援助交際をしてしまい、このような不安を抱えている方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、警察に児童買春が発覚~警察が自宅にやって来て逮捕されるまでの流れを、当事者の対話形式で説明していきます。
なお、児童買春で逮捕された後の流れや、児童買春が警察に発覚する様々なパターンを知りたい方は、「児童買春とは?逮捕に至る6つのパターンと対処法を弁護士が解説」も合わせて読んでみて下さい。
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児童買春の発覚から逮捕されるまでの流れ
児童買春ではその場で警察に通報されたり、第三者に目撃されるなどして現行犯逮捕されるというケースは稀です。
むしろ、児童買春から一定期間を経たある日、突然警察官の訪問を受けるなどして通常逮捕(裁判官から発布を受けた逮捕状による逮捕)されるというケースが圧倒的に多いです。
では、発覚から逮捕までどういう流れとなるのか具体例を使って確認していきましょう。
【事件の概要】
山田太郎(妻・子供一人。以下、「山田さん」)さんは女子高生と出会い、あわよくば性交できないかと思いパパ活アプリをダウンロードします。山田さんはパパ活アプリ内で登録名「サキ(本名:佐藤由香)」なる人物と意気投合しやり取りを続ける中、「サキ」から援助交際を求められたことからこれを承諾しました。
山田さんは念のため相手の年齢や性交がOKなのか尋ねたところ、「17歳」、「1回、5万円でOK」と言われたことからサキと会うことにしました。そして、山田さんは約束時の日時(令和3年11月4日午後5時頃)、場所(新宿区内)でサキ(=佐藤由香さん)と落ち合いホテルに行きました。そして、山田さんはホテルの個室に入りサキに約束通り5万円を手渡し、サキと性交しました。※人物、ストーリーともフィクションです。
(母にスマートフォンを手渡し、ロックを解除する。)
「ちょっと由香!この「パパ活」って何よ!?」
(事案の概要のことなどを正直に話す。)
「由香。正直に話してくれてありがとう。この件はお父さんとも相談したけど、お父さんも正義感の強い人だし、やっぱり警察にきちんと相談した方がいいということになったよ。」「明日、警察に相談しに行こう。」
(由香、由香の母親、警察に相談後、警察の勧めで被害届を提出)
(こんな朝早くから誰の訪問かと面倒くさそうに)
「はーい、誰ですか?」
※早朝に警察が自宅に家宅捜索などをすることを「おはよう逮捕」といいます。早朝は被疑者が家にいることが多いためおはよう逮捕がよく行われます。なお、警察は内定調査で被疑者が家にいる時間帯を事前に把握しています。
※捜索、逮捕は突然やってきます。
「は、はい。なんのご用件で?」
警察官A「私は、新宿警察署少年課の田中と言います。」「山田太郎さん、でお間違いないですね?」
※被疑者に逃げられないよう警察官は3~5名で来ることが多いです。近所の目に配慮して私服警察官がパトカーではなく一般の車で来ます。
「実はあなたにこんな令状が出ているのです。」
※捜索差押許可状=強制的に物を探し、押収する(物の権利をはく奪する)ことができる裁判官の許可状
(身に覚えはあるものの、「警察」「令状」「児童買春」にかなり動揺している。)
※捜索差押令状がある限り警察官の自宅への立ち入りや捜索を拒否することはできません。
(警察官A、B、Cが山田さん宅へ上がり込む)
(この様子を見て子供の幼稚園への送迎の準備をしていた山田の妻である香は何が起きているのかわからず茫然としている。)
「これは誰のパソコンですか?」
※自分が被疑者の事件で証拠品を隠す・壊すなどしても証拠隠滅罪には問われません。ただし、「証拠隠滅の可能性が高い」と判断され、逮捕される可能性が高まります。
(警察官にスマートフォンを差し出す)
※捜索差押は短くて数十分、長くて数時間、数日に渡ることがあります。
「サキという名前に見覚えは?」
「これから我々と一緒に警察にきてもらいます。」
※ここでは妻に職場への連絡を頼んでいますが、警察官に頼めば、ご自身が職場に電話することを許可してもらえることもあります。
なお、児童買春は被疑者の職務に関連した犯罪ではないため、警察から職場に連絡が行くことはありません。
※欠勤扱いとならないよう、職場には一報入れておくべきです。連続無断欠勤は解雇事由に当たる可能性があるからです。
「では、こちらに乗っていただけますか。」
(警察車両の後部座席の中央に乗るよう促される)
「被疑者は、令和3年11月4日午後6時頃、新宿区内のホテルにおいて、佐藤由香(当時17歳)が当時18歳未満の児童であることを知りながら、同児童に対し現金5万円を渡した上、同児童に対し性交したものである。」
(このとき山田さんははじめて「サキ」=佐藤由香だと知る)
(警察官Aが手錠を取り出し、山田さんの両手にかける。同時に警察官Cが「午前7時32分です。」と言う。)
※被疑者の名誉や家族に与える心理的影響に配意して、警察の車両内など第三者の目の届かないところで手錠がはめられます。
(山田さん宅から新宿警察署まで約30分、車内は沈黙に包まれる)
(新宿警察署到着後、取調室で警察官の弁解録取の手続きを受ける)
(その後、所持品検査、健康チェックを受けて新宿警察署内の留置場内に収容される。)
児童買春で逮捕される前に弁護士に相談
上で説明したように、児童買春での逮捕はある日突然訪れます。自宅に複数の警察官が押し寄せてきて、あれよあれよという間に手錠をかけられて警察署に連れて行かれます。
これだけでも精神的な動揺は計り知れませんが、さらにこの後に警察による厳しい取り調べが行われます。そして正常な判断能力が低下している被疑者は一方的に自分に不利な内容の供述調書にサインをしてしまうリスクも十分あります。
供述調書は、検察官が起訴・不起訴するかを判断する時の材料となります。また、裁判官が量刑を決める場合も同様です。後々ご自身の立場を危うくしないためにも、児童買春をしてしまったら出来るだけ早急に弁護士に相談し、逮捕された場合にすぐに接見に来てくれる弁護士を探しておきましょう。
逮捕されたら警察にその弁護士に連絡を入れてもらい、弁護士が到着するまでは黙秘権を行使してください。弁護士と接見することができれば、不利な供述をしないための様々なアドヴァイスが貰えます。
また、逮捕前の段階で弁護士に依頼することで、被害者の親との示談交渉など逮捕の回避に向けた弁護活動も行ってくれます。また、逮捕されてしまった場合でも、早期釈放、不起訴処分の獲得に向けた対策もしてくれます。
弊所では、児童買春の逮捕の回避、早期釈放、不起訴処分の獲得の実績があります。親身誠実に弁護士が依頼者を全力で守ります。児童買春をしてしまい逮捕に怯えて暮らしている方、ご家族が逮捕されてお困りの方は、まずはお気軽にご相談下さい。相談する勇気が解決に繋がります。
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