累犯・累犯加重とは?再犯との違いや執行猶予との関係を解説

累犯(るいはん)とは、刑務所を出所後5年以内に再び罪を犯し、有期拘禁刑に処せられることをいいます。累犯にあたると刑の上限が2倍に加重されるため、「自分は累犯にあたるのか」「累犯でも執行猶予はつくのか」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、刑事事件に強い弁護士が、累犯の定義や要件、再犯との違い、累犯加重の仕組み、執行猶予との関係についてわかりやすく解説します。

  • 累犯・再犯・三犯以上の累犯の違いと成立要件
  • 累犯加重で刑の上限が2倍になる仕組み
  • 執行猶予付きの前科がある場合の累犯の成否
  • 累犯でも執行猶予がつく可能性

なお、累犯について早急に弁護士に相談したいとお考えの方は、この記事をお読みいただいた後、全国どこからでもご利用いただける当事務所の無料相談をお気軽にご利用ください。

気軽に弁護士に相談しましょう
  • 全国どこからでも24時間年中無休でメール・電話・LINEでの相談ができます
  • 逮捕回避・早期釈放・不起訴・執行猶予の獲得を得意としております。
  • 親身誠実に、全力で弁護士が依頼者を守ります

累犯とは

累犯(るいはん)とは、拘禁刑に処せられ刑務所に服役していた人が、拘禁刑の執行が終わった日から5年以内に新たに罪を犯し、有期拘禁刑に処せられることです。

※拘禁刑とは、2025年6月1日に施行された改正刑法により、従来の懲役刑と禁錮刑が一本化された刑罰のことです。

累犯には「再犯」と「三犯以上の累犯」の2種類がありますので以下で説明します。

再犯とは

再犯(さいはん)とは、拘禁刑の実刑に処せられ刑務所に服役していた人が、拘禁刑の執行が終わった日から5年以内に新たに罪を犯し、有期拘禁刑に処せられることです(刑法第56条第1項)。

(再犯)
第五十六条 拘禁刑に処せられた者がその執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から五年以内に更に罪を犯した場合において、その者を有期拘禁刑に処するときは、再犯とする。

出典:e-Gov法令検索

ここで、「再犯と累犯の定義が同じでは?」と思われる方もいるかもしれませんが、再犯は累犯のうち、新たに犯した罪が1回目のケースをいいます(初犯→再犯)。

再犯と累犯の違いは、初犯(第1の犯罪)の次に犯した罪(第2の犯罪)が「再犯」、第2の犯罪(再犯)だけでなく第3の犯罪、第4の犯罪…も含むのが「累犯」ということになります。累犯には再犯が含まれると考えておけば良いでしょう。

以下では再犯の要件について説明します。

  • ①拘禁刑に処せられ、刑務所に服役していたこと
  • ②「拘禁刑の執行が終わった日」から5年以内に新たに罪を犯したこと
  • ③新たに犯した罪の判決で有期拘禁刑に処せられること

①拘禁刑に処せられ、刑務所に服役していたこと

初犯の判決で拘禁刑に処せられていても、実刑ではなく執行猶予がついていた場合は再犯にはあたりません

②「拘禁刑の執行が終わった日」から5年以内に今回の罪を犯したこと

「拘禁刑の執行が終わった日」とは、仮釈放された日ではなく、刑期が終わった日です。仮釈放の仕組みについては「仮釈放とは?3つの条件と期間、許可のために身元引受人が出来ること」で詳しく解説しています。

5年の期間は刑期が終わった日の翌日から起算します。たとえば、「拘禁刑2年の実刑判決、平成30年(2018年)8月31日から服役」というケースの場合、拘禁刑の執行が終わる日は令和2年(2020年)8月30日です。そして、翌31日から5年の期間がスタートし、令和7年(2025年)8月30日までに新たに罪を犯すと再犯ということになります。

③新たに犯した罪の判決で有期拘禁刑に処せられること

新たに犯した罪で罰金に処せられても再犯にはあたりません。

三犯以上の累犯とは

三犯以上の累犯とは、上記で説明した再犯の状態で続けて新たに罪を犯すことです(刑法第59条)。

(三犯以上の累犯)
第五十九条 三犯以上の者についても、再犯の例による。

出典:e-Gov法令検索

三犯以上の累犯は、1犯目(初犯)→2犯目(再犯)→3犯目と3回以上犯罪が続くことになりますが、1犯目と2犯目、2犯目と3犯目、1犯目と3犯目の間でそれぞれ、前述の再犯の要件をすべて満たす必要があります。4犯目以降も同様に、それぞれの犯罪間で再犯の要件を満たさなくては三犯以上の累犯とはなりません。

累犯の効果(累犯加重)

累犯にあたると、累犯にあたる罪の拘禁刑の上限が通常よりも2倍となります

たとえば、詐欺罪の刑罰は「10年以下の拘禁刑(下限1月)」ですが、詐欺罪が累犯にあたると「20年以下の拘禁刑(下限1月)」とされてしまいます。

上限が2倍になるからといって、実際の量刑が2倍となる(通常であれば拘禁刑1年のところ拘禁刑2年になる)という意味ではありません。ただ、累犯にあたらない場合よりかは量刑が重くなることは間違いありません。

執行猶予付きの前科があっても累犯にはあたらない

執行猶予付きの前科をもっていると、次に罪を犯した場合、累犯にあたるのではないかと気になる方も多いでしょう。ただ、結論から申し上げると、執行猶予付きの前科をもっていても累犯にはあたりません

以下の2つのケースを例にみていきましょう。

執行猶予期間が経過した後に新たな罪を犯した場合

執行猶予期間が経過すると、刑の言い渡しの効力がなくなります。刑の言い渡しの効力がなくなるとは、法的な意味では前科がないのと同じ効果となる、という意味です(前科自体は残ります)。つまり、累犯の条件の「拘禁刑の執行が終わった」ことにはあたらないのです。

そのため、新たな罪を犯した日が、執行猶予期間が経過した日から5年以内であっても、その犯罪は累犯にはあたりません。

執行猶予期間中に新たな罪を犯した場合

執行猶予が付いたということは刑務所に服役する必要がない、つまり、刑の執行を受けないことを意味しています。したがって、この場合も累犯の条件の「拘禁刑の執行が終わった」ことにはあたりません。

しかし、執行猶予期間中に新たな罪を犯した場合は、執行猶予が取り消される可能性が高いです。執行猶予が取り消されると刑務所に服役する必要があります。執行猶予の仕組みについて詳しくは「執行猶予とは|実刑との違いと執行猶予がつくための3つの条件」をご参照ください。

累犯でも執行猶予となる可能性はある

執行猶予付きの判決を受けるには、「拘禁刑以上の刑の執行が終わった日から5年以内に拘禁刑以上の刑に処せられたことがないこと」が条件の一つです。

次の時系列をみてください。

  1. 2020年8月31日 前刑の刑期が終わる
  2. 2025年8月1日  新たな罪を犯す ➡ 累犯
  3. 2025年12月1日 新たな罪の判決(拘禁刑〇年、実刑?執行猶予?)
  4. 2025年12月15日 裁判確定

上記のとおり、新しい罪の犯行日は刑期終了から5年以内のため累犯にあたります。

しかし、「拘禁刑以上の刑に処せられた」とは、拘禁刑または死刑の判決が確定したことをいうところ、新たな罪の判決が確定した日は刑期終了から5年以上を経過しています。つまり、累犯であっても法律上は執行猶予付き判決を受ける条件を満たしているケースがあります

もっとも、累犯という点は大きなマイナス要素です。特段のプラス要素がなければ実刑となる可能性が高いですので、示談成立などのプラス要素をいかに裁判で主張できるかがポイントとなります。なお、執行猶予中に再び罪を犯した場合の「再度の執行猶予」については「再度の執行猶予とは?条文や要件、獲得確率を解説」をご参照ください。

累犯と一部執行猶予

一部執行猶予とは、一部の刑期を実刑とし、残りの刑期を執行猶予とする制度のことです。執行猶予の期間は1年から5年で、裁判官が指定します。

一部執行猶予は「薬物犯罪の一部執行猶予」と「薬物犯罪以外の一部執行猶予」があります。このうち、薬物犯罪以外の一部執行猶予を受けるためには、新たに犯した罪が累犯ではないことが条件です。

一方で、薬物犯罪の一部執行猶予を受けるにはこの条件が不要です。つまり、新たに犯した罪が累犯にあたる場合でも一部執行猶予を受けることができる可能性があります。一部執行猶予の詳しい要件については「刑の一部執行猶予の制度とは?要件は?弁護士がわかりやすく解説」で解説しています。

累犯と保釈

保釈は起訴後の釈放のことです。保釈されるには、まず、刑事訴訟法89条1号から6号に規定されている事由にあたらないことが必要です(権利保釈)。そして、累犯にあたる場合、3号の「被告人が常習として長期3年以上の拘禁刑にあたる罪を犯したものであるとき」にあたり、保釈請求が却下される可能性があります。

ただ、権利保釈で保釈されない場合でも裁判官の裁量による保釈(裁量保釈)による保釈の可能性は残されていますので、諦める必要はありません。

累犯・再犯でお悩みの方は弁護士にご相談ください

累犯とは、刑務所出所後5年以内に再び罪を犯し、有期拘禁刑に処せられることをいいます。累犯にあたると刑の上限が2倍に加重されるため、通常よりも重い判決を受ける可能性が高まります。

しかし、累犯に該当する場合でも、適切な弁護活動によって執行猶予を獲得できる可能性は残されています。示談の成立や再犯防止策の提示など、裁判でプラスに評価される要素をいかに主張できるかが重要です。

過去に服役経験があり、再び逮捕・起訴されてしまった方やそのご家族は、大きな不安を抱えていることと思います。累犯に該当するかどうかの判断や、今後の見通しについては、早い段階で弁護士に相談することをおすすめします。

当事務所は刑事事件に注力しており、全国どこからでもご相談いただける無料相談を実施しております。累犯・再犯でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

気軽に弁護士に相談しましょう
  • 全国どこからでも24時間年中無休でメール・電話・LINEでの相談ができます
  • 逮捕回避・早期釈放・不起訴・執行猶予の獲得を得意としております。
  • 親身誠実に、全力で弁護士が依頼者を守ります

この記事の監修者

若井亮 弁護士

若井 亮

代表弁護士

弁護士法人若井綜合法律事務所
東京弁護士会所属(登録番号:47827)

弁護士紹介ページ

刑事事件の弁護に注力する法律事務所の代表弁護士。逮捕回避・早期釈放・不起訴獲得・示談交渉など、被疑者・被告人の権利を守るための迅速な弁護活動に豊富な実績を持つ。痴漢・盗撮・暴行傷害・薬物事件・性犯罪など幅広い刑事事件に対応し、24時間体制で依頼者とそのご家族を全力でサポートしている。

逮捕回避・早期釈放 不起訴獲得 示談交渉 痴漢・盗撮 性犯罪 暴行・傷害
メディア掲載 フジテレビ「とくダネ」/ ダイヤモンド・オンライン / @DIME / サイゾー 他多数
講演実績 「不当要求対応の基礎」「犯罪組織によるマネー・ロンダリングと投資詐欺への法的処置」等
刑事事件に強い弁護士に無料で相談しましょう

全国対応24時間、弁護士による刑事事件の無料相談を受け付けております。

弁護士と話したことがないので緊張する…相談だけだと申し訳ない…とお考えの方は心配不要です。当法律事務所では、ご相談=ご依頼とは考えておりません。弁護士に刑事事件の解決方法だけでもまずは聞いてみてはいかがでしょうか。

逮捕の回避・早期釈放・不起訴・示談を希望される方は、刑事事件に強い当法律事務所にメール・お電話・LINEでご連絡ください