「公然わいせつで、現行犯逮捕ではなく、後日逮捕されることはあるのだろうか…」
このようにお考えではないでしょうか。
結論から言いますと、公然わいせつで現行犯逮捕されなかった場合でも、後日逮捕される可能性があります。公然わいせつは現行犯逮捕されることが一般的ですが、常習性があると思われる事案や、性犯罪の前科・前歴があり実刑が見込まれるような事案では、警察が本腰を入れて捜査し、防犯カメラの映像などの証拠をもとに後日逮捕に踏み切るケースもあります。
この記事では、刑事事件に強い弁護士が上記内容につき詳しく解説するとともに、
- 公然わいせつで後日逮捕された後の流れ
- 公然わいせつで後日逮捕が不安な場合にすべきこと
などにつきわかりやすく解説していきます。
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目次
公然わいせつで現行犯ではなく後日逮捕されることはある?
現行犯逮捕、後日逮捕とは
現行犯逮捕とは、人の見ているところで犯行を行ったため、犯行と犯人が明らかである場合に、裁判官が発布する逮捕状なしに逮捕されることです。現行犯は後日逮捕に比べて誤認逮捕のおそれが低く、緊急に逮捕する必要が高いため、逮捕状なしに逮捕できること、警察官などの公務員以外の一般人でも逮捕できることが特徴です。
一方、後日逮捕とは、犯行から一定期間経過した後に、裁判官が発布する逮捕状に基づいて逮捕されることです。正式には通常逮捕といいますが、後日に逮捕されることから別名後日逮捕といわれることがあります。
逮捕は人の自由を奪う人権侵害行為ですから、日本国憲法では通常逮捕を原則、現行犯を例外という位置づけとしています(憲法第33条)。
公然わいせつは現行犯逮捕が一般的
公然わいせつでは、現行犯で逮捕されるケースが目立ちます。
その理由としては、公然わいせつの犯行の性質によるところが大きいです。すなわち、公然わいせつは「公然と」わいせつな行為をすること、すなわち、誰かにわいせつな行為をしている場面を見られることが犯罪の成立要件とされており、直ちに現行犯逮捕される条件が整っているといえます。
その他にも、現行犯でなければ、犯罪の立証が難しいという捜査機関(警察、検察)側の事情もあります。後日逮捕では、被害者や目撃者の証言も証拠の一つになりえますが、犯行から一定期間経過している場合、記憶の減退などから証言の信用性に疑義が生じることがあります。また、事案の性質上、防犯ビデオ映像などの客観的な証拠を得ることが難しく、公然わいせつの立証が難しいという事情があります。
公然わいせつで後日逮捕されることはある?
とはいえ、公然わいせつで後日逮捕される可能性がまったくないとはいえません。
わいせつ行為が記録された防犯カメラの映像や目撃者の証言などの証拠が決め手となって後日逮捕される可能性もあります。
その場では逮捕を免れて在宅捜査になった場合でも、
- 証拠隠滅・逃亡のおそれが高い事案
- 常習性が顕著な事案
- 性犯罪の前科・前歴をもち、実刑が見込まれる事案
では、捜査機関が本腰を入れて捜査し、後日逮捕する可能性もあります。
また、公然わいせつと一言でいっても単純な事案から社会の耳目を集める事案まで様々です。特に、後者のケースでは社会に警笛を鳴らし、同種事案が起きないよう抑止力をかける意味でも後日逮捕してまで捜査する可能性があります。
なお、公然わいせつ事件からどのくらい経過してから後日逮捕されることになるのかは、捜査の進捗状況や証拠の多さなどによって、ケースバイケースでしょう。事件を起こしたことをすっかり忘れたころに突然自宅に警察官が訪れ逮捕状が出ていると言われて後日逮捕に至るというケースも十分想定されます。
また、公然わいせつ罪の公訴時効は「3年」であることから、犯行から3年間は後日逮捕される可能性があると考えておきましょう。
後日逮捕が不安な場合にすべきこと
公然わいせつの罪を犯し、運よく現行犯逮捕されなかったとしても、前述のとおり、後日逮捕される可能性は残されています。そして、当然のことながら、捜査機関があなたに逮捕するかしないか教えてくれることはないため、公然わいせつの時効が完成するまでは、後日逮捕されないか不安を抱えながら生活していかなければいけません。こうした不安を少しでも軽くするには、次の行動をとることをおすすめします。
弁護士に相談する
まず、弁護士に相談することです。
弁護士に相談すれば、後日逮捕される可能性がどこまであるのか個別の状況に応じて判断してくれます。仮に、後日逮捕される可能性が高い場合は、逮捕を避けるためにやるべきことや逮捕されたときにやるべきことについてアドバイスを受けることができます。
自首を検討する
次に、自首を検討することです。
自首することがで、逃亡の捜査機関に逃亡のおそれがないと判断され、逮捕を免れることができる可能性があります。もっとも、単に自首しただけでは不十分です。また、自首したからといって逮捕を回避できる補償はありません。
自首するにあたっては弁護士のアドバイスを受けながら事前に対策をとり、できれば弁護士に同伴してもらって自首した方が安心です。
公然わいせつで自首する4つのメリット!自首後の流れと注意点を解説
公然わいせつで逮捕されるとその後どうなる?
公然わいせつで逮捕された後は、以下の流れで手続きが進んでいきます。
- 警察官の弁解録取を受ける
- 逮捕から48時間以内に検察官に事件と身柄を送致される(送検)
- 検察官の弁解録取を受ける
- ②から24時間以内に検察官が裁判官に対し勾留請求する
- 裁判官の勾留質問を受ける
→勾留請求が却下されたら釈放される - 裁判官が検察官の勾留請求を許可する
→10日間の身柄拘束(勾留)が決まる(勾留決定)
→やむを得ない事由がある場合は、最大10日間延長される - 原則、勾留期間内に起訴、不起訴が決まる
- 正式起訴されると2か月間勾留される
→その後、理由がある場合のみ1か月ごとに更新
→保釈が許可されれば釈放される - 勾留期間中に刑事裁判を受ける
公然わいせつで逮捕されると、逮捕による留置期間最大3日(48時間+24時間)は弁護士以外の者との連絡は禁止されます。そのため、何もしないでいると、会社勤めされている方は無断欠勤することになるため、逮捕されたらできるだけ早く弁護士との接見を希望し、弁護士経由で家族に現状を伝えてもらいましょう。家族から勤務先に病欠という連絡を入れてもらうこともできます。
もっとも、逮捕に引き続き勾留されてしまうと、起訴・不起訴が決定するまで最大20日間身柄拘束されますので、勤務先(学生の方は学校)に隠し通すことが困難となってきます。
また、社会的地位のある方や有名人の方が公然わいせつを犯した場合や、社会的な注目を浴びる事件内容や犯行の態様が重大である場合には、マスコミ報道されるリスクもあります。事案によっては実名報道されてしまい、職場や学校の知り合いに事件を知られてしまう可能性もあります。さらに有罪判決となれば懲戒解雇や退学の可能性もありますし、前科もつきます。
そのため、以下で説明するように、逮捕されたら早急に弁護士に相談し、適切な弁護活動をしてもらうことが今後のご自身やご家族の生活を守るためにも重要となってきます。
公然わいせつの逮捕で困ったら弁護士に相談
公然わいせつの疑いをかけられると、その場では逮捕されなかったとしても、防犯カメラの映像などから後日逮捕もあり得ます。
そのため、事件が起きた段階で早急に弁護士に相談し、事案に応じて弁護活動を依頼し、逮捕回避を目指した動きをとるべきでしょう。もし逮捕された場合であっても、弁護士による適切な弁護活動により、早期釈放や不起訴獲得の可能性も高まります。また、弁護士に依頼すれば、逮捕後の勤務先への連絡等の対応も一任することができます。
弊所では、公然わいせつ事件での逮捕の回避、不起訴の獲得を得意としており実績があります。親身誠実に弁護士が依頼者を全力で守りますので、後日逮捕に怯えて不安な毎日をお過ごしの方や既に逮捕されてしまった方のご家族の方は弊所の弁護士までご相談ください。お力になれると思います。
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