
この記事では、強制わいせつに強いべんごしがこの悩みを解消していきます。
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強制わいせつとは?
まず、強制わいせつ罪とはどんな罪なのか簡単に確認しておきましょう。
成立要件
強制わいせつ罪の成立要件は、被害者が18歳以上の場合と18歳未満の場合とで異なります。
被害者が13歳以上の場合は暴行又は脅迫を手段としてわいせつな行為を行うことが必要です。一方、被害者が13歳未満の場合は暴行又は脅迫は不要で、わいせつな行為だけで成立する可能性があります。
わいせつな行為とは、いたずらに性欲を興奮又は刺激させ、かつ普通人の性的羞恥心を害し、善良な性的道徳観念に反するような行為をいうと解釈されており、具体的には無理やりキスすること、胸を揉むこと、お尻や腿などを触ることなどが典型例です。
被害者が13歳以上の場合は、被害者の意思に反してわいせつな行為を行ったことの認識(故意)が必要です。なお、通常、13歳未満の者は有効な同意はできませんから、13歳未満の同意があっても強制わいせつ罪は成立します。一方、被害者が13歳未満の場合は、被害者が13歳未満であることの認識が必要です。
何をしたら強制わいせつ罪で逮捕される?どう対処すればいい?弁護士が解説
罰則
被害者が13以上の場合も13歳未満の場合も6月以上10年以下の懲役です。罰金刑は設けられていません。
強制わいせつにおける冤罪とは?
次に、冤罪の意味や強制わいせつ(痴漢)で冤罪が起きやすい理由について解説します。
冤罪とは?
冤罪という言葉は法律用語ではありませんが、一般には、罪を犯していないのに、罪を犯したとして扱われる状態のことを指しているようです。別名、無実ともいいます。
強制わいせつではなぜ冤罪が起きやすい?
痴漢を処罰する法令といれば各都道府県が定める迷惑行為防止条例ですが、痴漢の行為態様等によっては強制わいせつ罪に問われる可能性もあります。もっとも、痴漢冤罪に関する判例がいくつもあるように、痴漢では冤罪が起きやすい傾向にあります。
痴漢で冤罪が起きやすい最大の理由は客観証拠が少ないことです。客観証拠とは、人の体験や記憶をベースとした主観証拠(供述調書や証言)以外の証拠のことです。
たとえば、万引きであれば犯人が万引きしたお店の商品や万引きする瞬間を撮影したお店の防犯ビデオ映像などの客観証拠があることが通常です。しかし、痴漢ではこうした客観証拠が存在することが少なく、存在する証拠としては被疑者・被告人や被害者、目撃者の供述調書や証言のみという場合も珍しくありません。
もっとも、こうした主観証拠の欠点は、思い込みや記憶の減退などによって虚偽や錯覚、誇張部分が含まれている可能性があることです。そうした虚偽部分等を検察官や裁判官が見抜くことができれば冤罪を防ぐことができるわけですが簡単なことではありません。
被害者とすれば被害に遭ったからこそ被害申告しているのであって、その供述や証言を信用できないと認定し、被告人を無罪とするとすることはとても勇気のいることです。また、単純で類型化されている痴漢犯罪の性質からして、被害者が具体的で詳細な被害状況を供述(証言)することはさほど難しくなく、被害に遭っているからこそ具体的で詳細な供述をしているのだと認定されてしまうおそれがあります。
主観証拠にこうした虚偽や錯覚、誇張部分が含まれていると、誤った事実認定をされてしまうおそれがあります。それゆえ、主観証拠のみで事実認定をしなければならないことが多い痴漢では冤罪が起きやすいのです。
強制わいせつの冤罪事件で無罪となった判例
ここでは、過去、強制わいせつ罪で無罪判決が出された判例をご紹介します。
強制わいせつ罪の故意の証明が不十分だとして無罪
電車内で、隣に座っていた被害女性に無理やりキスしたなどとして強制わいせつ罪に問われた事案。裁判では被告人に強制わいせつ罪の故意があるかどうかが争点となったところ、裁判官は、「被害女性は隣に座った被告人に名前や勤務先を教えている」、「被害女性から私的な情報を教えてもらった被告人が被害女性から好意を抱かれていると誤信した可能性がある」と判断し、強制わいせつ罪の故意が証明できていないとして被告人に無罪を言い渡しています(名古屋地裁判決平成29年9月5日)
被害供述の信用性を欠くとして無罪
電車内で、女子高生のパンティの中に左手を差し入れ、その陰部を触るなどして強制わいせつ罪に問われた事案。第一審、第二審では被告人に有罪判決が言い渡されたものの、最高裁は「犯罪事実を証明する証拠である被害女性の供述の信用性にはなお疑いが残る」と判断して無罪判決を言い渡しています。なお、本件事案では、被害女性の供述のほか、犯罪事実を証明しうる証拠はありませんでした(最高裁判決平成21年4月14日)。
強制わいせつの冤罪を疑われた場合の対応
では、やってもないのに強制わいせつを疑われた場合はどのように対処すべきでしょうか?以下で詳しく解説します。
なお、「痴漢」を疑われた場合には、痴漢冤罪で絶対にやってはいけない4つのこととやるべき3つのことも合わせて読むことをオススメします。
現場から逃げない
まずは、現場から逃げないことです。逃げてもいずれは検挙される可能性が高いですし、逃亡のおそれがあると判断されて逮捕のリスクを高めることにもつながってしまいます。また、のちのち裁判となった場合に、裁判官に「強制わいせつの認識があるから現場から逃げたのだ」とみなされ、無罪を勝ち取ることを難しくしてしまう可能性もあります。
黙秘する
次に、黙秘することです。警察官はあの手この手を使ってあなたに自白させようとしますが、まともに受け答えすると上げ足を取られて追及する隙を与えてしまうことになりかねません。
なお、氏名・住所・生年月日・職業・連絡先などの個人情報は正直に回答しましょう。警察官がどこの誰とも把握できていない人物をその場から解放するはずはありません。在宅で捜査を続けてもらうためにもまずは個人情報を開示した上で、警察の呼び出しには素直に応じる姿勢を示すことが必要です。
罪を認めない、謝罪しない
次に、罪を認めない、謝罪しないことです。自分からやったと認めることはもちろん、警察官の追及に対しても屈してはいけません。また、被害者に対して謝罪してもいけません。謝罪すると罪を認めたととられかねる可能性があるからです。
一度、罪を認めると、その後に否定することがとても難しくなります。罪を認めないなら、はじめから最後まで一貫して罪を認めない態度を貫くことが大事です。
職場、家族、弁護士に電話する
次に、職場、家族、知っている弁護士がいる場合は弁護士に電話しましょう。職場への電話は、後であれこれと詮索されないためにも必要です。家族には、冤罪に巻き込まれたこと、電車内痴漢の場合は下車した駅名、弁護士に接見を依頼して欲しいことの3点を伝えます。家族に下車した駅名を伝えるのは、万が一逮捕された場合の収容先(警察署名)を、接見を依頼する弁護士に伝えるためです。警察官が現場に到着すると事実上電話ができなくなりますから、警察官が現場に到着する前に電話する必要があります。
弁護士との接見を依頼する
万が一逮捕されてしまった場合は、弁護士との接見を依頼しましょう。家族に弁護士との接見を依頼できなかった場合や自ら弁護士に電話できなかった場合は、警察官に弁護士と接見したい旨を申し出ると警察官が手配してくれます。
なお、この段階で接見に来てくれる弁護士は当番弁護士です。当番弁護士は接見のみを行い、釈放に向けた活動等は行ってくれません。具体的な弁護活動が必要な場合は、私選弁護人を選任するか国選弁護人の選任を待つ必要があります。
強制わいせつの冤罪事件の弁護活動
刑事弁護を弁護士にご依頼いただいた場合、弁護士は次の方法で冤罪防止に努めます。
接見
逮捕されてしまうと警察の留置場で生活しなければなりません。留置場の生活ではプライベートや自由などありません。また、周囲は初対面の人ばかりで気軽に相談できる相手などおらず、ストレスを溜めこみがちです。そこでまずは、接見を重ね、依頼者の悩みや言い分に耳を傾け、心強い味方となることが弁護士の大切さだと考えます。なお、弁護士の接見は、時間や回数などに制限がないのも強みといえます。
取調べへの徹底したアドバイス
前述のとおり、強制わいせつをはじめとする性犯罪では犯人と被害者の供述しか証拠がないというケースが少なくありません。そこで、取調べで話した内容が、裁判等で重要となってくることがあるため、接見では取調べに対するアドバイスを徹底的に行います。
取調べに対する異議の申し入れ
逮捕されると過酷な生活環境に加えて、長時間かつほぼ連日の取調べが待ち受けています。また、取調べでは黙秘すればするほど、否認すればするほど取調官の追及は厳しくなり、ときに違法・不当な取調べが行われることがあります。違法・不当な取調べが行われた疑いがある場合は、違法・不当な取調べを行わないよう捜査機関に異議を申し入れます。
裁判での弁護活動
万が一起訴され刑事裁判にかけられてしまった場合は、被害者を(反対)尋問して被害者の証言の信ぴょう性に疑いを挟む余地があることを明らかにしていきます。捜査段階で自白してしまい、自白調書が証拠請求されてしまった場合は任意性がないことを証明して、裁判に顕出されることを防ぎます。
弊所では、強制わいせつ事件の冤罪事件の解決実績があります。親身誠実に弁護士が依頼者を全力で守りますのでまずはお気軽にご相談ください。相談する勇気が解決への第一歩です。
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