怪しい通販サイトは詐欺?見分け方9つと被害の対処法

「この通販サイト、詐欺サイトじゃないよね」と不安になったとき、見分けるために見るべき場所は決まっています

注文ボタンの前で手が止まったのなら、その感覚は無視しないでください。詐欺サイトは年々巧妙になり、パッと見で見抜くのは難しくなりました。それでも、確認する場所さえ知っていれば、多くは注文前に判断できます。

この記事では、通販の詐欺サイトを見分ける9つのチェックポイントと、すでに注文や振込を済ませてしまった場合にすぐ取るべき行動をまとめました。

  • 通販の詐欺サイトを見分ける9つのチェックポイント
  • 公的機関が公表している注意喚起リストの使い方
  • 詐欺サイトにたどり着いてしまう3つの経路
  • 買ってしまったときに、支払い方法別で取るべき行動

お読みいただくことで、いま開いているそのサイトで買ってよいのかを判断でき、注文してしまったあとなら今日どこへ連絡すべきかまで整理できます。

なお、すでに代金を支払ってしまった方は、記事の後半で支払い方法ごとの連絡先を案内しています。カード会社・振込先の金融機関・後払い決済サービス事業者・警察・消費生活センターのうち、ご自身に当てはまる窓口へできるだけ早くご連絡ください

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ネット通販の詐欺サイトとは?よくある被害の流れ

ネット通販の詐欺サイトとは、実在するネットショップを装ったり、実態のない店を装ったりして注文と代金だけを受け取り、商品を送らない(または偽物を送る)ウェブサイトのことです。通販詐欺サイト、偽ショッピングサイト、怪しい通販サイトとも呼ばれます。

被害の流れは、多くの場合よく似ています。

  1. ほしい商品を検索し、相場よりかなり安い店を見つける
  2. 「安いから」と深く考えずに注文する
  3. メールで振込先の口座を案内される(または決済画面でカード情報を入力する)
  4. 予定日を過ぎても商品が届かない
  5. 問い合わせても返信がなく、記載の電話番号もつながらない
  6. 代金だけが手元から消える

商品が届くこともあります。ただし届いたのは写真とは別物の粗悪品だった、有名ブランドの偽物だった、というケースが少なくありません。届いた=詐欺ではなかった、とはいえないわけです。

こうしたネット通販詐欺のトラブルは実際に数多く報告されており、国民生活センター越境消費者センター(CCJ)は、確認した悪質なサイトを悪質通販サイト情報として公表しています。消費者庁も、なりすましECサイトへの注意喚起を継続して出しています。

通販の詐欺サイトを見分ける9つのチェックポイント

注文前に確認したいのは、その通販サイトが怪しいかどうかを判断する次の9点です。

  • ①価格が相場より極端に安い
  • ②URLやドメインに不自然な点がある
  • ③会社情報が書かれていない、または調べても実在しない
  • ④支払い方法が少ない、振込先が個人名義
  • ⑤日本語やサイトの表示が不自然
  • ⑥「本日限り」「残りわずか」と購入を急がせる
  • ⑦連絡先がフリーメールや問い合わせフォームだけ
  • ⑧返品・交換の条件が書かれていない
  • ⑨口コミ・評判が見つからない、または悪評だらけ

ひとつ、先に断っておきます。この9つのうち1つに当てはまったからといって、そのサイトが詐欺だと決まるわけではありません。正規の店でもセールで安く売りますし、開店したばかりで口コミがない店もあります。詐欺サイトの側も、1つ2つの弱点は潰してきます。

だから見分け方のコツは「決定的な1点を探す」ことではなく、気になる点がいくつ重なるかを数えることにあります。複数が重なったサイトでの購入は見送る。その慎重さでちょうどよいでしょう。

①価格が相場より極端に安い

まず確認したいのが価格です。他の通販サイトの相場と比べて半額以下、といった水準なら警戒してください。

詐欺サイトにとって最大の武器は「安さ」です。大手モールと同じ値段では誰も見知らぬ通販サイトを選びません。だから相場から大きく外れた価格を出して、消費者の判断を鈍らせにきます。

見るべきなのは、値引きの理由が書かれているかどうかです。正規の店なら「型落ち」「箱にキズあり」「在庫処分」など、安くできる事情が説明されています。理由の説明がないまま安いだけの店は、その安さ自体が疑うべき材料になります。

他のサイトでは軒並み売り切れている人気商品が、その店だけ在庫ありになっている場合も同じです。商品名で検索して、他店の価格と在庫状況を並べてみると判断しやすくなります。

②URLやドメインに不自然な点がある

価格を確認したら、次はその通販サイトのURLをアドレスバーで確認します。

ドメインとは、URLの中で店ごとに割り当てられた固有の文字列のことです。ここが本物とわずかに違う、というのが偽サイトの典型です。アルファベットの「o」を数字の「0」に置き換える、1文字だけ足す・抜くといった手口が使われます。パッと見では気づきにくいので、公式の通販サイトのURLと1文字ずつ突き合わせてください。

読み方の分からない文字列が並んでいるドメインも要注意です。通常、店のドメインには店名や社名が入ります。意味を持たない英数字の羅列は、短期間で捨てる前提で取得された詐欺サイトのドメインの可能性があります。

  • 公式サイトのドメインと1文字ずつ照合したか
  • 店名・社名と無関係な英数字の羅列になっていないか
  • 広告やメールのリンクから飛んだ場合、表示されていたURLと実際の遷移先が一致しているか

そしてもう一点。アドレスバーの鍵マーク(URLが「https」で始まること)は、安全性の証明にはなりません

かつては、通信を暗号化するSSLの導入には手間と費用がかかったため、鍵マークの有無が1つの目安になっていました。しかし現在は無料で証明書を取得できるようになり、詐欺サイトの側も当たり前に鍵マークを表示しています。「鍵マークがあるから大丈夫」という判断は、いまでは通用しないと考えてください。

③会社情報が書かれていない、または調べても実在しない

通販サイトには、特定商取引法により、事業者の情報を表示する義務があります。

具体的には、販売業者の氏名(法人なら名称)・住所・電話番号の表示が求められます。販売業者が法人で、インターネット上で広告を行う場合には、これに加えて代表者の氏名または通信販売の業務の責任者の氏名も必要です(特定商取引法11条)。消費者庁は、ここでいう電話番号について「確実に連絡を取れる番号」でなければならず、使われていない番号を載せる行為も違反にあたるとしています(特定商取引法ガイド)。

通販サイトのページの一番下にある「特定商取引法に基づく表記」を開いて、これらが埋まっているか確認してください。

なお、「請求があれば遅滞なくお知らせします」と広告に明示している場合には、事業者の氏名・住所・電話番号の表示を省略することが法律上認められています。ただしその断り書きもなく、表記そのものが見当たらないサイトは、法律が求める最低限の開示をしていないことになります。

  • 記載された住所を地図サービスで検索し、店舗や事務所が実在するか見る
  • 電話番号を検索窓に入れて、別の会社名や「詐欺」の書き込みが出てこないか見る
  • 住所と電話番号の市外局番が地理的に合っているか見る

やっかいなのは、通販サイトに表記があっても中身が嘘というパターンです。無関係な実在企業の住所や電話番号を勝手に載せているケースもあるため、表記の有無だけでは判断しきれません。

会社が本当に存在するかを確かめたいときは、法人登記を見るという手があります。登記情報提供サービスなら、インターネット上で商業・法人登記情報を確認できます。利用料金は1件330円で、クレジットカード決済による一時利用なら会員登録も不要です。数万円の買い物で迷っているなら、330円の確認は十分に見合う投資といえるでしょう。

④支払い方法が少ない、振込先が個人名義

支払い画面まで進んだら、選べる決済手段の数を見てください。

正規の通販サイトは、クレジットカード・銀行振込・コンビニ払い・代金引換など、複数の方法を用意しているのが一般的です。

一方、通販の詐欺サイトでは支払い方法が1つに絞られていることがあります。警察庁も、銀行振込のみ・クレジットカードのみ・代金引換のみといった具合に支払い方法が限定されている点を、偽ショッピングサイトの手口として挙げています。なかでも、前払いの銀行振込しか選べない場合は要注意です。いったん振り込んでしまうと、お金を取り戻すのは難しくなります。逆に、カード決済が選べるからといって、それだけで安心できるわけではありません。

より危ないのは、振込先の名義です。特定商取引法に基づく表記で法人名を名乗っているのに、案内された振込先が個人名義になっている。この食い違いが出たら、そこで手続きを止めてください。外国人名義の口座を指定されるケースも報告されています。

注文の直前まではカード決済ができるように見せておき、注文後のメールで「システム障害のため銀行振込でお願いします」と切り替えてくる手口もあります。説明のつかない支払い方法の変更は、それ自体が危険信号です。

⑤日本語やサイトの表示が不自然

通販サイトに書かれた日本語も判断材料になります。詐欺サイトは海外から運営されていることがあり、機械翻訳をそのまま貼り付けたような日本語が残っている場合があります。

  • 助詞の使い方がおかしい、語順が入れ替わっている
  • 日本では使わない字体の漢字が混じっている(「対」が「对」など)
  • 句読点の位置が不自然、または句読点がほとんどない
  • 商品画像だけ解像度が低い、レイアウトが崩れている

ただし、この項目の判別力は下がりつつあります。生成AIの普及で、自然な日本語のページを簡単に作れるようになったからです。文章がきれいだから安心、とは考えないでください。日本語の不自然さは「見つかれば黒に近い」材料であって、見つからないことは白の証明になりません。

⑥「本日限り」「残りわずか」と購入を急がせる

その通販サイトの表示が、やたらと急かしてこないか。ここも確認したいところです。

残り在庫の数を大きく表示する、セール終了までのカウントダウンを走らせる、「先着◯名様限定」と煽る。こうした演出は、じっくり考える時間を奪って注文させるために使われます。警察庁も、偽ショッピングサイトの手口として「品薄」「本日限り」といった表示で購入を急がせる点を挙げています。

もっとも、この手法は正規のセールでも普通に使われます。⑥だけで詐欺と決めることはできません。急かされていると感じたら、いったんページを閉じて、翌日にもう一度考えてみてください。

⑦連絡先がフリーメールや問い合わせフォームだけ

問い合わせ先として何が書かれているかも見ておきましょう。

事業として通販を運営している会社は、通常、自社ドメインのメールアドレス(@のうしろが会社のドメインになっているもの)を使います。連絡先がgmail.comやyahoo.co.jpなどのフリーメールだけ、という通販サイトは不自然です。フリーメールは無料で、身元を確認されることなくいくつでも作れるため、運営者を追跡されたくない側には都合のよい連絡手段になります。

問い合わせフォームしか置いていないサイトも同様に注意が必要です。フォームだけなら、返信するかどうかは相手の一存です。詐欺だと分かったときに連絡が取れる手段が残らないという点で、電話番号やメールアドレスの記載があるサイトとは信頼性に差があります。

⑧返品・交換の条件が書かれていない

返品と交換のルールは、つい読み飛ばしてしまう箇所です。

通販は現物を見ずに買うので、サイズ違いやイメージ違いは避けられません。だからこそ正規の店は、返品を受け付ける期限、送料をどちらが負担するか、開封後は対象外かといった条件を明示しています。

返品の条件は、特定商取引法で広告に表示すべき事項とされています。返品を受け付けない方針であっても、その旨を表示しなければなりません。

しかも返品に関する事項は、③で触れた「請求があれば遅滞なくお知らせします」という断り書きによる省略が認められていない項目です。つまり返品についてどこにも何も書かれていないサイトは、それだけで表示義務を果たしていない可能性が高いといえます。この項目は、9つのなかでも判別の手がかりとして使いやすい部類に入ります。

キャンセルの可否や返金の方法についても同じです。詐欺かどうか以前に、通販の相手として信頼できるかどうかの問題です。

⑨口コミ・評判が見つからない、または悪評だらけ

ここまでの8つを確認したら、最後にサイト名や会社名で検索してみてください。

「商品が届かない」「偽物が送られてきた」といった書き込みが並んでいれば、判断は簡単です。買わなければよいだけの話ですから。

迷うのは、検索しても何も出てこないときです。そして通販の詐欺サイトでは、こちらのパターンのほうが多くなります。理由は、詐欺サイトの運営サイクルにあります。短期間で被害者を集め、悪評が広まる前にサイトを閉じ、別のサイト名と別のドメインで作り直す。この繰り返しなので、評判が蓄積される時間そのものが存在しません。

つまり「悪い評判がない」ことと「評判が何も存在しない」ことは、まったく意味が違います。長く営業していれば、良い評判も悪い評判も自然に残るものです。検索して情報が出てこない店は、それ自体を1つの引っかかりとして数えてください。

個人の口コミが見つからないときに使えるのが、公的機関や専門機関が公表している情報です。次の2つは無料で確認できます。

  • 悪質通販サイト情報(国民生活センター越境消費者センター)……同センターが確認した悪質な通販サイトの一覧をPDFで公表しています
  • SAGICHECK(一般財団法人日本サイバー犯罪対策センター〈JC3〉が情報提供)……URLを入力すると、そのサイトの危険性の有無を判定してくれます

掲載されていたり、危険と判定されたりしたなら、黒に近いと考えてよい材料です。ただし、悪質通販サイト情報は現存するサイトを網羅したものではなく、SAGICHECKも「判定結果は完璧ではない」と明言しています。載っていないから安全、という読み方は禁物です。載っていなければ、①〜⑨のチェックに戻って総合的に判断することになります。

詐欺サイトにたどり着いてしまう3つの経路

ネットショッピングに慣れているほど、「自分で検索して見つけた店なら安全だろう」と考えがちです。この思い込みが、被害の入口になることがあります。通販の詐欺サイトへの導線は大きく3つあり、どの経路で来たかを意識するだけでも警戒のスイッチが入りやすくなります。

検索結果から

商品名や型番で検索した結果に、通販の詐欺サイトが表示されることがあります。検索エンジン側も対策していますが、すり抜けるものは出てきます。

もう少し厄介なのが、正規のサイトが改ざんされているパターンです。検索結果には見慣れた企業や団体のドメインが出ているのに、クリックすると別のサイトへ飛ばされる。警察庁も、事業者のウェブサーバーに不正アクセスして偽サイトへの転送ファイルを置く手口を注意喚起しています。

表示されているドメインと、実際に開いたページのドメインが同じか。リンクを踏んだあとにもう一度アドレスバーを見る習慣をつけてください。検索結果の最上部にある広告枠にも同じ注意が必要です。

SNSやネット広告から

SNSのタイムラインや、閲覧中のサイトに出る広告から誘導されるケースもあります。

大幅な値引きを打ち出した広告をクリックすると、そのまま通販の詐欺サイトの商品ページに着地する。広告は年齢や関心に合わせて配信されるため、自分向けに選ばれた情報のように見えてしまうのが厄介なところです。

有名ブランドや企業の公式アカウントを装った偽アカウントが、リンクを流している場合もあります。気になる商品を見つけたら、広告のリンクからではなく、ブランド名で検索し直して公式サイトから入り直しましょう。

メールやSMSのリンクから

身に覚えのないメールやSMSに書かれたリンクは、開かないのが原則です。

宅配業者や通販事業者、金融機関を装って「お荷物のお届けにあがりましたが不在でした」「アカウントに問題が発生しました」といった文面を送り、偽サイトへ誘導する。これがフィッシングと呼ばれる手口で、SMSを使ったものはスミッシングとも呼ばれます。誘導先で入力したIDやパスワード、カード情報はそのまま盗まれます。

近年は、詐欺サイトへ誘導するQRコードを載せたパターンも報告されています。QRコードは読み取るまで遷移先が見えないため、URLを目で確認するという防御が効きません。

通販サイトへのログインや支払い手続きは、メールのリンクからではなく、ブックマークや公式アプリから行ってください。この一点を守るだけで、この経路の被害はかなり防げます。

詐欺サイトで買ってしまうと何が起きるのか

通販の詐欺サイトで注文を済ませてしまうと、次のような被害が生じます。

  • 商品が届かない……代金だけを取られる、最も多いパターン
  • 偽物や粗悪品が届く……ブランドの模倣品は、税関で止められて没収されることもあります
  • 連絡が取れなくなる……問い合わせへの反応がなく、掲載されている電話も通じない
  • 個人情報を抜き取られる……氏名・住所・電話番号が別の犯罪に使われるおそれがあります
  • カード情報を不正利用される……身に覚えのない請求が続くことがあります

後半の2つは見落とされやすい部分です。商品が届かなかったことばかりに気を取られていると、入力した情報が流出している事実を見過ごしてしまいます。

支払いにクレジットカードを使った場合は、注文した商品の代金だけでなく、カード番号そのものが第三者の手に渡ったという前提で動く必要があります。被害は「払ったお金」で止まるとは限りません。

詐欺サイトで買ってしまったときの対処法

すでに通販の詐欺サイトで注文や支払いを済ませてしまった場合、行動が早いほど選択肢が残ります。逆にいえば、時間が経つほど取り返せる見込みは薄くなります。

まず押さえていただきたいのは、支払い方法によって取るべき行動が変わるという点です。国民生活センターも、詐欺・模倣品サイトのトラブル対応を「銀行振込・支払済」「銀行振込・未支払」「クレジットカード支払」に分けて案内しています。

まずは支払いを止められないか確認する

通販の詐欺サイトへの振込がまだなら、振り込まないでください。金銭的な被害はそこで止まります。

詐欺サイトから直接コンビニの払込票が届いている段階も同じです。支払う前に手を止めれば、代金をだまし取られる事態は避けられます。

代金引換で注文した場合は、荷物を受け取る前が分かれ目です。国民生活センターによれば、代引きでは支払いを済ませてからでないと中身を確認できず、送り状の「依頼人」が注文先の販売業者と違う名前になっていることもあります。受け取る前に依頼人の名前を確かめ、注文先と食い違っていたら受け取りを断ってください。配送業者に支払って受け取ってしまうと、中身が偽物だとわかっても返金は困難です。

ただし、後払い決済サービスを使った場合は事情が違います。請求してくるのは詐欺サイトではなく決済サービス事業者であり、放置しても支払義務がなくなるわけではありません国民生活センターも、販売業者とトラブルになった場合は決済サービス事業者にも連絡し、事情を伝えるよう案内しています。請求書を黙って放置すると、督促や取り立てに発展します。

クレジットカード会社に連絡する

カード情報を入力してしまったなら、カード裏面に記載された電話番号に電話するか、カード会社のアプリからすぐに連絡します。

伝えるのは、詐欺サイトで決済したこと、カード情報を入力したこと、この2点です。カードの利用停止と再発行、当該決済の取り扱い、そして使い回していたパスワードの変更について案内を受けてください。

身に覚えのない不正利用だけでなく、商品が届かないといった通販サイトとのトラブルについても、カード会社が支払いを取り消す仕組みが用意されている場合があります。ただし利用できる条件や期限は各社の会員規約によって異なるため、自己判断で放置せず、まず契約しているカード会社に確認することが先決です。

カードで支払った場合の相談窓口と手続きの進め方は「カード詐欺被害にあった時の相談窓口と返金までの流れ3ステップ」で詳しく解説しています。

振込先の金融機関に連絡する

通販の詐欺サイトへ銀行振込で支払ってしまった場合、まず連絡するのは振込先の金融機関、つまりお金が入った側の銀行です。金融庁は、警察と振込先の金融機関の両方に連絡するよう案内しています。連絡が早いほど、お金が相手の口座に残っている可能性は高くなります。

事情を説明すると、その口座が犯罪に使われた疑いがあると認められた場合に、口座が凍結されることがあります。凍結後の手続きを定めているのが振り込め詐欺救済法(正式名称は「犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律」)で、口座に残っていた資金を原資として、被害者に被害回復分配金が支払われる場合があります。

ただし、この制度で戻るとは限りません。金融庁は、犯人が口座からお金を引き出してしまうと支払は受けられないこと、支払を受けられるまでに少なくとも半年以上かかるのが一般的であること、複数の被害者がいて被害額の総額が残高を超える場合は残高を被害額で按分した額になることを明記しています。だからこそ、気づいた時点ですぐ連絡することに意味があります。

やり取りとサイトの画面を保存する

警察や金融機関に相談する際、手元に資料があるかどうかで話の進み方が変わります。連絡と並行して、次のものを手元に残しておきます。

  • サイトのURLと、トップページ・商品ページ・注文確認画面のスクリーンショット
  • 特定商取引法に基づく表記のページ(会社名・住所・電話番号が写るように)
  • 注文完了メール、事業者から届いたメールの全文
  • 振込先の金融機関名・支店名・口座番号・口座名義
  • 振込明細やカードの利用明細

通販の詐欺サイトは短期間で閉鎖されます。「あとでまとめよう」と思っているうちにページごと消えてしまい、何も残らないという事態が起こりがちです。気づいた日のうちに、画面を撮っておいてください。

警察と消費生活センターに相談する

通販の詐欺サイトの資料がそろったら、警察に相談します。相談先は、最寄りの警察署か、各都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口です。警察庁は、サイトのURLや画像などの資料を持参するよう案内しており、事前に電話で日時と持参物を調整しておくと手続きがスムーズになるとしています。窓口では、被害届の提出について相談することもできます。

人を欺いて金銭を交付させる行為は、刑法上の詐欺罪にあたりえます。

第二百四十六条 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の拘禁刑に処する。

2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

出典:e-Gov法令検索

※「拘禁刑」は、2025年6月に懲役と禁錮が一本化されて新しく設けられた刑罰です。

警察と並行して、消費者ホットライン「188」も利用できます。局番なしの188にかけると、住んでいる地域の消費生活センターや消費生活相談窓口につながります。相談自体は無料で、通話料のみ自己負担となります。返金交渉の進め方や、事業者との連絡が取れない場合の対応について助言を受けられます。

海外の事業者が相手だと思われる場合は、国民生活センター越境消費者センター(CCJ)が相談窓口です。受付はウェブフォームのみで、電話相談は受け付けていません。ただし現在は、新システムへの移行のため2026年9月13日まで相談受付を停止しています。その間は、前述の消費者ホットライン188をご利用ください。

どこに相談すべきか迷ったときは「詐欺被害はどこに相談する?相談窓口と注意点を解説」もあわせてご覧ください。

怪しいと感じたら手を止め、被害にあったら公的機関へ

通販サイトが詐欺かどうかを見分けるポイントを9つ挙げました。価格、URLとドメイン、会社情報、支払い方法、日本語、急かす表示、連絡先、返品条件、口コミ。どれも数分で確認できるものばかりです。

繰り返しになりますが、1つの項目だけで白黒はつきません。気になる点が重なったときに購入を見送れるかどうかが分かれ目です。「安いから」と押し切りそうになったら、その安さこそが相手の狙いだったと思い出してください。

すでに支払ってしまったあとなら、動くのは早いほうがよいでしょう。カード会社、振込先の金融機関、後払い決済サービス事業者、警察、消費生活センターと、連絡すべき先は決まっています。

最後に、率直にお伝えしておきたいことがあります。通販詐欺は、1件あたりの被害額が比較的小さくおさまることが多く、相手は匿名で、海外から運営されている場合もあります。弁護士に依頼して民事で追及しようとしても、相手を特定するための費用が取り戻せる金額を上回ってしまい、費用倒れになりやすいのが実情です。

ですから、通販詐欺にあってしまったときに頼るべき相手は、弁護士ではありません。お金の流れについて動けるのはカード会社・振込先の金融機関・後払い決済サービス事業者、事件として扱うのは警察、返金交渉の進め方を相談できるのが消費者ホットライン「188」でつながる消費生活センターです。警察と消費生活センターは、いずれも無料で相談できます。泣き寝入りせず、ご自身が使った支払い方法にあたる窓口と、警察・消費生活センターに連絡してください。

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この記事の監修者

若井亮 弁護士

若井 亮

代表弁護士

弁護士法人若井綜合法律事務所
東京弁護士会所属(登録番号:47827)

弁護士紹介ページ

詐欺被害の返金交渉に豊富な実績を持つ。一般社団法人 詐欺・不当要求対策協会の代表理事として、詐欺被害の撲滅に向けた研究・啓発活動にも取り組んでいる。投資詐欺、情報商材詐欺、占い詐欺など多様な手口に精通し、被害者の大切なお金を取り戻すために迅速に行動する。警察が動かないケースでも、弁護士による返金交渉や刑事告訴で解決に導いている。

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