多くのテレビドラマや映画の題材として取り上げられている「結婚詐欺」は、実は誰もが被害に会いやすい詐欺の1つです。
ドラマや映画の中に登場する結婚詐欺の事例は、決してフィクションの中だけの話ではありません。
事実、インターネットのサイトで知り合った女性医師2人から4000万円以上をだましとった詐欺事件も過去に発生しており、一見すると騙されにくいように感じる「医師」であっても、詐欺師の手にかかれば「コロッ」と騙されてしまうのです。
「もしかして、結婚詐欺なんじゃ……?」と今、自分が詐欺被害にあっているかもしれないと疑っている方は、まずは結婚詐欺の手口と特徴を知り、自分の恋人と照らし合わせることから、はじめましょう。
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目次
結婚詐欺(婚活詐欺・恋愛詐欺)とは?
結婚詐欺とは、結婚する気もないのに異性に結婚を匂わせて近づき、金品を騙し取ったり、返すつもりもないお金を借りる詐欺の一種です。そのうち、婚活中の異性をターゲットにしたものを「婚活詐欺」といいます。また、もっと広い意味で、恋愛(交際)願望がある人をターゲットにしたものを「恋愛詐欺」といいます。
これらの詐欺はその手口や詐欺師の特徴が非常に似ているため、以下で「結婚詐欺」と言う場合には、「婚活詐欺」「恋愛詐欺」に置き換えて読んで構いません。
結婚詐欺にあたる行為はどこから?
いくらアナタが「結婚詐欺の被害にあった!」と主張しても、相手の行為や結果が法律上の「詐欺」にあたらなければ、結婚詐欺にはなりません。法律上の詐欺にあたるかどうかは、相手の行為や結果が詐欺罪(刑法246条)の成立要件(構成要件)を満たす場合です。
第246条
1.人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2.前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
詐欺罪の成立要件は以下となります。
- ①欺罔行為(人を欺く行為)
- ②欺罔行為によって被害者が錯誤(騙されること)に陥る
- ③財産の交付・利益の移転(金品を渡す・借金を免除するなど)
- ④因果関係(欺かれたことによって、金品を渡したり借金を免除したこと)
この成立要件を結婚詐欺に当てはめると、どこからが結婚詐欺にあたる行為であるかがわかります。結婚詐欺にあたる行為とは、詐欺罪(刑法第246条)の成立要件を満たす行為、つまりは、結婚の意思がないのにその意思があると相手を欺き、騙されて錯誤に陥った被害者から財産の交付や利益の移転を受ける行為です。
他方で、結婚を餌にその気にさせられて体の関係を結んで弄ばれた、遊ばれていることに気付いて婚約破棄したことで結婚式場のキャンセル費用がかかった、といったケースでは、相手に財産の交付や利益の移転がありませんので詐欺罪にあたりません。
もっとも、結婚詐欺の被害にあった場合はもちろん、単に遊ばれていたといったケースでも、民法709条・710条にもとづく不法行為による慰謝料や損害賠償請求をすることができます。
≫結婚詐欺の慰謝料の相場は?請求に必要な証拠や請求方法も徹底解説
(不法行為による損害賠償)
第709条
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
(財産以外の損害の賠償)
第710条
他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。
結婚詐欺の手口とその流れ
結婚詐欺の手口は、さまざまなパターンがあるように思えますが、基本的には、古今東西この以下のような流れで行われています。
- 好意があるフリをして近づいて来る
- 恋人関係になり、結婚をちらつかせる
- 急に「親が事故で」「事業に失敗して」など、理由をつけてお金を借りようとする
- 恋人が借りるお金がどんどんと増えていく
- 借りたお金を返すことなく、ある日突然いなくなる
この王道とも呼べる結婚詐欺の手口についてもう少し詳しく見ていきましょう。なお、被害者は男性女性どちらでもなり得ますが、ここでは、被害者が女性、詐欺師が男性という設定で解説しています。
STEP1. 好意があるフリをして近づいて来る
婚活でなかなかいい人に出会えない…、適齢期も過ぎたし早く結婚したい…、そう焦っている中で突如としてアナタの目の前に理想の彼が登場し好意がある態度で接してきます。イケメン、高収入、高学歴、あなたに優しい、結婚に前向きな考えを持っているなど、全て揃っていないにせよ女性を惹きつける何かしらの要素を持ち合わせています。そして、ターゲットであるアナタを言葉巧みにアナタをその気にさせて、あっという間に”アナタの恋人の地位”を確保します。
STEP2. 理想の相手を演じ、結婚をちらつかせる
彼はアナタと何回かデートを重ね、まさに理想の相手のように振る舞います。レディーファーストでお金払いも良く、今まで付き合ってきた男性にはないような刺激的なデートや、高価なプレゼントを贈ってくれることも多々あります。このように本当に最高の彼氏を演じ、アナタの心を完全に掴み、彼なしではいられないまでに精神的に依存させます。そして「2人が結婚したら~」とか「君と結婚したいな~」と結婚をちらつかせて来るのです。
STEP3. 突発的な事情が生じ、お金を借りようとする
「恋人関係になり、結婚をちらつかせる」の段階で、アナタの心は相手ににとらわれてしまい、「もしかして結婚詐欺かも……?」と思い浮かべることすらできなくなっています。しかし、彼等はアナタの気持ちとは裏腹に、投資した分のお金を回収する段階に入ります。
さすがに「この人、怪しい……」と思わせるほど、大きく態度は変化しませんが、それでも少しずつその態度は変わっていきます。少し冷たくなったり、会える時間が減ったり。そして、ついに「親が事故で」「事業に失敗して」と嘘をつき、急にアナタにお金を貸してくれるように、お願いしにくるのです。
冷静な状態であれば「結婚詐欺に引っかかるなんて、バカだ」と思ってしまうかも知れません。しかしこの段階では、すでにアナタの心は理想的な恋人である結婚詐欺師にぞっこんです。冷静に判断することが出来ない状況にあるため、嘘を嘘と見抜くことができません。
すでにアナタは、結婚詐欺師の手のひらの上。 「あの人のために、お金を用意しなきゃ!」と自分が騙されている可能性は一切考えず、ただ恋人を救うために自分のお金を理想的な恋人に、貸してしまうのです。
STEP4. 借りる金額と頻度が増えてくる
「恋人を助けた」そう思っているアナタは、お金が返ってくることを信じています。或いは「どうせ結婚するから、これぐらいしょうがないよね」とお金が返ってくることを期待しません。
残念ながら恋人にお金を貸すこと、貸したことに対して疑問に思わない時点で、アナタはもう結婚詐欺師の術中に肩どころか、頭のてっぺんまで、どっぷりとハマってしまっています。 結婚詐欺師は「これ幸い」と詐欺の術中にハマったアナタに対して、マラソン選手のラストスパートのようにお金を借りるスピードと金額を加速度的に増やして行きます。
- 「会社が倒産しそうだから~」
- 「親の病気が再発して~」
などなど、さまざまな理由をつけてアナタからお金を借りようと試みるだけでなく、こちらが「お金を貸さない」という態度を取ると暴力を奮ったり、泣き落とししてきたり、ありとあらゆる方法でお金をだまし取ろうとします。
そして、結婚詐欺師は「このお金は、絶対に返すから」とお金を返すことを約束します。
ですが、もうお分かりの方も多いかとは思いますが、「このお金は、絶対に返すから」という言葉は嘘ですし、たとえお金が返ってくることがあっても、返ってくる金額はほんの少し。貸したお金の総額からすると微々たるモノしか返って来ません。
最終的にアナタの有り金をすべて奪うように、借りられるだけお金を借りて、結婚詐欺師は最後のステップに進みます。
STEP5. 借りたお金を返すことなく、ある日突然いなくなる
結婚詐欺師は、借りるだけお金を借りて、ある日突然いなくなります。 その逃げ足の速さたるや、びっくりするほどです。突然連絡が取れなくなって、住んでいた所に行くともぬけの殻。 携帯電話も通じないし。勤め先に問い合わせても「そんな人いません」「すでに会社をやめました」と、こちらもすでにもぬけの殻。もう二度と、あの人と会えることはないでしょう。
結婚詐欺師が愛していたのは、アナタではなく、アナタが持っていたお金。彼らは、お金がなくなったアナタを、まるで味のなくなったガムのように、無情にも捨て去るのです。
結婚詐欺師の特徴と見極め方
「私の彼、もしかして……」とまだ付き合っている相手が結婚詐欺師か、そうでないかの確信が持てない場合は、まずは彼らの特徴を知りましょう。
1.理想的な恋人・結婚相手である
結婚詐欺師の特徴として、まず上げられるのが理想的な恋人・結婚相手であるということです。カジノのディーラーよりもイカサマ師の方がカード捌きがうまいように、結婚詐欺を成功させるために人生のすべてを賭けています。だからターゲットをひっかける前の仕掛けには気を使います。この段階では、絶対に獲物を逃がさないためにその人が望む恋人像を演じるというのが結婚詐欺の最初の手口です。
1-1.理想的な恋人・結婚相手と結婚詐欺師をどうやって見極める?
結婚詐欺師と運命の人をどうやって見極めれば良いのでしょうか?
これは非常に難しい問題です。 なぜなら男性にしろ女性にしろ理想的な相手が目の前にあらわれてしまったら「私の白馬の王子様はこの人だ!」と夢中になってしまうからです。
それに彼らのほとんどはお金をだまし取ろうと思っている相手のことを入念にリサーチし、相手の好きな相手になりきることで、お金をだまし取ろうとします。このように幾重にも罠を仕掛け。 獲物が罠に引っかかったら、獲物の皮を剥ぐかのように全財産を奪い取ろうとする――というのが、結婚詐欺師の怖いところなのです。
ここまで幾重にも罠を仕掛けてくる相手をアプローチされている段階で看破するのは、非常に困難です。とりあえず少女漫画の世界のように白馬の王子様はいないという悲しい現実を見つめながら自分にとって理想的過ぎる相手は「もしかして……」と疑ってかかるようにしましょう。
2.お金を持っている
「結婚詐欺を行うぐらいだから、貧乏なのでは?」と思いがちですが、彼らのほとんどはお金持ちを装っているし、実際、ある程度のお金は持っています。現代日本の男女が結婚相手を選ぶ重要な基準の一つが”お金”である以上、結婚詐欺師もお金を持っているように装っているのです。
仕掛けの段階でターゲットに逃げられないために、何かにつけて奢ってくれたり、プレゼントをくれたり、全身をブランドもので揃えている……などわざと羽振りが良いフリをしていることも多々あります。「結婚詐欺師はお金をもっていない!」という先入観にとらわれてしまうと、逆に相手の思う壺なので、いくらアプローチしてきた相手がお金持ちだったとしても、警戒を怠らず、細部まで注意するようにしましょう。
2-1.結婚詐欺師は本物のお金持ちにはなれません!
お金持ちを装っている結婚詐欺師と、本物のお金持ちをどうやって見分ければ良いのでしょうか?
彼らだって、お金をだまし取ろうと本気です。 まるで本物のお金持ちのように、良いものを贈ってくれるし、高級レストランにだって連れて行ってくれます。しかし、細かい部分まではお金持ちにはなれません。 よくよく観察してみると結婚詐欺師には、お金持ちにはない”アラ”が見えてきます。
- 乗っている車がレンタカー
- 財布や腕時計が偽物
- 靴にお金をかけていない
- 財布の中に入っているクレジットカードが普通
本物のお金持ちは自前の高級車を乗りこなします。 間違ってもナンバープレートにレンタカーを示す「わ」や「れ」ナンバーがつくことはありません。もちろん、本物のお金持ちは細部にもこだわるので、財布や腕時計が偽物なんてことはまずありえません。またその人となりを判断する靴も、やはり良いモノをはいています。そして、一番わかりやすいのがクレジットカードの種類です。 カードの色が普通なモノが多い、そもそもクレジットカードを持っていない(定職についていないから)場合すらあります。
こういった細部をよくよく観察してみると、意外に「この人、本当にお金持ちなの?」と疑ってしまう部分が出てくるので、たとえアプローチされている相手がお金持ちと思われるタイプだったとしても、過信せず「偽物のお金持ちかもしれない」と疑ってかかるようにしましょう。
3.本当の自分を隠す
結婚詐欺師だって、生まれてからずっと詐欺師になるために生きてきたワケではありません。今は結婚詐欺師として多くの人から大金をだまし取っている人間にも、子どもの頃や犯罪を犯す人になる前の人生があったのです。さすがの詐欺師も自分の過去を完全に隠すことまではできません。
だから、あえて自分の過去をアナタには知られないようにします。 「結婚前に親にあわせて」と言ってもはぐらかす、あるいは、 「うちの親は海外にいるから」「親とは仲が悪くって……」と、頑なに親とあわせないケースも少なくありません。
また彼らが紹介する親や友だちも本物の友だちではなく、お金で雇った売れない劇団員や同業者だったりする場合があり、たとえ親や友だちを紹介されたとしても、それが本物ではないケースもあるのです。親や友だちに会わせないだけならまだ結婚詐欺師とわかりやすいですが、お金で雇った相手を使われたお手上げです。
3-1.結婚詐欺師の過去を暴け!
今付き合っている相手が結婚詐欺師か、そうでないかを判断するためにも相手の過去を詮索しましょう。本来であれば相手の過去をズケズケと詮索することは褒められたことではありません。しかし、相手の過去を調べず結婚詐欺師だと知らないまま、お金をだまし取られるよりはマシです。
後ろめたいことではありますが、あえて「お父さんとお母さんの誕生日いつだっけ?」と答えにくい質問をしたり、探偵を雇って結婚調査をしてもらったりすることで、今付き合っている恋人の過去を知ることができます。
「最後の恋だから……」と、今付き合っている相手を最後の恋人にしたいと思うなら、その気持を利用されないようにしっかりと相手の過去を詮索してください。
4.結婚を急ぐ
「結婚したい!」と思っている男女はその気持が強すぎるがゆえに結婚詐欺師にその気持を利用されてしまいます。特に結婚適齢期を過ぎた30代以上の男女は「この人を逃したら、もう結婚できないかもしれない」という気持ちが強く出過ぎてしまうがゆえに、彼らからの「結婚しよう」という言葉に、コロッとだまされてしまいます。
それまで恋人に対して多少なりとも警戒していたのにもかかわらず、恋人の口から「結婚しよう」と言われた瞬間にそれまで見えていた恋人のアラを自分の”勘違い”と思い込んでしまい、結婚詐欺師のことを信じ切ってしまいます。恋は盲目とはよく言ったものですが、結婚詐欺の被害にあう人は、例外なくその心理をつかれ、お金をだまし取られてしまっています。
婚活などを行っていると、結婚を前提でのお付き合いをしているからこそ「結婚したい」という言葉を素直に受け取ってしまいがちですが、もしかするとその言葉は彼らの文字通りの”殺し文句”かも知れません。
4-1.あえて結婚を焦らして結婚詐欺師を見極めよう!
結婚詐欺師にとって狙ったターゲットから逃げられてしまうのは大損害です。彼らの狩りは「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」ではなく、どでかい獲物を一本釣りするマグロ漁業型です。お金を持っている人物に狙いを定めて、その人の好みを調べ上げ一本釣りする、という彼らにとって文字通り"逃げた獲物は大きい"のです。
いくら同時進行で他の女性にも結婚詐欺を働いていたとしても、何度も失敗が続くと彼らにとって大損害。そういった損害を減らすためにも、結婚詐欺師は早く成果を上げたいわけですが、ここであえてこちら側が焦らすと、あの手この手を使って結婚を迫ります。たとえばプレゼント攻撃だったり、今まであわせなかった恋人の友達に急にあわせてくれたり、両親にあわせてくれる……など、傍目で見ると「どうして、そんなに急ぐの?」と聞きたくなるぐらい焦って結婚しようとします。
もちろん、本当に結婚したい人の場合も、結婚することが目的になってしまい焦ってしまうことがありますが、そもそもあなたの気持ちを無視して結婚を急かす人にに良い人はいません。相手が結婚詐欺師ではないか、そして自分に本当にふさわしい相手かどうかを見極めるためにも、あえて結婚を焦らしてみるというのも1つの手かも知れませんよ?
5.証拠を残そうとしない
結婚詐欺師にとって困るのは、自分が残した証拠をもとに警察から捜査され逮捕されることです。だから、彼らは極力証拠を残そうとしません。免許書や保険証、パスポートといった身分証明書は頑なに見せようとしません。写真も撮影するとその写真から足がついてしまうことが考えられるので、「写真は苦手で……」となかなか写真を撮らせてくれないことすらあります。
スマホに送った写真。 1枚のメモ書き。 メールでの文面。これらすべてはすべて警察が逮捕する証拠となり得ます。だからこそ、彼らは極力そういった証拠を残そうとはしません。もちろん、お金をだまし取った証拠とも言える金銭要求の証拠や貸し借りの記録も基本的には残しません。
普通の他人相手であれば借用書を書かせたり、お金を借りたことを証明出来る書類を作成したりするものです。しかし、「将来結婚する人」にお金を貸すときには気にしないことのほうが多いでしょう。そういった人間の心理を巧みについて、彼らはお金をだまし取っているのです。
5-1.あえて借用書を書くケースに注意
「結婚詐欺師は証拠を残さない」と言いましたが、中には法律の"穴"をついて、お金を借りた際にわざと借用書を残すケースがあります。なぜ借用書を書くのかというと、借用書を書くことで警察に対して「お金を返す意思がある(あった)」と主張することが出来るからです。
前述の通り、詐欺罪が成立するには「欺罔行為(騙すこと)」が必要ですが、彼らが借用書を盾に、「わざわざ借用書まで書いたのだから、ちゃんと返すつもりだった(騙す意図はなかった)」と主張すれば警察では逮捕することが難しいのです。
ただし、弁護士は、法的根拠にのっとり、粛々とあらゆる手を使って、返金を請求するので諦める必要はありません。
5-2.恋人との思い出は残しておきましょう!
相手が結婚詐欺師の場合、基本的には証拠を残したがらないものです。 だから積極的に2人の思い出を形として残しておきましょう。恋人との思い出を綴った日記や手紙、ツーショット写真などは、裁判の際に十分な証拠になります。犯罪者を追い詰める武器にもなるのです。とりあえず万が一のことも考えて、2人の思い出は形にし、積極的に残しておきましょう。
結婚詐欺の特徴チェック表
これまで、結婚詐欺の手口や特徴を紹介してきましたが、ここではそれらを踏まえて結婚詐欺の特徴チェック表を作成しました。当てはまる数によって、あなたの恋人の結婚詐欺師度レベルがわかります。さっそくチェックしていきましょう。
- ①高学歴・高収入である
- ②頭・顔が良い
- ③ブランドモノを身につけている
- ④付き合うまでトントン拍子で進む
- ⑤羽振りが良く、お金を持っている
- ⑥理由をつけて写真に写りたがらない
- ⑦友人や両親に会わせない
- ⑧相手の友だちに違和感を覚える
- ⑨免許証を持っていないor見せない
- ⑩付き合って1年以内なのに「結婚したい」と言われた
- ⑪金銭要求・貸し借りの記録を残さない
- ⑫お金を借りる時にわざわざ借用書を書く
- ⑬メールよりも電話で話すことが多い
- ⑭お金を借してから連絡がつきにくくなった
- ⑮会う約束をよくドタキャンされる
いかがだったでしょうか? アナタの恋人に、結婚詐欺師の兆候はありませんでしたか?
結婚詐欺師レベル判定結果
- 0~4個:結婚詐欺師の可能性なし
- 5~8個:結婚詐欺師の危険度 中
- 9~15個:結婚詐欺師の危険度 大
チェックが0~4個程度なら、結婚詐欺師でなかったとしても、ありえるケースです。 少なくとも①.②.③だけなら、理想的な結婚相手なので、安心して良いでしょう。
また、チェック数は少ないものの、お金を返さなかったり、会う約束をドタキャンしたりする方も残念ながらいらっしゃいます。ここまで来るとダメンズの勢いですが、アナタからお金をだましとる意図はないでしょう……多分。
それでは5~8個チェックがついてしまった場合は、どうでしょう? 要注意ではありますが「絶対にコイツは結婚詐欺師だ!」と断定できるほどではありません。ただ貸したお金が返ってこないようならば次に「お金貸して」と言われても、お金は貸さないようにしましょう。
最後にチェックが9~15個ついてしまった場合。 もはや結婚詐欺師を疑わない方がおかしいレベルです……が、結婚詐欺師にぞっこんだと相手のアラが見えないことが多く、チェックリストがすべて埋まっても「私の彼は大丈夫だから……!」、とあえて見ないふりをする人もいるので、一端恋人であることを忘れて冷静に相手の行動の意図を考えるようにしてください。
結婚詐欺の逮捕事例
ここでは、2022年(令和4年)に入ってから結婚詐欺の容疑で逮捕された最新の事例を3つ紹介します。
まずは、「親族の病院代が必要」「借金の保証人として支払いをしなくてはならなくなった」という結婚詐欺の常套句を用いた事例です。
山口千春容疑者(28)はおととし、茨城県の50代の男性に「一生一緒に添い遂げる」と結婚をほのめかしたうえで、「母親をホスピスへ入れる費用を貸してほしい」などとうそを言って現金90万円をだまし取った疑いが持たれています。
既婚者でありながら婚活アプリを利用し、女性に結婚をちらつかせて約300万円をだまし取ったとして、福島県会津美里町の32歳無職の男が詐欺の疑いで逮捕された。
男は2020年5月上旬から10月にかけ、既婚者でありながら婚活アプリを利用。アプリの中で知り合った20代の女性に対し、「幸せにするから」「結婚したことはない」などと結婚を意識させるような言葉を投げかける。
その後女性に対し、「友人の借金の保証人になった」「母親がガンになり、入院費用が必要」などとウソをつき、約300万円をだまし取った疑いが持たれている。警察の取り調べに対し、男は「だます気はなかった」と容疑を否認しているという。既婚の32歳無職男、婚活アプリを利用し20代女性から300万だまし取る「だます気はなかった」と話す|ニフティニュース
次に、弊所にも数年前から多く相談が寄せられるようになった、投資勧誘を手口とした結婚詐欺の事例です。「二人の将来のためにも資産を増やそう」といった誘い文句には注意が必要です。
マッチングアプリで知り合った女性に結婚をほのめかして1億1500万円をだまし取ったとして、京都府警伏見署は9日、詐欺などの疑いで、東京都渋谷区の会社社長の男(34)を逮捕した。
逮捕容疑は昨年3月、当時、京都市伏見区に住んでいた女性(36)を外国為替証拠金取引(FX)投資に誘い、「やめたくなったら返金する」と虚偽の説明をして、計1億1500万円を自身の銀行口座に振り込ませてだまし取った疑い。結婚詐欺、36歳女性が1億1500万円被害 容疑の男逮捕、マッチングアプリで知り合う|社会|地域のニュース|京都新聞
結婚詐欺の被害にあった(かもしれない)場合の対処法
結婚詐欺にどのように対処すべきかは、被害者が何を望むかにより異なります。
相手を逮捕してもらいたいのであれば警察への被害申告が必要です。もっとも、詐欺事件は立証が難しく、また、民事で解決すべきトラブルと判断されやすいことから、被害届や告訴状がなかなか受理されない現実があります。また、仮に警察が動いてくれたとしても、警察はあくまでも被疑者を逮捕することが仕事ですので、金銭の取り戻しはしてくれません。
そのため、お金の回収を最優先事項と考えているのであれば、警察ではなくまずは弁護士に相談しましょう。結婚詐欺師との交渉に慣れた弁護士であれば返金させることも可能です。
相手との連絡手段が途絶えた、住所も職場もわからない…といった場合でも、弁護士照会や職務上請求といった権限を用いて身元を調べることが出来る場合もあります。また、相手を被害者に呼び出してもらい、待ち合わせ場所に待機していた弁護士がその場で返金交渉を開始するという方法もとれます。
弁護士が相手と交渉する際には、騙されたことを示す証拠があると有利になりますので、相手とのメールやLINEのやり取り、一緒に撮った写真、振り込み履歴がわかる通帳、借用書などできるだけ多くの証拠を残しておくようにしましょう。
また、警察と弁護士、どちらに相談するにしても、アナタが詐欺に勘付いたことが相手に伝われば姿を消してしまう恐れもありますので、今まで通りの対応で相手と接するようにしてください。
当法律事務所は、結婚詐欺で騙し取られた金銭の回収実績が多数あります。また、慰謝料請求や、場合によっては刑事告訴するなど、法的責任をとらせるための手続きも徹底的に行います。親身誠実に、依頼者のために全力を尽くすことをモットーとしておりますので、まずはお気軽にご相談ください。相談する勇気が解決への第一歩です。
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