
「眺めが良さそうだから」「花火大会を見たいから」「友達と話したいから」。こうした理由でマンションの屋上に上がろうと考える方もいるかもしれません。しかし、正当な理由なくマンションの屋上に上がると、建造物侵入罪に問われる可能性があります。たとえ自分が住んでいるマンションであっても、管理者の意思に反する立ち入りは不法侵入にあたりえます。
この記事では、刑事事件に強い弁護士が、マンションの屋上への立ち入りがどのような場合に不法侵入となるのか、以下の3つのケースに分けて解説します。
- ①自分が住んでいないマンションの屋上へ上がる場合
- ②自分が住んでいるマンションの屋上へ上がる場合
- ③マンションの住人の許可を得て屋上へ上がる場合
なお、マンションの屋上への不法侵入で警察から連絡が来ている方、すでに逮捕されてしまった方のご家族は、この記事をお読みいただいた後、当事務所の無料相談をご利用ください。全国どこからでもご相談いただけます。
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マンションの屋上にあがると不法侵入?ケース別で解説
マンションの屋上に上がることが不法侵入にあたるかどうかは、その行為が刑法上の建造物侵入罪(刑法第130条前段)にあたるかどうかによります。
建造物侵入罪とは、正当な理由がないのに建造物に侵入することです。罰則は「3年以下の拘禁刑又は10万円以下の罰金」です。
※拘禁刑とは、2025年6月1日に施行された改正刑法により、従来の懲役刑と禁錮刑が一本化された刑罰のことです。
マンションの屋上は、マンションという「建造物」に付属したもの、つまり、マンションの一部と考えることができます。他人の家の庭は、他人の家という「住居」に付属し、住居の一部として考えることができますから、住人の許可なく庭に立ち入る行為は住居侵入罪に問われることと同じように考えるとわかりやすいのではないかと思います。
「侵入」とは、建造物の看守者の意思に反する立ち入りをいいます。看板などが設置されて立ち入りが明示的に禁止されている建造物に立ち入った場合はもちろん、明示的に禁止されていなくても社会常識的に看守者の意思に反するだろうと思われる立ち入りも「侵入」にあたる可能性があります。
「正当な理由がない」とは、立ち入りの目的や態様等に照らして社会常識に反しているということです。仮に、正当な理由があると認められる場合には不法侵入にはあたりません。
以下、ケース別に不法侵入に問われるかどうかみていきましょう。不法侵入や建造物侵入罪の成立要件についてより詳しく知りたい方は「住居侵入罪の構成要件と正当な理由|建造物侵入罪との違いは?」もあわせてご覧ください。
自分が住んでいないマンションの場合は?
まず、自分が住んでいないマンションの屋上への立ち入りは不法侵入に問われる可能性があります。
例えば、マンションの屋上にあるライフラインの設備(貯水槽や給水設備等)を修理する目的で修理業者が立ち入ったのであれば、管理者の承諾または推定的承諾がありますので不法侵入にはあたりません。
他方で、眺望が良いから、開放的な気分で友達とまったりしたいから、などの理由で住人でもない者がマンションの屋上に侵入することは管理者の意思に反していることは明確ですので不法侵入の罪に問われる可能性があります。
2023年5月には、静岡県浜松市のマンションの屋上に正当な理由なく侵入した男二人が付近の住民からの通報で現行犯逮捕される事件が発生しています。不法侵入で逮捕された場合の流れについては「不法侵入はどこから?住居侵入罪になる分かれ目と逮捕後の流れを解説」をご参照ください。
自分が住んでいるマンションの場合は?
次に、自分が住んでいるマンションでも、マンションの管理者(規約等で定められている)が立ち入りを明確に禁止している場合のほか、明確に禁止していなくても周囲の状況等からして禁止するであろうと認められる屋上に立ち入った場合には不法侵入に問われる可能性があります。
マンションの屋上に住人が自由に出入りできるとすると、小さな子供の転落事故の危険もありますし、ライフラインの設備の破損や事故等のリスクもあります。また、住人とはいえ、ロープを使って他の住人のベランダから部屋に侵入して窃盗等の犯罪を行わないとも限りません。
そのため、マンションの屋上スペースを住人に開放している物件でない限りは、住民の屋上への侵入は禁止されていると考えた方が良いかもしれません。
マンションの住人の許可を得た場合は?
では、マンションの住人から許可を得た場合はどうでしょうか。不法侵入が成立するかどうかは、マンションの管理者の意思に反するか否かにかかっています。許可を得た住人がマンションの管理人だった場合には、管理人の意思に反しない立ち入りだとして不法侵入には問われませんが、管理人でない場合には意思に反する立ち入りだとして不法侵入に問われる可能性があります。
マンションの屋上への不法侵入でお悩みの方へ
マンションの屋上への立ち入りは、たとえ犯罪目的がなくても、正当な理由なく管理者の意思に反して侵入すれば建造物侵入罪に問われる可能性があります。自分が住んでいるマンションでも、住人の許可を得た場合でも、管理者の意思に反する立ち入りであれば不法侵入にあたりえます。
マンションの屋上への不法侵入で逮捕されるケースの多くは、窃盗・強盗・盗撮・ストーカーなど他の犯罪目的を伴っています。このような場合、建造物侵入罪に加えて目的となった犯罪でも処罰される可能性があり、事態は深刻です。
警察から連絡が来ている方、すでに逮捕されてしまった方のご家族は、できるだけ早く弁護士にご相談ください。早期に弁護士が介入することで、示談交渉による不起訴処分の獲得や、身柄拘束からの早期釈放が期待できます。弁護士に依頼するメリットや費用については「住居侵入を弁護士に依頼するメリットと弁護士費用・示談金相場」で詳しく解説しています。
当事務所は刑事事件に注力しており、不法侵入事件の弁護実績も豊富です。全国どこからでも無料でご相談いただけますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
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この記事の監修者
刑事事件の弁護に注力する法律事務所の代表弁護士。逮捕回避・早期釈放・不起訴獲得・示談交渉など、被疑者・被告人の権利を守るための迅速な弁護活動に豊富な実績を持つ。痴漢・盗撮・暴行傷害・薬物事件・性犯罪など幅広い刑事事件に対応し、24時間体制で依頼者とそのご家族を全力でサポートしている。

