強盗強制性交等罪(旧強盗強姦罪)とは?成立要件や罰則を解説

強盗強制性交等罪とは、強盗の罪の既遂もしくは未遂の罪を犯した者が強制性交等の罪(ただし、監護者性交等罪は除く)の既遂もしくは未遂を犯したとき、又は強制性交等の罪の既遂もしくは未遂を犯した者が強盗の罪の既遂もしくは未遂を犯した場合に問われる罪です刑法第241第1項に規定されています。平成29年の刑法改正前は「強盗強姦罪」という罪名でした。

以下では、刑事事件に強い弁護士が以下の項目についてわかりやすく解説していきます。

  • 強盗強制性交等罪の成立要件・罰則・逮捕率等
  • 法改正により強盗強姦罪から強盗強制性交等罪へ何が変わったのか
気軽に弁護士に相談しましょう
  • 全国どこからでも24時間年中無休でメールや電話での相談ができます。
  • 逮捕回避・早期釈放・起訴猶予・不起訴・執行猶予の獲得を得意としております
  • 親身誠実に、全力で弁護士が依頼者を守ります。

強盗強制性交等罪について

成立要件は?

強盗強制性交等罪が成立するのは次の4つのケースです。

  • ①強盗の罪(既遂)+強制性交等の罪(既遂)
  • ②強盗の罪(既遂)+強制性交等の罪(未遂)
  • ③強盗の罪(未遂)+強制性交等の罪(既遂)
  • ④強盗の罪(未遂)+強制性交等の罪(未遂)

また、どちらが先に行われたかを問いません。つまり、強盗の罪を犯した後に強制性交等の罪を犯した場合でも、強制性交等の罪を犯した後に強盗の罪を犯した場合でも強盗強制性交等罪に問われる可能性があるということです。

もっとも、強盗の罪と強制性交等の罪とは同一の機会に行われることが必要です。同一の機会に行われたかどうかは、強盗の罪と強制性交等の罪とが行われた時間的・場所的間隔や犯人、被害者の言動等を踏まえて判断されます。同一の機会に行われたと認められない場合は、強盗の罪と強制性交等の罪の2つの罪が成立します。

強制性交等罪(強姦)とは?構成要件と法改正での変更点を解説

罰則は?

無期又は7年以上の懲役です。

強盗と強制性交のいずれもが未遂に終わり、人を死傷させなかった場合には任意的に刑が減軽されることがあります。自分の意思でいずれかの犯罪を中止した場合(中止未遂)は必要的(必ず)に刑が減軽または免除されます。

負傷させた場合は?

「強盗・構成性交等致傷罪」という犯罪は存在しません。強盗強制性交等罪を犯し被害者を負傷させた場合には強盗強制性交等罪が成立します。傷害の結果については量刑で勘案されることになります(つまり刑罰が重くなります)。

死亡させた場合は?

強盗強制性交等罪が成立する場合で、強盗又は強制性交等により人を死亡させるに至ったときは強盗強制性交等致死罪、故意に殺害した場合は強盗強制性交等殺人罪に問われ、罰則は死刑又は無期懲役です。

逮捕率・勾留率・起訴率は?

2022年公開の検察統計調査によると、2021年における強盗強制性交等罪の逮捕率は約67%です。勾留率は100%ですので、逮捕後72時間以内に勾留請求され、刑事処分(起訴または不起訴)が決定するまで最大で20日間身柄を拘束されています。起訴率は55.8%ですので、半数以上が刑事裁判にかけられたことになります。

強盗強姦罪からどう変わった?

強盗強制性交等罪は、平成29年刑法改正以前の強盗強姦罪が改正された罪です。強盗強姦罪からの変更点は次のとおりです。

  • ①保護の対象が女子のみならず男子にも拡大された
  • ②処罰対象となる行為が性交(改正前の姦淫)のみならず肛門性交、口腔性交にも拡大された
  • ③強盗の罪と強制性交等の罪の前後を問わず強盗強制性交等罪が成立するようになった

③についてですが、刑法改正前は、強盗犯が強姦した場合は強盗強姦罪が成立しましたが、強姦犯が強盗した場合は強盗罪と強姦罪が成立し併合罪の関係にあるとされていました。しかし、強盗強姦罪の法定刑は無期または7年以上の有期懲役であるのに対し、強盗罪と強姦罪には無期刑が定められておらずその法定刑は5年以上30年以下の有期懲役でした。強盗行為が先か、強姦行為が先かによって刑に差ができる矛盾が生じていたため、平成29年の刑法改正に伴い、強盗、強姦の先後を問わず、強盗強制性交等罪が適用されるようになったのです。

強盗強制性交等罪の弁護活動

罪を認める場合は示談交渉が重要

罪を認める場合は起訴を避ける、すなわち起訴猶予による不起訴を獲得するための活動が優先されます。なぜなら、強盗強制性交等罪は裁判員裁判の対象事件であり、起訴されるといずれ裁判員裁判が開かれ、厳罰が下される可能性があるからです。

起訴猶予による不起訴を獲得するための弁護活動とは具体的には被害者との示談交渉です。示談交渉の結果、示談が成立し、検察官が刑事処分を決めるまでにその結果を提示することができれば起訴猶予による不起訴を獲得できる可能性が高くなります。検察官は刑事処分を決めるにあって被害者の意思を重要視しますから、示談書に宥恕条項(被害者が加害者の犯罪行為を許すことを明記した条項)を盛り込むことができれば起訴猶予による不起訴となる可能性は飛躍的に高まります。

弁護士としては、示談交渉において、宥恕条項の獲得にも努めていきます。もっとも、強盗強制性交等罪という罪の性質からして、示談金は高額となることは覚悟しておかなければなりません。

無罪を主張する場合

無罪を主張する場合は、起訴されるまでは嫌疑不十分による不起訴の獲得に努めます。性犯罪では、被疑者・被告人と被害者のいずれの供述(証言)が信用できるかが重要視されますので、まずは依頼者からしっかり話を伺った上で、取調べ等に対するアドバイスを行います。加えて、依頼者から聴取した内容等をもとに意見書を作成して検察官に提出し、嫌疑不十分による不起訴が適当であることを主張していきます。

一方、起訴された場合は、裁判員裁判での無罪獲得に努めます。起訴後は検察官の手元にある証拠を開示するよう求めることができます。まずは、証拠を全て開示させた上で、事件の争点や主張、立証していくべきポイントを整理し、公判前整理手続及び裁判員裁判に臨みます。同時に保釈も請求してまいります。

弊所では、強盗強制性交等罪の示談交渉、不起訴処分の獲得を得意としております。親身誠実に依頼者を全力で守りますので、強盗強制性交等罪を犯してしまい逮捕されるか不安な方、逮捕されてしまった方のご家族の方は弁護士までご相談ください。相談する勇気が解決への第一歩です。

気軽に弁護士に相談しましょう
  • 全国どこからでも24時間年中無休でメールや電話での相談ができます。
  • 逮捕回避・早期釈放・起訴猶予・不起訴・執行猶予の獲得を得意としております
  • 親身誠実に、全力で弁護士が依頼者を守ります。
刑事事件に強い弁護士に無料で相談しましょう

全国対応で24時間、弁護士による刑事事件の無料相談を受け付けております

弁護士と話したことがないので緊張する…相談だけだと申し訳ない…とお考えの方は心配不要です。

当法律事務所では、ご相談=ご依頼とは考えておりません。弁護士に刑事事件の解決方法だけでもまずは聞いてみてはいかがでしょうか。

逮捕の回避・早期釈放・不起訴・示談を希望される方は、刑事事件に強い当法律事務所にメールまたはお電話でご連絡ください。