と面倒なものです。
しかし、法定相続情報証明制度を利用することによって、各種の手間を省略することが可能になります。
相続の手続きでお悩みの場合には、制度の利用を検討されてはいかがでしょうか?

なお、近年では法律が大幅に改正され、相続に関する従来のルールが大きく変わってきています。
このため、以前の知識がまったく役に立たなくなっている可能性も否定できません。
最新の法的知識に基づき、効率よく相続問題を解決していくためには法律の専門家の協力を受けることが必要なこともあります。

慣れない人にとって、相続登記など相続に関する諸手続きは面倒で気の重い手続きですが、専門家に依頼することで精神的な負担を軽減することが可能です。
もし、相続に関する問題でお悩みの場合には、当事務所へご相談ください。

当事務所では、日本全国どこからでも24時間相談を受け付けております。
相談だけであれば何度でも無料ですので、ぜひお気軽にどうぞ。

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