
仮釈放とは、刑期満了前に受刑者の社会復帰を認める制度です。法律上は有期刑で刑期の3分の1、無期刑で10年を経過することが条件ですが、実務上は刑期の7割から8割を経過しなければ認められないのが現状です。
服役中のご家族をお持ちの方にとっては、「いつになったら社会に戻れるのか」「家族として何を準備すればよいのか」という疑問が頭から離れないかもしれません。地方更生保護委員会の審査では、身元引受人の覚悟や受け入れ環境も重要な判断要素となるため、家族の側でも早めの準備が欠かせません。
この記事では、刑事事件に注力する弁護士が、仮釈放の条件・申請の流れ・身元引受人の役割について、犯罪白書のデータも交えて解説します。
- 仮釈放が認められる3つの条件と実務の判断基準
- 仮釈放率と認められるまでの期間の最新統計
- 仮釈放の申請から許可までの流れ
- 身元引受人として家族が準備すべきこと
なお、ご家族の仮釈放に向けた準備でお悩みの方は、一人で抱え込まず、この記事をお読みいただいた後、全国どこからでもご利用いただける当事務所の無料相談へご相談ください。
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仮釈放(仮出所)の制度概要と釈放・保釈・執行猶予との違い
仮釈放とは、刑務所などに収容された拘禁刑の受刑者を、刑期満了前に社会復帰させる措置のことです。「仮出所」と呼ばれることもありますが、法律上の正式な用語は「仮釈放」です(2005年の監獄法改正で旧称「仮出獄」から「仮釈放」へ統一されました)。
※2025年6月1日の刑法改正により、懲役刑と禁錮刑は「拘禁刑」に一本化されました。
この制度が設けられた一番の目的は受刑者の更生にあります。
刑期満了まで刑務所で生活させ、刑期が終わったとたん社会復帰させても、うまく社会に順応できず再び犯罪を起こす可能性があります。また、刑務所内での矯正には設備や人材の面から限界があり、刑務所内で更生を図るよりも社会内で更生させた方が受刑者にとってプラスに働くことがあります。
そこで、刑期満了前に社会復帰させ、社会内での更生を図りながら社会生活に徐々に順応させた方が受刑者の更生につながる、との考えから仮釈放という制度が認められています。受刑者が更生すれば再犯防止や治安の向上にもつながります。
もっとも、社会復帰できるとはいえ「仮」の釈放であることに変わりありません。仮釈放されても身分は受刑者のままです。後述するとおり、仮釈放が取り消されると再び刑務所生活に逆戻りとなります。
なお、「仮釈放」と類似する制度として「仮出場」(拘留刑や労役場留置の受刑者を対象)や「仮退院」(少年院に収容された少年を対象)がありますが、本記事では中心的な制度である拘禁刑の受刑者に対する仮釈放を解説します。
仮釈放とよく混同されるワードとして釈放・保釈・執行猶予があります。いずれも身柄拘束を解かれるという点では共通しますが、使われる場面が異なります。釈放・保釈の詳細については「釈放と保釈の違いは?早期釈放のためにすべき4つのこと」で解説しています。
釈放との違い
仮釈放は、刑事裁判で拘禁刑の判決を受け、刑務所に収容された後に使われる言葉です。
一方、釈放は判決を受ける前の段階で使われます。逮捕直後、勾留後起訴前、起訴後判決前に身柄拘束を解かれることを釈放といいます。後述するとおり、起訴後判決前の釈放のことを保釈といいますので、保釈は釈放の一部です。
保釈との違い
仮釈放は刑務所に収容された後の釈放、保釈は起訴後判決前の釈放のことです。保釈は起訴後の釈放という点が特徴です。
起訴前は警察官や検察官の判断で釈放されることもあります。しかし起訴後は、裁判所に保釈請求して許可を得て、かつ保釈保証金を裁判所に納付しなければ保釈されません。
執行猶予との違い
仮釈放は刑務所に収容された後の釈放ですが、執行猶予は判決時に裁判官から言い渡される量刑のことです。
たとえば、拘禁刑1年、執行猶予3年の判決を言い渡される場合は「主文 被告人を拘禁刑1年に処する。この裁判が確定した日から3年間その刑の執行を猶予する」と言われます。執行猶予付きの判決を言い渡されると刑務所に収容されることはありません。また、勾留中に執行猶予付きの判決を受けた場合は、その時点で釈放されます。
執行猶予の詳細については「執行猶予とは?実刑との違いや認められる条件をわかりやすく解説」で解説しています。
仮釈放の3つの条件
仮釈放の条件は刑法28条に規定されています。法律上の条件は次の3つです。
- ①拘禁刑に処せられたこと
- ②改悛の状が認められること
- ③有期刑についてはその刑期の1/3を、無期刑については10年を経過したこと
以下、詳しく解説します。
①拘禁刑に処せられたこと
仮釈放は一定期間、刑務所などに収容されることを前提としています。
拘禁刑以外の刑罰である罰金、科料については未納が続かない限り刑務所に収容されることはありません。拘留は刑務所に収容される刑罰ですが、期間が1日以上30日未満と、拘禁刑と比べると短いです。
なお、拘禁刑には有期刑(1月以上20年以下)・無期刑がありますが、無期刑でも仮釈放の対象です。
②改悛の状が認められること
改悛の状が認められるか否かは、次の事情を総合的に勘案して判断されます。
- 本人の資質、生活歴、矯正施設内における生活状況、将来の生活設計、帰住後の環境等
- 受刑者に悔悟の情が認められること
- 受刑者に更生の意欲が認められること
- 受刑者に再犯のおそれがないと認められること
- 社会の感情が仮釈放を是認すると認められること
これらは「犯罪をした者及び非行のある少年に対する社会内における処遇に関する規則」第28条等に基づく審査基準で、地方更生保護委員会が総合的に判断します。
③有期刑についてはその刑期の1/3を、無期刑については10年を経過したこと
たとえば拘禁刑3年の実刑判決を受けた場合、収容から1年を経過した時点で仮釈放が法律上は可能となります。
もっとも、これは仮釈放の申請が可能になる最低限の刑期にすぎず、実務上はこの時点で許可されることはほとんどありません。一般的には、刑期の7割から8割を経過した段階で初めて検討対象となるのが現状です(具体的なデータは次章で解説します)。
なお、上記の3条件を形式上満たしていても、次のような事情があると仮釈放は認められにくくなります。
- 被害者への謝罪や被害弁償が済んでいない
- 刑務所内で規律違反や問題行動を起こしている
- 殺人・強盗・性犯罪などの重大事件や、社会的注目度の高い事件
- 同種犯罪を繰り返す再犯・累犯である
- 反社会的勢力に属している、または組織犯罪に関与している
- 身元引受人や帰住先が確保されていない
これらに該当する場合は、改悛の状や再犯のおそれの評価で不利に働き、刑期の大半を服役しても許可が下りない可能性があります。
仮釈放の確率と認められるまでの期間
ここでは、実際にどのくらいの割合の受刑者が仮釈放されているのか、また法律上の最低ラインを超えて何年経てば認められるのかを、令和7年版犯罪白書のデータで確認します。
仮釈放率は約63%(令和6年)
令和7年版犯罪白書(以下「犯罪白書」)によると、令和6年の仮釈放率は62.8%でした(男性61.6%、女性74.2%)。
仮釈放率とは、出所受刑者(仮釈放、一部執行猶予(刑期の一部のみ執行を猶予する制度)の実刑部分の刑期終了、又は満期釈放により刑事施設を出所した者)の人員に占める仮釈放者の割合です。
仮釈放率は近年60%前後で推移しており、女性のほうが男性より高い傾向にあります。残りの約4割は満期釈放となり、保護観察の機会を経ずに社会復帰しているのが現状です。
仮釈放されるまでの期間は刑期の7割以上が大半
犯罪白書によると、令和6年に仮釈放された定期刑(有期の懲役・禁錮)の受刑者が刑務所に収容されていた期間の率(刑の執行率)は以下のとおりです。
- 期間が90%以上 → 34.8%
- 期間が80%以上90%未満 → 46.6%
- 期間が70%以上80%未満 → 17.6%
- 期間が70%未満 → 0.9%
これからすると、仮釈放された受刑者のほぼ全員(99%以上)が刑期の7割以上を刑務所内で過ごしていることがわかります。
つまり、拘禁刑3年の実刑判決の場合、収容から最低2年程度(=3×0.7)は刑務所で過ごさなければ、仮釈放されることは難しいということです。
また、無期刑についても10年で仮釈放されることはまずありません。犯罪白書によれば、令和2年から令和6年までの間に無期刑の受刑者で仮釈放された人の数と受刑期間の関係は次のとおりです。
| 令和2年 | 令和3年 | 令和4年 | 令和5年 | 令和6年 | |
| 総数 | 9 | 6 | 5 | 5 | 2 |
| 30年以内 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 35年以内 | 3 | 3 | 3 | 1 | 0 |
| 40年以内 | 4 | 2 | 0 | 3 | 2 |
| 45年以内 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 |
| 50年以内 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 |
| 50年超 | 1 | 0 | 2 | 0 | 0 |
このデータを見ると、無期刑の場合は最低でも30年は刑務所で過ごさなければ仮釈放されない実態であることがわかります。なかには50年を超えてようやく仮釈放されるケースもあり、無期刑の事実上の長期化が進んでいます。
無期懲役の仮釈放については「無期懲役とは?仮釈放まで平均何年?出所率や終身刑との違いを解説」で詳しく解説しています。
仮釈放の申請から許可までの流れ
仮釈放までの流れは以下のとおりです。
- 刑務所の長から地方更生保護委員会へ申出
- 地方委員会による審理開始
- 委員との面接、生活環境調整
- 地方委員会による仮釈放の許可処分
①刑務所長から地方更生保護委員会へ申出
仮釈放の許可・不許可の決定は地方更生保護委員会(以下、地方委員会といいます)という組織が行います。
刑務所長は、受刑者が前述した「仮釈放の条件」を満たすと判断した場合、地方委員会に対して仮釈放を許可すべき旨の申出を行います。
②地方委員会による審理の開始
刑務所長から申出を受けた地方委員会は、仮釈放を許可するか不許可にするかの審理を開始します。
③委員との面接、生活環境調整
受刑者は仮釈放が予定される半年ほど前から地方更生保護委員による仮面接、仮面接から3か月後くらいに本面接を受けます。
また、その間、地方委員会が必要と認めたときは、受刑者の円滑な社会復帰を目的として、保護観察官による生活環境調整が行われます。受刑者から指定された身元引受人は、保護観察官から受刑者の社会復帰のための協力を求められます。
④地方委員会による仮釈放の許可処分
以上の面談、調査、生活環境調整の結果をもとに、地方委員会が仮釈放を許可するか、不許可にするかを判断します。
許可された場合は仮釈放の手続きが取られますが、釈放までの間に問題行動を起こす、身元引受人が監督を断るなど事情の変化が生じた場合は、許可決定の効力が失われますので注意が必要です。
仮釈放後の生活と守るべきルール
仮釈放後は社会生活に戻りますが、刑期は満了していないため、保護観察のもとで一定のルールを守りながら生活することになります。期間・指導体制・遵守事項の3つの観点から見ていきましょう。
仮釈放の期間は残刑期
仮釈放の期間は残りの刑期です。たとえば拘禁刑3年の実刑判決で刑務所に収容され、収容から2年で仮釈放された場合は残りの1年が仮釈放期間となります。
そして、仮釈放期間中に取り消されることなく期間を無事に経過すれば、刑期を終えたことになり、「仮」ではなく正式に社会復帰できます。
他方で、無期刑の場合は刑期という概念がないことから、仮釈放後は死亡するまで仮釈放期間(受刑期間)が継続します。
保護観察官・保護司による指導と監督
仮釈放されると、例外なく保護観察の対象となります。保護観察とは、保護観察所に所属する保護観察官や、地域のボランティアである保護司から指導・援助を受ける措置です。仮釈放の目的と同じく、再犯防止、円滑な社会復帰、更生を目的としています。
実際の保護観察では、月に2回程度(個別の指導内容により頻度は変わります)、保護司との面接が行われ、生活状況・就労状況・交友関係などについて報告します。問題が生じた場合は、保護観察官が直接介入して対応にあたります。面接に正当な理由なく欠席を繰り返した場合、後述する遵守事項違反として仮釈放の取り消し対象になります。
守るべき遵守事項(一般・特別)
仮釈放後の保護観察に付されると、守らなければならないルール(遵守事項)が設けられます。
このルールは、すべての対象者に共通する一般遵守事項(更生保護法50条1項)と、個々の対象者の事情に応じて定められる特別遵守事項(更生保護法51条2項)に分かれます。
(一般遵守事項)
第五十条 保護観察対象者は、次に掲げる事項(以下「一般遵守事項」という。)を遵守しなければならない。
一 再び犯罪をすることがないよう、又は非行をなくすよう健全な生活態度を保持すること。
二 次に掲げる事項を守り、保護観察官及び保護司による指導監督を誠実に受けること。
イ 保護観察官又は保護司の呼出し又は訪問を受けたときは、これに応じ、面接を受けること。
ロ 保護観察官又は保護司から、労働又は通学の状況、収入又は支出の状況、家庭環境、交友関係その他の生活の実態を示す事実であって指導監督を行うため把握すべきものを明らかにするよう求められたときは、これに応じ、その事実を申告し、又はこれに関する資料を提示すること。
三 保護観察に付されたときは、速やかに、住居を定め、その地を管轄する保護観察所の長にその届出をすること(第三十九条第三項(第四十二条において準用する場合を含む。次号において同じ。)又は第七十八条の二第一項の規定により住居を特定された場合及び次条第二項第五号の規定により宿泊すべき特定の場所を定められた場合を除く。)。
四 前号の届出に係る住居(第三十九条第三項又は第七十八条の二第一項の規定により住居を特定された場合には当該住居、次号の転居の許可を受けた場合には当該許可に係る住居)に居住すること(次条第二項第五号の規定により宿泊すべき特定の場所を定められた場合を除く。)。
五 転居又は七日以上の旅行をするときは、あらかじめ、保護観察所の長の許可を受けること。出典:e-Gov法令検索
(特別遵守事項)
一 犯罪性のある者との交際、いかがわしい場所への出入り、遊興による浪費、過度の飲酒その他の犯罪又は非行に結び付くおそれのある特定の行動をしてはならないこと。
二 労働に従事すること、通学することその他の再び犯罪をすることがなく又は非行のない健全な生活態度を保持するために必要と認められる特定の行動を実行し、又は継続すること。
三 七日未満の旅行、離職、身分関係の異動その他の指導監督を行うため事前に把握しておくことが特に重要と認められる生活上又は身分上の特定の事項について、緊急の場合を除き、あらかじめ、保護観察官又は保護司に申告すること。
四 医学、心理学、教育学、社会学その他の専門的知識に基づく特定の犯罪的傾向を改善するための体系化された手順による処遇として法務大臣が定めるものを受けること。
五 法務大臣が指定する施設、保護観察対象者を監護すべき者の居宅その他の改善更生のために適当と認められる特定の場所であって、宿泊の用に供されるものに一定の期間宿泊して指導監督を受けること。
六 善良な社会の一員としての意識の涵かん養及び規範意識の向上に資する地域社会の利益の増進に寄与する社会的活動を一定の時間行うこと。
七 その他指導監督を行うため特に必要な事項出典:e-Gov法令検索
一般遵守事項はすべての対象者が守るべきもの、特別遵守事項は個々の対象者ごとに定められるものです。たとえば飲酒運転で服役した受刑者には飲酒の禁止が、薬物事件の受刑者には再乱用防止プログラムの受講が、それぞれ仮釈放中の特別遵守事項として課されるといった具合です。
仮釈放が取り消される3つのケース(刑法29条)
仮釈放の許可処分を受けて釈放されても、許可処分を取り消されることがあります。いかなる場合に取り消されるかは、刑法29条1項に規定されています。
(仮釈放の取消し)
第29条
次に掲げる場合においては、仮釈放の処分を取り消すことができる。
1.仮釈放中に更に罪を犯し、罰金以上の刑に処せられたとき。
2.仮釈放前に犯した他の罪について罰金以上の刑に処せられたとき。
3.仮釈放前に他の罪について罰金以上の刑に処せられた者に対し、その刑の執行をすべきとき。
4.仮釈放中に遵守すべき事項を遵守しなかったとき。出典:e-Gov法令検索
仮釈放中に新たな罪を犯したとき
刑法29条1項1号に基づく場合です。仮釈放の期間中に何らかの罪を犯して罰金刑以上の処罰が確定すると、原則として取消しの対象になります。
盗撮、痴漢、暴行罪、傷害罪、窃盗罪などには罰金刑が設けられていますから、これらの罪で処罰されたケースでも取消しの対象となることがあります。
仮釈放前に犯した罪で罰金以上の刑が確定したとき
刑法29条1項2号・3号に基づく場合です。仮釈放後に、釈放前の余罪が発覚して罰金以上の刑が確定したケース、または既に確定していた他の罪の刑を執行すべきこととなったケースが該当します。
仮釈放後の本人の行動に問題がなくても、過去の犯罪事実によって取り消されることがある点に注意が必要です。
遵守事項を守らなかったとき
刑法29条1項4号に基づく場合です。前述した一般遵守事項と特別遵守事項のいずれも、違反すれば取り消し対象となります。
面接への無断欠席、無許可の転居・長期旅行、特別遵守事項に反する行為(禁止された場所への出入り、定められたプログラムの不受講など)が典型例です。
仮に許可処分が取り消された場合、刑務所に収容される手続きが取られます。また、仮釈放で経過した期間は刑期に算入されません。
すなわち、拘禁刑3年の実刑判決を受けた受刑者が収容から2年を経過した時点で仮釈放され、それから6か月が経過していたとしても、取り消されて収容された場合は残りの6か月を受刑すればよいということではなく、1年を受刑しなければなりません。
なお、再犯時の前科については「前科とは?前歴との違いや前科がつく5つのデメリット」で解説しています。
仮釈放のために身元引受人(家族)ができること
地方委員会が仮釈放を許可するかしないかの判断にあたっては、釈放後に受刑者の生活を任せられる身元引受人がいるかどうかが大切な判断要素となります。
ここでは、受刑者の仮釈放が許可されるために、身元引受人ができることをご紹介します。
受刑者を受け入れる意思を明確に伝える
仮釈放の面接では、本当に受刑者を受け入れる意思があるかどうかを問われます。曖昧な回答をすると、本当に受刑者を任せてよいのか不安に思われるため、受け入れる意思があることを明確に伝えましょう。
回答をする前に、受刑者と面会してコミュニケーションを取り、周囲ともよく相談して意思決定しておくことが必要です。
受刑者の帰住先・生活環境を整える
受け入れる意思があること以外にも、仮釈放後の受け入れ環境が整っているかがチェックされます。受刑者が安心して社会復帰できる住居、可能であれば就労先のあてを準備しておくことが望まれます。
場合によっては、後述する生活環境調整の一環として、保護観察官から必要なアドバイスを受けることもあります。受刑者のために何をすべきかわからない場合は、直接観察官に尋ねてもよいでしょう。
一人の力で受刑者の生活を支えることは困難です。観察官や周囲の方と連携しながら、生活を支えていくことが大切です。
保護観察官・保護司による自宅訪問と調査への対応
身元引受人として指定されると、刑務所が地方委員会に申出を行う前後の段階で、帰住予定地を管轄する保護観察所の保護観察官または保護司が自宅を訪問し、生活環境調整のための面接を行います。
訪問時には、次のような点が確認されます。
- 身元引受人本人の意思(本当に引き受ける覚悟があるか)
- 身元引受人の生活状況・家族構成・収入の見通し
- 受刑者を住まわせる部屋・住宅の環境
- 近隣住民への配慮や地域との関係
- 就労先の準備状況や経済的支援の見通し
- 受刑者の更生に向けた監督・支援の方針
この調査結果は仮釈放審理の重要な資料となります。訪問は1回で終わらず、状況により複数回にわたって行われることもあり、調査全体に数か月を要するケースも少なくありません。
事前準備としては、身元引受人としての意思を家族内で固めておくこと、住居や就労先の見通しを整理しておくこと、訪問日には在宅して誠実に対応することが大切です。曖昧な回答や不在の繰り返しは「監督体制が不十分」と判断され、仮釈放の許可に不利に働くおそれがあります。
ご家族の仮釈放に向けてお悩みの方は弁護士にご相談ください
仮釈放を実現するには、刑期の7割以上を服役することに加え、改悛の状や受け入れ環境など複数の条件をクリアしなければなりません。地方更生保護委員会の面接や保護観察官による自宅訪問など、家族としても見えない部分での準備が求められます。
弁護士に相談することで、判決前の弁護活動の段階から仮釈放の可能性を視野に入れた対応を取ることができ、面接時の受け答えや住居・就労先の確保といった環境調整についても具体的なアドバイスを受けられます。一人で抱え込んだままでは、肝心の場面で誤った対応をしてしまうリスクもあります。
ご家族の社会復帰を支えたいというお気持ちは、本人にとって何よりの力になります。ただ、何を準備すべきか分からないまま時間が過ぎていくのは精神的にも大きな負担になります。少しでも不安があるなら、お早めに専門家へのご相談をご検討ください。
当事務所は刑事事件に注力してきた経験を活かし、仮釈放に向けた準備段階からのご相談にも対応しております。全国どこからでもご利用いただける無料相談を設けておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
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この記事の監修者
刑事事件の弁護に注力する法律事務所の代表弁護士。逮捕回避・早期釈放・不起訴獲得・示談交渉など、被疑者・被告人の権利を守るための迅速な弁護活動に豊富な実績を持つ。痴漢・盗撮・暴行傷害・薬物事件・性犯罪など幅広い刑事事件に対応し、24時間体制で依頼者とそのご家族を全力でサポートしている。

