強制わいせつで前科があると量刑は重くなる?軽くするには?
前科がある者が強制わいせつ事件を起こした場合、量刑は重くなるのだろうか…

この記事では、刑事事件に強い弁護士がこの疑問を解消していきます。

また、量刑を軽くするためにすべきことについても合わせて解説していますので、ご家族が強制わいせつ罪で逮捕されてお困りの方は最後まで読んでみて下さい。

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前科があると強制わいせつとの量刑はどうなる?

まず、強制わいせつ罪の内容や前科が量刑に与える影響などについて解説します。

強制わいせつ罪とは?

強制わいせつ罪とは、13歳以上の者に対しては暴行又は脅迫を手段としてわいせつな行為を行った場合、13歳未満の者に対しては、13歳未満の者と知りながらわいせつな行為を行った場合に成立しうる犯罪です。法定刑は6月以上10年以下の懲役です。

量刑の判断基準は?

量刑とは、裁判官が、起訴され刑事裁判にかけられた被告人について有罪であるとの心証を得た場合に、判決でその被告人に言い渡す刑罰の種類や刑期の長さ、実刑か執行猶予か、執行猶予の場合は何年かを決めることです。

裁判官が量刑を決める際に考慮する事情は、犯罪そのものに関する情状(犯情)と犯情以外の一般情状があります。

犯情には、

  • 犯行の動機
  • 犯行の計画性の有無
  • 犯行の手段・方法
  • 犯行態様
  • 被害の結果の有無及びその程度

などがあります。

対して、一般情状には、

  • 被告人の年齢・性格・健康状態・社会的地位
  • 犯行までの生活状況
  • 反省の有無
  • 被害弁償・示談成立の有無
  • 更正可能性(被告人の更生の意欲、家族・雇用主等の適切な監督者の有無、社会復帰後の更生に向けた環境の有無など)
  • 再犯可能性(被告人の供述内容、性癖の有無及びその程度、前科・前歴の有無など)

があります。

前科がある場合の強制わいせつの量刑は?

前科をもっているからといって必ずしも量刑が重くなるとは限りません

前科をもっているといっても、数十年前の前科しかもっていない場合もあれば直近の前科をもっている場合もあります。前科が10年以上も前のものであれば、もはや被告人はその前科については更正したとみなされ、初犯と同様に扱われることが多いです。

また、強制わいせつ罪のような性犯罪とは異なる前科(異種前科)しかもっていない場合も、初犯と同様に扱われることもあります。

要するに、前科の中身によって量刑に与える影響はまったく異なってくるということです。

なお、前の前科で懲役刑で刑務所に服役し刑期が終わったものの、その終わった日から5年以内に再び犯罪を犯し、その犯罪で有期懲役に処せられるときは、その犯罪は法律上の「再犯」として扱われます。そして、再犯の刑はその罪の法定刑の長期の2倍以下とすることができると法律に規定されています。つまり、仮に、強制わいせつ罪が再犯にあたる場合は処断刑が「6月以上20年以下の懲役」と重くなるということです。もっとも、実際に科される刑が2倍となるという意味ではありません。

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強制わいせつで量刑を軽くするためにできること

強制わいせつ罪で量刑を軽くするためには、一般情状において被告人にとって有利な情状を作ることです。以下、具体的にみていきます。

罪を認め、謝罪する

まずは、素直に罪を認め、被害者に謝罪することです。また、同じ罪を認めることでも、始め否認しておきながら途中から罪を認めるよりかは、始めから一貫して認めた方が有利に取り扱われます。罪を認めるべきか否認すべきか判断に迷ったら、早めに弁護士に相談して判断を仰ぎましょう。

被害弁償、示談を成立させる

次に、被害者に被害弁償し、示談を成立させることです。被害弁償と示談は量刑に最も影響を与える一般情状です。判決までに被害弁償と示談を成立させることができれば、量刑が軽くなる可能性は高いです。

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カウンセリング、治療を受ける

犯行に至るまでの経緯、本人の性癖、性依存度などから今後も性犯罪を繰り返すおそれが高い場合は、専門機関でカウンセリングや治療を継続的に受けることが必要です。継続的に受けることで更生意欲があることのアピールにもつながります

周囲に協力を求める

本人が更正するためには本人の意欲はもちろん、周囲のサポートも不可欠です。家族をはじめとする身近な人の協力・理解を得ておくことはもちろん、医師や病院関係者、弁護士ともよく相談しながら治療を進めていく必要があります

弁護士に相談、依頼する

最後に弁護士に相談、依頼することです。

強制わいせつ罪を始めとする性犯罪の場合は特に、被害者に謝罪するにも、被害弁償するにも、示談交渉するにも、弁護士が間に入らなければ受け付けてくれない被害者が圧倒的に多いでしょう。また、被害者側に弁護士がついたとしても、適切な条件で示談をまとめてくれるとは限りませんから、あなたの味方となってくれる弁護士に相談、依頼すべきです。起訴され、刑事裁判を受けることとなった場合は、謝罪や被害弁償、示談成立の事実、更生に向けてカウンセリングや治療を受けていること、適格な監督者がいることなどを立証して量刑が軽くなるよう努めてくれます。

弊所では、前科がある方が起こした強制わいせつ事件の不起訴・執行猶予の獲得を得意としており実績もあります。親身誠実に弁護士が依頼者を全力で守りますので、お困りの方はまずはお気軽にご相談ください。相談する勇気が解決へと繋がります。

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