- 無修正のAV動画や無修正画像の閲覧や購入、ダウンロード、所持は違法?
- 無修正の動画をネットにアップロードしたり、無修正のライブ配信をすることは違法?
- 違法な場合、どんな法律が適用されるの?
この記事では、性犯罪事件に強い弁護士がこれらの疑問を解消していきます。
心当たりのある行為をした方でいつ逮捕されるか不安な方、既に逮捕された方のご家族の方で、この記事を最後まで読んでも問題解決しない場合は弁護士までご相談ください。
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目次
無修正のav動画や画像は違法?
無修正のav動画や画像に関する行為については以下の罪や罰則に問われる可能性があります。
わいせつ物頒布等罪にあたると犯罪
まず、無修正のav動画や画像をアップした場合に問われる可能性があるのがわいせつ物頒布等罪です。わいせつ物頒布等罪は刑法第175条に規定されており、わいせつ物を「頒布」「公然陳列」した場合や、有償で頒布する目的でわいせつ物を「所持」「保管」を処罰する罪です。
わいせつ物の意義については、「性欲を刺激興奮し、又はこれを満足させる文書図画その他一切の物品を指し、従ってわいせつ物というためには、人を羞恥、嫌悪の感念を生じさせるものであることを要する」と判示した判例(大審院判例大正7年6月10日)があり、これからすると無修正のav動画や画像がわいせつ物にあたることは明らかです。
頒布とは、不特定又は多数の者の電磁的記録媒体(パソコンなど)に動画や画像データなどを存在するに至らしめる行為をいいます。無修正avの動画や画像を、閲覧者がいつでもダウンロードして閲覧できる状態にしておく行為も頒布にあたる可能性があります。
公然陳列とは、不特定又は多数人の者が観覧し得る状態に置くことをいいます。無修正avを店頭に並べる行為や、無修正avの動画や画像をインターネット上のサーバーにアップする行為などがこれにあたります。現実に不特定又は多数人の者が観覧する必要はなく、その可能性があれば足りると解されています。
わいせつ物頒布等罪とは?どこから成立?逮捕された場合の対処法
個人で楽しむ目的のダウンロード・閲覧・所持の場合は?
一方、個人で楽しむため無修正のav動画や画像を購入、ダウンロードする行為や、それらを閲覧、所持する行為を処罰する法律はありません。
もっとも、わいせつ物頒布等罪を規定する刑法第175条第2項では、有償で頒布する目的でわいせつ物を所持、保管する行為を処罰するとしています。単に所持、保管する行為は処罰されませんが、有償で頒布する目的で所持、保管する行為は処罰される可能性があります。
有償で頒布する目的があるかどうかは、わいせつ物の入手経緯、所持、保管していたわいせつ物の量、過去の取引歴、所持、保管の状況(形態)などから判断されます。
無修正のavの内容によっては所持だけで犯罪となる
また、注意しなければならないのが、av動画や画像の内容です。動画や画像が無修正か否かにかかわらず、児童ポルノにあたると判断された場合は児童ポルノ禁止法(正式名称:児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律)の第7条1項に規定されている「単純所持罪」で処罰される可能性があります。
児童ポルノとは、児童との性交や児童の全裸など(具体的には、次の①から③のいずれかに掲げる児童(18歳未満の者)の姿態)を記録した写真、DVD、BL、ハードディスク、USBメモリーなどのことです。
- ①児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
- ②他人が児童の性器等(性器、肛門、乳首)を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
- ③衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀部又は胸部。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激させるもの
単純所持罪は、自らの性的好奇心を満たす目的、つまり、個人で楽しむ目的で児童ポルノを所持した場合に問われ可能性のある罪で、罰則は1年以下の懲役又は100万円以下の罰金です。
無修正avを海外サーバーにアップすれば違法ではない?
日本国内において無修正avの動画等を国内のサーバーにアップした場合は、日本の刑法で規定されている「わいせつ物頒布等罪(公然陳列罪)」が適用されることには異論はないでしょう。
では、無修正avの動画等を海外のサーバーを通してアップした場合、日本の刑法で規定されているわいせつ物頒布等罪は適用されるのでしょうか?以下、日本から海外サーバーにアップした場合と海外から海外サーバーにアップした場合にわけて解説します。
日本から海外サーバーにアップした場合
日本の刑法は、日本で罪を犯したすべての犯人について適用されます。犯人の国籍は問いません。もっとも、犯罪行為のすべてが日本で行われる必要はなく、その一部が日本国内で行われるか、あるいは犯罪の結果が日本で生ずれば「国内犯」として日本の刑法が適用されることになっています。
そして、日本で無修正avの動画等を海外サーバーにアップする行為はわいせつ物公然陳列罪の実行行為の一部であって、その行為は日本で行っていますから、国内犯としてわいせつ物公然陳列罪が適用されるという結論になります。
海外から海外のサーバーにアップした場合
一方、海外から海外のサーバーにアップした場合は、わいせつ物頒布等罪の実行行為はすべて海外で行われていますから、国内犯としてわいせつ物頒布等罪を適用することは難しいという結論になります。
もっとも、最高裁判所(平成26年11月25日決定)、わいせつ物頒布等罪の頒布とは「インターネットを通じて不特定多数の者のパソコンにわいせつ情報を記録させること」と解釈していますから、たとえば、無修正av動画等の閲覧者がサイトにアクセスし、無修正av動画等をダウンロードできるよう設定する行為もわいせつ物頒布等罪の「頒布」にあたり、頒布の結果が日本で生じていることから国内犯としてわいせつ物頒布罪が適用されるという結論になります。
無修正のライブ配信は違法?
ここまでは、無修正のav動画や写真をアップした場合に問われる罪などについてみてきました。では、局部を無修正のままライブ配信する行為はどうでしょうか?
この点、結論は、「公然」と「わいせつな行為」をしたとして公然わいせつ罪に問われる可能性があります。
公然わいせつ罪の公然とは、不特定又は多数の者が認識できる状態をいい、現実に認識されている必要はなく、その可能性があれば足りると解されています。わいせつな行為とは、その行為者又はその他の者の性欲を刺激興奮又は満足させる動作であって、普通人の正常な性的羞恥心を害し善良な性的道徳観念に反するものと解されており、局部を無修正のままライブ配信する行為はまさにわいせつな行為にあたります。
公然わいせつ罪の罰則は6年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料です。
無修正の動画・画像をアップしてしまったら弁護士に相談
無修正avの動画・画像をアップしてしまった場合は、はやめに弁護士に相談しましょう。
弁護士に相談すれば、まずはそもそもご自身が行っている行為は法律に反する違法なものかどうか適切に判断してくれます。仮に違法な場合は、状況により逮捕される可能性がありますが、弁護士に相談すれば、逮捕を回避するための具体的なアドバイスや取調べのアドバイスを受けることができます。
また、前述のとおり、無修正avの内容によっては児童ポルノ禁止法に問われる可能性もあります。まずは、児童ポルノにあたるか否かの判断に加えて、仮に児童ポルノに当たる場合は、被害者との示談交渉も必要になってきます。被害者との示談交渉には弁護士の力が必要不可欠ですし、はやめに示談できれば、逮捕回避や不起訴などの有利な結果を受けることが可能です。その意味でも弁護士にはやめに相談することが大切です。
弊所では、無修正動画や画像のダウンロードやアップロード、ライブ配信による逮捕の回避、不起訴処分の獲得に力を入れております。親身誠実に弁護士が依頼者を全力で守りますので、いつ逮捕されるかご不安な方、既に逮捕された方のご家族の方は弁護士までご相談ください。相談する勇気が解決へと繋がります。
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