
- ホスラブに書き込みされた誹謗中傷や個人情報のコメントを削除する方法は?
- ホスラブに名誉棄損の口コミ投稿をした犯人を特定する開示請求の方法は?
この記事では、これらの疑問を、ネット誹謗中傷の解決に強い弁護士が解消していきます。
記事を最後まで読むことで、ホスラブに書き込まれた悪口などのレスの削除方法はもちろん、書き込みをした犯人を特定する開示請求の方法もわかります。
また、記事を最後まで読んでもご自身での解決が難しい場合には、弊所の弁護士による全国無料相談をご利用ください。
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記事の目次
ホスラブの特徴と問題点
ホスラブ(ホストラブ)は、ホストクラブのほか、風俗、キャバクラなどのいわゆるナイトワーク全般に関する情報が豊富に掲載されており、夜のお仕事をされている方の情報交換の場として役立っています。
その反面、同業他社やライバルキャストへの嫉妬、従業員の勤務店に対する鬱積したストレス、利用客の店やキャストへ対する不満などを解消する目的で誹謗中傷の投稿が繰り返されています。会員登録が不要なため誰でも自由に匿名で投稿できることも誹謗中傷の投稿に拍車をかけています。
このような投稿がされることで、店はイメージダウンにより売上業績が下がり、ホステスや風俗嬢の指名率も落ちて稼ぎが悪くなります。また、個人情報を書き込まれることでストーカー被害に遭ったり、家族や友人に身バレするなどの被害も発生します。
ホスラブで削除依頼が可能な投稿内容は?
どのような内容の投稿であればホスラブが削除してくれるのかは「削除依頼ガイドライン」に明記されていますので以下で確認しておきましょう。
①個人名・住所・所属
どういう趣旨(目的)で書かれたのかの説明や公益性(社会一般の利益)がなく、誹謗中傷が目的であるものが削除対象になります。ただし、既にインターネットやマスコミ、電話帳等で公開されている情報や、公益性・情報価値があるものについては削除されません。
②電話番号
一部を伏字にしたもの。例えば、「090-1234-5〇78」といったものも削除対象となります。また、電話番号を示唆するもの、例えば「080の後に、芸能人〇〇の生年月日、芸能人××の生年月日」といったものでも同様です。
ただし、投稿者が自己責任で投稿したもの(本人が投稿したと考えられるものや、投稿されたリンク先で確認できるもの)は削除されない場合もあります。
③メールアドレス・ホスト情報
投稿されたメールアドレスの持ち主を騙っている(装っている)と思われる場合や、明らかに悪意がある攻撃目的や晒し目的の場合には削除対象となります。
④誹謗中傷
人の名誉を害する誹謗中傷の投稿は削除対象となりますが、板の趣旨に則した公益性のあるものや、直接の関係者や被害者による事実関係に関する内容については削除されません。
ただし、ホストを含めた有名人を除き、個人特定する情報が伴っている投稿は全て削除対象となります。
⑤私生活情報
公益性のない私生活やプライベート情報は、個人(ホストを含めた有名人)が完全に特定されていなくても、また、誹謗中傷の内容が含まれていなくても一律削除対象となります。例えば、「キャバ嬢の〇〇ちゃんは水曜日の夕方ごろにいつも渋谷の109に出没するよ~」のような投稿がそれに当たります。
ただし、投稿された人がFacebookなどのSNSで自ら公開しているようなプライベート情報は第三者でも確認することができるため削除対象に該当しません。
ホスラブの削除依頼の方法
STEP①:「削除依頼フォーム」を開く
削除依頼フォームは各地域ごとに異なります。以下のリンクから直接、削除依頼フォームを開くことができます。
STEP②:「削除依頼フォーム」に記入し「依頼する」ボタンをクリック
削除依頼フォームに必要事項を記入し、最後に「依頼する」ボタンをクリックすれば完了です。
ホスラブの削除依頼フォームに記入する項目は以下の5つです。
- ①スレッド番号
- ②レス番号
- ③削除理由
- ④お名前
- ⑤メールアドレス
④お名前と⑤メールアドレスについては説明不要と思われますので、①~③の記入内容について説明します。
①スレッド番号
ホスラブのスレッド番号とは、削除して欲しい投稿があるページのURLの14桁の数字の箇所です。
以下の画像の赤枠で囲まれた箇所がスレッド番号になります。
スレッド番号は必ず半角数字で入力する必要があります。
②レス番号
ホスラブのレス番号は、以下の画像の赤枠で囲った箇所の数字です。
削除して欲しい投稿が複数ある場合は、例えば、「012,037」のようにカンマ記号(,)で区切って半角で記入します。
③削除理由
削除して欲しい投稿が、削除依頼ガイドラインにどのように違反しているのかを500文字以内で書きます。その際、レス番号も合わせて明記してください。例えば、「レス番号〇〇は、ガイドラインの”電話番号について”に違反します。また、レス番号××は、ガイドラインの”誹謗中傷について”に違反しています。それぞれ削除をお願いいたします」といった記載です。
レス番号が明記されていない削除依頼については、「基本的に受付かねます」とガイドラインにも記載されています。また、単に「嘘が書かれていて気分が悪いので削除してください」といった主観的・感情的な削除理由だと受け付けてもらえませんので注意してください。
ホスラブの削除依頼で注意するポイント
削除依頼履歴が公開される
ホスラブでは削除依頼履歴を公開しています。氏名とメールアドレスは公開されませんが、板の名前、スレッド番号、レス番号、削除理由、削除依頼日時は公開され、誰でも見れる状況になります。
つまり、投稿者もこの公開情報を目にしている可能性もありますので、投稿者が自分のレスの削除依頼がされていることを知って興奮したり、面白がって、余計に悪質な投稿が増えるリスクもあります。そのような事態を想定し、悪質な投稿がされなくなるまで静観すべきかどうか、削除依頼をする前によく検討する必要があるでしょう。
また、削除理由の項目にあまり詳細を書きすぎると、逆に人に知られたくなかった情報まで公表してしまうことになりますので、削除理由は端的に書くようにしましょう。
短期間で繰り返し削除依頼をしない
ガイドライン違反がホスラブに認められ、掲示板から投稿が削除されるまでの目安としては、96時間とされています。
早く削除して欲しいという気持ちは理解できますが、すぐに削除されないからといって、96時間を待たずに何度も削除依頼を行うのはやめましょう。ホスラブの運営側から業務妨害と判断されて削除に応じてくれないなど、逆効果になるおそれもあります。
スレッド自体の削除は難しい
ホスラブの削除依頼ガイドには、スレッドの削除につき以下のように書かれています。
スレッド全ての削除はその全てがガイドラインに反しているか、削除人の判断によります。
スレッド内の投稿すべてがガイドラインに反していることがあるとは考えにくく、スレッド単位での削除は非常に難しいでしょう。
もっとも、削除人という”人間”の判断により削除してもらえる可能性はありますので、スレッドのほとんどが誹謗中傷などのガイドライン違反の投稿で溢れているようなケースでは、スレッド全体が削除される余地もあるでしょう。
削除代行業者への依頼は違法
ホスラブでの削除依頼の方法がよくわからないという人の悩みに漬け込んで、「誹謗中傷(風評被害)対策」などの宣伝文句で削除の代行を有償で請け負っている”削除代行業者”を利用してはいけません。弁護士以外の者がお金を貰って削除依頼の代理をすることは弁護士法72条の非弁行為というものに抵触し違法です。
ホスラブの削除依頼ガイドにも、「そのような違法サービス、または、その疑いのある削除請求には一切応じません」とはっきりと書かれています。費用を支払って削除代行業者に依頼してもホスラブに削除してもらえないのであれば目も当てられませんのでくれぐれも注意してください。
ホスラブの投稿者を特定する開示請求の方法
これまでホスラブの書き込み削除の方法を解説してきましたが、ホスラブが削除に応じてくれたとしても、また誹謗中傷の書き込みをされてしまう可能性は残ります。書き込みを行っているユーザーは匿名ですし、書き込んだ誹謗中傷の投稿が削除されても何のダメージもないからです。
そのため、ホスラブでの誹謗中傷の被害を根本的に解決するには、投稿した犯人の特定し、今後同様の投稿をさせないよう対策をとる必要があります。そして、犯人を特定するには「発信者情報開示請求(以下、「開示請求」)」という手続きを踏まなくてはなりません。
以下では、開示請求について解説していきます。
犯人を特定する目的
誹謗中傷を行っている犯人を特定すると、どのようなことができるのでしょうか?
損害賠償を請求できる
誹謗中傷やプライバシー侵害、名誉毀損などを受けると、精神的に大きなダメージを与えられてしまうこともあります。女性であればなおさら、自分の個人情報が開示されたことでストーカーの被害に遭うのではないかと怯えることもあるでしょう。ネット上で執拗に攻撃されて精神的にダメージを負うこともあります。
こうした精神的な苦痛を受けたときには、加害者に対して慰謝料を請求することができます。また、お店であれば、誹謗中傷によってお店の売り上げが大幅に落ちたなどの因果関係が認められれば、損害賠償を請求できる可能性もあります。
「二度としない」という約束をさせられる
誹謗中傷を行っている側の人は、一般的に「自分が特定される可能性がある」とは思わないものです。基本的に実名登録が原則となっているFacebookでは他のSNSなどに比べて誹謗中傷の書き込みが少ないのは、Facebookが匿名性が低いことが要因です。
ホスラブに誹謗中傷の書き込みをしている人も同じで、自分が匿名で誹謗中傷できるからこそ書き込みをおこなっているところがあります。そんな中で自分のことが特定されたとすれば、それだけで誹謗中傷の書き込みを止める可能性も十分にあります。
それでも誹謗中傷の書き込みを止めない悪質な人に対しては、弁護士を通じて話をし、「二度と誹謗中傷の書き込みをしない」といった念書を書かせるなどの対策を取ることができます。
開示請求の手順
では、誹謗中傷の犯人はどのように特定すれば良いのでしょうか?
犯人特定の流れ
基本的な犯人特定の流れは以下の通りです。
- ホスラブの管理者に対して情報開示を依頼する
- 開示された情報を基にプロバイダを特定する
- プロバイダに対して犯人の情報を開示するよう請求する(発信者情報開示請求)
基本的にはこの流れになります。詳しい手順については「発信者情報開示請求とは?はじめて請求訴訟をする人が知っておくべきこと」で説明していますので、参考にしてください。
ただ、この3つの手順がスムーズに行くことは考えにくいのが現状です。誹謗中傷の書き込みを行っている犯人とはいえ、特定するためにはホスラブやプロバイダに個人情報を開示してもらう必要がありますが、この情報開示に対して運営者側が慎重になるからです。
そのため、情報開示を断られることも珍しくありません。もし運営側が開示請求に応じてくれないときには、「仮処分」という手続きを取ることになります。
仮処分
例えば、投稿の削除請求にホスラブが応じないとき、裁判所で裁判を起こして「投稿を削除しなさい」という判決をもらうことができます。こうした判決が下りれば、ホスラブに対しても削除を求められます。
しかし一般的に裁判を起こすとなると、非常に時間がかかります。ところが、誹謗中傷の被害は刻一刻と拡大しているため、早急に対応する必要があるわけです。そうなると、悠長に裁判を起こして判決が出るまで待ってはいられません。
そこで活用できるのが「仮処分」という制度です。誹謗中傷によって権利侵害が起きており、権利を保全する必要があると認められたとき、裁判所から「投稿を削除しなさい」という仮処分が下りるしくみです。
仮処分はその名の通り「仮」なので、暫定的ではあるものの、裁判とは違って数週間から長くても2,3ヶ月くらいで仮処分命令が出ることになります。
仮処分について、詳しくは「一刻も早くネットの書き込みを削除したい人のための仮処分命令とは」を参照してください。
ただ、仮処分の手続きを進めるためには専門的な法知識が必要です。仮処分が認められるための要件を満たしているかを判断したり、裁判所が仮処分を認めてくれるように効果的となる文言を考えるなどの作業が求められます。そのため、仮処分を視野に入れるのであれば、弁護士に依頼することが不可欠といえます。
ログの保存期間があるので対策は早めに
こうした削除請求は、被害を最小限にするためにも急いで行う必要がありますが、もうひとつ急いで行った方がいい理由があります。それが、ログの保存期間が決まっていることです。
先ほど投稿削除の手順として、「プロバイダに対して犯人の情報を開示するよう請求する」という方法を紹介しました。プロバイダに対して、発信者情報開示請求を行うわけです。
プロバイダが情報開示請求に応じてくれたとしても、プロバイダ側に発信者情報が残っていなければ、求める情報を手に入れることができません。そして、一般的にこの情報は3ヶ月から6ヶ月くらいしかプロバイダ側に保存されていないといわれています。
こうしたログの保存期間についても注意が必要です。
ホスラブの削除を弁護士に依頼したときの弁護士費用の目安
では、実際に弁護士にホスラブの投稿削除や犯人特定を依頼したとしたら、一体いくらくらいの費用がかかるのでしょうか?
弁護士に相談した場合
本格的に依頼するかどうかはまだ決めてはいないものの、ホスラブで誹謗中傷されていることについて、具体的にどう対策を立てれば良いのかなどを弁護士に相談したいというケースもあるでしょう。
その場合は弁護士に相談することになりますが、相談料としては、30分程度で5,000円〜10,000円が相場となっています。弁護士によっては無料で対応しているところもあります。
情報開示請求の手続きを依頼した場合
発信者情報開示請求の手続きを弁護士に依頼した場合、費用相場としては20万円前後と考えられます。
一般的に弁護士費用の内訳としては、最終的な結果にかかわらず返金されない「着手金」と、成果があったときに請求される「成功報酬」に分けられますが、弁護士によっては着手金を受け取らず、全て成功報酬という事務所もあります。
まとめ
水商売全般の情報サイトであるホスラブ。その特性から、お店や従業員への誹謗中傷やプライバシー侵害、名誉毀損にあたるような書き込みも少なくありません。
こうした書き込みをされてしまったときは、できるだけ早く情報を削除することが重要です。必要に応じて弁護士とタッグを組んで進めていくことをお勧めします。
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