
「恐喝と強盗はどちらも暴行や脅迫でお金を奪う犯罪だけど、何が違うの?」
このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。恐喝と強盗の最大の違いは、暴行・脅迫の程度にあります。被害者が抵抗できないほど強い暴行・脅迫であれば強盗罪、被害者に恐怖心を与えつつも抵抗の余地がある程度であれば恐喝罪が成立します。刑罰も大きく異なり、恐喝罪は10年以下の拘禁刑であるのに対し、強盗罪は5年以上の有期拘禁刑と非常に重い罪です。
この記事では、恐喝と強盗の違いや弁護活動のポイントについて、刑事事件に強い弁護士がわかりやすく解説します。
なお、恐喝・強盗事件について早急に対応したいとお考えの方は、この記事をお読みいただいた後、全国どこからでもご利用いただける当事務所の無料相談をお気軽にご利用ください。
| 気軽に弁護士に相談しましょう |
|
恐喝と強盗の違い
恐喝と強盗との違いは次のとおりです。
恐喝とは
恐喝とは、暴行又は脅迫によって人に金銭など財物を交付させることで成立する罪です。刑法249条に規定されており、罰則は「10年以下の拘禁刑」です。
※2025年6月1日施行の改正刑法により、「懲役」と「禁錮」は「拘禁刑」に一本化されました。
恐喝は、たとえば、「本当はお金をやりたくないけど、やらなければ痛い目に遭うから仕方なくやろう」という、人の意思に基づいて財物を交付させることに特徴があります。したがって、恐喝の暴行又は脅迫は相手方の反抗を抑圧するに至らない程度のものである必要があります。
「痛い目に遭いたくなければ今すぐ金を振り込め。」などとメールして脅し、相手にお金を振り込ませる行為が恐喝の典型です。恐喝罪の成立要件や逮捕後の流れについて詳しくは「恐喝罪とは?成立要件・時効・逮捕後の流れを弁護士が解説」をご参照ください。
強盗とは
一方、強盗とは、暴行又は脅迫によって人から強制的に金銭などの財物を奪う犯罪です。強盗罪は刑法236条に規定されており、罰則は「5年以上の有期拘禁刑(上限20年)」です。強盗の罪は強盗罪以外にも強盗致傷罪、強盗致死罪、強盗予備罪、強盗・強制性交等罪などがあります。
強盗は、恐喝と異なり、相手に財物を交付させるか否かの判断させる余裕を与えない程度に相手を怖がらせたり、驚かせたりして財物を奪うものです。そのため、強盗における暴行又は脅迫は、相手方の反抗を抑圧するに足りる程度の強いものでなければなりません。
コンビニエンスストアの店員に拳銃を突きつけ、「金を出せ。」、「出さなければ撃つぞ。」などと言って脅し、金を奪い取る行為は強盗の典型例です。なお、強盗の際に被害者に怪我を負わせた場合の罪や量刑については「強盗致傷とは?量刑(刑期)の傾向や執行猶予がつく割合を解説」で解説しています。
恐喝と強盗の違いは?
恐喝と強盗の違いは暴行・脅迫の程度です。
すなわち、恐喝の暴行・脅迫の程度は、前述のとおり、相手方の反抗を抑圧するに至らない程度のもので足りるのに対して、強盗の暴行・脅迫の程度は、相手方の反抗を抑圧するに足りる程度のものである必要があるとされています。
「被害者の反抗を抑圧する」とは相手方が抵抗できなくするという意味で、相手方の抵抗の余地を残し、相手方が自分の意思で物を交付したといえる程度の暴行・脅迫を手段とした場合は恐喝にあたり、相手方の抵抗の余地がなく、相手方が自分の意思で物を交付したとはいえない程度の強度の暴行・脅迫を手段とした場合は強盗にあたると考えるとわかりやすいかもしれません。
拳銃を向けられながら「金を出せ。」、「出さなければ殺すぞ。」などと言われれば、通常人は抵抗できずに金を出さざるをえなくなるでしょうから、こうした行為は相手方の反抗を抑圧するに足りる暴行・脅迫といえ、強盗にあたります。
一方、「〇〇とラブホテルに入っているところを見た。」、「奥さんに言われたくなかったら口止め料として200万円を振り込め。」などと言われた場合、言われたら困ると思ってお金を振り込む人がいるかもしれませんが、他方で、「〇〇と不倫していることは事実だし、言われたときは離婚してやる。」と高を括って振り込みを拒否できることを考えると、こうした行為は相手方の反抗を抑圧するに至らない暴行・脅迫といえ、恐喝にあたります。
もっとも、相手方の反抗を抑圧するに至らない程度のものかどうか、反抗を抑圧するに足りるものかどうかは、
- 犯行の時刻・場所その他の周囲の状況
- 犯人・相手方の性別
- 年齢
- 体格差
などを総合的に考慮して判断しなければいけません。そのため、個々の事案ごとに恐喝か強盗かの判断が異なり、実際に判断が難しかったり、裁判所によっても判断が分かれるケースもあります。過去には、一審(静岡地裁浜松支部昭和59年5月11日)で強盗と認定された事案で、二審(東京高裁昭和59年10月25日)で恐喝と認定されたケースもあります。
恐喝・強盗の弁護活動
恐喝・強盗いずれも財産犯ですから、被害者に生じた損害を回復させることが先決です。すなわち、罪を犯したことを認めた上で、被害者と示談交渉を行い、示談を成立させて示談金を支払うことが弁護活動の中心となります。
示談成立のタイミングによっては様々な効果を得ることが期待できます。事件が捜査機関に発覚する前に示談できれば、被害届の提出を防ぎ、逮捕や刑罰を受けずに済む可能性があります。万が一逮捕された場合でも、早期に示談できれば、身柄の早期解放、不起訴処分の獲得などにつながりやすくなります。
もっとも、示談交渉は弁護士に任せましょう。事案の性質上、弁護士でなければ被害者が示談交渉に応じてくれない可能性が高いためです。恐喝事件の示談金の目安や示談の進め方については「脅迫・恐喝の示談金相場と示談の流れ・メリットを徹底解説」もあわせてご確認ください。
恐喝・強盗事件でお悩みの方は弁護士にご相談ください
恐喝と強盗の違いは暴行・脅迫の程度にあり、どちらに問われるかによって刑罰の重さは大きく変わります。いずれの場合も、被害者との示談を成立させることが、事件の早期解決に向けた最も重要なポイントです。
恐喝・強盗事件では、被害者が加害者本人との直接交渉に応じてくれないことがほとんどです。弁護士が間に入ることで示談交渉が進みやすくなり、逮捕前であれば事件化を防ぎ、逮捕後であっても早期の身柄解放や不起訴処分の獲得につながる可能性が高まります。
「自分の行為が恐喝と強盗のどちらに問われるのかわからない」「すでに被害届を出されている」「家族が逮捕されてしまった」など、少しでも不安を感じている方は、できるだけ早い段階で弁護士に相談されることをおすすめします。
当事務所は刑事事件を専門に扱っており、恐喝・強盗事件の示談交渉や不起訴獲得について豊富な実績がございます。全国どこからでもご利用いただける無料相談を実施しておりますので、おひとりで悩まず、まずはお気軽にご相談ください。
| 気軽に弁護士に相談しましょう |
|
この記事の監修者
刑事事件の弁護に注力する法律事務所の代表弁護士。逮捕回避・早期釈放・不起訴獲得・示談交渉など、被疑者・被告人の権利を守るための迅速な弁護活動に豊富な実績を持つ。痴漢・盗撮・暴行傷害・薬物事件・性犯罪など幅広い刑事事件に対応し、24時間体制で依頼者とそのご家族を全力でサポートしている。

