
学校への無断侵入は、校舎に入った場合はもちろん、フェンスで囲われた校庭やグラウンドに立ち入っただけでも建造物侵入罪に問われる可能性があります。深夜や休日の侵入、卒業生による侵入であっても同様です。
「肝試しのつもりで校舎に入った」「懐かしくなって母校に立ち寄った」「休日に校庭でキャッチボールをした」といった行為でも、学校側が被害届を出せば逮捕される可能性があります。近年は不審者対策として学校のセキュリティが強化されており、防犯カメラの映像から後日逮捕されるケースも珍しくありません。
この記事では、学校への不法侵入がどのような場合に犯罪となるのか、刑事事件に強い弁護士が解説します。
なお、学校への侵入について早急に対応したいとお考えの方は、この記事をお読みいただいた後、全国どこからでもご利用いただける当事務所の無料相談をお気軽にご利用ください。
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学校に勝手に立ち入ると不法侵入になる?
校舎に入ると不法侵入?グラウンドの場合は?
学校への立ち入りが不法侵入にあたるかどうかは、学校への立ち入りが刑法上の建造物侵入罪(刑法第130条前段)にあたるかどうかによります。
刑法130条には、「正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し」た場合には、住居等侵入罪が成立すると規定しています。住居等侵入罪になると、3年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金が科されることになります。
※拘禁刑とは、2025年6月1日に施行された改正刑法により、従来の懲役刑と禁錮刑が一本化された刑罰のことです。
ここで、「住居」とは、人の日常生活に利用される場所を指し、「邸宅」とは居住用の建造物で住居以外のものを指します(空き家・別荘・付属地・敷地を含みます)。
そして「建造物」とは、住居でも邸宅でもない建物を指します。
このような理解から、学校の校舎については建造物に該当するため、正当な理由なく立ち入れば建造物侵入罪が成立します。
それでは、学校のグラウンドや校庭に立ち入った場合はどうでしょうか。
日常用語では、校庭や建物を囲んでいる土地(このような土地を「囲繞地(いにょうち)」といいます)は、建造物とは言わないでしょう。
しかし結論として、フェンスやブロック塀などで周囲が囲われている学校の校庭やグラウンドは、建造物に該当するとされており、同様に建造物侵入罪が成立します。
この点に関して、東京高等裁判所は「その建物の付属地として門塀を設けるなどして外部との交通を制限し、外来者がみだりに出入りすることを禁止している場所に故なく侵入すれば建造物侵入罪が成立すると解され、右のような囲繞地であるためには、その土地が、建物に接してその周辺に存在し、かつ、管理者が外部との境界に門塀等の囲障を設置することにより、建物の付属地として、建物利用のために供されるものであることがしめされれば」建造物にあたると判断しています(東京高等裁判所平成5年7月7日判決)。
建造物侵入罪の構成要件や「正当な理由」の判断基準については「住居侵入罪の構成要件と正当な理由|建造物侵入罪との違いは?」で詳しく解説しています。
卒業生が懐かしくなって立ち入った場合は不法侵入にならない?
卒業生が懐かしくなって通っていた学校に立ち入った場合にも、建造物侵入罪に該当します。卒業生であることをもって侵入行為が正当化されることはないからです。
これについては近年実際に逮捕された事例があるため、注意が必要です。
この事案では、当時大学3年生の男性が、学用品の販売会に訪れる保護者らのために開放されていた小学校の正門から侵入し、校舎の教室前をうろついていたところ、不審に思った児童の保護者が教諭に連絡したために発覚したというものです。
この大学生は、「懐かしくなって入った」と供述していますが、県警は建造物侵入の疑いでこの男性を逮捕しています。
深夜や学校の休日に立ち入る行為は不法侵入にならない?
深夜や休日に学校内に立ち入る行為も建造物侵入罪に該当します。
建造物侵入罪が保護しようとしている法的な利益は、「管理権者が当該建造物をその意思に基づいて自由に管理支配できる」ということです。
学校の管理者は、誰に立ち入りを許可するのか、または許可しないのかについて自由に決定することができます。そのため深夜や休日に立ち入ったとしても、管理権者の意思に反した立ち入りに該当することは明らかですので、建造物侵入罪が成立することになります。
学校に不法侵入してしまいお困りの方へ
学校への無断侵入は、校舎内に入った場合だけでなく、フェンスで囲われた校庭やグラウンドに立ち入った場合も建造物侵入罪に該当する可能性があります。深夜・休日の侵入や、卒業生であることを理由に正当化されることもありません。
近年は学校のセキュリティが強化されており、被害届が出されれば防犯カメラの映像などから後日逮捕されるケースも増えています。「悪気はなかった」「軽い気持ちだった」という理由は通用しません。
ただし、早い段階で弁護士に依頼し、学校側との示談交渉を進めることで、逮捕の回避や不起訴処分を獲得できる可能性があります。住居侵入・建造物侵入事件における弁護士依頼のメリットや費用については「不法侵入(住居侵入・建造物侵入罪)に強い弁護士|費用相場も解説」をご参照ください。
「学校に侵入してしまった」「警察から連絡が来て不安」「家族が逮捕された」という方は、できるだけ早く弁護士にご相談ください。当事務所は刑事事件に注力しており、不法侵入事件の逮捕回避・不起訴獲得の実績があります。全国対応・24時間受付で無料相談を実施しておりますので、お気軽にお問い合わせください。
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この記事の監修者
刑事事件の弁護に注力する法律事務所の代表弁護士。逮捕回避・早期釈放・不起訴獲得・示談交渉など、被疑者・被告人の権利を守るための迅速な弁護活動に豊富な実績を持つ。痴漢・盗撮・暴行傷害・薬物事件・性犯罪など幅広い刑事事件に対応し、24時間体制で依頼者とそのご家族を全力でサポートしている。

