養育費を払わないとどうなる?払わなくてもよい3つのケースも紹介

離婚をするとき、子どもに対する養育費の支払いが取り決められることが一般的です。

養育費は、

  • 「毎月いくら」
  • 「子どもがいくつになるまで支払わなければならないのか」
  • 「支払が遅れてしまった場合どうなるのか」

という疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、離婚によって親権がなくなった親の養育費の支払義務について、

  • 支払を怠った場合のデメリット
  • 「いつまで」「いくら」支払えばいいのか
  • 養育費を「免除」「減額」できる手段はないのか

という点を解説していきます。

「養育費」という子どもに対する扶養義務という仕組みの本質を理解することでご自身の負担を減らせる可能性がありますので是非最後まで読んでください。

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養育費の支払義務について

養育費の支払い義務の法的根拠

離婚しても子どもに対して養育費を支払わなければなりません。
「養育費」とは、子どもの監護や教育に必要な費用のことをいいます。

これについては下で紹介するように民法に根拠条文が存在します。
民法877条1項には「直系血族及び兄弟姉妹は互いに扶養をする義務がある」と規定されており、この規定は未成熟子の扶養を含んでいると解釈されています。

離婚によって夫婦関係が終了しても、親子関係は残ります。
したがって、非監護親(離婚して子どもと別居している親)が監護親(子どもと同居している親)に対して「養育費」を支払わなければなりません。

支払いの内訳としては、

  • 衣類や食費等の生活必需品を購入するための費用
  • 学校や塾に行かせるための教育費
  • 医療費 等です。

養育費の支払い義務はいつまで続く?

成人年齢である「20歳まで」と取り決める場合が多いですが、必ずしも成人年齢までと決まってはいません。
就職するまでは「経済的に自立」しているとは言い難いため、

  • 4年生大学に進学する予定の場合は大学を卒業する「満22歳の3月まで」
  • 高校卒業後に就職予定の場合には高校を卒業する「満18歳の3月まで」

と取り決める場合も考えられます。

離婚協議書に子が「満20歳まで」で合意の場合、この通りに支払う必要があるのでしょうか。子が高卒で働き始めた場合には支払いは要らないのではと疑問の方もいらっしゃると思います。

まず、扶養の責任は子が「未成熟子」の間、つまり「経済的に自立できるまで」の状態を指します。したがって、子どもが高校を卒業後に就職した場合には、子は自ら稼ぎ始めていますので経済的に自立しているといえます。そこですでに親の扶養は必要ないといえるため養育義務が終了する場合があります。

注意が必要な点は子どもが経済的に自立したとしても、自動的に責任が消滅するのではないという点です。養育費は既に合意が成立しているので、事後の事情変更により免除・減額を請求するにはあなたから請求していく必要があります。正当な主張であるのに相手方が拒否する場合には減額・免除の調停を裁判所等に申し立てなければなりません。

養育費の支払い義務は月々いくら?

月々の養育費用はどのような基準に基づいて決められるのでしょうか。
親の子に対する扶養義務は「生活保持義務」といわれ「自己と同程度の生活を保障する義務」を指します。
実務上、算定については「養育費算定表」をもとに決定するのがほとんどです。
この「養育費算定表」とは東京・大阪の裁判官の共同研究によって作成されている算定表です。
そして、裁判所は養育費の金額を定める基準として「養育費算定表」を作成しています。
養育費算定表は婚姻費用算定表とあわせて広く活用されています。
この算定表は夫婦の年収、子どもの人数・年齢によって表が分かれていますので、ご自身のケースにあてはめて相場を確認することができます。

例えば、

  • 子ども1人で年齢が10歳、非親権者(父)の年収が400万円、母親権者(母)の年収が300万円の場合、一月の養育費の相場は「2万~4万円」
  • 子どもが2人で年齢がそれぞれ5歳と8歳、非親権者(父)の年収が600万円、親権者(母)が専業主婦の場合、一月の養育費の相場は「8万~10万円」

と相場を算定できます。

養育費を滞納すると財産差押えのリスク

養育費は月々の分割支払いで合意することがほとんどです。
そこで、あなたは毎月扶養義務を果たすために入金していかなければなりません。
しかし、この支払いを忘れたり経済的状況から支払えなくなったりした場合どうなるのでしょうか。

扶養義務は民事上の責任ですので、これに違反したとしても刑事罰の対象となるものではありません。

しかし、養育費の支払いを怠ると「財産が差押え」されるリスクがあります。
不履行があったとき、親権者は「債務名義」に基づき裁判所に強制執行を申し立て、支払義務者の「財産を差し押さえる」ことができます。

受け取る側が強制執行を申し立てるには「債務名義」が必要となります。この「債務名義」とは、確定判決や調停調書、審判書、公正証書などが該当します。

扶養に関して「公正証書」を作成しその中に「強制執行認諾文言」が付記されている場合には、強制執行に際して裁判所を通さずスピーディーに強制執行を行うことができます。
支払が遅れて相手から何度か督促が来ている場合には注意が必要です。

そして、 差押えの対象となるのは、

  • 土地や建物等の不動産
  • 家具や家電、貴金属等の動産
  • 預金債権
  • 現金

などです。

強制執行による財産の差押で一般的なケースは、「給与債権の差押え」です。
債権者は給料の25%を差し押さえることが可能です。
給与債権が差し押さえられた場合には第三債務者(会社)が債権者(親権者)に対して入金を行うことになります。この場合会社の経理を担当している同僚等に支払いが滞っている事実が把握されるという不利益を被ることになります。

養育費を払わなくてもいい3つのケース

夫婦間の同意で取り決めたとおりに養育費を負担していても、いつどこで自分の経済状況が悪化するかは分かりません。
もし突然、失業したり事業が失敗したりして収入が途絶えた場合どう対処したらよいのでしょうか。
ここでは養育費の性質から支払わなくてもよくなる場合を複数説明します。

支払義務者に収入がない場合

扶養義務は「生活保持義務」といって、自己と同程度の生活を保障する義務です。
自分の生活水準を下げても負担が必要なケースがある反面、生活水準を超えて子に良い生活環境を提供する必要はありません。
したがって、支払う側の収入がゼロまたは生活するのにギリギリだった場合、支払いを強制することはできません。

しかし、リストラされ失業したケースで、健康や体調面に問題がなく再就職ができる場合には、あなたの意思に応じて働いて収入が得られるといえるので、支払義務は免除されないでしょう。

再婚相手と子どもが養子縁組した場合

受け取る側が新たに結婚して再婚相手が子と普通養子縁組した場合、支払う側の扶養義務は二次的なものとなります。
養子縁組により第一義的に子を扶養する責任は再婚者に移るため、支払義務は免除・減額の可能性があります。
しかしあなたの扶養義務が完全に消滅するというわけではないので注意してください。
例えば、再婚相手の給与が低額で子どもを満足に扶養することができない場合には、不足する金額をあなたが支払う必要があるでしょう。
なお、このケースで重要なのは再婚者と子どもとの間に法的に「親子関係」が生じている点です。

受け取っていた親が再婚したというのみで直ちに親子関係が生じるわけではありません。
したがって、親権者が再婚したといって、養育費の支払いを勝手にストップすると前述のように「財産の差押え」のリスクがあります。
扶養に関する取り決めについては相手が再婚した場合でも、まずは両親間でしっかりと話し合って決めていくことが重要です。

親権者が養育費の支払い免除について同意した場合

離婚する場合、養育費や親権の帰属、財産分与等については基本的には夫婦間の協議で決定するため、養育費を請求しないと相手方が同意すればそのような協議も有効です。

しかし、相手の同意は真に配偶者の意思に基づきなされる必要があるので錯誤・脅迫・詐欺による意思表示は取り消される可能性があります。

また、配偶者が養育費の請求権を放棄したとしても、子ども自身も養育費を請求する権利を有しています。そこで、事後的に子どもがあなたに対して養育費支払いを請求した場合にはあなたには支払う義務が発生しまので要注意です。

養育費の免除ではなく減額の方が認められやすい

「支払いの減額」であれば、正当な理由があれば支払いの免除よりも認められやすいです。

受け取る側の収入が増えた場合

養育費を受け取る親権者の収入・資産が増加した場合、減額を請求できます。
前述のように扶養義務の内容は、父親と母親両方の収入をベースに算定されます。
片方の収入・資産が増加した場合には他方の負担の軽減が認められます。
なお、必ずしも減額が認められるとは限りません。

例えば、

  • 離婚協議の段階で、親権者が将来収入を得る見込みを前提として合意された
  • 増収しても子どもを扶養するのに十分ではない

と判断される場合には減額が認められない可能性が高いです。

支払う側の扶養家族が増えた場合

養育費を支払う側が再婚した場合、扶養義務を負う家族が増えることになります。
経済的な負担が増えることに配慮して支払額が減額される可能性があります。
注意が必要なのは、支払う側が再婚したことから直ちに支払いが軽減されるわけではない点です。

養育費の減額が認められやすいのは、

  • 支払う側が再婚して子どもが生まれた
  • 支払う側の再婚相手に子どもがいて、養子縁組をした

という場合です。

扶養家族が一人増えると金銭的な負担は大きなものになることが通常ですので、養育費の支払いに困っている場合には養育費の減額請求をすべきでしょう。

支払義務者の収入が減った場合

先ほど支払義務者の収入が減った場合であっても養育費支払義務が免除される可能性は限定的であると説明しました。

しかし、免除と比較して減額が認められるのはそこまで難しくはありません。
会社を解雇された場合や怪我・病気による退職などの失業の場合や、会社や自営業の経営不振により減収した場合にも養育費の減額については認められる可能性があります。

まとめ

養育費というものは、離婚したとしても子どもが経済的に自立するまでは親が負担すべき義務です。

しかし、その支払い期間は十数年にわたる長期的なものですので、その間あなたにどのような変化が発生するかは誰にもわかりません。

「経済状況が悪くて養育費が支払えない」と困っている場合には放置してはいけません。
適切な解決策を模索することで経済状況が改善する可能性もあります。

ご自身のケースで養育費の支払義務について見直すことができる余地があるのかどうか、免除や減額を受けることができるかどうか、一度法律の専門家である弁護士に相談してみることをおすすめします。

弁護士に相談することで適切なアドバイスと法的なサポートをうけることができるでしょう。

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