準詐欺罪とは?罰則や成立要件をわかりやすく解説

準詐欺罪とは、未成年者や心神耗弱者の判断能力の低さにつけ込み、欺罔行為(だます行為)に至らない誘惑的な方法で財物を交付させる犯罪です。「準」という名称から詐欺罪より軽い犯罪と思われがちですが、罰則は詐欺罪と同じ10年以下の拘禁刑で、罰金刑がないため起訴されれば正式裁判となります。

「準詐欺罪に問われるかもしれない」「家族が準詐欺の疑いで逮捕された」とお悩みの方に向けて、この記事では準詐欺罪の成立要件や時効、逮捕を回避するための具体的な対応方法を解説します。

なお、準詐欺罪について早急に対応したいとお考えの方は、この記事をお読みいただいた後、全国どこからでもご利用いただける当事務所の無料相談をご利用ください。

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準詐欺罪とは?

準詐欺罪とは、知慮浅薄な未成年者や心神耗弱者に対し、人を欺く行為(欺罔行為)に至らない誘惑的行為によって、お金などの財物を交付させた、または財産上不法の利益を得た場合に処罰対象となる犯罪で、刑法248条に規定されています。

本来、詐欺罪(刑法246条)は、欺罔行為を処罰対象とする犯罪ですが、準詐欺罪が保護する知慮浅薄な未成年者や心神耗弱者は、欺罔行為に至らない行為であっても騙される可能性があることから、そのような行為も処罰することとしたのがこの準詐欺罪です。詐欺罪の成立要件や欺罔行為の意味については「詐欺罪とは?成立要件・欺罔行為の意味・罰則・詐欺の種類を解説」をご覧ください。

準詐欺罪の犯人が未成年者からお金を騙し取るつもりで未成年者に働きかけたところ、未成年者が親に相談し、お金を騙し取られずに済んだ場合のように、準詐欺罪は未遂も処罰対象としています(刑法250条)。

準詐欺罪の罰則は詐欺罪と同じく「10年以下の拘禁刑」です。「準」がついているからといって、詐欺罪より罰則や量刑が低くなるわけではありません。

※拘禁刑とは、2025年6月1日に施行された改正刑法により、従来の懲役刑と禁錮刑が一本化された刑罰です。

成立要件

準詐欺罪の成立要件は次のとおりです。

①未成年者の知慮浅薄 ②人の心神耗弱

まず、準詐欺罪の保護の対象(被害者)は未成年者の知慮浅薄(①)または人の心神耗弱(②)のいずれかです。

未成年者とは18歳未満の者をいいます。20歳未満の者ではない点に注意が必要です。知慮浅薄とは、18歳未満の者で知識に乏しく、思慮が不完全であることを指します。

心神耗弱とは、精神の健全性を欠き、物事の判断をするのに十分な普通人の知能を備えていない状態をいいます。

③「①」又は「②」に乗じること

次に、未成年者の知慮浅薄または人の心神耗弱に乗じることが必要です。

乗じるとは、誘惑にかかりやすい状態につけ込むこと、ないしその状態を利用することです。たとえば、親から子どもが500万円の預貯金を相続したと聞きつけた親の兄弟(おじ、おば)が、その子どもを言葉巧みに誘惑して500万円を自分名義の銀行口座に振り込ませるような行為が典型例です。

相手が知慮浅薄な未成年者または心神耗弱者であっても、これらの者に対して欺罔行為を働いて財物を取得し、または財産上不法の利益を得た場合は準詐欺罪ではなく詐欺罪が成立します。

④「③」により財物を交付させ、又は財産上不法の利益を得ること

最後に、未成年者の知慮浅薄または人の心神耗弱に乗じて財物を交付させたこと、または財産上不法の利益を取得したことが必要です。

財物の交付または財産上不法の利益の取得は相手の財産的処分行為(※)に基づいてなされたものである必要がありますが、犯人から積極的に誘惑する必要はなく、被害者が任意に財産的処分行為をしているのに任せておく場合でも準詐欺罪が成立すると考えられています。

なお、まったく意思能力を欠く幼児、精神障害者には財産的処分行為をする能力がないため、これらの者の状態を利用して財物を取得した場合は準詐欺罪ではなく窃盗罪(刑法235条)が成立します。

※お金を直接やり取りする事案では、自分の意思で相手にお金を渡す行為が財産的処分行為にあたります。

時効

準詐欺罪の公訴時効は、犯罪行為が終わった時から7年で完成します。

準詐欺の罪を犯した場合の対応方法

自首する

自首とは、犯罪を犯した者が、犯罪事実がまだ捜査機関に発覚していないか、犯罪事実は発覚しているが犯人が誰であるか特定されていない段階で、自発的に捜査機関に出頭して犯罪事実を申告し、処分を受け入れる意思を示す行為を指します。自首に関する規定(刑法42条1項)には、「その刑を減軽することができる」と明記されており、逮捕を回避する直接的な効果はありません。

ただし、自首は自ら準詐欺の罪を認めることになるため、逃亡や罪証隠滅のおそれがないことを自ら証明できます。これにより、捜査機関から有利な要素として考慮してもらえ、逮捕を免れる可能性もあります。

もっとも、自首は自身の犯罪事実を捜査機関に明かす行為であり、もしかしたら放置しておけば事件化を免れるかもしれない場合でも、自分自身で刑事事件化することになります。そのため、自首すべきかどうかは自己判断せずに、事前に弁護士に相談する必要があります。

また、一人で自首すると、逮捕や取調べへの不安は払拭できませんが、弁護士に自首の同行を依頼すれば、逮捕回避の対策を講じた上で自首に臨めますし、取調べ中は弁護士が取調室の外で待機し、取調べが終わるまでサポートしてくれます。弁護士同行のメリットや費用については「自首に弁護士が同行するメリットと費用|弁護士なしでも大丈夫?」をご覧ください。逮捕されない限り、いつでも取調室から退出することが可能であり、不安があればいつでも弁護士に相談できます。

示談を成立させる

被害者が警察に被害届を出す前に示談が成立すれば、捜査機関に犯罪事実が報告されず、逮捕回避につながります。既に被害届が提出されている場合でも、示談交渉により被害届の取り下げを依頼すれば、逮捕回避の見込みが高まります。

逮捕された場合でも、示談成立は有利な要素となり、不起訴処分につながる可能性があります。不起訴となれば実質的に無罪とみなされ、前科もつきません。逮捕後に予想される手続きの流れや量刑の傾向については「詐欺罪の逮捕後の流れ|懲役実刑になる?初犯なら執行猶予?」で詳しく解説しています。

しかしながら、詐欺被害者は加害者に対して好意的な態度をとらない場合もあり、示談交渉が困難となることもあります。また、感情的な反応によって示談の進展が難航することも考えられます。

この点、弁護士であれば示談交渉に応じても良いという被害者も多く、弁護士は被害者の感情に敏感に対応し、自身の経験に基づいて冷静かつ的確に示談交渉を進めることができます。さらに、詐欺の示談金相場に精通しているため、被害者から要求される高額な示談金にも適切に対応し、公正な金額で示談を成立させることができます。

準詐欺罪で逮捕のおそれがある方は弁護士にご相談ください

準詐欺罪は「準」とついていても詐欺罪と同じ10年以下の拘禁刑が科される重い犯罪です。しかし、被害届が出される前に示談を成立させることで逮捕を回避できる可能性があり、逮捕後であっても示談が成立すれば不起訴処分を獲得できる可能性が残されています。

こうした有利な結果を得るためには、被害者との示談交渉を適切に進められる弁護士のサポートが不可欠です。被害者は加害者本人との直接交渉を拒否することも多く、弁護士が間に入ることで初めて交渉の道が開けるケースも少なくありません。

「被害届を出されるかもしれない」「警察から連絡が来ている」「家族が準詐欺罪で逮捕された」など、状況が刻一刻と変わる中で、精神的にも大きな不安を感じていらっしゃることと思います。

当事務所は準詐欺罪をはじめとする詐欺事件の示談交渉に豊富な実績があり、逮捕の回避や不起訴の獲得を数多く実現してまいりました。全国どこからでも24時間無料でご相談いただけますので、おひとりで抱え込まず、まずは弁護士にご相談ください。

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この記事の監修者

若井亮 弁護士

若井 亮

代表弁護士

弁護士法人若井綜合法律事務所
東京弁護士会所属(登録番号:47827)

弁護士紹介ページ

刑事事件の弁護に注力する法律事務所の代表弁護士。逮捕回避・早期釈放・不起訴獲得・示談交渉など、被疑者・被告人の権利を守るための迅速な弁護活動に豊富な実績を持つ。痴漢・盗撮・暴行傷害・薬物事件・性犯罪など幅広い刑事事件に対応し、24時間体制で依頼者とそのご家族を全力でサポートしている。

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メディア掲載 フジテレビ「とくダネ」/ ダイヤモンド・オンライン / @DIME / サイゾー 他多数
講演実績 「不当要求対応の基礎」「犯罪組織によるマネー・ロンダリングと投資詐欺への法的処置」等
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