独身の方が遺産を兄弟に渡したくない場合の3つの対処法を解説
独身で悠々自適に暮らしてきて財産もそこそこあるけど、仲の悪い兄弟姉妹に相続させたくない…どうすればいいのだろう

このようにお考えではないでしょうか。

せっかく築き上げてきた財産を、仲の悪い兄弟姉妹が自分の死後に棚ぼたで相続するのが腹立たしい、このように思われるのは当然のことでしょう。

そこでこの記事では、相続問題に強い弁護士が、

  • 独身の方が亡くなった場合に誰が相続人になるのか
  • 独身の方が遺産を兄弟に渡したくない場合の対処法
  • 独身の方が兄弟の子(甥・姪)にも財産を渡したくない場合の対処法

についてわかりやすく解説していきます。

気軽に弁護士に相談しましょう
  • 全国どこからでも24時間年中無休でメールや電話での相談ができます
  • ご相談は無料です
  • ご相談やご質問のみでも気兼ねなくご連絡ください
  • 遺言・遺産分割・相続での揉め事を親身誠実に弁護士が対応します

独身の方が亡くなった場合に誰が相続人になる?

独身者が亡くなった場合、相続財産は誰に行きわたることになるのでしょうか。

まず、ここで重要となるのは亡くなった方(被相続人)の意思です。

なぜなら被相続人は死後の相続財産の帰趨を遺言によって決めておくことができるからです。

そのうえで遺言がない場合には、相続人が遺産分割手続きを行うことによって相続財産の分け方を決めることができます。遺産分割は原則として相続権を有する相続人が行うことになります。

相続人として民法に規定されているのが以下の者たちです。

  • 配偶者:配偶者は常に相続人となります(民法第890条全段参照)
  • 子:被相続人の子は、相続人となります(民法第887条1項参照)
  • 直系尊属:子がいない場合には直系尊属が相続人となります(民法第889条1項1号参照)。直系尊属とは被相続人から見て父母、祖父母の関係にある親族です
  • 兄弟姉妹:子や直系尊属がいない場合には被相続人の兄弟姉妹が相続人となります(民法第889条1項2号参照)

以上から、被相続人の兄弟姉妹に相続権が回ってくるのは、被相続人に子どもがいない場合かつ被相続人の直系尊属(父母や祖父母)が既に死亡しているケースです

なお配偶者だけがいる場合には当該配偶者と兄弟姉妹が共に相続人となることになりますので、やはり兄弟姉妹には相続権が回ってくることになります。

独身の方が遺産を兄弟に渡したくない場合の方法

それでは兄弟姉妹に相続財産を渡さないようにするためには、以下のような対処法をとる必要があります。

遺言書を作成して、兄弟以外の者に遺贈する

相続に関しては、被相続人の意思が民法の規定に優先することになります。そのため兄弟姉妹に遺産を渡したくないという場合には、遺言によって兄弟姉妹以外の者に財産を遺贈しておくことが有効です。

兄弟姉妹には相続における遺留分(一定の相続人が相続できる最低限の保障額)がありませんので、遺言によって兄弟姉妹の相続分をゼロとしておくことも可能なのです。

兄弟以外の者に生前贈与しておく

兄弟姉妹以外の者に「生前贈与」しておくという方法も有効です。生前贈与とは被相続人が存命中に自身の財産を第三者に贈与する契約のことを指します。

生前贈与も契約に基づく所有権の移転ですので、基本的には贈与した時点で財産を受け取った受遺者に所有権は移転することになります。したがって生前贈与された財産は被相続人が亡くなって相続が開始した時点では既に相続財産には含まれない財産となるのです

ただし、生前贈与する場合には、贈与税が発生することには注意が必要です。贈与税には控除や特例が存在しているため、適切に制度を利用することで節税効果の高い方法で生前贈与することが重要でしょう。

ただし、全財産を生前贈与すれば、自身が死亡するまでの生活が成り立たなくなりますのである程度の財産は手元に残しておくことになるでしょう。そのため、残した財産についても自分の死後に兄弟姉妹に相続させない内容の遺言書を作成しておくべきでしょう

兄弟に相続欠格事由がある場合には当然に相続権を失う

以下のように相続欠格事由に該当する場合には、兄弟姉妹は当然に相続する権利を喪失することになります(民法第891条各号参照)。

  • 故意に被相続人または先順位・同順位にある者を死亡するに至らせ、または至らせようとしたために刑に処せられた者
  • 被相続人の殺害されたことを知りながら告発せず、または告訴しなかった者
  • 詐欺または強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、または変更することを妨げた者
  • 詐欺または強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、取り消させ、または変更させた者
  • 相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、または隠匿した者

欠格事由に該当する行為をした者は法律上当然に相続権を失うため、正確には「兄弟姉妹に遺産を相続させない方法」とはいえませんが、兄弟姉妹が遺産を相続できないケースとして知っておきましょう。

なお相続欠格に類似した制度として「推定相続人の廃除」の手続きがありますが、被相続人の兄弟姉妹は廃除することができません

なぜなら相続廃除の対象となる相続人は「遺留分を有する推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者)」に限られるからです。兄弟姉妹には遺留分がありませんので相続廃除の手続きを利用することはできません。

もっとも、兄弟姉妹に遺留分がない以上、前述の通り、兄弟姉妹に遺産を残さない旨の遺言書を作成しておくことで本来の目的が達成されることになります

相続欠格とは?5つの欠格事由と相続廃除との違いを徹底解説

相続廃除とはどんな制度?要件や手続方法、実例を徹底解説

独身の方が兄弟の子(甥・姪)にも財産を渡したくない場合の対処法

被相続人の兄弟姉妹が、相続開始以前に死亡したときや相続人の欠格事由に該当することによってその相続権を失ったときは、兄弟姉妹の子(甥や姪)が兄弟姉妹を代襲して相続人になることになります(民法第889条2項、1項2号、887条2項参照)。

これを代襲相続といいます。

このように兄弟姉妹の子ども(甥や姪)にも相続財産を渡したくないという場合には、兄弟姉妹が既に死亡していたり、相続欠格となっていたりするからといって安心していてはいけません。

甥・姪にも遺留分はありませんので、前述の遺贈や生前贈与によって相続対策を講じておくことが重要となります

独身の人が兄弟に相続させたくない場合は弁護士に相談

独身の方が兄弟姉妹に相続させたくないとお考えの場合には、弁護士に相談しておくことが重要です。

弁護士に相談・依頼しておけば、あなたの要望に一番最適な方法で兄弟姉妹に財産が渡らない対策をアドバイスしてくれるはずです。

遺言書や生前贈与しておく場合でも、後々遺言や贈与が無効と主張されないように適確で確実な内容の遺言書や契約書を作成してもらうこともできるでしょう。

当事務所では、兄弟姉妹に遺産を一切渡したくないという独身の方からのご相談を受け付けております。希望に添えるよう弁護士が遺言書・生前贈与の契約書の作成などの相続対策を全力でサポートします。全国対応ですのでまずはお気軽にご相談ください。

気軽に弁護士に相談しましょう
  • 全国どこからでも24時間年中無休でメールや電話での相談ができます
  • ご相談は無料です
  • ご相談やご質問のみでも気兼ねなくご連絡ください
  • 遺言・遺産分割・相続での揉め事を親身誠実に弁護士が対応します
相続問題で悩んでいる方は弁護士に無料で相談しましょう

全国対応で24時間、弁護士による相続問題の無料相談を受け付けております

弁護士と話したことがないので緊張する…相談だけだと申し訳ない…とお考えの方は心配不要です。

当法律事務所では、ご相談=ご依頼とは考えておりません。弁護士に解決方法だけでもまずは聞いてみてはいかがでしょうか。

ご相談のみで問題が解決する方も多くおられますので、電話、メール、LINEにてお気軽にご相談下さい。