不法侵入は現行犯以外は逮捕されない?証拠がない場合は?

「不法侵入は現行犯じゃないと逮捕されないのでは?」「その場で見つからなければ大丈夫だろう…」とお考えの方もいるかもしれません。

しかし、不法侵入(住居侵入罪・建造物侵入罪)は現行犯以外でも逮捕される犯罪であり、後日逮捕される例は決して少なくありません。近年は防犯カメラの普及により、犯人が気づかないうちに証拠が残っているケースも増えています。住居侵入罪の検挙率は約51%と刑法犯全体の平均(約38%)を大きく上回っており(令和6年版犯罪白書)、「その場で逃げられたから安心」とは言えない状況です。

この記事では、刑事事件に強い弁護士が、不法侵入で後日逮捕される可能性や証拠の種類、逮捕までの流れ、そして逮捕を回避するための対応について詳しく解説します。

  • 不法侵入は現行犯以外でも逮捕されるのか
  • 後日逮捕の決め手となる証拠とは
  • 後日逮捕されるまでの流れと時効
  • 逮捕を回避するためにとるべき対応

なお、不法侵入について早急に弁護士に相談したいとお考えの方は、この記事をお読みいただいた後、全国対応・24時間受付の当事務所の無料相談をお気軽にご利用ください。

気軽に弁護士に相談しましょう
  • 全国どこからでも24時間年中無休でメール・電話・LINEでの相談ができます。
  • 逮捕回避・早期釈放・不起訴・執行猶予の獲得を得意としております。
  • 親身誠実に、全力で弁護士が依頼者を守ります。

不法侵入は現行犯以外でも逮捕される

そもそも不法侵入とは?

不法侵入とは、他人が管理する建物や他人が住む家などに無断で立ち入る行為をいい、建物に立ち入った場合には建造物侵入罪、家に立ち入った場合には住居侵入罪に問われる可能性があります。いずれも罰則は「3年以下の拘禁刑又は10万円以下の罰金」ですが、盗み目的で他人の建物や家に立ち入るケースも多く、その場合には窃盗罪の罰則(10年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金)で処罰されます。

※拘禁刑とは、2025年6月1日に施行された改正刑法により、従来の懲役刑と禁錮刑が一本化された刑罰のことです。

不法侵入(住居侵入・建造物侵入)につき詳しく知りたい方は「不法侵入はどこから?住居侵入罪になる分かれ目と逮捕後の流れを解説」もあわせてご覧ください。

不法侵入は通常逮捕も緊急逮捕も可能

犯人はもちろん不法侵入が見つからないように他人の建物や家に立ち入るわけですが、仮に見つからなかったからといって安心はできません。それは、不法侵入したことが、あとで建物の管理者や家の住人に見つかり、警察から警察署に出頭するよう呼び出しを受けたり、最悪の場合逮捕される可能性もあるからです。通常逮捕、あるいは緊急逮捕の要件を満たしていれば、建造物侵入罪や住居侵入罪だけでも後日逮捕される可能性は十分にあるといえます。逮捕の種類については「逮捕の種類は3パターン!通常逮捕・現行犯逮捕・緊急逮捕の違いとは」で詳しく解説しています。

証拠がないと後日逮捕されない?

後日逮捕の要件として「被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」が必要とされていますので、不法侵入の証拠が一切なければ後日逮捕されることはないでしょう。

もっとも、犯人が「証拠がない」と思い込んでいるだけで、実際は現場に証拠を残してしまっていることも少なくありません。後日逮捕の決め手となる証拠としては以下のものが挙げられます。

  • 防犯カメラの映像
  • 目撃者の証言
  • 遺留物(財布、スマホ、名刺、指紋、DNA、足跡など)

特に、近年は防犯意識の高まりからか、建物のほか家にも防犯カメラを設置する人が増えています。過去、何度も不法侵入して成功したとしても、防犯カメラを複数台設置され、逮捕される犯人は多くいます。一度不法侵入に成功したからといって、今後また成功するとは限りません。

また、街中のあちこちにも防犯カメラが設置されるようになっています。1つの防犯カメラだけで不法侵入犯人と特定できる映像がなかったとしても、複数台の防犯カメラ映像を精査することで不法侵入の犯人と特定されてしまう可能性もあります。

さらに、不法侵入をして窃盗を働いた場合、窃取したものを質入れしたりリサイクルショップやブランド品買取店に売ることで逮捕に至ることもあります。

質屋は、質入れされた物を原則として最低3ヶ月は保管する義務を負います(質屋営業法第16条2項)。その3ヶ月の間に組合や警察から盗難被害品のFAXが送られてきますので、被害者が被害届を出していれば質入れした盗品が証拠となって後日逮捕に至ることもあります。同様に、リサイクルショップやブランド品買取店にも盗難被害品のリストが警察からFAXされてきますので、そこから足がつくこともあります。

後日逮捕された事例

ここで不法侵入で後日逮捕された事例を紹介します。

不法侵入から2週間後に逮捕

この事件は、のぞき目的で他人の庭に立ち入った男性が不法侵入で後日逮捕された事件です。被害者が庭に設置した防犯カメラに犯人の犯行が映像に映っており、警察に通報したことから事件が発覚したようです。この防犯カメラは動体検知機能(動くものを感知して自動で撮影してくれる機能)がついており、さらにカメラと連動させているスマホにその撮影映像を転送してくれる機能までついていました。

最近ではこのようなネット回線と連動させたハイテクな防犯カメラが市販されているため、被害者が防犯カメラ映像のチェックをし忘れて犯行が発覚しないといったケースも減少してくるものと考えられます。

50台の防犯カメラで逮捕

この事件は、20代被害女性の自宅に立ち入り、現金などを奪った上、被害女性に性的暴行を加えたという住居侵入、強盗・強制性交等罪の事件。警察が被害女性宅付近の防犯カメラを精査していたところ、被害女性の目撃証言と似た人物が防犯カメラに映っていることを確認。警察はこの人物を映す約50台の防犯カメラの映像をリレー方式でたどり住所を特定。他の捜査ともあわせて容疑が固まったことから逮捕に至ったということです。

不法侵入で後日逮捕されるとしたらいつまで?

捜査機関による逮捕の多くは被害者からの被害の申告を端緒とします。この被害申告に期限はありませんが、犯罪の公訴時効が被害申告の目安と考えておいていいでしょう。

公訴時効とは、一定期間(時効期間)が経過して時効が完成すると検察官が事件を起訴して犯人を刑事裁判にかけることができなくなる法制度のことです。そもそも逮捕は犯人を刑事裁判にかけるためのものでもありますから、時効が完成した後は被害申告が受け付けられず逮捕もされないことになります。

時効期間は犯罪ごとに異なり、建造物侵入罪・住居侵入罪の時効期間は3年ですが、窃盗罪もあわせて問われた場合は7年、強盗致傷罪もあわせて問われた場合は15年となります。なお、殺人罪など死刑が設けられている罪には時効期間は設けられていません。時効について詳しくは「住居侵入罪・建造物侵入罪の公訴時効は3年。民事の時効も3年」をご参照ください。

不法侵入で後日逮捕されるまでの流れ

不法侵入で後日逮捕(通常逮捕)されるまでの流れは次のとおりです。

  1. 被害申告
  2. 警察による捜査
  3. 出頭要請
  4. 逮捕状発布
  5. 逮捕

①被害申告

先ほども述べたとおり、まずは被害者から警察への被害申告が出発点となります。

具体的には被害者が警察官へ被害申告し、警察官が事件性があると認めたときは被害届を代書して被害者に被害届を提出してもらいます。

②警察による捜査

警察官が被害届を受け付けた後は、防犯カメラの精査をはじめ、被害者や目撃者、事件関係者から話を聴いたり、現場で犯人の特定につながる物がないかどうかを探すなどして、犯人の特定に向けた捜査を進めます。

③出頭要請

警察が捜査を進める中で「事件の犯人かもしれない」と目星をつけられると、警察署へ出頭するよう要請をかけられることがあります。出頭するかしないかは自由ですが、不出頭を繰り返すと逮捕のリスクを高めることにつながってしまいます。出頭要請への対応については「出頭命令(出頭要請)とは?警察からの命令を無視したら逮捕される?」もご覧ください。

④逮捕状発布

警察の捜査が終盤に差しかかり、警察が犯人だと心証を抱いた段階で、裁判官に対して逮捕状の発布を請求します。請求してからはやくてその日、遅くても1日で逮捕状が発布されます。逮捕状の有効期限は通常7日間です。

⑤逮捕

警察官が逮捕状を得た後は逮捕に着手します。警察官がいきなり自宅にやってきて逮捕状を示され逮捕されることもあれば、出頭要請を受け、出頭したところで逮捕されることもあります。どのようなパターンで逮捕されるかはケースにより異なります。

不法侵入で後日逮捕された後の流れ

不法侵入の容疑で逮捕された後は、以下の流れで手続きが進んでいきます。

  1. 警察官の弁解録取を受ける
  2. 逮捕から48時間以内に検察官に事件と身柄を送致される(送検)
  3. 検察官の弁解録取を受ける
  4. ②から24時間以内に検察官が裁判官に対し勾留請求する
  5. 裁判官の勾留質問を受ける→勾留請求が却下されたら釈放される
  6. 裁判官が検察官の勾留請求を許可する→10日間の身柄拘束(勾留)が決まる(勾留決定)→やむを得ない事由がある場合は、最大10日間延長される
  7. 原則、勾留期間内に起訴、不起訴が決まる
  8. 正式起訴されると2か月間勾留される→その後、理由がある場合のみ1か月ごとに更新→保釈が許可されれば釈放される
  9. 勾留期間中に刑事裁判を受ける

不法侵入で逮捕されてから最大3日間(48時間+24時間)は弁護士以外の者との連絡はとれません。そのため、会社勤めされている方や学校に通われている方は、弁護士を介して家族から会社や学校に休みの連絡を入れるようお願いしましょう。また、逮捕に引き続き勾留が決定すると、刑事処分(起訴・不起訴)が決まるまで最大20日間身柄拘束されます。

不法侵入で後日逮捕が不安な方がとるべき対応

不法侵入で後日逮捕されないか不安な場合にとるべき対応について解説します。

①被害者と示談交渉する

まず、被害者と示談交渉することです。

示談交渉して示談を成立させることができれば、被害者から警察へ被害申告されることを防ぐことができます。示談金の支払いを条件に、被害者に警察に被害申告しないことに合意してもらえるからです。被害者から警察に被害申告されなければ、警察が不法侵入の件を知ることはなく、逮捕を回避することができます。

もっとも、被害者との示談交渉は弁護士に任せるのが賢明です。仮に直接交渉できる状況でも、むやみに被害者と接触すれば、警察に通報されてしまうおそれがありますし、被害者が示談交渉のテーブルについてくれる可能性も低いです。一方、弁護士であれば交渉に応じてもよいという被害者も多く、スムーズに条件をまとめることができます。示談の具体的なメリットや流れについては「刑事事件で示談するメリットは?示談金相場と流れを徹底解説」で解説しています。

②自首する

次に、自首することです。

そもそも逮捕されるのは捜査機関に逃亡のおそれや罪証隠滅のおそれがあると判断されるためです。しかし、捜査機関に自ら出頭するということは、逃亡とは真逆のことを行っているわけですから逃亡のおそれがないと判断されやすくなります。また、捜査機関に出頭後、自分が行った不法侵入(及び窃盗や覗きなど)行為のことをすべて正直に申告(自白)すれば、罪証隠滅のおそれがないと判断されやすくもなります。

もっとも、ただ単に自首すればいいという話ではありません。自首した結果、逮捕される可能性もないとはいえません。

この点、弁護士に依頼すれば、逮捕回避に向けた対策をとった上で自首しますし、取調べ中も取調べが終わるまで取調室の外で待機します。逮捕されない限り、いつでも取調室から退出することができますから、何か不安を感じたときはいつでも弁護士に相談することができます。出頭と自首の違いについては「出頭とは?自首との4つの違いを解説」をご参照ください。

不法侵入で後日逮捕が不安な方は弁護士にご相談ください

不法侵入は現行犯以外でも逮捕される犯罪です。防犯カメラの普及や捜査技術の向上により、「その場で見つからなかったから大丈夫」とは言えない時代になっています。時効期間(住居侵入罪は3年、窃盗を伴う場合は7年)が経過するまで、後日逮捕のリスクは消えません。

逮捕を回避するためには、被害者との示談交渉や自首を検討することが重要です。いずれも弁護士のサポートを受けることで、逮捕回避の可能性を高めることができます。

「いつ警察が来るかわからない」という不安を抱えながら日々を過ごすのは、精神的にも大きな負担です。すでに警察から連絡を受けている方、防犯カメラに映っていたかもしれないと心当たりのある方は、できるだけ早く弁護士に相談することをおすすめします。

当事務所は刑事事件を専門に扱っており、示談交渉や自首同行など、逮捕回避に向けた弁護活動で多くの実績があります。万が一逮捕された場合でも、早期釈放・不起訴獲得に向けて全力でサポートいたします。弁護士費用や示談金の相場については「住居侵入を弁護士に依頼するメリットと弁護士費用・示談金相場」をご参照ください。全国対応・24時間受付の無料相談をぜひご利用ください。

気軽に弁護士に相談しましょう
  • 全国どこからでも24時間年中無休でメール・電話・LINEでの相談ができます。
  • 逮捕回避・早期釈放・不起訴・執行猶予の獲得を得意としております。
  • 親身誠実に、全力で弁護士が依頼者を守ります。

この記事の監修者

若井亮 弁護士

若井 亮

代表弁護士

弁護士法人若井綜合法律事務所
東京弁護士会所属(登録番号:47827)

弁護士紹介ページ

刑事事件の弁護に注力する法律事務所の代表弁護士。逮捕回避・早期釈放・不起訴獲得・示談交渉など、被疑者・被告人の権利を守るための迅速な弁護活動に豊富な実績を持つ。痴漢・盗撮・暴行傷害・薬物事件・性犯罪など幅広い刑事事件に対応し、24時間体制で依頼者とそのご家族を全力でサポートしている。

逮捕回避・早期釈放 不起訴獲得 示談交渉 痴漢・盗撮 性犯罪 暴行・傷害
メディア掲載 フジテレビ「とくダネ」/ ダイヤモンド・オンライン / @DIME / サイゾー 他多数
講演実績 「不当要求対応の基礎」「犯罪組織によるマネー・ロンダリングと投資詐欺への法的処置」等
刑事事件に強い弁護士に無料で相談しましょう

全国対応で24時間、弁護士による刑事事件の無料相談を受け付けております。

弁護士と話したことがないので緊張する…相談だけだと申し訳ない…とお考えの方は心配不要です。当法律事務所では、ご相談=ご依頼とは考えておりません。弁護士に刑事事件の解決方法だけでもまずは聞いてみてはいかがでしょうか。

逮捕の回避・早期釈放・不起訴・示談を希望される方は、刑事事件に強い当法律事務所にメール・お電話・LINEでご連絡ください。