有責配偶者とは?有責配偶者からの離婚請求が認められる条件と時効
  • 有責配偶者とは?定義がわからない…
  • 有責配偶者からの離婚請求が認められるための条件はあるの?
  • いつまで有責配偶者になるの?時効はないのだろうか…

この記事では、このような疑問を、離婚問題に強い弁護士が解消していきます。

有責配偶者だけど離婚したいとお考えの方、逆に有責配偶者から離婚請求されている(されそうな)方、双方ともに知っておいた良い情報をまとめていますので是非最後まで読んでみて下さい。

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有責配偶者とは?

「有責配偶者」とは、婚姻関係が破綻した場合においてその破綻につき、もっぱらまたは主として原因を作った当事者のことを指します。簡単に言えば、離婚の原因を作った配偶者のことです。有責配偶者の典型例は「不貞行為」や「DV・モラハラ」をした配偶者です。

もっとも、離婚に際して必ずしも有責配偶者が存在するとは限りません。例えば、「価値観の相違」や「性格のミスマッチ」などの理由によって協議離婚する場合は、夫婦のどちらも有責配偶者ではありません。

また、夫婦がそれぞれ不倫をしていた場合や、夫婦の一方が不倫してもう一方は暴力を振るっていた場合など、夫婦の双方に有責性のあるケースもあります。双方有責のケースについて、「夫婦の一方にも落ち度があるが、他方の配偶者により多大な落ち度があるときには前者からの離婚請求は認められる」という裁判例があります(最高裁昭和30年11月24日判決)。

つまり、双方有責の場合、有責性の大小によって夫婦のどちらが有責配偶者であるかが判断されますので、夫婦双方の有責性が同程度であれば、いわば”相殺”のような状況が生じ、有責配偶者がいないのと同様の扱いとなります

有責配偶者になるとどうなる?

後で詳しく説明しますが、有責配偶者からの離婚請求は原則として認められません。それどころか、婚姻関係を破綻させたことで慰謝料請求される可能性もあります

また、夫婦が別居するに至った場合、有責配偶者の方が収入が高いのであれば、相手に婚姻費用(衣食住などの生活費)を毎月払わなくてはなりません令和元年度の司法統計によると、裁判所を介した婚姻費用の取り決めは「月額6万円~15万円」が最多となっています。有責配偶者の年収が高い場合や、相手が監護する子供の人数が多ければ、支払うべき婚姻費用はさらに高くなります。このように、自分が有責配偶者であるため離婚請求ができず、別居が長期化し婚姻費用を支払い続けなければいけない状態を指す俗称として「コンピ地獄(婚費地獄)」とも言われています。

なお、有責配偶者の方が相手配偶者より収入が低いケースでは、有責配偶者から相手への婚姻費用の請求はほとんど認められないか、認められたとしても相当低いとするのが裁判例の多数です。婚姻関係を破綻させ別居の原因を作った有責配偶者が婚姻費用を請求することは、権利の濫用、信義則に反すると判断される可能性が高いためです。

ただし、有責配偶者が子を監護している場合、そのうち子どもの監護費用に相当する金額(養育費)については、相手配偶者は支払う必要があります(後述します)。

有責配偶者となるケースと有責性を証明する証拠

有責配偶者となるのは、基本的には、民法770条1項の「法定離婚事由」を作出した配偶者となります。法定離婚事由とは、夫婦の一方が話し合いでの離婚に応じない場合に裁判所に訴えを提起して離婚を認めてもらうための要件です。以下の条文の一から五までが法定離婚事由となります。

(裁判上の離婚)
第770条
1.夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

それでは、どのような行為(状況)が各法定離婚事由に該当し有責配偶者と認定され得るのか、また、有責行為があったことを証明するための証拠について、具体的に以下で解説していきます。

≫法定離婚事由とは|相手が離婚を拒否しても離婚できる5つの条件

 不貞行為

不貞行為とは、配偶者のあるものが自由な意思に基づいて、配偶者以外の者と性的関係を結ぶことを指します(最高裁昭和48年11月15日判決)。そのため、配偶者が他の異性と親密な関係であっても性的関係を持つには至っていないという場合には、不貞行為にはあたらないため有責配偶者にもなりません。

また、1度の性行為があれば原則として不貞行為になると考えられますが、性風俗店を1回~数回程度利用していた場合や、継続的な関係ではなく一時的に魔が差した行為のような場合には婚姻関係を継続することが難しいとはいえない、と評価され不貞行為が否定される可能性もあります

したがって、離婚請求を認めてもらいやすくするためには、不貞行為が複数回、継続的に行われていたことを証明する証拠を集めておくべきでしょう。配偶者と浮気相手との性行為や性交類似行為が記録された動画・画像・音声があれば決定的証拠となりますが、その他にも浮気相手の自宅やラブホテルに出入りしている写真・動画、性行為に関する浮気相手とのLINEやメールでのやり取りなども不貞行為の証拠となり得ます。

悪意の遺棄

民法第752条は「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない」として、同居義務・協力義務・扶助義務(互いに助け合う義務)を規定しています。

そして、「悪意の遺棄」とは、正当な理由がないにもかかわらず、夫婦間の同居・協力・扶助義務を継続的に怠ることをいいます。

例えば、

  • 性格や生活スタイルの不一致を理由に一方的な別居を始める
  • 家出を繰り返す
  • 愛人と同棲をしている
  • DV・モラハラで配偶者を追い出したり家に居辛い状況にする
  • 相手方配偶者の生活費を一切負担しなくなった

などの行為が悪意の遺棄に該当する可能性があります。悪意の遺棄が認められる場合には有責配偶者となります。

悪意の遺棄があったことを証明するためには、

  • LINEやメールで配偶者に何度も連絡しているが相手方から有効な返事がされていないやりとり
  • 配偶者があなたの生活費を負担していないことが分かる通帳の履歴

などの証拠を準備しておきましょう。

 一方的な別居は悪意の遺棄として必ず有責配偶者となる?

上記の通り、悪意の遺棄とは正当な理由なく夫婦の同居・協力・扶助義務を継続的に怠ることです。そのため、一方的に別居をした場合でも、毎月生活費として十分な金額を相手方の口座に振り込んでいたような場合には、扶助義務は果たしていると考えられます。しがたって、「悪意の遺棄」には該当しないと判断され有責配偶者とならない可能性があります。

また、DVやモラハラ被害に耐え切れなくなった配偶者が家を飛び出て一方的に別居を開始するケースもあります。このように正当な理由があって義務が履行できないような場合は悪意の遺棄に該当せず、有責配偶者とはなりません。

≫悪意の遺棄とは?慰謝料の相場や集めておくべき証拠、請求方法

 3年以上の生死不明

生死不明とは生きているのか死んでいるのかを確認することができない状態をさします。そのような場合には今後婚姻関係を継続することが難しくその意味もないと考えられるため法定離婚事由となります。

もっとも、生死不明といえるためには、単に連絡先がわからない場合や住居が不定であるだけでは足りません(これらの場合は前述の「悪意の遺棄」に該当する可能性はあります)。あらゆる手を尽くして配偶者を探したが生死を確認できなかったことを裁判所に証明しなくてはなりません

具体的には、

  • 捜索願を警察に受理してもらった場合の捜索願の受理証明書
  • 親族や友人・知人・勤務先の人からの陳述書
  • 事故・事件・災害があったことを証明する資料

などが証拠となり得えます。

 回復する見込みのない強度の精神病

「回復の見込みのない強度の精神病」というためには、重い精神病になり婚姻生活の継続を期待できず、長い療養生活にもかかわらず軽快の見込みが立たないような場合をいいます。つまり、不治の病により、夫婦に課せられている協力義務や扶助義務(民法752条)を果たせない状態をさします。

「強度の精神病」の例としては、統合失調症や双極性障害、躁うつ病など深刻な精神疾患が考えられます。一方、ノイローゼやアルコール依存症などは基本的には含まれないと考えられています。

ここで精神病にり患した配偶者が有責配偶者にあたりうるという本要件は、重大な人権問題がはらんでいます。そのため裁判所も「強度の精神病」については慎重な判断をする傾向があります。最高裁判所によれば夫婦の一方が不治の精神病にかかった場合においても諸般の事情を考慮して病者の今後の療養、生活などについて「できる限り具体的な方途を講じある程度において事前にその方途について見込みのついた上」でなければ離婚請求は許されない、と判示しています(最高裁判所昭和33年7月25日判決)。

したがって、精神病を理由に裁判上の離婚が認められるケースは例外的な場合に限定されているというべきでしょう。例外を認めてもらうためには、回復の見込みのない精神病であるという医師の鑑定書があることのほか、

  • 長期間に渡り誠実に看病をして配偶者の生活の面倒を見てきた事実が認められること
  • 離婚後も相手方配偶者にできるだけ協力する意思があることを表明すること
  • 離婚後の配偶者の看病や治療費の支払いについての目途が立っていること

などの要件を満たす必要があります。

 その他婚姻を継続し難い重大な事由

これまで上記で説明したものは具体的離婚原因ですが、「その他婚姻を継続し難い重大な事由」はそれらに該当しない「一般的な離婚原因」です。この原因を作出した場合も有責配偶者となる可能性があります。

一般的な離婚原因にあたる可能性があるのは以下のような事実です。

  • 暴力(DV)/精神的虐待(モラハラ)
  • 侮辱
  • 犯罪行為
  • 無為徒食(健康なのに無職を続けるなど)
  • 性的異常/性的拒否
  • 過度の宗教活動 など

もっとも、上記事実があるからといって必ずしも離婚が認められるとは限りません。”婚姻を継続し難い”かどうかの判断は、夫婦の関係性のほか、上記事実の程度・頻度など様々な事情が考慮されます。したがって、裁判で離婚を認めてもらうためには、上記事実の程度や頻度を証明する証拠を準備しておくべきでしょう

例えば、DVの場合には外傷の画像や医師による診断書、通院履歴、警察への相談記録などが証拠となり得ます。また、モラハラはDVのように目に見える外傷がないため立証がむずかしいとされていますが、モラハラや侮辱を録音した音声やLINEやメールなどの文面、精神科への通院履歴、日記(メモ)などがあれば、それらが重要な証拠になります。

また、性格の不一致も一般的な離婚原因となり得ますが、性格が合わないという理由だけで「婚姻を継続し難い重大な事由」と裁判所に認めてもらうことは難しいでしょう。もっとも、性格の不一致により長期間の別居生活をしているなど、婚姻関係が事実上破綻していると認められる場合には、婚姻を継続し難い重大な事由として離婚請求が認められる可能性があります。

≫婚姻を継続し難い重大な事由として離婚が認められやすい7つの具体例

 有責配偶者からの離婚請求は認められる?

有責配偶者の相手配偶者も離婚を望んでいる場合には、夫婦の話し合いにより協議離婚ができます。当事者だけので話し合いが難しい場合は、裁判所を介して話し合いをする離婚調停を起こし、調停の場で相手が同意すれば調停離婚をすることもできます。ただし、調停でも離婚が成立しなかった場合には、離婚訴訟を提起して、裁判所に離婚の可否を判断してもらう必要があります。

では、離婚訴訟において、有責配偶者からの離婚請求は認められるのでしょうか。

この点、有責配偶者からの離婚請求は原則として認められません。浮気や暴力などの離婚原因を作った張本人からの離婚請求を認めるのは信義則(相手の信頼を裏切らないよう行動しなければならないという法の原則)に反するためです。過去の最高裁判例(最高裁昭和38年10月15日判決)でも、有責配偶者からの離婚請求について全面的に否定しました。

もっとも、その後判例変更がされ、有責配偶者からの離婚請求が認められる一定の例外条件を最高裁が示しました(最高裁大法廷昭和62年9月2日判決)。つまり、その条件を満たせば、有責配偶者からの離婚請求も認められる可能性があるということです。

有責配偶者からの離婚請求が認められる条件

上記の最高裁判決が示した条件は以下となります。

  • ①夫婦の別居が両当事者の年齢・同居期間と対比して相当長期に及んでいること
  • ②当事者の間に未成熟の子が存在しないこと
  • ③相手方配偶者が離婚により精神的・社会的・経済的に極めて過酷な状態におかれる等離婚請求を容認することが著しく社会正義に反するといえるような「特段の事情」が認められないこと

以下、①~③の条件についてもう少し掘り下げて解説していきます。

①相当の長期間の別居があること

夫婦が相当の長期間に渡り別居している場合は、婚姻関係が破綻しているとして離婚が認められやすくなります。

ただし、相当の長期間に渡る別居が何年であると明言することはできません。裁判所が”別居が相当の長期間”であるか否かを判断するにあたり、夫婦の年齢や同居期間と対比して相対的に長期かどうかを考慮しているため、ケースバイケースとしか言いようがないためです。

また、実際の裁判例でも、同居期間約23年別居期間8年で離婚請求を認めたもの(最高裁平成2年11月8日)がある一方、同居期間約22年別居期間8年で「別居期間が相当長期に及んでいるとはいえない」として離婚請求を否定したものもあり、まだ判例が固まっていないのが現状です。

もっとも、これまで蓄積された裁判例からすると、別居期間が10年以上の事案では「相当の長期間」と判断される傾向が強いことから、10年程度が「相当の長期間」の目安と言えます。

②当事者の間に未成熟の子がいないこと

未成熟の子とは、成人年齢に達しているか否かに関わらず、まだ社会的・経済的に自立していない子をさします。そのため、成人に達していても、障害により働けない場合や大学生である場合など、親の援助なしでは生活が成り立たないのであれば未成熟の子となり得ます。

親の離婚により未成熟の子の福祉が害されることを考慮して、「夫婦間に未成熟の子がいないこと」を有責配偶者からの離婚請求を認める条件の一つとしていると考えられます。

もっとも、未成熟の子がいる場合でも、必ずしも有責配偶者からの離婚請求が認められないわけではありません。判例では、高校2年生の子がいる事案(最高裁平成6年2月8日判決)、12歳と9歳の子がいる事案(福岡高裁那覇支部平成15年7月31日)でそれぞれ、有責配偶者からの離婚請求が認められています。

③相手配偶者が離婚によって極めて過酷な状態におかれないこと

”極めて過酷な状態”とは個々の事案により異なるため一概には言えませんが、例えば、相手配偶者に収入がなく生活費のほとんどを有責配偶者の収入に頼っている場合や、障害のある子を相手配偶者が独力で介護し続けることが予定されている場合には、離婚により相手配偶者が精神的・経済的・社会的に極めて過酷な状態に置かれると判断される可能性があります。

このようなケースで有責配偶者からの離婚請求を認めることは社会正義に反し許されるべきではないでしょう。

もっとも、有責配偶者が別居期間中も適切に婚姻費用を支払っており、財産分与や慰謝料、離婚後の有責配偶者による経済的援助などによって、離婚後に相手配偶者が貧窮しないことを保証できる場合には、離婚請求が認められる可能性もあります

いつまで有責配偶者なの?時効はない?

有責性に時間という概念がないため、時間が経過すると有責配偶者でなくなるということはありません。したがって、過去の有責行為を原因として離婚請求をすることができます。

もっとも、過去の有責行為から相当長時間が経っている場合には、経年の中で夫婦関係は修復されたと裁判所に判断され、離婚請求が認められない可能性もあります。

他方で、有責配偶者に対して慰謝料を請求できる権利は、基本的には「離婚成立時から3年」で時効消滅します。ただし、離婚後に有責行為(不貞行為など)が発覚した場合には、その発覚時点から3年で時効にかかります。また、有責行為があった時から20年経過した場合も慰謝料請求権は時効消滅します(民法724条)。

 有責配偶者に慰謝料請求できる?

有責配偶者の行為が不法行為に該当すれば、精神的苦痛に対する慰謝料請求することができます(民法709条、710条)。不法行為とは「故意又は過失によって他人(あなた)の権利又は法律上保護される利益を侵害することです。例えば、不貞行為、DV・モラハラ、悪意の遺棄などが不法行為に該当します。

もっとも、故意または過失による有責行為があったことを主張・立証しなくてはならないのは無責配偶者側です。そのため、有責配偶者の側が「そのようなことはやっていない」などと主張してくる場合に備えて、有責配偶者となるケースと有責性を証明する証拠で示したような証拠をできるだけ沢山集めることが重要となってきます。

以下では、有責配偶者に対する離婚原因別の慰謝料相場と慰謝料請求方法について簡単に解説します。

 慰謝料相場

有責配偶者と離婚する場合の慰謝料は、離婚原因ごとに相手配偶者の侵害される権利が異なってきますので、それに応じて相場も異なってきます。

離婚原因別の慰謝料相場については概ね以下のようになっています。

  • 不貞行為:100万円~300万円
  • 悪意の遺棄:50万円~300万円
  • DVやモラハラ:50万円~300万円
  • 性的異常や性的拒否:0円~100万円

このように同じ離婚原因でも金額に大きな幅がありますが、慰謝料は精神的苦痛を補填するために支払われる賠償金で目に見えない損害ですのでケースバイケースで金額は異なります。

また、上記慰謝料相場はあくまでも目安であって、様々な要素を考慮して離婚慰謝料額は算定されるものです。そのため、裁判所で認められる慰謝料額が上記相場以上、または以下となることも十分あり得ます。離婚慰謝料額の算定で考慮される要素は以下となります。

  • 夫婦の婚姻期間や別居期間
  • 有責配偶者の資力、社会的地位、職業、性別、年齢等
  • 無責配偶者の資力、社会的地位、職業、性別、年齢等
  • 未成熟の子どもの有無
  • 有責行為の動機・原因・経緯・態様 など

 慰謝料の請求方法

有責配偶者に対して慰謝料を請求する方法として、まずは話し合いのなかで任意の支払いを受けられるかどうかを検討します。話し合いの場合には有責配偶者の側も自分の言い分を主張したり有責性を認めつつ減額を求めてきたりするでしょう。そのうえでお互い折り合える金額で納得できる場合には話し合いで慰謝料の受け取りを合意することができます。

しかし、当事者だけの話し合いでは議論が平行線をたどる場合、裁判所を利用した調停や審判手続を利用することができます。それでも当事者に不服がある場合には裁判所に訴えを提起して裁判所に判断してもらうことになります。

 離婚時の取り決めに有責性は影響する?

それでは配偶者の一方に有責性があったとされた場合、離婚時のその他の取り決めに影響を与えることがあるでしょうか。具体的には養育費・親権・財産分与への影響について解説してきます。

 親権

親権者の決定にあたっては、子の福祉の観点から父母どちらが親権者として適切かを検討すべきとされていることから、配偶者の有責性と親権の決定は切り離して考えられます

そのため、有責配偶者であっても、過去の実際の子どもに対する監護状況や、将来の監護能力・意思、経済力や住環境などの諸般の事情を総合考慮して親権者として適切と判断されれば、親権を獲得できることになります。

もっとも、有責配偶者が不倫相手との交際を優先して子をネグレクトしたり、子の前で配偶者に暴力を振るう(面前DV)などの事情があれば、子の福祉の観点から親権者として不適格という判断がされる可能性があります。

 養育費

有責性は養育費支払いの内容に影響しません

したがって、有責配偶者が離婚後に子どもの親権を取得した場合、「有責であるので養育費の金額は減額されるべきだ」という相手配偶者の主張は通りません。同様に、無責配偶者が親権を取得した場合に、有責配偶者に対して「アナタは有責なので養育費をもっと払うべきだ」という増額の主張も通りません。

 財産分与

財産分与とは夫婦が婚姻中に協力して取得・形成して蓄えた財産を実質的に公平になるように清算する制度です(民法第768条参照)。

婚姻期間中の夫婦共有財産は双方同等の寄与で形成されたと考えられていますので、有責性と財産形成への貢献度は無関係です。そのため、有責配偶者であっても原則的に2分の1での分与割合で財産を請求できます

もっとも、協議離婚をする際には、財産分与の内容は夫婦で自由に決められますので、話し合いにより有責配偶者の分与割合を2分の1未満にすることも可能です。また、有責配偶者が他方配偶者に支払うべき慰謝料も加味して財産分与をする場合にも、有責配偶者の分与割合は小さくなります。

≫慰謝料と財産分与は両方請求できる|但し慰謝料的財産分与の例外あり

 まとめ

離婚原因を作った側の配偶者を有責配偶者といいます。

有責配偶者からの離婚請求は原則として認められませんが、夫婦間に未成熟子がおらず、別居期間が相当長期間に及んでおり、離婚を認めることで無責配偶者が生活に困窮する等の事情がない場合には離婚請求が認められる可能性もあります

また、有責性に時効という概念がないためいつまでも有責配偶者であることに変わりはありません。もっとも、有責配偶者に対する慰謝料請求権は基本的には離婚時から3年で時効消滅します。

なお、離婚請求や慰謝料請求に際しては、有責行為があったことを証明するための証拠が必要となりますので、離婚や慰謝料請求を検討している方は事前に証拠収集をしておく必要があるでしょう。

有責事項がある場合には紛争が長期化する可能性があります。そのため最初の段階における任意での交渉・話し合いでの対応が非常に重要になってきますので離婚問題に精通した弁護士に相談することがおすすめです。弊所では、24時間、全国対応で弁護士による無料相談を受け付けております。あなたが有責配偶者であるかどうかに拘わらず、依頼者のために弁護士が全力を尽くすことをモットーとしております。まずはお気軽にご相談ください。相談する勇気が解決へと繋がります。

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