この記事をご覧の方は、離婚するまでに取り決めなければならない子供に対する親権や、近年話題となっている共同親権について興味、関心を抱いておられるのではないでしょうか?

離婚後の親権を夫婦のいずれが持つか、誰が子供の親権者になるのかは子供にとってもとても大切なことですので、親権や共同親権について詳しく知りたいという方も多いと考えます。

そこで、本記事では、

  • 親権の内容
  • 共同親権の意義
  • 共同親権のメリット・デメリット

について解説していきたいと思います。

ぜひ最後までご一読いただけると幸いです。

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共同親権とは?|「親権」は財産管理権と身上監護権から成る

普段、あまり意識されていないかもしれませんが、共同親権の「親権」には財産管理権と身上監護権から成り立っていることをご存知でしょうか?

以下では、共同親権についてご理解いただく前に、この財産管理権身上監護権の中身について解説してまいります。

財産管理権の内容

財産管理権は、子供の財産に対する包括的な管理権子供が行う法律行為に対する同意権から成ります。

子供の財産に対する包括的な管理権の例として、子供の将来のために、お祝いの際やお年玉としてもらったお金を子供名義の金融機関の口座に入金し貯蓄することなどを挙げることができます。

また、子供が行う法律行為に対する同意権の例として、子供が不要となったゲームソフトやゲーム機を中古品買取店で売却すること(法律行為を行うこと)に同意することなどを挙げることができます。

身上監護権の内容

身上監護権は、子供の日常の世話や教育を行う包括的な監護権のほか、身分行為の代理権懲戒権居所指定権職業許可権から成ります。

身分行為の代理権の例として、子供の進学や就職、結婚や改正の際に、子供に代わって法的な手続きをすることなどを挙げることができます。

懲戒権とは、要は、しつけを行う権利です。

もっとも、懲戒権は子供の利益のために行使しなければならず、暴力・暴言などの虐待を許容する権利でないことは言うまでもありません。

居場所指定権は、子供がどこに住むかを決める権利です。

上記の懲戒権を適切に行使するためには、同じ屋根の下で子供と一緒に暮らす必要があることから認められた権利です。

職業許可権は、子供自身が営業・事業を営むことのみならず、誰かに雇用されて就職する際に許可するか否かを決めることができる権利です。

高校生や未成年者(20歳未満の者)の大学生がアルバイトしようとする際に行使する権利がこの職業許可権です。

共同親権とは父親、母親の双方が親権を持つこと

共同親権とは、父親と母親の双方が前述した子供に対する親権を有している状態のことをいいます。

共同親権を有する場合は、たとえば、父親は身上監護権の行使の一環として、高校生の子供に国立大学に進学するよう指導・教育する一方で、母親は子供に特定の私立大学へ進学するよう指導・教育することができます。

ここでは、父親と母親の意見が対立していますが、最終的には子供の意見を最大限尊重しつつ、子供の夢、希望を叶えるためにサポートしてあげることが親の務めといえます。

他方で、単独親権とは、父親あるいは母親の一方が子供に対する親権を独占している状態のことをいいます。

たとえば、母親が単独親権を手にした場合、上記の例では、母親は父親の意見に耳を傾けることなく、子供に私立大学への進学を勧めることができます。

日本では婚姻時は共同親権、離婚後は単独親権

ご存知のとおり、日本では婚姻後は共同親権ですが、離婚後は単独親権となります。

役所に離婚届を提出するまでに、夫婦のいずれが親権を持つのか決め、子供の親権者となる夫婦の氏名を離婚届に記載して提出しなければ離婚届は受理されません。

他方で、日本以外のドイツをはじめとする先進国の多くは、離婚後も共同親権とする法制度を設けています。

日本でも離婚後の共同親権が導入されようとしている理由

現状、離婚後は単独親権となる日本ですが、近年、その日本でも現在の法制度を見直し、離婚後の共同親権を導入しようとする動きが出始めていることをご存知の方も多いのではないでしょうか?

日本でも離婚後の共同親権を認める動きが出始めている理由としては次の二つを挙げることができます。

一つ目は、婚姻期間中に片方の親(特に母親)が子を連れて家を出てしまう「子の連れ去り」が社会的な問題となってきているという理由です。

前述のとおり、現在の日本の法制度では、離婚後は単独親権となるため、離婚する際は夫婦でいずれが親権を持つかを話し合わなければなりませんが、そこで重要視される原則の一つが「継続性の原則」です。

継続性の原則とは、子の利益のためには、原則として、離婚後も子と一緒に暮らす親に親権を持たせた方がよいという考え方です。

親権を巡る争いでは、この継続性の原則が重要視される傾向にあるがゆえに、親権を得るため、この原則を逆手に取って子を連れ出すという親が現れるようになりました。

そのため、子を連れ去られた親(特に父親)の方から、子の連れ去りや離婚後の面会交流を拒否されることを防止するため、現在の法制度の見直し、離婚後の共同親権を導入するよう求める声が上がるようになってきたのです。

なお、共同親権の導入を求める声は主に父親側から上がっていますが、これは女性の社会進出に伴い、以前に比べ父親が子育てに関わる機会が増え、離婚後も子の日常生活や教育に関与していきたいと願う父親が増えてきたという社会情勢の変化も影響しているものと考えられます。

二つ目は、日本が国際社会から共同親権を導入するよう求められているという理由です。

まず、20193月、日本政府は「国連の児童の権利委員会」から、離婚後の親子関係に関する法律を、「子供の最善の利益」に合致する場合に「共同養育権」を行使できるように改めるよう勧告されています。

また、20207月には、欧州連合の欧州議会本会議が、EU加盟国の国籍を持つ親と日本国籍を持つ親との婚姻関係が破綻した場合などに、日本国籍を持つ親が日本国内で一方的に子を連れ去った事例を例に挙げ、日本政府にハーグ条約を確実に履行する措置を講じるよう要請する決議案を採択しています。

ハーグ条約とは、一方の親が他方の親の許可を得ずに、自分の出身国や第三国へ子を連れ去った場合、子を元の国へ戻すため、各国間で協力することなどを規定した条約で、日本もこの条約を締結しています。

共同親権のメリット・デメリット

前述のとおり、離婚後に単独親権となる日本でも、共同親権へと変わる動きが出ていますが、仮に共同親権に変わった場合、どんなメリット・デメリットが生じるのでしょうか?以下では主なメリット・デメリットをみていきたいと思います。

共同親権のメリット

共同親権のメリットは、親権を巡るトラブルを回避できる離婚後も父母ともに養育に積極的に関わることが期待できる監護親が面会交流に協力的になることが期待できる非監護親が養育費を支払うようになる子の健全な成長にとって利益になる、という点です。

親権を巡るトラブルを回避できる

単独親権の場合だと、親権の奪い合いとなって子の連れ去りなどの問題を誘発してしまう可能性がありますが、共同親権とするとそうした問題を防ぐことができます。

離婚後も父母ともに養育に積極的に関わることが期待できる

共同親権とすると、離婚後も、監護親はもちろん非監護親にも、親としての自覚と子に対する養育の責任が維持されることが期待できますから、両者が協力し合って子の養育に関わろうとすることが期待できます。

監護親が面会交流に協力的になることが期待できる

単独親権の場合だと、監護親に親権を独占しているという意識が根付き、面会交流について非協力的となりがちですが、共同親権とするとそうした意識が薄れて面会交流にも協力的になることが期待できます。

非監護親が養育費を支払うことが期待できる

前述のとおり、共同親権とすると、非監護親にも親としての自覚と子に対する養育の責任が維持されることが期待できることから、離婚後も取り決めどおりに養育費を支払うことが期待できます。

子の健全な成長にとって利益になる

単独親権の場合だと、子供に偏った愛情しか注ぐことができず、子供に精神的な不安定さをもたらしかねません。

他方で、共同親権の最大のメリットは、子供に「双方の親から愛されている」という実感を持たせ、子に精神的な安定をもたらし、健全な成長につなげることができる点だといえます。

共同親権のデメリット

共同親権のデメリットは、子供にとって負担となる可能性がある子に対するしつけ・教育方針についてもめる可能性がある非監護親の近くに住まなければならない子供が虐待などの被害を受けるおそれがある、という点です。

子供にとって負担となる可能性がある

共同親権となると、子供は父母の家を行き来するなどして生活しなければならなくなるでしょう。

また、父親と母親の意見が異なると、いずれの意見に従ってよいのか判断に迷い、いずれの意見も尊重したい子供にとっては精神的にも負担となる可能性があります。

子に対するしつけ・教育方針についてもめる可能性がある

共同親権となると、父母それぞれが子をしつけ、教育方針について一定程度の方向性を示すことができます。

もっとも、それぞれが離れて暮らし、生活スタイルや考え方も自ずと異なってくるでしょうから、子に対するしつけや教育方針をめぐってもめる可能性があります。

非監護親の近くに住まなければならない

共同親権となると、監護親はこれまで以上に非監護親に面会交流させなければならなくなるでしょう。

となれば、面会交流の便宜上、子供は非監護親の近くに住まざるを得なくなります。

監護親、非監護親間の仲が不良の場合は負担となる可能性があります。

子供が虐待などの被害を受けるおそれがある

非監護親から監護親、あるいは子供が虐待を受けた、あるいは受けるおそれがあるという場合は、「●●に同意して欲しければ俺の言うことを聞け。」などと親権の同意権を濫用され、子供が虐待を受けるおそれがあります。

まとめ

そもそも日本で離婚後に単独親権となる法制度が設けられたのは、制定当時、日本固有の家父長制という伝統的な考え方が重要視されていたからでした。

すなわち、子供は家、すなわち家長である父親に属するもので、離婚後、母親は子供を置いて身一つで家を出ることが当たり前だった時代もあったのです。

しかし、現在はそうした考え方が通用しないことは明らかで、共同親権を導入しようとする動きが出てくること自体は当然といえば当然のことです。

もっとも、前述のように、共同親権を導入することにも様々なデメリットがありますから、共同親権の導入を進めていく過程では、そうしたデメリットの部分をどう克服できるかが今後の課題となってくるでしょう。

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