痴漢で逮捕された時の拘束期間と期間を短くするための対処法

「痴漢で逮捕された場合、どれくらいの拘束期間になるのだろう…」

拘束期間が長ければそれだけお仕事や学校への影響も大きいわけですから、このように考える方も多いことでしょう。

そこでこの記事では、痴漢に強い弁護士が、

  • 痴漢で逮捕された場合の拘束期間
  • 痴漢逮捕で拘束期間を短くするための対処法

について解説していきます。

なお、ご家族が痴漢で逮捕されてお困りの方で、この記事を最後まで読んでも問題解決しない場合には弁護士までご相談ください

気軽に弁護士に相談しましょう
  • 全国どこからでも24時間年中無休でメールや電話での相談ができます。
  • 逮捕回避・早期釈放・起訴猶予・不起訴・執行猶予の獲得を得意としております
  • 親身誠実に、全力で弁護士が依頼者を守ります。

痴漢で逮捕された場合の拘束期間は?

まず、痴漢で逮捕された後の身柄拘束期間を、

  • ①警察での釈放(逮捕からの拘束期間1日~2日程度のケース)
  • ②検察での釈放(逮捕からの拘束期間2~3日程度のケース)
  • ③勾留請求却下・不服申し立てによる釈放(逮捕からの拘束期間3日~4日程度のケース)
  • ④勾留決定から起訴・不起訴の決定まで(逮捕からの拘束期間最大23日のケース)

という4つのケースにわけて解説します。

①警察での釈放(逮捕からの拘束期間1日~2日程度のケース)

逮捕から、事件と身柄を検察官の元に送る送致(送検)までは最大で48時間あります。

警察はこの48時間以内に、事件と身柄を送致するかどうかを判断する必要があり、送致する必要があると判断したときは逮捕から48時間以内に送致する手続きがとられます。一方、送致する必要がないと判断した場合は逮捕から48時間以内に釈放されますので、逮捕からの拘束期間は1日~2日程度です

比較的釈放されやすいのは、痴漢の事実を認めている自白事件の場合です。身柄を拘束されるのは、被疑者に逃亡のおそれ、罪証隠滅のおそれがあると判断されているからですが、痴漢の事実を認めているということは逃亡したり、証拠を隠滅したりするおそれがないと判断されやすいからです。

もっとも、痴漢の事実を認めているだけでは不十分です。警察が必要十分な証拠を集めていることに加えていること、釈放しても被害者とコンタクトをとるおそれがないこと、家族などの適切な身元引受人がおり、被疑者の監督や捜査機関、裁判所への同行を誓約していること、被疑者に前科・前歴がないこと、被疑者に定職に就いていることなどの事情が必要です。

②検察での釈放(逮捕からの拘束期間2日~3日程度のケース)

前述のとおり、警察が事件と身柄を検察官の元に送致する必要があると判断したときは、逮捕から48時間以内に事件と身柄を送致する手続きをとります。そして、事件と身柄を受け取った検察官は裁判官に対し勾留という比較的長い身柄拘束を請求するかどうかを判断します。

この送致から検察官が裁判官に対し勾留請求できるまでの期間は最大で24時間です。検察官はこの24時間以内に勾留請求するかどうかを判断し、勾留請求する必要があると判断した場合は送致から24時間以内に裁判官に対し勾留請求します。一方、勾留請求する必要がないと判断した場合は送致から24時間以内に釈放されますので、逮捕からの拘束期間は2日~3日程度です

検察官も被疑者に逃亡のおそれや罪証隠滅のおそれがあるかどうかをチェックする点は警察官と同じですが、警察官と検察官とでは立場や視点が異なることから、検察官に送致された事件であっても検察官が勾留請求せずに釈放するケースは多くあります。

③勾留請求却下・不服申し立てによる釈放(逮捕からの拘束期間3日~4日程度のケース)

検察官が勾留請求した場合は、その日かその翌日に裁判官の勾留質問を受けます。勾留質問とは裁判官と面談することで、裁判官から痴漢した経緯や痴漢の認否などを聴かれます。

検察官から裁判官には事件記録が送られ、裁判官は勾留質問前にこの事件記録を読み込んでいます。裁判官は事件記録や被疑者から聴き取った話の内容をもとに、検察官の勾留請求を認めるか否か、すなわち、このまま身柄拘束するのかしないのかを判断します。

①、②と異なり、勾留請求から勾留決定までの時間的制限は設けられていませんが、通常、勾留質問を受けたその日に判断がくだされます。

ここで裁判官が検察官の勾留請求を却下し、検察官がその判断に対して不服を申し立てない場合は釈放されます(逮捕からの拘束期間は3日程度)。一方、検察官が不服を申し立て、その申し立てが認められた場合は却下決定が取り消されて身柄拘束が継続するのに対し、申し立てが認められなかった場合は釈放されます。ただし、釈放されるまでには少し時間がかかります(逮捕から約3日~4日後くらいです)。

他方で、裁判官が検察官の勾留請求を許可した場合は勾留が決定します。勾留期間は勾留請求の日から10日間です。もっとも、弁護士がこの決定に対して不服を申し立てることができます。弁護士の不服申し立てが認められた場合は許可決定が取り消されて釈放されるのに対して、認められなかった場合は勾留が継続します。

弁護士の不服申し立てによっていつ釈放されるかは、弁護士がいつ不服を申し立てたかにもよります。不服申し立ては勾留許可決定が出た直後はもちろん、しばらく勾留されてからでもすることができます。勾留許可決定が出た直後に不服申し立てをして認められた場合は、その翌日(逮捕からの拘束期間は4日程度)には釈放されます

④勾留決定から起訴・不起訴の決定まで(逮捕からの拘束期間最大23日間のケース)

裁判官が検察官の勾留請求を許可し、弁護士がその決定に対して不服申し立てしないかしても認められなかった場合は勾留が継続します。前述のとおり、勾留期間は勾留請求の日から10日間です。

検察官は勾留決定から1週間くらいで痴漢の証拠を集めるよう警察に指示したり、自ら証拠を集めたりします。そして、勾留決定から1週間くらいで痴漢の証拠を集めることができた場合は、集めた証拠をもとに起訴か不起訴かの判断をします(稀に、判断をせずに被疑者を釈放し、在宅のまま捜査を続けることもあります)。

一方、10日間の勾留期間で痴漢の証拠を集めることができず、勾留期間の延長が必要と判断した場合、検察官は、裁判官に対して勾留期間の延長を請求します。裁判官がこの請求を許可した場合、裁判官が指定した日数(最大10日)分、勾留期間が延長されることが決定します

つまり、勾留期間は最大20日間(10日+延長10日)ですので、逮捕から勾留請求までの3日間(48時間+24時間)を加えると、逮捕から起訴または不起訴が決定するまでの拘束期間は最大で23日間となります。

そして、勾留されたまま正式起訴された場合は、さらに2か月間の勾留が決まります。起訴後に釈放されたい場合は、裁判所に対して保釈請求し、保釈の許可を得て保釈保証金を納める必要があります。

痴漢逮捕で拘束期間を短くするためにすべきこと

最後、痴漢で逮捕されたときに、拘束期間を短くするためのコツについて解説します。

痴漢を認める

まず、痴漢をしたのであれば、痴漢の事実を正直に認めることです

痴漢をした認識があるのにあえて否認したり、警察官や検察官、裁判官の問いかけに曖昧な話しかしないと、逃亡のおそれ、罪証隠滅のおそれがあると判断され、拘束期間の長期化につながってしまいます。

なお、冤罪と考える場合は、絶対に罪を認めてはいけません。一度認めると後に罪を否認し、かつ、その話を信用してもらうことが難しくなります。痴漢を否認しても釈放されることはありますので、はやく釈放されたいからといって罪を認めることだけは絶対にやめましょう

示談交渉する

次に、被害者と示談交渉することです。

被害者と示談交渉するということは、痴漢の事実を認めていることが基本となります。捜査機関や裁判官に示談交渉中であることをアピールするだけでも、早期釈放に近づきます。

また、痴漢で示談が成立すれば、刑事処分はほぼ不起訴です。刑事処分が不起訴であれば、逃亡したり、罪証隠滅する被疑者はいないでしょう。つまり、痴漢で示談が成立すれば、早期に釈放される可能性が極めて高くなります

弁護士に刑事弁護を依頼する

最後に、弁護士に刑事弁護を依頼することです。

前述のとおり、痴漢事件において、示談交渉はとても有効な手段ですが、身柄を拘束されている以上、示談交渉は弁護士に頼む以外ありません。また、弁護士は、拘束期間を短くすべく、示談交渉以外にも、身元引受人と釈放後の生活環境について協議したり、検察官や裁判官宛に意見書を提出したりしてくれます

なお、逮捕から勾留決定が出るまでの間は国選弁護人を選任することができませんから、1分、1秒でも、釈放を急ぎたい、勾留決定前に釈放して欲しい、という方は私選弁護人の選任を検討しましょう

当事務所では、痴漢、あるいは、痴漢冤罪で逮捕された場合の早期釈放を得意としており実績があります。親身誠実に弁護士が早期釈放に向けて全力で対応しますので、痴漢・痴漢冤罪で逮捕された方のご家族の方は当事務所の弁護士までご相談ください。お力になれると思います。

気軽に弁護士に相談しましょう
  • 全国どこからでも24時間年中無休でメールや電話での相談ができます。
  • 逮捕回避・早期釈放・起訴猶予・不起訴・執行猶予の獲得を得意としております
  • 親身誠実に、全力で弁護士が依頼者を守ります。
刑事事件に強い弁護士に無料で相談しましょう

全国対応で24時間、弁護士による刑事事件の無料相談を受け付けております

弁護士と話したことがないので緊張する…相談だけだと申し訳ない…とお考えの方は心配不要です。

当法律事務所では、ご相談=ご依頼とは考えておりません。弁護士に刑事事件の解決方法だけでもまずは聞いてみてはいかがでしょうか。

逮捕の回避・早期釈放・不起訴・示談を希望される方は、刑事事件に強い当法律事務所にメールまたはお電話でご連絡ください。