結婚詐欺師の5つの特徴と見分け方|手口と被害時の対処法

「結婚の話は出るのに、家族や友人には会わせてくれない」「急な事情を理由に、何度もお金を頼まれる」といった交際相手の言動が、結婚詐欺の特徴にあたるのではないかと不安を感じていませんか。結婚詐欺師には、理想的な恋人を演じる、家族や友人に会わせないといった共通点があり、お金を渡す前にいくつ当てはまるかを確かめることが、被害を防ぐ手がかりになります。もっとも、特徴に当てはまるだけで詐欺と決まるわけではないため、手口の流れもあわせて知っておくと見極めやすくなります。

恋愛感情につけ込む手口のため、慎重な人でも冷静な判断が難しくなることがあります。信じている相手だからこそ、疑うこと自体をためらう方もいるでしょう。

この記事では、結婚詐欺の被害回復に取り組む弁護士が、次の点を解説します。

  • 結婚詐欺師に多い5つの特徴と見分け方
  • 結婚詐欺の手口とお金を求めるまでの流れ
  • 詐欺を疑ったとき・被害に遭ったときの対処法

お読みいただくことで、相手の言動が危険なサインかを見極め、お金を渡す前にすべきことを判断できます。なお、交際相手とのお金のことでお悩みの方は、この記事をお読みいただいた後、当事務所の無料相談へお気軽にご連絡ください。地域を問わずご相談を承っています。

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結婚詐欺師の特徴と見分け方

結婚詐欺師は誠実で魅力的な人物を装いますが、その言動には共通するパターンがあります。

次の5つの特徴をチェックリストとして確かめ、複数が当てはまる場合は注意してください。

  • ① 出会ってすぐに理想的な恋人を演じる
  • ② 高学歴・高収入を過度に強調する
  • ③ 家族や友人に会わせてくれない
  • ④ 金銭のやり取りで証拠を残さない
  • ⑤ 「君だけが頼り」など感情に訴える言葉を多用する

順に確認したうえで、最後に見分ける方法を紹介します。

① 出会ってすぐに理想的な恋人を演じる

結婚詐欺師は、相手が求める理想像を徹底的に演じます。出会いの初期段階から価値観や生活スタイルを観察し、まるで「運命の人」のように振る舞います。共通の趣味を強調したり、家族観や将来設計を語ったりして、安心感と親近感を与えます。信頼関係を築いたうえで、結婚を前提とした交際へと誘導していきます。

② 高学歴・高収入を過度に強調する

高学歴・高収入・安定した職業など、信頼されやすい肩書きを結婚詐欺師は前面に出します。高級車に乗り、ブランド品を身に着け、豪華なレストランに頻繁に出入りするなど、経済的余裕を見せつけます。しかし実際には、プロフィールや名刺の肩書きを偽っていたり、SNS上で仕事を実際以上に大きく見せていたりすることもあります。

③ 家族や友人に会わせてくれない

自分の素性が明らかになることを、結婚詐欺師は極端に避けます。友人や家族を紹介しなかったり、「両親と不仲」「家族が遠方にいる」などと理由をつけたりして、交際相手を周囲に近づけません。仮に紹介があっても、共犯者や演技を頼まれた知人というケースもあるため注意が必要です。長期間交際しているのに一度も家族や友人に会わせてもらえない場合は、強く警戒してください。

④ 金銭のやり取りで証拠を残さない

金銭のやり取りに関する記録を一切残そうとしないのも、結婚詐欺師の特徴です。借用書や領収書の作成を避け、電話や対面など口頭で金銭を依頼してくることがよくあります。後から法的責任を問われにくくするためです。振込先名義が本人と異なっていたり、返済期限が曖昧だったりするのは、詐欺の可能性を疑うべきサインです。

⑤ 「君だけが頼り」など感情に訴える言葉を多用する

結婚詐欺師は、「君だけが頼り」「一緒に未来を築きたい」といった情緒的な言葉を頻繁に使い、相手の共感や同情を誘います。被害者の判断力を鈍らせ、徐々に金銭的支援を引き出していきます。お金の話がこうした言葉とセットで出てきたら、特に要注意です。

結婚詐欺師かどうかを見分ける方法

結婚詐欺の見分け方の基本は、相手の話を自分で確かめられるかどうかです。

まず、相手が名乗る名前や勤め先、住まいの話に、食い違いや確かめようのない点がないかを見てください。勤め先や住所を尋ねても答えをはぐらかす相手には注意が必要です。

次に、結婚を考えているなら、相手の家族や友人に会いたいとこちらから伝えてみましょう。相手が結婚の話を進めながら紹介を避け続けるなら、③の特徴に当てはまります。

お金を貸してほしいと言われたら、その場では渡さず、家族や友人、弁護士などの第三者に相談してください。

結婚詐欺師が問われる罪と刑罰

「結婚詐欺」という名前の罪はありません。結婚する気がないのに結婚をほのめかして信じ込ませ、お金をだまし取る行為は、刑法246条の詐欺罪にあたりえます。

刑法246条1項

人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の拘禁刑に処する。

どこからが詐欺罪になるかは、大きく分けて次の2つがそろうかどうかで決まります。

  • 結婚する気や返す気がないのに、あるように装ったり嘘の事情を話したりして、だましたこと
  • だまされた側が、それを信じてお金などの財産を渡したこと

相手がお金を受け取った時点では返すつもりで、後から返せなくなっただけの場合は、詐欺罪にあたらないこともあります。

嘘が見抜かれてお金を受け取れなかった場合でも、詐欺未遂罪(刑法250条)に問われることがあります。

一方で、体の関係を持たれただけで、お金をだまし取ろうとされていない場合などは詐欺罪になりません。その場合に取れる対応は「お金以外の被害だと結婚詐欺にならない?泣き寝入りしかない?」にまとめています。詐欺罪にならない場合でも、慰謝料を請求できる余地があります(後述)。

結婚詐欺の手口とその流れ

結婚詐欺の手口は、基本的には次のような流れで進みます。

  1. 好意があるフリをして近づいてくる
  2. 理想の相手を演じ、結婚をちらつかせる
  3. 突発的な事情が生じ、お金を借りようとする
  4. 借りる金額と頻度が増えてくる
  5. 借りたお金を返すことなく、ある日突然いなくなる

結婚詐欺の手口の流れ(好意を装って近づく→理想の相手を演じる→急な事情でお金を借りる→金額と頻度が増えていく→返さずに姿を消す)

先に挙げた特徴にも注目しながら、詳しく見ていきましょう。ここでは被害者が女性、詐欺師が男性という設定で解説します。女性が詐欺師となるケースについては「女性による結婚詐欺の特徴|見抜き方と狙われやすい男性」で解説しています。

① 好意があるフリをして近づいてくる

あなたが婚活でなかなかいい人に出会えず、焦っているなかで、理想的な彼が突然現れ、好意的な態度で近づいてきます。イケメン・高収入・高学歴・優しい・結婚に前向きなど、女性を惹きつける特徴を何かしら持ち合わせています。そして言葉巧みにその気にさせ、あっという間に「恋人の地位」を確保します。

結婚詐欺師に狙われやすいのは、早く結婚したいと焦っている人、恋愛に不慣れで相手を信じやすい人、蓄えがある人、頼み事を断るのが苦手な人などだといわれています。

なお、SNSなどで恋愛感情を抱かせ、一度も会わないまま送金を求める手口も結婚詐欺と地続きで、見抜き方は「国際ロマンス詐欺の見分け方|被害に気づいたときの対処法」で解説しています。

② 理想の相手を演じ、結婚をちらつかせる

結婚詐欺師はデートを重ね、理想の相手のように振る舞います。こうしてあなたの心を掴み、彼なしではいられないほど精神的に依存させたうえで、「二人が結婚したら」「君と結婚したいな」と結婚をちらつかせてきます。

③ 突発的な事情が生じ、お金を借りようとする

交際が深まると、彼はいよいよお金を引き出す段階に入ります。そして「親が事故で」「事業に失敗して」といった突発的な事情を口実に、お金を貸してほしいと頼んできます。

この段階のあなたは理想的な恋人に夢中で、冷静に判断できず、嘘を嘘と見抜けない状態に陥りがちです。「あの人のためにお金を用意しなきゃ」と、恋人を救うためにお金を貸してしまいます。

実際に結婚詐欺に遭った方の話は「結婚詐欺で人はなぜ騙される?弁護士が見たリアルな体験談2選」でご紹介しています。

④ 借りる金額と頻度が増えてくる

「恋人を助けた」と思っているあなたは、お金が返ってくると信じ込んだり、「どうせ結婚するのだから」と返済を気にも留めなかったりします。結婚詐欺師の特徴は、ここぞとばかりに借りる金額と頻度を加速度的に増やしていくことです。

  • 「会社が倒産しそうだから」
  • 「親の病気が見つかって」

などとさまざまな理由をつけてお金を求め、こちらが貸すのを渋ると、泣き落としをしたり、時に威圧的な態度を見せたりと、あらゆる手口でお金をだまし取ろうとします。

⑤ 借りたお金を返すことなく、ある日突然いなくなる

結婚詐欺師は、借りられるだけ借りたあと、ある日突然いなくなります。住んでいた部屋はもぬけの殻。携帯電話もつながらず、勤め先に問い合わせても「そんな人はいない」「すでに退職した」と告げられます。詐欺師が愛していたのは、あなたではなく、あなたが持っていたお金です。

結婚詐欺の逮捕事例

ここでは、結婚詐欺の容疑で逮捕された事例を3つ紹介します。これまでの特徴や手口と照らし合わせて読んでみてください。

事例1. 「母親のホスピス費用」を口実に90万円を詐取

2022年3月、28歳の女が警視庁に詐欺容疑で逮捕されました。女は2020年、茨城県の50代男性に「一生一緒に添い遂げる」と結婚をほのめかしたうえで、「母親をホスピスへ入れる費用を貸してほしい」と嘘をつき、現金90万円をだまし取った疑いが持たれています。報道によると、女は他にも複数の男性から合計2,000万円以上をだまし取っていた可能性があるとされています。「親族の病院代が必要」という手口は、結婚詐欺の典型的な常套句の一つです。(出典:FNNプライムオンライン「『一生一緒に添い遂げる』と結婚詐欺 28歳女を逮捕」2022年3月)

事例2. 既婚者が婚活アプリで20代女性から300万円を詐取

福島県会津美里町の32歳無職の男が、詐欺の疑いで逮捕されました。男は既婚者でありながら婚活アプリを利用し、知り合った20代女性に対して「幸せにするから」「結婚したことはない」などと結婚を意識させる言葉をかけていました。その後、「友人の借金の保証人になった」「母親がガンになり入院費用が必要」と嘘をつき、約300万円をだまし取った疑いが持たれています。警察の取り調べに対し、男は「だます気はなかった」と容疑を否認しています。(出典:FNNプライムオンライン「“婚活アプリ”で知り合った女性から約300万円をだまし取る 結婚詐欺の疑いで男を逮捕<福島県>」2022年2月)

事例3. マッチングアプリでFX投資を持ちかけ1億1,500万円を詐取

京都府警伏見署は、東京都渋谷区の会社社長の男(34歳)を詐欺などの疑いで逮捕しました。男はマッチングアプリで知り合った京都市在住の女性(36歳)に結婚をほのめかしたうえで、外国為替証拠金取引(FX)投資に誘い、「やめたくなったら返金する」と虚偽の説明をして計1億1,500万円を振り込ませた疑いが持たれています。(出典:読売新聞・NHK 2022年2月)

当事務所にも、投資勧誘を手口とした結婚詐欺のご相談が多く寄せられています。「二人の将来のためにも資産を増やそう」といった誘い文句は結婚詐欺の特徴です。十分に注意してください。

結婚詐欺を疑ったとき・被害に遭ったときの対処法

結婚詐欺の被害に遭ったときの対処は、お金を取り戻したいのか、相手の処罰を求めたいのかで異なります。どちらの場合も、まずは記録を残しましょう。お金を渡す前でも、特徴に当てはまる点があれば弁護士に相談できます。

やり取りや送金の記録を残す

結婚詐欺を疑った時点から、相手とのメールやLINEのやり取り、一緒に撮った写真、振込履歴がわかる通帳、借用書などを記録として残しておきましょう。これらは、金銭の授受と結婚の約束を裏づける証拠になります。現金を手渡ししていた場合でも、日時や場所、金額をメモに残しておくと交渉の材料になります。

詐欺に気づいたことが相手に伝わると、姿を消してしまうおそれがあります。警察や弁護士に相談し終えるまでは、疑いを悟られないよう接しましょう。ただし、お金は渡さないでください。集めた証拠を持ち込む相談先や費用の目安については「結婚詐欺の相談は弁護士へ|相談窓口と費用を解説」もあわせてご確認ください。

お金を取り戻したいなら弁護士に相談する

お金の回収を最優先に考えるなら、警察ではなくまずは弁護士に相談しましょう。弁護士が間に入れば、示談(話し合いによる解決)の交渉で返金させられる場合もあります。

相手と連絡が取れない、住所も職場もわからないといった場合でも、弁護士会照会(弁護士会を通じた照会)や職務上請求(弁護士による戸籍などの取り寄せ)といった手続きで身元を調べられる場合があります。相手が交渉に応じなければ、訴訟で返還を求めることも検討します。

お金をだまし取られた場合のほか、既婚を隠して体の関係を持たれた場合や、理由もなく一方的に婚約を解消された場合などは、慰謝料(精神的な苦痛への賠償金)を請求できることもあります。交際が終わった・振られたというだけでは請求できない点には注意が必要です。慰謝料の金額の目安や集めるべき証拠については「結婚詐欺の慰謝料は請求できる?相場と必要な証拠を弁護士が解説」で詳しく解説しています。

相手の処罰を求めるなら警察に相談する

相手の処罰を求めるなら、警察への被害届(被害の申告)の提出や告訴(処罰を求める申告)が基本です。

もっとも、警察の職務は刑事手続きを進めることで、お金を取り戻すことは直接の目的ではありません。

また、結婚詐欺は立証が難しいことなどから、被害届や告訴状がすぐには受理されない場合もあります。警察が動いてくれない理由と対応は「詐欺で警察が動かない4つの理由|民事不介入と動いてもらう方法」で取り上げています。

結婚詐欺の特徴に当てはまる相手に悩んだら弁護士にご相談ください

結婚詐欺師は、理想的な恋人を演じて信頼を得てから、お金を求めてきます。5つの特徴のいくつかに当てはまる相手からお金の話が出たら、渡す前に一度立ち止まってください。

すでにお金を渡してしまった場合も、相手の身元の調査から返金交渉、訴訟や刑事告訴まで、弁護士に一貫して任せられます。

相手を疑うことに後ろめたさを感じ、一人で抱え込んでいる方もいるかもしれません。詐欺かどうかわからない段階でも、連絡が取れなくなった後でも、早めに専門家へ相談することが、被害を広げないことにつながります。

当事務所は、結婚詐欺で失ったお金の回収に力を入れています。全国どこからでもご利用いただける無料相談を設けておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

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この記事の監修者

若井亮 弁護士

若井 亮

代表弁護士

弁護士法人若井綜合法律事務所
東京弁護士会所属(登録番号:47827)

弁護士紹介ページ

詐欺被害の返金交渉に豊富な実績を持つ。一般社団法人 詐欺・不当要求対策協会の代表理事として、詐欺被害の撲滅に向けた研究・啓発活動にも取り組んでいる。投資詐欺、情報商材詐欺、占い詐欺など多様な手口に精通し、被害者の大切なお金を取り戻すために迅速に行動する。警察が動かないケースでも、弁護士による返金交渉や刑事告訴で解決に導いている。

投資詐欺 情報商材詐欺 占い・霊感商法 サクラサイト詐欺 不動産投資詐欺 返金交渉
メディア掲載 フジテレビ「とくダネ」/ ダイヤモンド・オンライン / @DIME / サイゾー 他多数
講演実績 「犯罪組織によるマネー・ロンダリングと投資詐欺への法的処置」「取り込み詐欺の法的処置」等
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