
接見禁止がついて、家族や恋人と会えなくなった。そんな知らせを受け、「いつまで続くのか」「会わせてあげられないのか」と途方に暮れていらっしゃる方は少なくありません。
弁護人が裁判所へ一部解除の申立てを行い認められれば、ご家族や恋人など特定の方に限って面会や手紙のやり取りができる可能性があります。土日祝日や連休を挟まなければ、申立てから2〜3日程度で結論が出るのが一般的です。
この記事では、接見禁止に強い弁護士が、次の点について解説します。
- 一部解除で家族や恋人と会える仕組み
- 申立て方法と申立書に必要な書類
- 解除までの流れと何日かかるか
- 認められやすいケースと事件種別による傾向
なお、ご家族や恋人と一刻も早く面会したい方は、この記事をお読みいただいた後、全国どこからでもご利用いただける当事務所の無料相談へお早めにご連絡ください。早期対応が結果を左右します。
| 気軽に弁護士に相談しましょう |
|
接見禁止一部解除とは家族や恋人と会えるようにする手続き
接見禁止一部解除とは、裁判所が決定した接見禁止について、特定の方との接見(面会)や手紙のやり取りに限って禁止を解く処分です。家族や恋人など事件と無関係な方を対象に、ホワイトリストとして加えてもらうイメージに近い手続きといえます。
そもそも接見禁止は、勾留された被疑者・被告人に逃亡や罪証隠滅のおそれがあると判断された場合に、弁護人以外の方との接見を禁止する処分です。本来、勾留中の被疑者・被告人にも家族らと面会できる権利(接見交通権)が保障されていますが(刑事訴訟法80条)、これを例外的に制限するのが刑事訴訟法81条に基づく接見禁止で、手紙のやり取りも併せて禁止される場合は接見等禁止と呼ばれます。
一部解除が認められると、裁判所が決定書に記載した方に限って、接見や手紙のやり取りが可能になります。対象者を絞ることで裁判所も柔軟に判断しやすく、実務上は接見禁止全体を解く「全部解除」よりも一部解除のほうが活用される機会の多い手続きです。
なお、接見禁止には①接見(面会)の禁止と②手紙など書類の授受の禁止の2つがあり、通常は両方が同時に課されます。一部解除でも2つを同時に求めるのが一般的ですが、実務上、接見の禁止は解除されやすい一方、手紙の禁止は解除されにくい傾向があります。手紙は留置施設の職員が内容を確認するものの、誰が書いたものかまでは特定が難しく、広く解除を認めると事実上接見禁止を骨抜きにすることになりかねない、というのが裁判所側の懸念です。接見禁止そのものの仕組みは「接見禁止とは?逮捕後に面会が禁止される理由と対処法を解説」もあわせてご参照ください。
接見禁止一部解除は弁護人以外でも申立てができる
接見禁止一部解除の申立てに法律上の規定はなく、申立人に制限はありません。配偶者や親兄弟といった家族はもちろん、内縁関係にある方、恋人、上司などでも申立てができます。
もっとも、申立書の作成や検察官との交渉、裁判官への補足説明などには専門的な対応が必要です。実際には弁護人(私選弁護人または国選弁護人)が申立てを行うのが一般的なため、ご家族や恋人と早く会わせたい場合は、まず担当弁護人にその希望を伝えてください。
接見禁止を解除する3つの方法
接見禁止を解除する方法としては、以下の3つが代表的です。
- 接見禁止決定に対する準抗告(抗告)
- 接見禁止一部解除の申立て
- 裁判所への職権発動の促し
①準抗告(第1回公判前)と抗告(第1回公判後)は、接見禁止決定そのものが違法・不当であるとして取消しを求める法律上の手続きです。認められれば接見禁止が全部または一部取り消されますが、実務では認容率は低めです。
②接見禁止一部解除の申立ては、接見禁止という枠組みを維持しつつ、特定の方との接見や手紙のやり取りだけを認めてもらう手続きです。法律に明文の規定はないため、却下された場合に不服申立てができないという弱点はあるものの、裁判所の職権発動を促す方法として実務上広く活用されています。
③職権発動の促しは、捜査が進展した段階で「もはや罪証隠滅のおそれはない」として裁判官に解除を働きかける方法で、②と併用されることもあります。
実務でもっとも現実的に活用されるのは②の一部解除申立てで、本記事もこの方法を中心に解説します。
接見禁止一部解除の申立て方法と必要書類
接見禁止一部解除の申立ては、勾留事件を担当している裁判所(裁判官)に対し、申立書を書面で提出して行います。電話や口頭での申立てはできません。申立書の書式に決まった様式はありませんが、解除を求める対象者の氏名、被疑者・被告人との続柄、面会や手紙のやり取りを求める具体的な事情を記載するのが基本です。
申立書のほかに、以下の書類を添付するのが一般的です。
- 解除対象者の身分証明書の写し(運転免許証、パスポート、健康保険証など。マイナンバー記載部分はマスキング)
- 監督者の上申書(面会中に事件の話が出たら直ちに中止し弁護人に報告する旨などの誓約書面)
- 被疑者・被告人の逃亡や罪証隠滅をしない旨の誓約書
- 家族の陳述書(事件に関与していないこと、面会が必要な事情、共犯者と接点がないこと等を記載)
家族の陳述書は、「面会を認めても罪証隠滅のおそれはない」と裁判官に判断してもらう鍵になる書面です。事件と無関係であること、家計の引き継ぎ・子どもの精神状態・高齢の親の体調など面会の必要性を、できるだけ具体的に記載するのが効果的です。
接見禁止一部解除の流れと何日かかるか
一部解除の申立てから決定までは、土日祝日や連休を挟まなければおおむね2〜3日程度が目安です。具体的な流れは以下のとおりです。
- 担当の弁護人に一部解除の希望を伝える
- 弁護人が裁判所へ申立書および必要書類を提出
- 裁判官が検察官に対し、一部解除に関する意見を求める
- 検察官が意見書を裁判官に提出
- 裁判官が解除の可否を判断し、決定書を作成
- 決定書が検察庁を経由して刑事施設(留置施設、拘置所)へ送付
- 刑事施設の職員から被疑者・被告人に決定書が呈示される
- 決定で指定された方との接見や手紙のやり取りが可能になる
③の検察官への意見聴取が結果を左右する場面で、検察官が「しかるべく」と回答した場合は、一部解除はほぼそのまま認められます。逆に検察官が反対の意見を出した場合は認められる可能性が下がるため、弁護人がこの段階で検察官と事前交渉し、反対される見込みの点を潰しておくことが結果に大きく影響します。
なお、被疑者段階の接見等禁止決定は「公訴提起に至るまでの間」が終期とされており(判例タイムズ1399号372頁)、起訴された段階で被疑者勾留としての接見等禁止は効力を失います。起訴のタイミング前後で状況が変わる点は押さえておきたいところです。
一部解除が認められた後は、留置施設や拘置所の運用に従って面会を進めることになります。実際の予約方法・面会できる時間帯・休日対応については「勾留(拘留)中の面会はいつからできる?休日でも可能?面会時間は?」で詳しく解説しています。
接見禁止一部解除が認められやすいケース
一部解除を認めるか否かは最終的に裁判所の判断に委ねられますが、実務上、認められやすい傾向には一定のパターンがあります。
事件と無関係な家族を対象とするケース
解除の対象を、配偶者・親・兄弟姉妹・子といった事件と無関係であり身元が確かな家族に絞ることが、認められやすさを高める最大のポイントです。一度に友人・知人・仕事関係者まで含めて申し立てると、裁判官に「証拠隠滅のルートを残すことになる」と受け止められやすく、不利に働きます。
恋人や内縁の方を対象にすることも可能ですが、事件と無関係であることや関係性が安定していることを、陳述書等で具体的に説明する必要があります。
起訴後のケース
起訴前は捜査の途中であり、罪証隠滅のおそれが類型的に高いと判断されるため、一部解除が認められない場面が多くあります。これに対し、起訴後は捜査が一段落し、罪証隠滅のおそれが減ると判断されるため、認められやすい傾向があります。公判での検察側立証が一区切りつけば、申立てがなくても接見禁止が全面的に解除される運用もあります。
容疑を認めているケース
被疑者・被告人が容疑を認めている場合、口裏合わせの動機が低いと評価されやすく、否認や黙秘のケースに比べて一部解除が通りやすくなります。否認・黙秘のケースで狙う場合は、面会させる相手が事件と無関係であることをより丁寧に説明する必要があります。
手紙先行で申し立てるケース
対面での接見をいきなり求めるのが難しい事案では、まず手紙のやり取りだけを求める申立てをしてみる選択もあります。手紙は留置施設の職員が内容を確認するため、口裏合わせのリスクが低いと判断されやすく、解除の呼び水になることがあります。
共犯者のいる事件のケース
覚醒剤等の薬物事件、特殊詐欺、SNSを介した闇バイト関連事件など、共犯者の関与が前提となる事件では、接見禁止が付きやすく一部解除のハードルも上がります。共犯者との接見を通じた罪証隠滅のおそれが類型的に高いと評価されるためです。
ただし、これらの事件でも、対象者を事件と無関係な近親者に絞り、起訴後のタイミングで申し立てれば、一部解除が認められる例は珍しくありません。
接見禁止一部解除と再逮捕
接見禁止を含む刑事手続上の処分は「人」単位ではなく「事件」単位で進められます。たとえば覚醒剤の使用罪で逮捕・勾留され、妻について接見禁止の一部解除を勝ち取った場合でも、その後余罪の所持罪で再逮捕・再勾留されて新たに接見禁止が付されたときは、その事件について改めて一部解除の申立てが必要です。
ただし、先行する事件で一部解除を勝ち取っていれば、再逮捕後の事件でも同じ方について解除を得られる可能性は相応に高くなります。裁判官によっては、再逮捕事件で接見禁止を付す段階で、前事件で解除された方をあらかじめ対象から除外する運用もみられます。
接見禁止一部解除でお困りの方はすぐにご相談ください
一部解除は、対象者の選び方や申立書の書き方、検察官との事前交渉次第で結果が大きく変わる手続きです。早ければ申立てから2〜3日でご家族や恋人と面会できる可能性があり、勾留期間が限られているからこそ、初動の早さが結果を左右します。
すでに勾留が始まっている、国選弁護人が動いてくれない、共犯事件で接見禁止が外れる見通しが立たないといった状況では、刑事事件に精通した弁護士が関与するかどうかで結果が変わります。
当事務所は刑事事件を多数取り扱ってきた実績があり、接見禁止一部解除の申立てについても豊富な経験があります。対象者の選定から陳述書の作成、検察官との交渉まで弁護士が迅速に動き、ご家族や恋人と再会できる日を一日でも早く実現するため全力を尽くします。
全国どこからでもご利用いただける無料相談を設けておりますので、まずはお気軽にご連絡ください。
| 気軽に弁護士に相談しましょう |
|
この記事の監修者
刑事事件の弁護に注力する法律事務所の代表弁護士。逮捕回避・早期釈放・不起訴獲得・示談交渉など、被疑者・被告人の権利を守るための迅速な弁護活動に豊富な実績を持つ。痴漢・盗撮・暴行傷害・薬物事件・性犯罪など幅広い刑事事件に対応し、24時間体制で依頼者とそのご家族を全力でサポートしている。

