面会交流調停は弁護士なしでも自分で申し立てて進めていくことも可能です。
とはいえ、
- 自分一人で初めての経験である面会交流調停を進めていくのは不安が残る…
- 弁護士なしで自分だけで面会交流調停を進めても問題ないのだろうか…
という悩みを抱えている方も多いことでしょう。
そこでこの記事では、面会交流問題に強い弁護士が、
- 面会交流調停を弁護士なしで自分で有利に進めるためにすべきこと
- 面会交流調停で弁護士を入れないリスク
についてわかりやすく解説していきます。
記事を最後まで読んでも問題解決しない方は弁護士までご相談ください。
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目次
面会交流調停は弁護士なしでもできる?
面会交流調停を含む家事調停事件の手続きを進めていくには、弁護士への依頼は必要不可欠なものではありません。夫婦関係調整調停のすべての事件のうち、約半分は代理人弁護士の関与なく進められているというデータも公表されています。
そのため、面会交流に関して家事調停手続きの当事者となった場合であっても、ご自身で対応した結果なんらかの合意に至るということ自体は難しいものではありません。
また、弁護士に依頼する場合には当然、弁護士費用が発生します。すべての面会交流事件が弁護士を立てて臨まなければならないケースであるとも言えません。
まずは、面会交流調停・審判の手続きの内容やその流れをしっかりと理解し、
- 面会交流調停を弁護士なしで有利に進めるためのポイントや
- 弁護士に依頼しないことによるリスク(デメリット)
などを正しく理解したうえで、自分ひとりで対応するか否かを判断するべきでしょう。この点につき以下で解説していきます。
面会交流調停を弁護士なしでも有利に進めるには?
感情的にならず論理的・説得的に主張する
子どもとの面会交流を拒絶された場合や、相手方親権者から非難された場合には感情的に対応してしまう人がほとんどです。こちらも負けじと相手方の問題点をあげつらい、論理よりも感情論を長々と述べてしまいがちです。
しかし、そのような行為は行ったとしても面会交流が認められることはありません。
常に冷静に対応し、感情的にならないように対応することがポイントです。
そして客観的な事実・証拠に基づいて論理的にご自身の主張を行う必要があります。客観的・説得的な主張になるようにするには、必ず根拠や理由を、証拠によって明らかになっている事実に基づいて指摘できるようにしておく必要があります。
面会交流を拒否する原因を払拭していく
相手方親権者が、面会交流を拒否するには、なんらかの理由・原因があるはずです。
したがって、相手方が挙げている「面会交流を反対する不安要素」をひとつずつ払拭・解消してあげることが、面会交流が認められるためには重要となります。
例えば、「婚姻・同居当時、暴言・暴力を振るわれたことがあるため反対している」というような場合には、配偶者に対する当時の発言・行動を深く反省しており、当時も子どもに対しては暴言を言ったり暴力を振るったりしたことはないため、面会交流を適切に行うことができると主張することができます。
また相手方が面会交渉を拒否する理由には、誤解に基づくものもあるかもしれません。場合によっては調停手続きの場で、はじめて相手方にそのように思われていたことが判明するケースもあります。相手が誤って認識していたことは事実なので、それに対して感情的に反論せず、相手の主張をまずは理解しましょう。
そのうえで、「相手方の認識は誤解である。なぜなら、・・・」と理由を挙げて冷静に反論するように心がけましょう。
相手方が面会交流を拒否する不安要素について、ひとつずつ問題がないことを調停委員に説得的に説明できれば、調停委員もあなたの味方になって相手方の説得に回ってくれる可能性もあります。
あなた自身に問題があった場合、現在その問題について心配がない理由はなぜなのか、相手方が誤解している場合にはなぜ誤解といえるのか、このような点について論理的に説明できることが、調停を有利に進めるためには重要なポイントとなるでしょう。
事実を捻じ曲げたり否定したりしない
面会交流調停で、ご自身の有利に手続きを進めるためには、「嘘」をつくのはやめましょう。
ある事実を前提に、相手方とは異なる「評価」をすること自体は、嘘とはいえません(子どもが喜んでいた/喜んでいなかった、態度が優しかった/冷たかったなど)。
しかし、実際に起こった出来事をなかったと説明したり、逆に無かった出来事をあったと説明するのは「虚偽の事実」を述べることになるため「嘘」になります。
嘘をつく場合、その嘘がばれないように他の事実についても嘘をつく必要が生じてくるため、雪だるま式に際限なく嘘が広がってしまうリスクがあります。そうなると真実と矛盾することが多々発生してしまい、相手方や調停委員からも虚偽を指摘されてしまう場合があります。
さらに、虚偽が発覚した場合にはあなたの発言や証言には信用性がないとして、述べたことが採用されないというリスクもあります。その結果、相手方が述べた事実のみが採用されることにもなりかねないため調停手続きを有利に進めることは難しくなります。
したがって、調停手続きでは、事実を捻じ曲げたり否定したりして「嘘」をつくことは厳禁です。
相手方親の人格否定や不平不満は控える
調停委員は父母双方から話を聞いてお互いが現実的に折り合える内容を探ろうと検討してくれます。面会交流調停の期日は、相手方に対するあなたの愚痴を聞くために指定されているのではありません。
「あいつは子どもに会うのを邪魔している。あのときも、・・・」と親権者の人格否定や不平不満を述べたところで、生産的な話し合いは全く進展していないため、面会交流は実現しません。
どうしても感情的になってしまうという場合には、まずは相手方の主張をすべて聞き、書き出して整理するところから始めてみましょう。
譲歩できるところは相手に譲る姿勢を見せる
面会交流を求める場合には、当然親権者である相手方親の協力が必要不可欠です。
そのため、相手方の家庭や事情に配慮する姿勢を見せることも面会交流が認められるためには重要なポイントとなります。
したがって、「毎週会いたい」「連休中はいつも一緒に過ごしたい」などと自分勝手な要望・希望を出さないようにしましょう。
未成年の子どもが幼児・児童の場合には、親権者側が連れてきたり付き添ったりする必要がある場合もあります。したがって相手方に配慮したスケジュールや方法を提案するという譲歩の姿勢を忘れないようにしましょう。
面会交流調停で弁護士を入れないことによるリスク
弁護士に依頼せずに自分で面会交流調停を進めることにより弁護士費用がかからないというメリットがある反面、以下で説明するようなリスク(デメリット)もあります。メリットとデメリットを天秤にかけ、ご自身が本当に一人で面会交流調停を乗り切れるのか、ご自身にとって有利な内容で調停を成立させることができるのか、よく検討されたうえで判断するようにしましょう。
毎回の期日のために時間をとらなければならないリスク
面会交流調停の期日が決まっていても、どうしても都合が悪くなったり、体調を崩したり正当な理由がある場合には延期してもらえる可能性はあります。
しかしそのような事情がない場合には、あなた自身が毎回調停期日に出席する必要があります。日中仕事をしている方や子どもを監護している方は、調停のための時間を確保しなければならなくなりそうとうな負担となる場合もあります。
これに対して弁護士に依頼した場合には、本人の出席を求められない限りは弁護士に出席の対応を一任することができます。
適切な法的知識や相場感覚がわからないリスク
面会交流調停において、法的な知識と統計的な感覚が重要となる場合があります。このような知識がなければ、相手方から出された提案に適切に対処することができず、なんとなく根負けして合意してしまうということになりかねません。
本来は主張できるはずのご自身の権利や主張を、「知らなかった」というだけで主張できずに合意してしまうということを避けるためにも、弁護士に相談や依頼することは重要です。
書面の作成・証拠の収集をすべて自分で対応しなければならないリスク
面会交流調停を申し立てるには申立書を作成する必要があります。
そして調停手続き内で有利に手続きを進めるには、証拠を示して適切な主張書面を作成して提出する必要もあります。
しかし、法律の素人が適切な証拠を収集して、法的に意味のある主張書面を期限内で作成して提出するのは至難の業である場合も多いです。
このような場合にも弁護士に依頼しておけばすべての作業を一任しておくことができるのです。
重要な事項が抜けいてることに気づかないリスク
面会交流調停を申し立てている場合には、その他にも夫婦間で調整が必要な事項がたくさん残っているケースもあります。
具体的には財産分与、婚姻費用分担・養育費の支払いなど離婚に伴う各種問題について、夫婦間で話し合って決めておく必要があります。
同居中には直接話し合うことができていた場合でも別居に至ったことで連絡が困難になったり、夫婦関係がこじれた結果当事者間で継続的にやり取りすることに大きな精神的負担を感じてしまったりする場合があるでしょう。
また、手続きをしないまま放置していることで後々紛争が蒸し返されたり、請求する正当な権利が実現できないままになってしまうというリスクがあります。
このようなリスクを避けるためにも、面会交流を含む離婚問題に精通している弁護士に相談しておくことで、適切に対処することができるようになります。
弊所では、面会交流調停を有利に進めるための豊富な経験と実績があります。親身誠実に弁護士が依頼者を全力でサポートしますので、面会交流で損をしたくない、子供のことは譲れないという方は弁護士までお気軽にご相談ください。相談する勇気が解決への第一歩です。
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