
不倫相手から「妊娠した」と告げられ、これからどうすればいいのか、妻にバレたらどうなるのかと頭が真っ白になっていませんか。まずは医師の診断で妊娠を確かめ、産むか中絶するかを相手と早めに話し合うことが出発点です。どちらを選んでも男性には法律上の責任や負担が生じ、妻から慰謝料を請求される可能性もあります。
この記事では、男女トラブルに強い弁護士が、次の点について解説します。
- 不倫相手の妊娠がわかったら最初にすべきこと
- 相手が出産を選んだ場合の認知・養育費・相続
- 中絶を選ぶ場合に男性が知っておきたい注意点
- 妻から請求される慰謝料と離婚の問題
お読みいただくことで、相手との話し合いで何を決め、妻との関係で何に備えればよいかを整理できます。
なお、不倫相手の妊娠に悩んでいる方は、この記事をお読みいただいた後、当事務所の無料相談へお早めにご連絡ください。早期対応が結果を左右します。ご相談は地域を問わず承っています。
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不倫相手の妊娠がわかったら最初にすべきこと
不倫相手(浮気相手)から妊娠を告げられた直後の行動は、その後の話し合いや慰謝料の問題にまで影響します。動揺するのは自然なことですが、次の点を押さえて対応しましょう。
妊娠の事実を医師の診断で確かめる
妊娠検査薬で陽性が出ただけでは、妊娠が確定したとはいえません。産婦人科で医師の診断を受けてもらい、その結果を一緒に確認するのが確実です。可能であれば受診に付き添うと、相手も安心でき、その後の話し合いにも入りやすくなります。
不倫相手から結婚や離婚を強く求められている状況で、検査薬や写真だけを見せられた場合でも、頭ごなしに疑うのは禁物です。受診結果を共有してほしいと、穏やかに伝えるにとどめましょう。妊娠が本当なのか判断に迷うときの確かめ方は、「妊娠の嘘を見抜く4つの方法と本当に妊娠していた時にとるべき対処法」で解説しています。
自分の子どもかどうかを確認する
次に、性交渉の時期と妊娠の時期が合っているかを落ち着いて振り返ります。不倫相手にほかの交際相手がいる可能性があるなど、父親が自分かどうかに疑問が残る場合は、相手を問い詰めるのではなく、DNA鑑定で客観的に確かめるのが得策です。出産前に行える鑑定もありますが、可能な時期や方法は鑑定機関に確認してください。
なお、相手の女性が既婚者の場合、生まれた子は法律上まず相手の夫の子と推定されます(民法772条)。この場合は手続きの進め方が大きく変わるため、早めに弁護士へ相談することをおすすめします。相手の女性が既婚者のケースで注意すべき点は、「既婚女性を妊娠させた場合の対処法と絶対に避けるべき対応」をご参照ください。
産むか中絶するかを早めに話し合う
妊娠が確かめられたら、産むか中絶するかを不倫相手と話し合います。中絶ができる時期には法律上の限りがあるため(母体保護法2条2項)、話し合いを先延ばしにする余裕はありません。
もっとも、最終的に産むかどうかを決めるのは妊娠している女性本人であり、男性の意向だけで決められるものではありません。産む場合は認知や養育費、中絶する場合は費用の分担や仕事を休む間の負担など、決めておくべきことは多岐にわたります。話し合いで合意した内容は、後の行き違いを防ぐためにも書面に残しておきましょう。メールやLINEでのやり取りも、話し合いの経過を示す記録として消さずに保存しておくと、後に争いになったときの備えになります。
連絡を絶ったり中絶を迫ったりしない
妊娠を告げられて動揺するあまり、連絡を無視したり、一方的に関係を断ったりするのは避けてください。問題が消えるわけではなく、不倫相手が弁護士や裁判所を通じて認知や慰謝料を求めてくる可能性が高まります。
また、相手が産みたいと望んでいるにもかかわらず、危害を加えるとほのめかすなどして無理に中絶させようとすると、強要罪に問われるおそれがあります(刑法223条1項・3年以下の拘禁刑)。こうした不誠実な対応は、後に相手から慰謝料を請求される原因にもなります。
不倫相手が出産を選んだ場合に男性が向き合う3つの問題
話し合いの結果、不倫相手が妊娠を継続して子どもを産むと決めた場合、男性は次の3つの問題に向き合うことになります。
- 子どもの認知
- 養育費の支払い
- 子どもの相続権
子どもの認知
認知とは、婚姻関係にない男女から生まれた子ども(非嫡出子)について、父親と法律上の親子関係を結ぶための手続きです(民法779条)。認知の届出をすると、父親の戸籍にも認知したことが記載されます。
認知は子どもが生まれる前、つまり妊娠中でもでき、これを胎児認知といいます。胎児認知には、母親である不倫相手の承諾が必要で(民法783条1項)、届出は母の本籍地の役所で行います(戸籍法61条)。出産後に認知する場合は、役所へ認知届を出す任意認知の方法をとるのが一般的です。出生前に認知するときの届出先や必要書類は、「胎児認知とは?母親が提出可能?手続方法と拒否された場合の対策」で詳しく紹介しています。
「認知すれば妻に知られてしまう」とためらう方もいるでしょう。しかし、男性が任意に認知しなくても、子ども側は家庭裁判所に認知を求める手続き(認知調停・認知の訴え)をとることができ、DNA鑑定などで親子関係が認められれば、裁判によって認知の効力が生じます(強制認知)。父子関係がある以上、認知を拒み通すことは難しいと考えておくべきです。認知を求める訴えは、父親が亡くなった後も3年間は起こすことができます(民法787条)。
反対に、認知をしないままでいると、法律上の親子関係がないため、子どもは父親に養育費を法的に求めることも、父親の財産を相続することもできません。認知するかどうかは、子どもの将来に直結する問題として、相手と誠実に話し合う必要があります。
不倫相手の子を妊娠した女性の側にとっても、認知は養育費を受け取るための前提になります。既婚男性の子を産むか迷っている女性側の注意点は、「既婚者の子供を産んだら?取るべき行動と妻からの慰謝料リスク」もあわせてご確認ください。
養育費の支払い
不倫相手との間に生まれた子どもでも、認知すれば法律上の親子になるため、父親として子どもに対する扶養義務を負い(民法877条1項)、養育費を支払うことになります。この義務は、妻との婚姻を続けるか離婚するかを問わず生じ、不倫相手との関係が終わった後も続きます。
金額は当事者の話し合いで決めるのが基本で、不倫相手との間で合意できない場合は家庭裁判所の調停で決めることもできます。目安には裁判所が公表している養育費算定表が使われます。双方の収入や子どもの人数・年齢によって金額が変わるため、合意できた内容は公正証書などの書面にしておくと安心です。支払う期間は、子どもが20歳になるまでや大学を卒業するまでなど、話し合いで決めるのが一般的です。認知した子どもの養育費の目安や取り決めの手続きは、「認知された子の養育費はどうなる?相場・請求手続きと期間を解説」で解説しています。
強制執行ができる形の公正証書や家庭裁判所の調停で取り決めた養育費の支払いが滞ると、給与などを差し押さえられることがあります。勤務先に事情を知られる原因にもなるため、無理のない金額で取り決め、確実に支払い続けることが大切です。
認知の効力は子どもが生まれたときにさかのぼるため(民法784条)、妊娠中や出産直後には認知せず後から認知した場合に、それまでの期間の養育費をどう扱うかが争いになることもあります。
子どもの相続権
不倫相手との間に生まれ、認知された子どもには相続権があり、父親の法定相続人になります。法律上の夫婦の間に生まれた子と相続分に差はなく、子どもが複数いれば各自の取り分は等しく扱われます(民法900条4号)。
そのため、不倫相手との間の子どもを認知していれば、将来男性が亡くなったときに、妻やその子どもと、認知した子どもとの間で遺産分割の話し合いが必要になります。関係者どうしの感情的な対立が起きやすい場面であり、早い段階から遺言などで備えておくことも検討に値します。ただし、認知した子どもには遺留分(法律で保障された最低限の取り分)があり(民法1042条)、遺言で財産を一切渡さないと定めても、子どもはその分の金銭を請求できます。
中絶を選ぶ場合に男性が知っておきたい3つの注意点
中絶を選ぶ場合でも、不倫による妊娠である以上、男性が知っておくべき法律上の決まりや負担があります。
中絶できる時期と同意の決まり
人工妊娠中絶は、胎児が母体の外では生命を保てない時期に限って認められており(母体保護法2条2項)、一般に妊娠22週未満とされています。時期が進むほど女性の身体への負担も大きくなるため、早めの決断が欠かせません。
中絶を行うには、本人と配偶者の同意が必要とされています(母体保護法14条1項)。ここでいう配偶者は妊娠した女性の夫を指すため、相手女性が独身であれば、不倫相手の男性の同意は法律上の要件ではありません。ただし、医療機関によっては男性の同意書を求められることもあります。
中絶にかかる負担をどう分け合うか
中絶費用を誰がどれだけ負担するかは、法律で決まっていません。不倫の関係から生じた妊娠の費用である以上、男性側も負担するのが通常で、半分ずつ分け合うケースが多く見られます。
もっとも、中絶手術による身体的・精神的な負担を負うのは女性です。費用の分担でもめると、相手との関係がこじれて妻に事情が伝わるきっかけにもなりかねません。男性が多めに、あるいは全額を負担して早く解決することも、現実的な選択肢といえるでしょう。手術の前後に相手が仕事を休まざるを得ない場合、その間の収入の減少をどう補うかも話し合っておくと、後のトラブルを防げます。
不誠実な対応は慰謝料の原因になる
合意の上で不倫関係を持ち、話し合って中絶を選んだのであれば、それだけで男性に慰謝料の支払い義務が生じるわけではありません。
一方で、話し合いに応じない、妊娠を知って連絡を絶つ、中絶を強要する、費用の負担を拒むといった不誠実な対応をとると、相手から慰謝料を求められることがあります。独身だと偽って関係を持っていた場合も、相手の貞操権(誰と性的な関係を持つかを自分で決める権利)を侵害したとして慰謝料の対象になりえます。
妻から請求される慰謝料はいくら?妊娠・出産による増額
妻から見れば、夫の不倫(不貞行為)は平穏な婚姻生活を侵害する不法行為にあたり、不倫相手の妊娠が妻に発覚すれば、慰謝料を請求される可能性が高くなります。請求の相手は夫だけでなく、不倫相手の女性も含まれます。
慰謝料の相場と金額を左右する事情
不倫の慰謝料は、50万円から300万円程度の範囲で決まることが多く、事案によって幅があります。慰謝料額にもっとも大きく影響するのは、不倫が原因で夫婦が離婚や別居に至ったかどうかで、婚姻関係を続ける場合より、離婚に至った場合のほうが高くなる傾向にあります。
このほか、不倫の期間や回数、婚姻期間の長さ、夫婦に未成熟の子どもがいるかといった事情も考慮されます。
夫と不倫相手は、妻に対して共同で責任を負う関係にあるため、妻はどちらに対しても慰謝料を請求できます。ただし、同じ損害について二重に受け取ることはできず、一方が支払った分は、もう一方への請求から差し引かれます。また、妻に慰謝料を支払った不倫相手から、夫が自分の負担分を求められること(求償)もあります。
請求された金額が相場とかけ離れて高いと感じても、そのまま支払う必要はありません。事実関係や夫婦の状況を踏まえて、適正な金額を交渉する余地があります。高額な慰謝料を求められたときの減額の考え方は、「不貞行為の慰謝料500万円は高すぎ?相場・減額事例と対処法」をご参照ください。
妊娠・出産が増額の要素になる理由
慰謝料は、妻が受けた精神的苦痛の大きさに応じて決まります。夫が不倫相手を妊娠させ、さらに子どもが生まれたとなれば、妻の受ける衝撃は通常の不倫より大きいと評価されやすく、慰謝料の増額要素として考慮されます。不倫相手が中絶に至った場合でも、妊娠の事実そのものが妻に与える衝撃は大きく、増額の事情として主張されることがあります。
出産して認知に至れば、夫の戸籍に記載が残り、養育費や相続の問題も長く続きます。こうした事情も、妻の精神的苦痛を大きくするものとして、増額を求める根拠になりえます。
相手の女性にも夫がいるダブル不倫の場合は、相手の夫からも慰謝料を請求される可能性があり、問題がさらに複雑になります。
妻との関係はどうなる?離婚する場合・しない場合
妊娠の問題と並行して、妻との夫婦関係をどうするかも決めなければなりません。不倫は法律上の離婚原因の一つとされており(民法770条1項1号)、妻が離婚を望めば、裁判でも離婚が認められる可能性があります。
不倫をした側からの離婚請求は原則として認められない
不倫をして婚姻関係を壊す原因を作った側は「有責配偶者」と呼ばれ、有責配偶者から求める離婚は、原則として裁判では認められません。妊娠した不倫相手との新しい生活を望んでいても、妻が同意しない限り、すぐに離婚することは難しいのが実情です。
最高裁判所は、①別居が相当の長期間に及ぶこと、②夫婦の間に未成熟の子どもがいないこと、③離婚によって相手方の配偶者が精神面・社会生活・経済面で極めて過酷な状況に追い込まれないこと、などの事情を考慮して、有責配偶者からの離婚請求が認められる余地を示しています(最高裁昭和62年9月2日判決)。現実には、慰謝料や財産分与の条件を示して妻の合意を得る、話し合いによる離婚を目指すことになるでしょう。
離婚しない場合も残る問題
妻と婚姻関係を続ける場合でも、不倫相手が出産すれば、認知や養育費の問題はなくなりません。認知したことは夫の戸籍に記録されるので、何かの手続きで妻が戸籍を目にすれば、不倫と出産の事実は伝わってしまいます。養育費の支払いは家計にも影響するため、妻に事情を隠し通すことは現実的に難しく、どの時点でどう伝えるかを考えておく必要があります。
婚姻関係を続けても妻からの慰謝料請求がなくなるわけではないため、妻への慰謝料と不倫相手への養育費の両方を見込んでおくことが大切です。
不倫相手の妊娠でお困りの方は早めに弁護士へご相談ください
不倫相手が妊娠した場合は、医師の診断で事実を確かめ、相手と誠実に話し合うことから始めましょう。産む場合には認知・養育費・相続、中絶する場合には時期や費用の問題があり、妻からの慰謝料請求や離婚の問題も同時に考えなければなりません。
弁護士に相談すれば、相手との話し合いで決めるべきことを整理し、合意内容を書面に残す手続きや、妻からの慰謝料請求への対応を任せることができます。不倫の当事者同士では感情的になりやすい場面でも、冷静に話し合いを進めやすくなります。
中絶には時期の限りがあり、時間がたつほど選べる道は狭まります。すでに妻に知られてしまった方や、相手から弁護士を通じて連絡が来ている方は、一人で抱え込まずにご相談ください。
当事務所は男女トラブルの解決に注力しており、家族や職場への影響に配慮しながら、穏便な解決を目指します。全国どこからでもご利用いただける無料相談を設けておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
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この記事の監修者
男女問題・男女トラブルに強い法律事務所の代表弁護士。事務所全体で年間1,500件以上の男女トラブル相談を受けており、不倫慰謝料、妊娠トラブル、婚約破棄、パパ活トラブル、ストーカー被害など、他人に相談しづらい問題を穏便かつ内密に解決することを得意とする。相手の暴力的・脅迫的な言動にも弁護士が毅然と対応し、依頼者の平穏な生活を取り戻すために全力を尽くしている。

