略式起訴|裁判になるとどんな流れになる?前科はつく?弁護士が解説
  • 略式起訴ってなんだろう…一般的な起訴(正式起訴)とどう違うのだろう…
  • 略式起訴されると罰金と科料の刑しか科されないって本当?
  • 略式裁判になった場合の流れが知りたい…

この記事では、このような疑問を、刑事事件に強い弁護士が解決していきます。

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略式起訴とは?

起訴は検察官が裁判所に対して「刑事裁判を開いてください」と申し立てをすることです。この起訴には正式起訴と略式起訴の2つがあります。

正式起訴は、ニュースなどでよく目にする傍聴席が設けられた公開の法廷での刑事裁判(正式裁判)を求めるための起訴です。

一方、略式起訴は公開の法廷での刑事裁判までを求めず、裁判官の書面審理(略式裁判)で手続きを終わらせることを求める起訴のことです。

参考:略式裁判について-検察庁

略式起訴になる場合

略式命令することができるのは「100万円以下の罰金又は科料」です。そのため、まずは罰則に罰金が規定されている罪(※)でなければいけませんし、事件の内容が「100万円以下の罰金又は科料」の範囲に収まるものである必要があります。

また、略式裁判は書面審理のみで終わってしまいます。つまり、略式裁判では言い分を主張する機会が与えられません。そのため、罪を認めていて、略式裁判を受けることに同意している場合に略式起訴されることになります。

※窃盗罪「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」、公然わいせつ罪「6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留」、暴行罪「2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」など

略式起訴のメリット・デメリット

略式起訴のメリット・デメリットは以下のとおりです。

メリット

略式起訴されると「罰金又は科料」の刑しか科されない

つまり、略式起訴後の略式裁判では、裁判官は、死刑はもちろん、懲役・禁錮・拘留の刑の命令(略式命令)を出すことができません。また、略式命令で出すことができる罰金の金額は「100万円まで(100万円以下)」です。

刑務所に収容される可能性が低くなる

死刑は人の命を奪う生命刑、懲役、禁錮、拘留は人の自由を奪う自由刑で、死刑の場合はもちろん、懲役、禁錮、拘留で実刑の場合は刑務所に収容されてしまいます。

一方、罰金、科料は財産刑といい、お金さえ納付すれば刑は終了します(納付しない場合は拘束されて刑務所に収容されることがあります(労役場留置)。

刑事裁判を受ける必要がない

前述のとおり、正式起訴されると正式裁判を受けなければいけません。正式裁判と一言でいっても準備期間を含めると、判決まで最低でも1か月半~2か月はかかります。事件の内容によっては半年、1年以上かかることもあります。その間、不安な日々を過ごさなければいけません。

一方、略式起訴されれば書面審理のみで終わりますから、刑事裁判に向けた準備や法廷への出廷などは不要です。また、略式起訴されてから裁判官の略式命令が出るまで2週間~1か月程度と、正式裁判に比べればスピーディーに手続きが進みます。

身柄拘束(勾留)されている場合に早期釈放される

身柄拘束されているまま正式起訴されると自動的に2か月の身柄拘束が決まってしまいます。また、その後、理由がある場合には1か月ごとの期間の更新も認められています。正式起訴された後に釈放されるためには保釈請求して裁判所の許可を受け、かつ、裁判所に保釈保証金を納付しなければいけません。

一方、身柄拘束中に略式起訴され、裁判官から略式命令が発せられるとその時点で勾留の効力が失われる、すなわち、釈放されます。正式起訴された場合のように保釈請求などは必要ありません。

デメリット

高い確率で有罪となる

本来、刑事裁判はまず有罪か無罪かを決める場所です。しかし、略式裁判は、「(罪を認めるから)正式な裁判を受けることを省略してもかまわない(裁判で争いません)」という被疑者の同意を前提とする手続きです。

また、略式起訴を受けた裁判官にも、「略式起訴されることに同意しているということは罪を認めているということだ」、「罪を認めないならば同意しないはずだ」という印象を与えてしまいます。

そのため、略式起訴されるとほとんどのケースで略式命令が発せられます。

前科がつく可能性がある

正式起訴された場合のみならず、略式起訴された場合でも前科はつきます。また、懲役、禁錮のみならず罰金、科料でも前科がつく可能性があります。

前科がつくと免許・資格の取得や現在取得の免許・資格に影響が出る可能性がある

たとえば、医師法には、罰金以上の刑(※)に処せられると、これから医師を目指す方には「医師免許を与えないことがある」と、すでに医師の方には「免許を取り消すことができる」と規定されています。

医師以外にも、保健師、助産師、看護師、歯科医師、獣医師などにも他の法律で同様の規定が設けられています。

※罰金を含む、懲役、禁錮、死刑の刑罰こと

略式起訴の流れ

略式起訴から略式命令が発せられ、前科がつくまでの流れは以下のとおりです。

  1. 検察官から略式裁判を受けることの同意を求められる
  2. 被疑者が同意する
  3. 略式起訴される
  4. 裁判官が書面を見て罰金額等を決める
  5. 裁判官が略式命令を発する
  6. 正式裁判を申し立てるか判断する(仮納付期間の開始)
  7. 正式裁判の申し立てをしない
  8. 略式裁判が確定する→前科がつく

①検察官から略式裁判を受けることへの同意を求められる

略式起訴される前に、検察官の取調べで、検察官から略式裁判を受けることへの同意を求められます。同意する場合は書面にサインします。同意しない場合は正式起訴され、正式裁判を受ける必要があります。

②略式起訴される

略式裁判を受けることに同意した場合は、検察官が「起訴状+罰金(科料)の求刑金額を書いた用紙+同意書+取捨選択した事件記録」を簡易裁判所に提出します。

③裁判官が事件記録を見て罰金額等を決める

検察官から事件記録等を受け取った裁判官は事件記録を読み込み、今回の事件が略式裁判してもよい事件であることを確認した上で、罰金(科料)額等の命令の内容を考えます。

④裁判官が略式命令を発する

裁判官が罰金額等を決めたら略式命令書という書類を作成します。略式命令書は謄本(写し)という形で被告人(起訴された人)と検察官に届けられます。

⑤正式裁判を申し立てるか判断する(仮納付期間の開始)

略式命令謄本を受け取ると、罰金(あるいは科料)を納付しなければいけません(仮納付期間の開始)。また、その翌日から14日間は正式裁判を申し立てることができます。仮納付期間は正式裁判申し立て期間と同じ14日間です。

⑥略式裁判が確定する→前科がつく

一方、14日以内に正式裁判を申立てずに期間が経過すると略式裁判が確定します。裁判が確定すると正式に罰金を納付する必要があります。また、前科がつきます。

略式命令に不服がある場合は?

略式命令に不服がある場合は、略式命令謄本を受け取った日の翌日から起算して14日以内に、略式命令を発した裁判所に対して正式裁判を申し立てる必要があります。

略式起訴で前科はつく?

これまで述べてきたとおり、略式起訴されても前科はつきます。また、前科は一生消えることはありません。

もっとも、罰金の前科がつくことによる影響は、懲役や禁錮と比べると小さいと考えてよいでしょう(前述の免許も必ず取り消されるわけではありません)。また、罰金の納付が完了した後、5年間、罰金以上の刑に処せられないで2年を経過すると前科の効力は消滅します。

≫前科と前歴の違い|5つのデメリットと前科をつけないためにすること

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